【ラブライブ!】真姫「ことり、怒ってみてよ」
- 2020.04.12
- SS

穂乃果「だ、だってぇ……家の手伝いがあったから……」
海未「だってもなにもないです!宿題をする時間も十分にあったでしょう!」
穂乃果「うっ……」
海未「しかも何故ことりに宿題を見せてもらっているのですか!?」
穂乃果「こ、ことりちゃんが見せてくれるって言うから……」
海未「何度も言っていますが、ことりは穂乃果に甘すぎですっ!」
ことり「あはは……」
真姫「……」
ことり「おじゃまします。えへへ、真姫ちゃんの家久しぶりだなぁ」
真姫「ことり、今日私の家に呼んだのには理由があるの」
ことり「なぁに?」
真姫「ことり」
ことり「へ?」
真姫「怒ってみてよ」
ことり「ま、真姫ちゃんことりに何かしたの?」
真姫「いいから」
ことり「そ、そんなこといきなり言われても困るよぉ」
真姫「……」
真姫「……私はね、穂乃果と海未ちゃんほどではないけど、ことりと小さい頃からの仲じゃない?」
ことり「うん……」
真姫「小さい頃からことりは表情豊かだったと思うわ。笑って、泣いて……まぁ泣き虫だったから笑うことより泣くことの方が多そうだったけど」
ことり「それを言うなら真姫ちゃんの方が泣いてたような……」
真姫「そっ、そんなことないわよ!」
ことり「えへへ、可愛かったよね、昔の真姫ちゃん」
真姫「そ、そうかしら」
ことり「今でも可愛いよ?」
真姫「う、うるさいー!」
真姫「こほん、でね、そんな表情豊かなことりだけれど……あんまり怒らないじゃない?」
ことり「えー、そうかなぁ」
真姫「そうよ。だから見てみたいって思うのが普通じゃない?」
ことり「でもいきなり怒れって言われても難しいよ……」
真姫「“振り”くらいなら出来るでしょ?」
ことり「う、うーん……」
真姫「ほら、はやくしなさいよ!」
ことり「ぅ、うう……こ、こらぁー!」
ことり「うぅ……」
真姫「ことり、さっきのはなに?」
ことり「これが精一杯だもん……」
真姫「だめよ、ぜんっぜんだめ。もっと怖さを引き出さなきゃ」
ことり「えっ、えと、こ、こらぁぁぁ!」
真姫「だから怖くないのよ!」
ことり「こっらぁぁぁぁぁ!」
真姫「怖くない!」
ことり「ちゅーーーーーん!!!」
真姫「もっと!」
ことり「ちゅんちゅんちゅーーーーーん!!!」
ことり「はぁ……はぁ……もう限界です……」
真姫「全くと言っていいほど怖くなかったわね……」
ことり「ごめんね……」
真姫「謝ることないけど……もしかしたらことりは怒るっていう感情がないのかもね」
ことり「あるよ!……多分だけど」
真姫「ふーん……」
ことり「あ、あんまり信じられないかもだけど……ことりだって怒るもん」
真姫「なら怒った時は……私に見せてね」
ことり「そんなこと出来るかなぁ……」
真姫「約束よ?」
ことり「う、うん……」
ことり(ど、どうしよう……)
ことり「……うーん……」
穂乃果「……ことりちゃん、どうしたの?」
海未「何が悩み事ですか?」
ことり「あのね……ことりって……怖い?」
穂乃果「え……全然怖くないよ!ね、海未ちゃん」
海未「はい。ことりはいつでも可愛らしいというか……怖さとは縁が無さそうな感じですが」
ことり「そっか……」
穂乃果「だから安心して!ことりちゃんは怖くない!」
ことり「ち、違うの。逆に怖くなりたいっていうか……」
海未「……? どういうことです?」
ことり「あのね……」カクカクシカジカ
海未「真姫ももの好きですね」
穂乃果「穂乃果、ことりちゃんに何回か怒られた気がするけどなぁ……」
ことり「その時のこと覚えてないかな?」
穂乃果「うーん……思い出せないや!」
ことり「そっか……」
海未「ことりもちゃんと怒るっていう感情はあると思いますよ」
ことり「ほんと?」
海未「はい」
海未「えぇ。ことりは優しいですから……」
ことり「そ、そんなことないよ」
穂乃果「ことりちゃんは優しいよ!」
海未「穂乃果を甘やかしすぎな時もありますが……」ジロッ
穂乃果「な、なんのことかなー……あはは……」
ことり「じゃあどうしたら怒れるのかな?」
海未「難しいですね……」
穂乃果「えー!海未ちゃんしょっちゅう怒ってるのに!?」
海未「穂乃果?」ギロッ
穂乃果「じ、冗談だよー」
ことり「してみたけどダメだったの」
穂乃果「え、やってみてやってみて!」
ことり「え、ええ!?……うーん……こらっ!穂乃果ちゃんっ!」キッ
穂乃果「怖くないね……」
海未「はい、まったく……」
ことり「やっぱりかぁ……あれから練習してたんだけどなぁ」
海未「練習ですか?」
ことり「うんっ。鏡の前で怖い顔の練習してるの」
海未「どんな風にですか?」
ことり「えっとね……真姫ちゃんっ!ダメでしょっ!」キッ
海未「……」
海未「むしろ微笑ましいというか……」
ことり「そんなぁ……」
穂乃果「もう真姫ちゃんに『怒れません!』って言っちゃったら?」
ことり「でも真姫ちゃんに会う度にね『今日は怒れそう?』ってキラキラした目で聞かれるから……夢壊すようで言えなくて」
海未「それは言えませんね……」
ことり「だよね……」
穂乃果「う、うーん……あ!そうだ!いい事考えた!」
ことり「え?」
穂乃果「今日海未ちゃんの家行こう!そしたら大丈夫だよ!」
海未「……はい?」
海未「……で、どうするのですか?」
穂乃果「じゃじゃーん!これみよっ!」
ことり「DVD?」
穂乃果「うんっ!海未ちゃんのお母さんのだよ!」
海未「それは分かってます」
穂乃果「これちょっと昔のヤクザ映画なの!」
海未「……それも分かってます。少し前お母様がハマっていましたからね。私が聞きたいのはそのDVDを観てどうするのですかという事です」
穂乃果「だってヤクザ映画だよ?怒った人たくさんでてくるから……ことりちゃんの参考になるかなーと」
海未「また何を……」
ことり「それいいね穂乃果ちゃん!ことり、頑張るよ!」
海未「えぇ……?」
ことり「……」ウツラウツラ
真姫「ことり?」
ことり「うわぁっ!?……ま、真姫ちゃんかぁ」
真姫「何驚いてるのよ……練習の前なんだから部室にいるのは当然でしょ」
ことり「あ、そ、そうでした……」
ことり(結局借りて帰って、夜通しで映画観てたから眠いよぉ……)
真姫「ぼーっとしてるけど、寝不足?」
ことり「あ、えっと……」
真姫「あ、もしかして怒れるの?」
ことり「い、いやぁ、それはまだ……」
ことり(眠くて今日はそれどころじゃないし……)
ことり「う、うん……ごめんね?」
真姫「まぁいいわ。急ぐことじゃないもの」
ことり「あ、ありがとう」
真姫「別に。さ、着替えに行きましょ」
ことり「うん……」
ことり(……はっ!待って、今もしかしたら絶好のチャンスなんじゃ……)
ことり(2人きりだし、なにより今日のことりは昨日の映画がインプットされてる状態……!うん、今しかないっ!)キッ
真姫「ことり?いかないの?」
ことり「おいっ!」ガタッ
真姫「へっ……きゃあ!」
ことり「おんどれ、さっきからチュンチュンうるっせぇんだよわれぇ!キックとパンチかますぞごらぁ!おやつにされてぇのか!?あ?」
ことり「ふぅ……こんな感じで……」
バサッ
ことり「へっ?」クルッ
凛「あ、あああ……」
花陽「ひ、ひいっ……」
ことり「あ……凛、ちゃん……花陽ちゃん……」
凛「ご、ごめんなさーい!」ダッ
花陽「だれかたすけてーっ!」ダッ
ことり「ま、待ってっ!」
バタバタバタ……
シーン
ことり「あ……」
バタバタバタ…
真姫「……」
真姫「……は、はぁぁぁ……」
真姫「びっくりした……」
真姫(……でも)
真姫(こ、こういうのもいいかも……///)
真姫ちゃんが歪んだ性癖に目覚めるのは、また別の話である
おしまい
微笑ましいことまきが崩れそうだったからおわる
ことりちゃんは怒るっていうより泣くイメージだなあ
観覧車を揺らすしかないな
怖いどころか可愛いけど
絶対かわいい
ホノカチャン、座って!座って!いいですか?ホノカチャン!
観覧車を揺らしてはいけません!
それは安全のためにみんなが守らないといけない常識です!
ほんとかわいい
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