【ラブライブ!】まきりんぱな「レッツ、たこパ!」
- 2020.04.12
- SS

―――真姫、凛、花陽の3人で仲良くお昼ご飯を食べ終わった後
―――花陽がある提案をしたのでした
花陽「ねぇ、今度の土曜日、久しぶりに『アレ』しない?」
凛「お、それはもしかして『アレ』のことだね、かよちん!」
花陽「そう、『アレ』だよ『アレ』!」
凛「そっか『アレ』かぁ、久しぶりだね~」
りんぱな「むふふふ……」
真姫「……『アレ』?」
真姫(部外者の私には一切わかんないじゃない……)ムスーッ
凛「あっ、真姫ちゃんがすっかり置いてけぼりな顔してる」
花陽「ハッ、ご、ごめんなさい!」
真姫「いいのよ、気にしないで。で、その『アレ』ってのは何なの?」
凛「たこパだよ!」
真姫「た、こ、ぱ?」
凛「すっごく楽しいんだよ! たこ焼きを『じゅわじゅわー』の、『くるくる』ってするの!」
真姫「『じゅわじゅわー』の、『くるくる』……」
凛「表面は『かっりかり』の、中は『ふんわふんわ』なんだよ!」
真姫「『かっりかり』の、『ふんわふんわ』……」
凛「お口に入れたら、『はっふはっふ』で、ついつい『ふーっふーっ』しちゃうんだから!」
真姫「『はっふはっふ』で、『ふーっふーっ』。……って」
真姫「擬音で説明されてもわかりにくいわよ!」ペシッ
花陽「真姫ちゃんは、たこ焼きパーティー、したことある?」
真姫「……無いわ。たこ焼き自体は食べることはあるけど」
花陽「じゃあ、今度の土曜日、真姫ちゃんが用事とか無かったら、一緒にどうかな?」
凛「1人よりも2人よりも、3人でやれば楽しさ3倍増しにゃ!」
真姫「……そうね、せっかくのお誘いだもの。用事も無いし、もちろん、参加させてもらうわ」
花陽「やったっ!」
りんぱな「それじゃあ、3人で……」
りんぱな「れっつ、たこパ!」ビシッ
真姫「たこパ……(わざわざ右手を突き上げていうことなのかしら……?)
―――真姫は、身支度を終え
―――花陽の家に向かおうとしていました
真姫「それじゃあ、行ってきます」
真姫母「ええ、気をつけて。花陽ちゃんのご家族に迷惑をかけないようにね」
真姫「わかってまーす」ガチャッ
コツコツコツ
真姫(途中、コンビニで何かジュースでも買っていこうかしら。あとお菓子とかも)
真姫(あんまりたくさん買い過ぎても、余らすだけになるかもしれないからほどほどにしとこ……)
―――コンビニでジュースとお菓子を買い
―――大きなビニール袋と、着替えの入ったバッグを持ちながら
―――真姫は、花陽の家の前に着きました
ガチャッ
花陽「真姫ちゃん、いらっしゃい」
真姫「こんばんわ。これ、ジュースとお菓子買ってきたんだけど……」
花陽「うわぁ、ありがとう! いま私、材料を切ってるところだから……お部屋でちょっと待っててもらえるかな?」
真姫「何か、手伝うことはあるかしら?」
花陽「いいのいいの、真姫ちゃんはお客様なんだから。お部屋で凛ちゃんと一緒にくつろいでて、ね?」
真姫「……それじゃあ、そうさせてもらうわ」
―――玄関を上がり
―――居間でくつろぐ、花陽の家族に挨拶をして
―――真姫は2階の
―――花陽の部屋のドアをノックしました
ハイッテルニャー
真姫「知ってるわよ」
ガチャッ
凛「真姫ちゃん、いらっしゃ~い」
真姫「こんばんわ、……あなたは既にグダグダモードね」
凛「う~ん、こたつが悪いよ~、こたつが~」
真姫「はい、これジュースとお菓子」
凛「ありがとにゃ~、その辺に置いといて~」
真姫「はいはい。……って、ここ花陽の部屋でしょ。まるで部屋の主みたいな態度とっちゃって」
凛「かよちんのお部屋は凛のお部屋であり、凛のお部屋はかよちんのお部屋でもあるんだよ」
凛「つまり表裏一体にゃ~」グデーン
真姫「……意味わかんない」
―――上着を脱いで綺麗にたたみ
―――こたつに入ると
―――いつしか真姫もこたつの魔力に魅了され
―――凛と真姫はお互い、グダグダと花陽が上がってくるのを待っていました
―――そして
ハイッテルニャー
ハイッテルワー
花陽「うん、知ってるよ」
ガチャッ
花陽「コタツムリさんたち、お待たせ! たこ焼きパーティーの準備ができたよ!」
凛「待ってました!」ガバッ
真姫「ふわわぁ……こたつってほんと、恐ろしいわ」ガバッ
花陽「いま、材料を運ぶからね」
―――お盆の上に載せられた、生地の入ったボウルと、ネギとキャベツが盛られたボウル
―――天カスや紅しょうがの入れられた小鉢
―――そして主役の、タコの入ったお皿
―――その他、たこ焼き用ソースやマヨネーズ、サラダ油、青海苔と鰹節など
―――そんな材料を目の当たりにして、凛や真姫のテンションが上がらないわけがありません
―――ただ真姫は、その材料の中に紛れているおもちや、キムチやチーズが気になりました
花陽「それは後になってからのお楽しみ、だよ」
真姫「ふぅん……(付けあわせとか、箸休めみたいなものかしら)」
凛「は、早く焼こう! 焼こうよかよちん! 早くしないとお腹と背中がくっついちゃうよ!」
花陽「待って。その前にホットプレートを温めないと」
―――こたつテーブルの上のたこ焼き用ホットプレートに熱を入れ
―――予熱をかけると
―――花陽は、真姫の買ってきたジュースをコップにそそぎ
―――凛と真姫に手渡し
―――最後に自分のコップに注ぎ終えると
―――コホン、と咳払いを1回して、花陽が喋り始めました
凛「うん!」
真姫「えぇ」
花陽「それでは、これより乾杯の音頭を取らせていたただきたいと思います」
花陽「皆さん、グラスを上に上げて……」
花陽「乾杯!」
まきりん「かんぱーい!」チーン
ゴクリゴクリ
凛「……ぷは~、生き返るにゃ~!」
花陽「ふふ、凛ちゃんってば、まるでお父さんみたい」
真姫「おじさん臭いわね、凛」
凛「それはひどいよ、真姫ちゃん! ねぇねぇもうホットプレートの方いいんじゃないの~? 早く焼こうよ~」
花陽「そうだね、そろそろいい頃加減かな? それじゃあ、油を引いちゃおっか」
―――生地が、順々に小さな丸い窪みに流し込まれ、先に引いた油に触れてジュワーッ、と音を立てると
―――凛と真姫から小さく歓声が上がりました
―――窪みのスレスレまで流し込まれた生地の中に、主役のタコとネギ、キャベツ、天カスと紅しょうがが入れられ
―――生地が窪みから溢れ出ると、また小さく歓声が上がりました
花陽「まぁまぁ、焦らないで凛ちゃん。『アレ』をやるには、まだもうちょっと、生地が固めになるまで待たないと」
凛「あ、それもそうだね」
花陽「もう、凛ちゃんのあわてんぼさん」
りんぱな「むふふふ……」
真姫(また、2人がツーカーの仲を見せつけてくるわ……)ムスーッ
真姫「……で、今言ってる『アレ』って、今度は何を指しているの?」
凛「今にわかるよ!」
花陽「……いい感じに生地が固まってきた。そろそろかな?」
花陽「では、参ります」
―――目つきをキリッ、っと変えると
―――ホットプレートの、生地が固まりかけた、まだたこ焼きとは言えない状態の塊を睨みつけ
―――両手の千枚通しで、それを滑らかにひっくり返していくのでした
花陽「」クルクル
ジュワジュワー
花陽「」スッスッ
花陽「」クルクル
ジュワジュワー
花陽「」スッスッ
花陽「」クルクル
ジュワジュワー
真姫「す、すごい……。無言ですごい早さでたこ焼きを綺麗にひっくり返していくわ……」
凛「形を崩すことなく、手首のスナップを効かせて、綺麗にたこ焼きを『くるくるりん』とひっくり返す、奇跡の高速千枚通しさばき」
凛「今のかよちんは、職人、といっても過言ではないよ!」
真姫(確かに、アイドルのことを熱く語る花陽の目とは、また違った花陽の目をしてるわね……)
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
―――という言い方は大分誇張ではありますが
―――鷲の鉤爪、ならぬ千枚通しで、獲物を、ではなくたこ焼きに変わる前の生地を、荒々しく、いや優しい手さばきで、ある程度丸みを帯びさせるようにひっくり返し
―――1度、ホットプレート全てのたこ焼きをひっくり返すと、また最初にひっくり返した生地に千枚通しを引っ掛けます
―――2回目の返しで、少し球体に近づいた形を徐々に整えていって、ホットプレート全体のたこ焼きの生地を返し終えると
―――3回目、焼き色をつけるため、少し時間を置いてから、完全にたこ焼きと呼べる形にすべく、千枚通しを入れていきます
―――丁寧に、たこ焼きの姿にしていく様子を
―――凛と真姫は、見つめていました
―――そして、花陽がふぅ、と息を吐いて、満面の笑みで千枚通しをテーブルに置くと
―――きつね色にこんがり焼け上がった、まん丸なたこ焼きが完成しました
凛「いつ見ても、かよちんすごいにゃー!」パチパチパチ
真姫「えぇ、ほんとに。お店の人みたいな手つきだったわ」パチパチパチ
花陽「えへへ……」カオテレー
花陽「さぁ、冷めないうちに食べましょうっ!」
まきりん「うんっ!」
―――たこ焼きをそれぞれのお皿に取って
―――たこ焼きソースとマヨネーズをかけ、青海苔と鰹節をパラパラと振りかけると
―――青海苔の香りと、鰹節の香りとが、たこ焼きの熱気と共に鼻腔をくすぐり
―――3人の空腹を刺激するのでした
まきりんぱな「いただきまーす!」
アーン
ハムッ
凛「はっふ!はっふ!」
真姫「ふーっ、ふーっ!」
モグモグ
モグモグ
ゴックン
まきりん「……ふぅぅ」ジュースグビー
凛「てへへ……」
真姫「ほんとに美味しいわ……。外はかりっかりで、中はとろけるくらい、ふんわふんわで、ね」
凛「タコもプリップリだしね!」
花陽「タコは、スーパーの鮮魚担当の人が、オススメしてたの、買ってきたんだ」
花陽「生地も、焼いたときにふわふわになるように、工夫して作ったしね」
―――楽しくお喋りをしながら食べていると
―――見る見るうちに、たこ焼きは無くなって
―――花陽は、次のたこ焼きを作りにかかりました
花陽「次は趣向を変えまして、変り種シリーズに入ろうと思います!」
凛「イェーイ! イェーイ!」
真姫「……変り種シリーズ?」
花陽「せっかくのたこ焼きパーティーだもん。普通のたこ焼きだけじゃ、つまらないでしょ?」
花陽「というわけで、ここで私の買ってきたおもちとキムチとチーズと」
凛「凛の持ってきたベビースターの登場にゃ」
真姫(ここでさっき聞いたおもちやキムチが出てくるのね)
凛「そういえば、真姫ちゃんはお菓子は何買ってきてくれたんだっけ?」ゴソゴソ
真姫「え、ポテトチップスとかポッキーとかチョコレートとか、だけど……」
凛「それじゃあチョコ入れちゃおう」ゴソゴソ
まきぱな「!?」
真姫「それは流石に駄目でしょ!?」
花陽「うーん、それはちょっと合わないと思うけど……」
凛「『やってみなければわからん!』って言うよ? 美味しいかもしれないよ!」
真姫「正気なの!?」
凛「凛の味覚は伊達じゃないよ!」
花陽「ま、まぁ。とりあえず1個だけ。端っこの鉄板の方でわかりやすく焼くから。お野菜とか入れなかったら、合うかも知れないから……」
真姫「ちゃんと凛が食べるのよ?」
凛「美味しくってもあげないからね!」ベーッ
―――おもちと、キムチチーズと、ベビースターと
―――そしてチョコレートの入ったたこ焼きが、焼かれることが決まりまして
―――さっきのように、職人と化した花陽が
―――高速千枚通しさばきを見せ、変り種たこ焼きを焼き上げたのでした
花陽「……たこ焼き、焼けたよ!」
真姫「タコは入ってないから、たこ焼き、っていうのもおかしくない?」
凛「丸くてたこ焼き器で焼いてれば、たこ焼きだよ多分」
真姫「そういうものかしら?」
花陽「それでは……」
まきりんぱな「いただきまーす!」
花陽「まずはおもち入りをいただいちゃいますっ!」
ハムッ
花陽「んふ~、おもちのもっちもちな食感と、たこ焼きのふわふわーって食感が、合わさっていいお味になってまふ~」モグモグ
花陽「このおもちも、国産のもち米を使ったサトウさんのところのおもちだから、この組み合わせが美味しくないはずがないんです!」
花陽「もしかしたらタコより美味しいかも、ふふ~」
真姫「もはや、たこ(もち入り)焼き派ね」
真姫「私は、キムチチーズ入りをいただくわ」
アーン
ハムッ
真姫「……ちょっとキムチが辛いけど、チーズがまろやかだから中和してくれて」モグモグ
真姫「ほどよく辛味と酸味だけが残って、絶妙だわ」
真姫「私もこっちの方が好きかも」
凛「凛はベビースター入り、食べちゃうよ!」
ハムッ
凛「ベビースターは単品で食べてももちろん美味しいけど」モグモグ
凛「こうやってたこ焼きに入れても美味しいにゃーっ!」
凛「ベビースターのパリポリ食感そのままのたこ焼き、なんだか贅沢な一品にゃ!」
花陽「贅沢、なのかな……?」
―――おもち入りとキムチチーズ入り、ベビースター入りたこ焼きを堪能した3人
―――残りは、凛が急遽入れると言ったチョコレート入りのみ、となりました
凛「よーし、それでは、いただきます」
花陽「」ドキドキ
真姫「」ジーッ
アーン
ハムッ
凛「……」モグモグ
凛「……」ムグムグ
凛「……」ングング
花陽(あ、ちょっと顔が険しくなった)
ゴクン
凛「……」
花陽「ど、どうだったの?」
凛「……」
凛「ごめん、凛の味覚は伊達だったよ」
真姫「でしょうね」カミノケクルクル
花陽「……デザートとして食べるんだったら、ホットケーキミックス生地で作った方が、いいかもね」
真姫「チョコレートはチョコレートとして食べるのが1番、ってことね」
凛「……人類はこうやって、失敗を糧に1歩ずつ進んでいくんだね」
真姫「何虚ろな目をして悟ってるのよ」
―――第3弾は、ノーマルのたこ焼きと、余ったおもちやチーズキムチを入れたミックスのたこ焼きを焼くことにした花陽
―――見事な手さばきで焼き上がったたこ焼きを、はふはふ、と口に頬張る凛と真姫
―――途中、「ご飯取ってくる」と、1階の台所から、3人分の白いご飯をよそって戻ってきた花陽
―――山のように盛られたご飯を見て
―――凛と真姫は、思わず小さなげっぷが出てしまいました
―――気づけば、たこ焼きもご飯も完食し
―――3人は、こたつで寝転がるように、仰向けになっていました
凛「炭水化物をおかずにご飯を食べるのは、反則にゃあ……」
真姫「お腹の形がだいぶ変わったわ……」
凛「こんな光景、海未ちゃんが見たら絶対『食べたあとに寝転がってはいけません! 牛になりますよ!』って言うよね」
花陽「ふふっ、今、すごく海未ちゃんに似てたよ」
真姫「『こんなに体重を増やして! ステージ衣装が着られなくなったらどうするのですか! ダイエットです!』とも言われそうね」
凛「今のは似てなかったよ」
真姫「ヴェェェ……」
花陽「でももしそうなったら、3人で怒られて、頑張ってランニングすればいいよ」
花陽「私たち、1年生仲良し3人組なんだから」
凛「それも、そうだね」
真姫「ふふっ、そうね」
花陽「……よいっしょっと」スクッ
花陽「それじゃあ、私はホットプレートとか片付けるから、凛ちゃんと真姫ちゃんはゆっくりしててね」
凛「凛も手伝うよ」スクッ
真姫「私も手伝うわ」スクッ
花陽「大丈夫だよ、これくらい……」
真姫「何言ってるのよ、友達の家にお呼ばれしてるんだから、これくらいはやっぱり手伝わないと」
凛「そうだよ! たこ焼き、全部かよちんが作ってくれたんだから。何でもするから、何でも言ってよ」
花陽「……ありがとう、2人とも」
花陽父「ただいま」
花陽母「お帰りなさい、休日出勤ご苦労様」
花陽父「本当に疲れたよ……。ん? 靴がいつもよりも多いな……」
花陽母「今日は花陽のお友達が遊びに来てるのよ」
花陽父「あぁ、凛ちゃんと……あともう1人いるのかい?」
花陽母「ええ、真姫ちゃんよ」
花陽父「あぁ、西木野さんのところの娘さんか」
花陽父「通りで、台所の方から賑やかな声が聞こえてくるわけだ」
花陽母「あの子たちったら、自分たちで使った食器だけじゃなく、私たちの夕飯で使った食器も片付けてくれてるのよ」
花陽父「ほほぅ、それは感心、感心」
花陽母「本当に、いいお友達を持ったわね、花陽」
―――その夜の小泉家の台所は
―――いつもよりも賑やかで
―――笑い声が溢れていました、とさ
――――Fin――――
優しい雰囲気でよかった
乙
ほのぼのSS久しぶりに読んだせいでなぜか涙出てきたわ
乙
おつ
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