【ラブライブ!】小泉花陽「何者かは……何者かです!」
- 2020.04.10
- SS

凛「はぁぁぁ、憂鬱だなぁ…」
花陽「凛ちゃん、そんなにため息ばっかりついてたら幸せが逃げちゃうよ?」
凛「だってー、せっかくの日曜日なのに真姫ちゃんの家で勉強会なんて…テンション下がるにゃー…」
花陽「でも頑張って次のテストで赤点取らないようにしないとライブにでられないよ」
凛「うぅー、分かってるよー。理事長も厳しいにゃ…」
花陽「私もできる限り手伝うから頑張ろう? そうだ、テストが終わったらどこか遊びに行こうよ」
凛「にゃー……」
ここあ「うわー、ひろーい!」キャッキャッ
こころ「す、すごいです…」
こたろう「ごうていー」
にこ「こら、三人とも。あんまり騒ぎすぎちゃダメよ?」
ここあ・こころ・こたろう「「「はーい(おー)」」」
にこ「悪いわね、勉強会なのに妹たち連れてきちゃって。ついていきたいって聞かなくてね」
真姫「いいわよ別に。元々の人数が多いんだから今更二人や三人変わらないわ」
穂乃果「ふふ」
真姫「なによ穂乃果」
穂乃果「そういってる割になんだかうれしそうな顔してるね真姫ちゃん」
真姫「はぁ!? 意味わかんない!」
海未「こら穂乃果。あまり真姫をからかうんじゃありません」
海未「そもそも今日の勉強会はあなたのためでもあるんです。しっかり勉強しなければいけませんよ?」
穂乃果「もー、分かってるよ海未ちゃん」
和木「今日はとっても賑やかですね」
真姫「和木さん」
和木「お嬢様がこんなにたくさんお友達をお連れになるなんていつぶりでしょう」
真姫「もう! 和木さんまで余計なこと言わないでよ!」
和木「ふふふ」
海未「あの……?」
和木「申し遅れました。私、和木と申します。西木野家(ここ)でお手伝いをさせていただいております」
真姫「和木さんには私が幼稚園にいた頃からお手伝いしてもらってるから、もう十年近いつきあいになるわね」
和木「奥様、旦那様、お嬢様には良くしていただいてます」
海未「そうでしたか。私は園田海未と申します」ペコリ
和木「ええ、存じておりますよ」
海未「え?」
和木「お嬢様は私に嬉しそうにお友達のことを話してくださいますので」
にこ・穂乃果「……へー」ニヤニヤ
真姫「和木さん! もうあっち行ってて!///」グイグイ
和木「うふふ、それでは皆さんごゆっくりどうぞ」
バタン
一応>>4の続きです(ノリが一緒なだけですが)
レスくれた人ありがとう
真姫「はぁ……最初はもっと堅い付き合い方だったんだけど、一緒にいるうちにあんな感じになっちゃったのよね」
穂乃果「へー」
海未「さて…それではそろそろ勉強会を始めたいところですが、花陽と凛がまだ来てませんね」
真姫「もうそんなにしないでくると思うわよ。とりあえず私達だけでも始めちゃいましょ」
穂乃果「いや……待つべきじゃないかな?」
真姫「? なんで?」
にこ「ええ、待つべきね。全員揃ってからの方がこう……気合いが入るっていうか」
海未「勉強したくないだけですよね?」
穂乃果・にこ「……」
海未「はい、勉強会始めますよー」
穂乃果・にこ「……はい」
こころ・ここあ・こたろう「……」ポツーン
こたろう「たいくつー」
ここあ「ねー、つまんないねー」
こころ「ここあ、こたろう。私達は無理を言って連れてきてもらったんだから、静かにしてなくちゃ」
ここあ「でもせっかく真姫お姉ちゃんの家に来てるのにー」
カチャ
和木「はい、どうぞ」
こころ「あ、さっきの…」
こたろう「かせいふー」
和木「お砂糖を多めに入れた紅茶ですから、飲みやすくて美味しいですよ」
ここあ「わーい!」
こたろう「ないすー」
こころ「あ、ありがとうございます」ペコリ
和木「はい、どういたしまして。ケーキも用意してありますから、後で持ってきますね」ニコッ
海未「始めてから五分もたっていないのですが……」
真姫「にこちゃん、ここ間違ってるわよ」
にこ「うぐ…年下に勉強を教えられるこの屈辱…」
カチャ
和木「皆さんもどうぞ」
海未「あ、すいません」
にこ「妹たちの分までありがとうございます」ペコリ
和木「いえいえ」
穂乃果「あの……ケーキがあるって本当ですか?」
海未「穂乃果…あなたダイエット中ですよね?」
穂乃果「うぐ……ちょっとくらいいいじゃん!」
海未「あなたの場合ちょっとじゃすまないでしょう!?」
穂乃果「海未ちゃんの鬼! 変顔大王!」ダッ
海未「ちょ、穂乃果!? 二つ目のはなんですか!?」
和木「……お嬢様のお友達は元気いっぱいですね」
真姫「元気がありあまりすぎてるのよね」
凛「着いちゃったにゃ…」
花陽「もー、凛ちゃん? いつまでも落ち込んでちゃダメだよ?」
凛「…うん。分かったにゃ。凛も覚悟を決めたよかよちん」
花陽「うん、その意気だよ凛ちゃん」
ピンポーン
カチャ
真姫「いらっしゃい二人とも」
花陽「お邪魔します」
凛「にゃー……」
真姫「凛はテンション低そうね」
花陽「凛ちゃん、今覚悟決めたばっかりだよね?」
凛「いざ真姫ちゃんの顔を見るとこれから勉強しなきゃいけないんだなぁ…って思って。凛の覚悟が揺らいだにゃ」
真姫「あなたケンカ売ってるの?」
花陽「ま、まぁまぁ。とりあえず二人とも中に……」
バッターーーーーン!!
まきりんぱな「!?」
花陽「い、家の中からしたよ!」
凛「急いで行くにゃー!」ダッ
――キッチン
真姫「あ、皆こんなところにいたのね」
和木「お嬢様」
凛「何かあったの海未ちゃん?」
海未「ええ、まぁ少し…」
穂乃果「きゅぅ…」
真姫「穂乃果がのびてる…?」
こころ「穂乃果さん、大丈夫ですか!?」
こたろう「ほのかー」ピコピコ
ここあ「おーい、穂乃果お姉ちゃーん」ユサユサ
凛「なにこれ、どういう状況なの?」
にこ「見なさい、口と手にケーキのホイップがついてる。そして台の上に置いてある空のケーキ箱…」
海未「ケーキをつまみ食いした後に足を滑らせたようですね」
凛「穂乃果ちゃん……」
真姫「はぁ……まったく人騒がせなんだから。とりあえず穂乃果の手当てを…」
花陽「果たしてそうなのかな?」
凛・真姫「え?」
真姫「まさか、あなたまた……」
花陽「確かにぱっと見の犯人は穂乃果ちゃんで間違いないでしょう」
凛「じゃあ穂乃果ちゃんでいいんじゃないかにゃ?」
にこ「そうよ花陽。穂乃果以外ありえないでしょ?」
花陽「……いいんですか? 凛ちゃん、にこちゃん」
凛・にこ「?」
花陽「このままこの事件が解決してしまえば……」
花陽「残り20レス以上、全部勉強会になりますよ!?」
凛・にこ「!?」
海未「それが本来の目的ですよ!?」
花陽「まだ終わらせるわけには行きません……この簡単な事件」
花陽「私が33レスもたせてみせます!」
その名も、33レス探偵スクールアイドル・小泉花陽。
次々と繰り出される推理にガンガン増える一方の容疑者。
その果てに真犯人は見つかるのか、見つからないのか……
※只今10レスです。
花陽「まずは状況を整理しましょうか」
花陽「事件発生時、家の中にいたのは穂乃果ちゃん、海未ちゃん、にこちゃん、ここあちゃん、こころちゃん、こたろう君、そしてお手伝いの和木さんですね」
花陽「初めまして。真姫さんの友達の小泉花陽です」ペコリ
和木「え? あ、はい。初めまして」
真姫(花陽…あの衣装どこから持ってきたのかしら)
凛「……あれ? 海未ちゃん、希ちゃん達は?」
海未「ええ、ことりが仕上げを頼んでおいた衣装をお店に受け取りに行ったので、一人じゃ大変だろうということで希と絵里は付添いに行ってくれています」
海未「真姫がいればにこの勉強の面倒も見れますからね」
凛「にこちゃん…」
にこ「な、何よその目は! あんただって同類でしょ!?」
花陽「はい! はい! 注目! ちょっと私の話を聞いてくださいね!」パンパン
和木(お嬢様のお友達は面白い方が多いなぁ)
海未「状況と言われましても……」
海未「私は穂乃果が突然走り出していってしまったので、後を追っていました」
海未「しかし見失ってしまい一度リビングに戻ろうか思案していた時、凄い音がしたんです」
海未「音の方へ向かってみると台所で穂乃果が大の字になっていて……」
花陽「ふむ。現場に不審な点はありませんでしたか?」
海未「不審な点ですか。……あ、そういえば床がやけにツルツルになっていましたね」
花陽「! それです!」
海未「え?」
花陽「犯人は穂乃果ちゃんがダイエット中だということを知っていて罠にかけたのです! ケーキを餌に台所におびき寄せ床に仕掛けたトラップで穂乃果ちゃんの命を……!」
和木「あ、すいません。キッチンの床は私が掃除したばかりでしたので滑りやすくなっていたんだと思います」
花陽「……!」クワッ
和木「!?」ビクッ
凛「かよちん、顔、顔」
にこ「アリバイっていってもね、全員リビングにいたわよね?」
真姫「まぁ勉強会やってたわけだしね」
凛「こころちゃん達も?」
こころ「はい、私たちは皆さんの勉強を邪魔しないように少し離れた別のテーブルに座ってました」
ここあ・こたろう「「うん(おー)」」
和木「私も皆さんにお茶をお出ししていましたからリビングにおりました」
花陽「ふむふむ…」
にこ「ほら、全員アリバイありでしょ?」
花陽「いえいえ。穂乃果ちゃん以外で一人だけリビングを離れていた人がいるじゃないですか」
にこ「え?」
花陽「そうでしょう? 第一発見者の……海未ちゃん」
海未「!?」
花陽「ライブに向けて穂乃果ちゃんのダイエットプランまで練った海未ちゃんは激しい怒りに駆られます」
花陽「『私があれほど言っておいたのにあなたと言う人は……!』」
花陽「海未ちゃんは背後からそっと穂乃果ちゃんに近づき、手刀で穂乃果ちゃんを気絶させる」
花陽「海未ちゃんの力を持ってすれば穂乃果ちゃんの意識を刈り取ることなど容易。凶器も残りません」
花陽「そして置いてあったケーキは駅前で一日限定数十個のお品。濃厚なクリームとジューシーなフルーツが醸し出す絶妙のハーモニー……海未ちゃんが食べたくなるのも無理はありません」
こころ「えぇっ!? ケーキは海未さんが食べてしまったんですか!?」
ここあ「ぶーぶー!」
こたろう「ずるー」
海未「いやいやいや! 違いますよ!」
凛「かよちん、ケーキのこと詳しいにゃ~」
真姫「多分食べたかったんでしょうね」
花陽「そういう…ことですね?」
海未「違います!!」
海未「色々突っ込みどころはありますが……穂乃果が転んだ音がした後、皆さんすぐに台所にきたじゃないですか」
海未「穂乃果にホイップを塗りたくる暇なんてないでしょう」
真姫「そうね。音がしてから私たちがキッチンに行くまで多分1分もかかってないわ」
にこ「さすがにその間に終わらせるのは無理でしょうね。そもそもホイップ塗りたくったら何かしら証拠が残るだろうし」
花陽「……なるほろ」
花陽「海未ちゃん。おにぎりは後で用意しますので」
海未「は、はぁ」
花陽「では、犯人は五人に絞られるわけですね」
にこ「あんた、こころ達がやったっていうの!?」
こころ「わ、私達は食べてないですよ花陽さん!」
ここあ「そうだそうだー!」
こたろう「おー」
真姫「和木さんもありえないでしょ」
和木「は、はい…」
花陽「……全員リビングにいた、ですか」
花陽「果たして、本当にいたんでしょうか?」
「「「え?」」」
海未「本当にいたのか、って…いたに決まってるじゃないですか」
にこ「もしかしてあれ? 周りの目を盗んでこっそり台所に向かったとかそういうの?」
真姫「花陽、それは無理でしょ。リビングから誰かいなくなれば絶対誰か気づくわよ」
凛「うんうん。ここのリビング広いし…皆目が届くよ」
和木「私も誰かが途中でいなくなったというのは…ないと思いますが」
花陽「単純なトリックですよ」
花陽「顔が似ているということを利用した、ね」チラッ
こころ・ここあ・こたろう「「「!?」」」
花陽「そして更に背丈が似ている三人なら、判別は困難を極めます」
花陽「そこでまずこころちゃん、ここあちゃん、こたろう君の内、二人は台所へ向かう」
凛「二人いなくなった分はどうするの?」
にこ「そうよ。三人とも確かにリビングにいたわよ」
花陽「簡単な話です。残った一人が三人分を演じればいいんですから」
真姫「一人が、三人を?」
海未「花陽、そんな荒唐無稽な話ありえませんよ。どうやって一人を三人に見せるんですか」
花陽「……とび」ボソッ
海未「え?」
花陽「反復横跳びですぅっ!!」
「「「……!?」」」
花陽「反復横跳び反復横跳び反復横跳び反復横跳び……やがて生まれる残像…」
凛「反復横跳び世界チャンピオン誕生にゃ」
花陽「残像が二つ生まれればもう完璧。傍目にはこころちゃん、ここあちゃん、こたろう君がいるようにしか見えません」
真姫「そうは見えないんじゃないかしら」
花陽「後は台所に向かった二人がケーキを食べ、二人がかりで穂乃果ちゃんをやっつけて…ホイップを塗りたくる」
花陽「穂乃果ちゃんはダイエット中でパワーが足りなかったから、幼児に負けてもおかしくはないでしょう」
花陽「そして台所についたところで反復横跳びをやめれば…あたかも三人一緒にいたように思わせることができる」
花陽「これでアリバイ工作もばっちり。自分たちの特徴を生かした見事なトリックですね」
海未「反復横跳びしてた子がケーキ食べられてないんですが…」
にこ「あ、あんたねぇ……」
ここあ「めちゃくちゃだよー…」
こたろう「えんざいー」
こころ「面白い推理だとは思いますが、花陽さん。その推理には一つだけ穴がありますよ」
花陽「むむ?」
こころ「なくなったのは丸ごと一つのホールケーキです。いくら二人いるからといって、私たちが全部食べきるのは無理ですよ」
真姫「こころちゃん、突っ込むところそこじゃないわ」
凛「というか穂乃果ちゃん食べすぎにゃ」
花陽「……」
花陽「おにぎり、楽しみにしててね三人とも」ニコッ
こころ・ここあ・こたろう「「「はい(わーい)」」」
花陽「となると、ふむ……」
花陽「……」
海未「花陽?」
凛「あ、もうネタがなくなったみたいにゃ」
和木「あ……あの、皆さんお茶でも飲みませんか? 推理の方も一度間を置いた方が閃きが湧くと思いますし」
花陽「ぜひ」
真姫「和木さん。フォロー入れなくてもいいのよ」
和木「それではごゆっくりどうぞ」ペコリ
――
凛「かよちん、さすがに今回は33レスもたすのは無理だって」ズズ
花陽「いや、まだまだいけるよ私は」
真姫「凛はもたせてもらった方がいいんじゃない? 勉強したくないみたいだし」
凛「う……」
真姫「まったく。元はといえば三バカが赤点取らないようにするための勉強会だっていうのに…」
凛「さ、三バカ!?」
にこ「それは聞き捨てならないわよ真姫!」
海未「落ち着いてください。ファンの方にも言われてるんだから否定できないでしょう」
にこ「く、くぅ~……」
凛「何も言えないにゃぁ…」
穂乃果「ぐぅ~……」
花陽(ここを一瞬で移動できるような道具をあれば…)
花陽(……まさか…!)
~~~
ガチャ
?「うわぁすごいや! 扉を開いたら別の場所に瞬間移動できちゃった!」
?「ありがとうド○えもん!」
~~~
花陽「……ど」
凛「? かよちん。何か言った?」
花陽「何でもないよ」
prrrrrr……
和木「……はい、そうです」
和木「ええ。お嬢様のお友達が……はい」
和木「分かっています……私の不手際ですから」
和木「…はい、はい。必ず」
和木「もう……約束しますよ」
和木「絶対に、誰にも渡しません」
和木「必ず……手に入れてみせますから」
和木「はい。それでは」
ピッ……
和木「……」フゥ…
真姫「花陽?」
花陽「ちょっと出てくるね。誰も外に出ないように見張っててもらえるかな」
凛「どこ行くのかよちん?」
花陽「情報を集めてくる」
――
花陽(容疑者と考えられる人物はもうあの人しかいない)
花陽(しかし、何故あの人が?)
花陽(もし私の予感が正しければ今回の事件は悲しく深い、愛憎の物語……)
花陽(それでも犯人を追いつめるためにはまだ確たる証拠が存在しない)
花陽(そのための情報を求め、あの人たちを訪ねた)
フミコ「今ならスマイル千円のところ、半額でーす」
ミカ「あれ、花陽ちゃん」
花陽「……情報が欲しいです」
ヒフミ「……例の、ケーキ事件だね」コソッ
花陽「家政婦の、和木さんについて聞きたいんです」
ヒデコ「ご一緒にー、ポテトはいかがですかー?」
フミコ「今ならスマイル千円のところ、三割引きでーす」
ミカ「花陽ちゃんもどう?」
花陽「……」つおにぎり×3
ヒフミ「……」スッ…
ヒフミ「和木さんは西木野家に仕え始めてもう十年以上。真姫ちゃんとも真姫ちゃんのご両親とも良好な関係を築いてる」
ヒフミ「ただ、最近少し寂しさを感じていたらしいよ」
花陽「寂しさ? なんでですか?」
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
フミコ「今ならスマイル千円のところ、千円でーす」
ミカ「花陽ちゃんもどう?」
花陽「……」つおにぎり×3
ヒフミ「……」スッ
ヒフミ「真姫ちゃんはμ’sに入ってから、普段の勉強に加えて、ダンスの練習や作曲で相当忙しくなった」
ヒフミ「だから以前と比べて一緒に話をする時間が大幅に減ってしまって、嬉しいような寂しいようなって心境だったみたい」
花陽「……ふむ、やはり私の睨んだ通りでしたか」
花陽「ありがとうございました」ペコッ
ヒフミ「…」グッ
ウィーン
ヒデコ「ご一緒にー、ポテトは……あれ?」
絵里「はぁ…はぁ…」
フミコ「生徒会長。どうしたんですか?」
絵里「……迷子になった時の対処法、教えてもらえるかしら」
ミカ「携帯で連絡入れたらどうでしょう」
真姫「帰ってきて早々ね」
にこ「だーかーら、犯人は穂乃果でしょ? ケーキ食べた後足滑らせて気絶した。これが全てでしょ」
海未「しかし起きませんね穂乃果」
穂乃果「ス…すぴー……」
花陽「…皆の目はごまかせても、私の目はごまかせませんよ…」
花陽「真犯人は――あなたです、和木さん!」ビシッ
和木「わ、私ですか?」
真姫「はぁ…一番ありえないでしょ。和木さんはうちの家政婦よ?」
花陽「では、ここで皆さんに聞いておきたいのです」
花陽「和木さんは、どんな顔をしていますか?」
こころ「どんな顔って言われても…」
ここあ「えー、っと…えっとぉー…」
こたろう「?」
和木「……」
真姫「何言ってんのよ。和木さんの顔は……顔は……あれ?」
花陽「どうですか。今日が初対面の人も、十年来の付き合いの真姫ちゃんも、上手く言い表せないでしょう」
花陽「これが和木さんが他の容疑者と決定的に異なる点であり、今回のトリックの種でもあるんです」
花陽「和木さん、あなたはここにいる中で唯一……」
花陽「映像化されていない……!!」
「「「!!?」」」
花陽「あなたは最初からリビングにはおらず、台所に潜む」
花陽「そしてあなたの代わりに何者かが皆にケーキがあるとの情報を流す。和木さんの顔はふわっとしてるので家政婦っぽい恰好をしていれば誰と入れ替わっていても誰も気づかないでしょう」
花陽「ダイエット中の穂乃果ちゃんは当然の如く台所へ向かう」
花陽「そしてケーキに夢中になっている穂乃果ちゃんを背後から一撃……! 穂乃果ちゃんにホイップを塗りたくり、足を滑らせたように見せかけるために床をきれいにしておく」
花陽「後は自分を演じていた何者かと入れ替わるだけですね」
花陽「映像化されておらず素顔があやふやなあなたにしか使えないトリック……見事という他ありません」
凛「何者か……?」
真姫「色々言いたいことはあるけど……何者かって誰よ?」
花陽「……何者かは」
穂乃果「……」グー
にこ「……」
こころ「……」ハラハラ
ここあ「……」ドキドキ
こたろう「しゃくかせぎー」
花陽「……何者かですっ!!」
「「「……!!?」」」
真姫「……うん」
凛「よく言ったよー、逆に」
真姫「ケーキが目的じゃないなら、なんで和木さんが穂乃果を襲うのよ?」
凛「うーん、確かに動機がないにゃ」
花陽「……和木さん、あなたは…真姫ちゃんがμ’sに入ってから寂しい思いをしていたようですね」
和木「……!」
真姫「……え」
花陽「あなたと真姫ちゃんは付き合いが長い。会話の機会が減って、真姫ちゃんをとられたような気になったのでは?」
花陽「会話の機会が減った原因…アイドル活動。そして真姫ちゃんをそこへ引き入れた穂乃果ちゃんのことが、憎くなったのではないですか?」
花陽「誰にも渡したくはない最愛の人。だから復讐を誓った。真姫ちゃんを、自分だけの物にするために……」
和木「……」
真姫「和木さん……」
和木「そのことに寂しさを感じていなかったと言ったら嘘になります」
花陽「…凛ちゃん、手錠を「しかし!!」
和木「お嬢様のお友達を憎んだことは一度もありません。むしろ、私は感謝しています」
海未「感謝、ですか?」
和木「皆さんと一緒に過ごすようになって、お嬢様は本当に変わりました」
和木「十年間付き合ってきて見たことのないくらい素敵に、素直に…ご自分の感情を表せるようになっていったんです」
和木「お嬢様とお話しすることが前にもましてずっと楽しみになるくらいに、です」
和木「私もそんなお嬢様の顔を見ることが出来て本当に幸せで、嬉しいんです」
和木「ですから、お嬢様のお友達を傷つけるようなことなどありません」
ギュッ…
和木「! お嬢様…」
真姫「和木さん…私も、私も和木さんに皆のことを話すのが……楽しみで仕方ないの」
真姫「…これからも、よろしくね///」
和木「…はい、もちろんです」ニコッ
にこ「グスッ……なによ…いい話じゃないのよぉ…」
こころ「うぅ…涙が止まりません……」グスグス
ここあ「うわーん! 泣けるよぉぉ…」
こたろう「……かんどー」
花陽「まぁ…違うんじゃないかとは思ってましたけどね」
凛「嘘でしょかよちん」
穂乃果「う、うう~ん……」
凛「あ、穂乃果ちゃん起きたにゃ」
穂乃果「ん、凛ちゃん? あれー、さっきまで美味しいケーキをいっぱい食べてたのに」
穂乃果「もしかして夢だったり?」
海未「いえ、現実です」
穂乃果「……海未、ちゃん?」ダラダラ…
海未「ダイエット中にも関わらずあれほどの量を、しかも人様のお家にある物を無断で食べた。そうですね?」
穂乃果「だ、ダイエット中だったから余計美味しそうに見えた……といいますか」
海未「穂乃果ァッ!!」ダッ
穂乃果「ご、ごめんなさーい!!」ダダッ
花陽「……」
凛「やっぱり穂乃果ちゃんだったんだね」
花陽「……」スゥー…
凛「なんでやりきったって顔してるのかよちん」
ピンポーン
カチャ
ことり「お邪魔しまーす。ごめんね、おそくなっちゃって」
希「絵里ちが途中で迷子にならなければなぁ…」
絵里「み、皆勉強の方はどう!? 進んでる?」
凛「あ、三人とも」
花陽「さぁ、どうぞ」
ホカホカホカ~
にこ「おお~」
こころ「す、すごいです!」
ここあ「おにぎりの山だー!!」
こたろう「にぎりー」
花陽「疑ってしまったお詫びです。お米は魚沼産ですよ。和木さんもどうぞ食べてください」
和木「すいません、いただきます」
prrrrr…
和木「あ、ちょっと失礼します」
和木「もう、分かってます奥様! そう何度も電話されても困ります!」ピッ
真姫「今の……ママ?」
和木「はい。実はあのケーキすごく楽しみだったみたいでして……早くもう一個買ってきてって何度も電話がくるんです」
穂乃果「ほ、本当にすいませんでした……」ボロッ
海未「まったくです。よく反省してください」
凛「かよちんがいつも通り暴走しただけにゃ~。衣装はどうだった?」
ことり「うん、ばっちり。凛ちゃん達もこの分なら勉強ばっちりだよね?」
にこ・穂乃果・凛「……」ピタッ
ことり「……あ、あれ?」
にこ「わ、私はちゃんと勉強しようとしたのよ!? でも穂乃果がケーキをつまみ食いしてそれから…」
穂乃果「わ、私!? ケーキはつまみ食いしたけど勉強には関係ないよね!?」
凛「か、かよちんにゃ! かよちんが探偵ごっこ始めたから時間が……!」
にこ「そ、そうよ……花陽!」
花陽「今回の事件も無事に33レスもたせることが出来ましたしかし世にはまだまだもたせなければならない事件が沢山あるでしょう私はもたせてみせますどんなことをしてもどんな代償を払っても33レス分それが私33レス探偵スクールアイドル小泉花陽の~~~」
凛「うわぁ! 無理やり〆ようとしてるにゃ!」
穂乃果「ちょっと花陽ちゃん! 何とか言ってあげてよー!」
希「まぁまぁ」
にこ「の、希?」
希「こういう時は――」
希「全員まとめて……ワシワシの刑やん!!」
ワシワシワシワシワシワシワシワシワシワシ……!!
ウワァァアァァァニコォォォォォォニャァアアアアアァァァピャァァアァァァァァァ……!!
―FIN―?
和木さんについては真姫ちゃんのSIDを参照
読んでくれた人ありがとうございました
すごいな
面白かった
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