【ラブライブ!】ルビィ「Aqours」善子「釣りガール部」花丸「結成」
- 2020.04.22
- SS

花丸「どうしたの?」
善子「この辺りは魚釣りをしている人が多いのね」
ルビィ「この辺りはお魚が好んで寄り付きやすい地形に恵まれてるから魚釣りをするにはいいスポットが多いんだよ」
花丸「ルビィちゃん詳しいんだね、まるで経験談みたい」
ルビィ「もう何年もやってないけど、昔はお父さんに連れて行ってもらってたんだ」
ルビィ「えっ? そうだな~、釣れなくて暇な時間はつまらなく感じる人もいるかもしれないけど」
ルビィ「ルビィはぼんやりと海を眺めてるのも好きだったし、お魚が釣れると嬉しいし楽しかったな」
ルビィ「それに釣ったお魚は新鮮で自分で釣ったっていう嬉しさもあって、とても美味しく感じるし」
善子「そ、そうなの?」ゴクリ
花丸(美味しいお魚、食べたいずら)ゴクリ
善子「少しあるわ、海産物が豊富な土地に住んでいるのだから一度くらいは経験してみてもいいんじゃないかなって」
ルビィ「それなら都合のいい日を作ってやってみる? 本格的なのは無理だけど初心者でも簡単な釣りならルビィでもレクチャーできるよ」
善子「是非ともお願いしたいわ」
ルビィ「マルちゃんはどうする?」
花丸「マルもやってみたい、ルビィちゃん、お願いしてもいいかな?」
ルビィ「もちろんいいよ、じゃあね釣具はこっちで用意するから二人に持ってきて欲しいものは……」
ルビィ「二人ともおはよう、ルビィが言ったものは忘れず持ってきてる?」
花丸「抜かりはないずら、まずは帽子!」
ルビィ「この時期に直射日光を頭に受け続けるのは危ないからね、帽子は必須だよ」
善子「それから、日焼け止め!」
ルビィ「うん、これは気にする人だけでいいけどプロじゃないといってもルビィ達はアイドル、日焼け対策はしないとね」
ルビィ「でもこれは行く前から用意しなくても道中でコンビニとかに寄って買っていけばいいよ、って言いたいところだけど、ここ内浦だとそれも難しいよね」
ルビィ「それと個人の好みでどんな飲み物を用意してもいいけど、できれば炭酸飲料は避けた方がいいかな」
花丸「どうして炭酸飲料はダメなの?」
ルビィ「普段は飲み物が温くならないようにこの釣れたお魚を入れるクーラーボックスに飲み物も入れておくんだけど」
ルビィ「お魚がたくさん釣れてスペースがなくなったりすることもあるから」
ルビィ「そうなると飲み物はクーラーから出さないといけなくて、常温になった炭酸飲料は飲むの辛いよ?」
花丸「確かにそれは飲みたくないずらね」
ダイヤ「花丸さん善子さん、おはようございます」
花丸「ダイヤさん、おはようございます」
善子「おはよう、今日はルビィを借りてくわ」
ダイヤ「お二人とも今日が魚釣りは初めてとのことなので、ルビィの指示に従って安全には十分に気を配ってくださいね」
花丸「はい、わかっています」
善子「今日は任せたわよ、リーダー」
ルビィ「ルッ、ルビィがリーダー!?」
花丸「今日はマル達、ルビィちゃんにどこまでもついて行くずら」
ルビィ「……わかった、それじゃ今日はルビィが二人のリーダーをがんばルビィ!」
ダイヤ「釣り場まではここから自転車で少し走れば着く距離ですわ、善子さんは自宅からここまでバスで来てもらいましたので」
ダイヤ「この先はわたくしの自転車をお貸しいたします」
ダイヤ「それではみなさん、頑張ってくださいね」
ルビィ「よ~し、みんな出発だよ~!」
よしマル「おーっ!」
花丸「潮風が気持ちいいずら~」
善子「眺めもよくてこれだけでも来た甲斐があると言っていいわね」
ルビィ「そうだよね、こうして海を眺めているだけでも日々の疲れが癒されるよ」
善子(黒澤家のご令嬢ともなると私達にはわからない苦労でもあるのかしら)
ルビィ「じゃあ順番に説明していくね、まずは竿、これを操って仕掛けをコントロールすることから始まって」
ルビィ「穂先っていう先端の部分でお魚のアタリ、お魚がエサを食べたりした時に伝わる揺れのことだよ、それを感じ取ったり」
ルビィ「お魚が針に掛かって暴れている時に竿のしなりがクッションになって糸への衝撃を直接伝わらないようにして、糸を切られにくくする役目があるよ」
花丸「なるほど~、先の方が柔らかいのにはそういう理由があるんだね」

ルビィ「それとドラグっていう上部にあるツマミを緩めると一定の負荷が掛かった時に糸を巻いているスプールっていう部分が逆回転して糸が出ていく仕組みになっていて」
ルビィ「竿のしなりを利用しても糸が耐えられないようなお魚が掛かっても、ドラグを調整して糸が出ていくようにしておけばさらに切られる可能性を減らすことができるんだ」
善子「竿のしなりだけではどうしようもない場合でもリールの機能を使えば逃げられないで済むってわけね」
ルビィ「今日の狙いは小アジだからドラグが必要な場面はないんだけどね、これが竿とリールの基本的な役割だよ」

花丸「装飾のついた針がたくさんずら」
ルビィ「それとこれ」
善子「カゴ? どうやって使うの?」
ルビィ「まずはサビキをリールの糸と繋いで、反対側にカゴをつける」
善子「ふむふむ」
ルビィ「これで完成だよ」
花丸「たったのこれだけ? あっという間に準備が終わったね」
花丸「コマセっていうのは?」
ルビィ「コマセっていうのは匂いや濁りを作ってお魚を集めるためのエサのことで、寄せエサなんて呼ばれ方もするよ」
ルビィ「今日用意したコマセがこれ」
善子「2種類あるわ」
ルビィ「アミエビっていう小型のエビのようなプランクトンの塊でサビキのコマセといえばこれで決まり、冷凍保存しないとダメな物と常温でも大丈夫な物の2種類だよ」
ルビィ「それぞれのメリットとデメリットを説明するね」
ルビィ「まずは冷凍の方、常温に比べて集魚効果(※個人的な感想)と価格は優れてるけど、保存するのに冷凍庫が必要なのと使うのに解凍しないといけなくて」
ルビィ「匂いが強いから手に付いたりするとアルコールのウェットティッシュで拭いても簡単には匂いが落ちないよ」
ルビィ「次に常温の方、こっちは冷凍に比べて集魚効果と価格は劣るけど、冷凍も解凍も必要ない手軽さと」
ルビィ「袋の端を切って生クリームを絞る要領でコマセが出せるから手に匂いがつくことがなくなるよ」
花丸「一長一短、どっちにも良い面悪い面があるんだね」
ルビィ「今日は解凍ができてないから先に常温の方を使って、その後で冷凍の方を使うようにしようね」
ルビィ「最初は多めにコマセを撒いてお魚に気付いてもらうことから始まるよ」
ルビィ「カゴにギュウギュウに入れちゃうとコマセの出が悪くなるから8分目くらいで入れるのをやめて」ギュー
ルビィ「カゴを海に向けたらリールのリングになっている部分、ベールっていうんだけど、ここを起こすと糸のストッパーがなくなるから」
ルビィ「カゴの重みで仕掛けが海底に落ちていくよ、でもカゴをドボンと落としちゃうと音でお魚が逃げていくから」チャポ
ルビィ「糸をつかんでカゴの着水音が鳴らないようゆっくり落としてあげるといいかな」
ルビィ「さらに1回くらいハンドルを回してカゴを海底から少し浮かせる」クルクル
ルビィ「そうしたらシャクるっていう竿を上下に動かす動作をしてカゴのコマセを出してあげるの」キュッ スー
ルビィ「シャクりを5回くらい繰り返すとカゴのコマセがなくなるから仕掛けを回収してコマセを入れ直して海底に落として撒く」
ルビィ「まずはこの作業を5回くらい続けることになるよ、二人もやってみて」
ルビィ「えっとね、善子ちゃん、パッケージをよく見て、何か書いてない?」
善子「何か? う~ん……あったわ! 竿側、下側ってパッケージ用紙に書いてあるわね」
ルビィ「その竿側とリール、下側とカゴを繋ぐのが正解だよ、ほとんどのサビキ仕掛けに書いてあるからそれを目印にしてね」
善子「わかったわ」
花丸「うん、後はコマセを入れたら終わりだよ」
ルビィ「じゃあ善子ちゃんの準備が終わるまでに水汲みをしようか」
花丸「ロープを結んだバケツを使うの?」
ルビィ「うん、これを海に落として海水が溜まったら、ロープを引っ張ってバケツを回収」
ルビィ「この時に飲み物をそのまま入れておくと容器についた海水が口に流れてきてお魚の生臭さと塩味がついた飲み物なっちゃうから」
ルビィ「買ったお店のビニール袋に飲み物を入れて海水が入らないように縛っておいてね」
ルビィ「次の二杯目はお魚を掴んだり手を拭くタオルを濡らして、残りは冷凍のコマセを入れる容器に入れてコマセを解凍するのに使って」
ルビィ「最後の三杯目、これはこのまま釣れたお魚の一時的な入れ物と手洗い用として使うよ」
ルビィ「みんな準備ができたからコマセを撒いていこうか、3人もいるから撒くのは3回でいいと思うよ」
ルビィ「二人はこの間に音を立てないカゴの落とし方を練習しようね」
善子「糸を掴んで……ゆっくりと……」スルスル
ルビィ「そうそう、上手だよ善子ちゃん」
花丸「カゴが海中に入ったら糸を離して海底まで落とす」シュルル
善子「糸が出なくなれば海底だから糸がピンと張るまでリールのハンドルを回して」クルクル
花丸「そこからさらに1回転ほど回してカゴを海底から少し浮かせる」クルクル
ルビィ「完璧だよ二人とも、後はシャクりを入れてコマセを撒いちゃおう」キュッ スー
花丸「竿を」スー スー
善子「上下に」スー スー
ルビィ「その調子その調子」
善子「3回目よね?」クルクル
ルビィ「それでは、次はいよいよお魚を釣るステップだよ」
ルビィ「カゴを浮かせるところまでは同じだけど、シャクるのは1回」キュッ スー
ルビィ「そうしたら仕掛けを動かさずにしばらく待つ、この時にカゴから出たコマセと針が同じ所にあるのが理想と言われているよ」ピタッ
ルビィ「どういう事かと言うと、この針をコマセと勘違いさせてお魚に食べさせて釣るのがサビキ釣りなの」
善子「魚をまんまと騙してやるわけね」
ルビィ「う~ん、善子ちゃん手を左右に振り続けてみて」
善子「? こう?」フリフリ
ルビィ「マルちゃん、善子ちゃんの手を捕まえてみて」
花丸「えっ? え~っと……えいっ! 」スカッ
善子「フフフ、そんな速度で捕まえようだなんでこのヨハネも甘く見られたものね」
花丸「やっぱり動いてるものを捕まえるのは難しいよ」
ルビィ「そうだよね、それはお魚も同じことだよ、ゆらゆらと動く美味しそうなエサを見つけて狙っていても喰いつくチャンスがない」
ルビィ「だから仕掛けを止めることでお魚が針に喰いつけるチャンスを作ってあげるの」
花丸「なるほど、そういうことずらか」
ルビィ「これをさっきと同じで5回くらい繰り返したらカゴのコマセがなくなってるから仕掛けの回収を……!」クンクン
花丸「ルビィちゃんの竿が下に向かって引っ張られてるずら!」
ルビィ「掛かったみたい、お魚がアジだとしたら口が薄くて弱いから強引に引っ張ったりすると口が切れて逃げられちゃうよ」
ルビィ「そうならないようにリールはゆっくりめ、だけど糸がたるまないように巻いて」クルクル
ルビィ「感覚を掴むのが難しいと思うけど、竿先からカゴまでの仕掛けの長さと竿の長さが同じくらいになったら」
ルビィ「竿を真上にゆっくり向けるとこっちに仕掛けが飛んでくるから」
ルビィ「カゴの少し上辺りの糸をキャッチ、アジが海面から出てからの作業でもたつくと暴れるアジの重さで口が切れるなんてこともあるから」パシッ
ルビィ「ゆっくりだけど手際よく、それが重要だよ」
善子「い、いきなりそんなにたくさん説明されても」
花丸「とてもじゃないけど覚え切られないずら」
ルビィ「アハハ……実際にお魚が掛かってからのやり取りで少しずつ慣れていこうね」
善子「……ねえ、ずら丸? ルビィは調子よく釣れてるのに私達はまだ0匹、この差ってなんだと思う?」
花丸「マルにもわからない、こういう時は素直に聞くのが一番だよ」
花丸「ルビィちゃん、マル達全然釣れないんだけど、どうしたらいいのかな?」
ルビィ「えっと……まずは二人のやり方を見せてもらえるかな?」
善子「やってることはルビィと同じはずよ、底まで落としたカゴを浮かせてシャクる」スー スー
花丸「5回くらい繰り返したら……」スー スー
ルビィ「二人ともそこだよ」
ルビィ「そうじゃなくてシャクり方、上下を同じスピードで動かすじゃなくて」
ルビィ「上げるときはキュッと鋭く、下げるときはスーっとゆっくり、動きに緩急をつけるとお魚により興味を持たせられるよ」
花丸「動きに緩急……!」クンクン
善子「キュッと鋭く、スーっとゆっくり……!」クンクン
よしマル「きたっ!」クルクル
ルビィ「二人とも慌てないで巻くのはゆっくりね、そうそう、そのくらいで竿を立てて、やった! 釣れたよ二人ともおめでとう!」
花丸「うん、マルもまだ実感わかないけど」
ルビィ「コツさえわかればこっちのもの、今の動きを忘れなければまたすぐに釣れるよ」
善子「そうね、これからいっぱい釣ってみせるわ」
花丸「マルも善子ちゃんに負けないよう頑張るずら」
ルビィ「もう一つアドバイスだよ、アジは基本的には海底付近を泳いでいるけど、絶対にそうってわけでもないから」
ルビィ「釣れない時はカゴを海底から浮かせる量を多くしてみるのも有効だね」
ルビィ「それから釣れたアジは水汲みバケツに入れて数が増えたり弱った個体がいたら全部クーラーに移す」
ルビィ「釣れる度に入れようとして開け閉めを繰り返すとクーラーの冷気が逃げちゃうからね、なるべく開ける回数は少ない方がいいよ」
花丸「マルは10匹くらいかな? 善子ちゃんは?」
善子「私も同じくらいよ、どうやら二人してまたルビィ先生の教えが必要みたいね」
花丸「ルビィちゃん、もう30匹くらいは釣ってるよね、見てるとマル達は1匹ずつしか釣れないのに」
善子「ええ、ルビィの場合は2匹、3匹と一度に釣り上げていることが多いわ」
花丸「この仕掛け針が6本も付いてるし、きっと一度に何匹も釣るコツがあると思うずら」
善子「そのコツを教えてもらいましょう、リーダー! ルビィリーダー、ヘルプよ!」
善子「私とずら丸は1匹ずつしか釣れないのにルビィはそうじゃない、この差が何かを知りたいの」
ルビィ「そうだね、二人とも随分と慣れてきたし追い食いについて教えるよ」
花丸「追い食い?」
ルビィ「追い食いっていうのはサビキにお魚が掛かってもすぐに回収しないで、2匹3匹とサビキに掛かるのを待つことをいうの」
ルビィ「今から実践してみるよ、まずは1匹目が掛かるまではいつも通りに」クンクン
花丸「掛かったずら」
ルビィ「この時に掛かったお魚が暴れるとサビキの針も一緒に暴れることになるよね?」ググン
ルビィ「その動きが誘いになって近くにいるお魚も針を食べようとするの」グググン
善子「またアタリがあったわ」
ルビィ「これで3匹かな? あまり待ちすぎても先に掛かったお魚が逃げちゃうことがあるから、ここでも待つのは15秒くらいにしておいたほうがいいよ」クルクル
花丸「ちゃんと3匹掛かってる、マル達も1匹だけしか釣れないのから卒業しよう」
善子「もちろんよ、ルビィを追い越すつもりで頑張るわ」
ルビィ「二人ともがんばルビィだよ」
花丸「そろそろいいかな? 回収して……!? 凄い! 4匹も掛かってるずら!」
善子「甘いわね、ずら丸! こっちを見てみなさい!」
花丸「ずらっ!? 6本の針全部に掛かってる!?」
善子「パーフェクトはルビィにもできていないわ、今日のMVPはいただきよ!」ブラブラ
ルビィ「よ、善子ちゃん、そんな風に空中で遊ばせてなんかいたら……」
善子「え?」ポチャンポチャン
善子「あーっ! 私のアジが!」
花丸「マッ、マルと同じで……フフッ……4匹に……フフッ」プルプル
ルビィ「善子ちゃん……フフッ……ドンマイだよ」プルプル
善子「……」プルプル
善子「もーっ! どうしてこうなるのよーっ!」
ルビィ「たくさんいるね、これだけ釣れたらもう食べるには十分な量だと思うよ」パカッ
花丸「それじゃあ今日はこれでおしまい?」
ルビィ「うん、日が昇ってほとんど釣れなくなってきたし後片付けをして帰ろうか」
ルビィ「仕掛けを外して、竿を畳んで……」
花丸「地面に落ちたコマセは海に洗い流して……」
善子「出したゴミはきちんと持ち帰る!」
ルビィ「後片付け完了だね、釣れたお魚はお姉ちゃんが料理してくれるって言ってたから二人とも食べていってね」
花丸「釣りたて新鮮なお魚料理、楽しみずら~」ゴクリ
善子「ずら丸、よだれ垂れてるわよ」
ダイヤ「おかえりなさい、どうやら良い釣果だったみたいですわね」
ルビィ「えっ? どうしてわかったの?」
ダイヤ「みなさんのその顔を見れば聞かなくてもわかります、今日は暑かったので汗もたくさんかいたでしょう?」
ダイヤ「料理はわたくしに任せてみなさんはシャワーを浴びて汗を流してきてください」
善子「手伝わなくてもいいの?」
ダイヤ「お客様に手伝わせるわけにはいきませんわ、出来上がるまでルビィの部屋でくつろいでいてね」
花丸「お言葉に甘えさせてもらいます」
花丸「お風呂に入ってる間に部屋がクーラーで冷やされてるずら」
善子「至れり尽くせりね」
ルビィ「後は料理ができるのを待つだけ」グテー
善子「本当に何もしなくていいのかしら、私達」グテー
花丸「ダイヤさんがいいって言ってたし、それにマルはもうこの部屋から動く気力がないずら」グテー
ルビィ「今日は最初は調子良かったけど帰る頃には全然釣れなくなってたよね?」
花丸「うん、なんでかなってマル不思議に思ってたずら」
ルビィ「お魚も人間と一緒でご飯の時間があるの」
ルビィ「まずは明け方と夕方、この二つの時間帯は朝マヅメ、夕マヅメと呼ばれてチャンスタイムだよ」
ルビィ「次に潮の満ち引き、海水はだいたい6時間周期で増えたり減ったりしてて」
ルビィ「増えることを満ち潮、減ることを引き潮、どっちにも動かないことを潮止まりっていって」
ルビィ「この潮止まり前後の動き出しと止まりそうな時、ここもお魚の食事タイムになるよ」
善子「朝夕が重なることは不可能だけど、水位の動きと朝夕なら重なることができるわね」
ルビィ「いいところに気付いたね、朝夕と潮が重なった時は大チャンスだよ、逆に言うとそこで何も釣れないならその日はもう……」
ルビィ「まずは潮止まりだね、この時間帯に釣れることはほとんどないよ」
ルビィ「それとこれはお魚の種類によって様々だけど太陽の具合、日が出てる方がいい、登りきる前がいい、夜行性で夜じゃないとダメ、色々といるよ」
花丸「今日のアジはどうだったの?」
ルビィ「アジの場合は朝夕が一番かな、曇り空なら日中でも大丈夫だけど、カンカン照りだとあまり期待できないかも」
ルビィ「それと水深が一番低い時でも5m以上あるような釣り場なら問題ないけど」
ルビィ「3mを切ると引き潮に乗ってアジが沖に行っちゃうこともあるから」
ルビィ「そういう釣り場は満ち潮を狙って釣りをするといいよ」
ルビィ「お姉ちゃん今開けるね」ガチャ
ダイヤ「お待たせしました、アジといえばやっぱりフライですわよね」
ルビィ「わぁ~」
花丸「アジのフライがこんなにも」
善子「お店ではお目にかかれない光景ね」
ダイヤ「ソースとタルタルソースを用意しましたので、お好みの方で召し上がってね」
花丸「ありがとうございます」
ルビィ「それじゃ早速~」
よしマルビィ「いただきます!」パクッ
花丸「こ、これは……」
善子「凄っ……」
よしマルビィ「おいしーっ!」
善子「カリッとした衣の中の身はフワフワ柔らかな食感で」
花丸「噛みしめると口一杯にアジの旨味が広がるずら」
ルビィ「小アジだから一口で口に収まっちゃう大きさなのにしっかりと脂も乗ってて」
よしマルビィ「しあわせ~」
ダイヤ「喜んでいただけたようでなによりですわ」
ルビィ「ルビィ達が釣ってきたお魚、お姉ちゃんにも食べてほしいな、はい、アーン」
ダイヤ「んっ……おいしいわ、これもみなさんが頑張って釣ってきてくれたおかげよ」
花丸「それを言うなら調理をしてくれたダイヤさんのおかげでもあるずら」
善子「そうよ、これはここにいる全員が力を合わせた結果なのよ」
ダイヤ「花丸さん、善子さん、その通りですわね、それではみんながいたからできたこの料理、残さずいただきましょう」
花丸「はぁ~、とても美味しかったずら~」
善子「自分で釣った魚は美味しく感じる、ルビィの言っていた通りね」
ルビィ「二人とも初めての釣りは楽しかった?」
善子「最高だったわ、楽しいし美味しいしなんで今までやってなかったの? って感じよ」
花丸「マルも楽しかったずら、ルビィちゃん他にも初心者でも簡単な釣りってないかな? 」
ルビィ「他? 他かぁ……う~ん」
善子「ハゼ? どんな魚なの?」
ダイヤ「ハゼは最大でも25cm程にしかならないと言われる小型の魚で、今釣れるのは10~大きくても15cm程」
ダイヤ「冬場には20cm以上にまで成長した個体を釣ることができるらしいのですが、わたくしはそのサイズのハゼを見たことはほとんどありません」
ダイヤ「ハゼがなぜ入門に最適かと言うと、今は岸から10m以内の浅場に群れていること、エサを見つけると我先にと飛びついてくることが理由とされます」
花丸「それで味の方はどうですか?」
ダイヤ「ハゼといえば外せないのが天ぷらですわ、そしてそれ以外にも唐揚げ、塩焼き、お刺身、甘露煮、仙台では焼き干しにしてお雑煮のダシとしても使うとか」
ダイヤ「とにかくどんな料理でも美味しく食べることのできる魚と言えますわね」
花丸「どんな料理でもおいしい」ゴクリ
善子「ルビィ! ハゼよ! ハゼ! 次はハゼを釣りに行きましょう!」
花丸「天ぷら、唐揚げ、塩焼き、想像しただけでもよだれが出そうずら~」
ルビィ「ハゼ? ハゼかぁ……う~ん」
善子「どうしたの? 乗り気じゃないじゃない」
花丸「初心者でも簡単なんだよね?」
ルビィ「確かにハゼ釣り自体は簡単だけど、初心者、特に女の子には厳しい面もあって……」
ルビィ「……善子ちゃん、ゴカイで(自己責任で)画像検索してみて?」
善子「ゴカイ? え~っとゴカイゴカイ……キャアッ! 何よこのミミズみたいなのは!」
花丸「ミミズ? ミミズといえば魚の……もしかして……」
ルビィ「そうだよ、そのゴカイがハゼのエサなの、二人にはできるかな?」
ルビィ「ウネウネと動くゴカイを捕まえて……」
善子「ヒィッ!」
ルビィ「必死に逃げようともがくゴカイに針を刺し……」
花丸「うぅ……」
ルビィ「そしてハゼが食べやすい長さになるようブチっと……」
善子「あわわわわわ」
花丸「どうしよう善子ちゃん、マルには無理かもしれないずら」
善子「……やってやろうじゃない! このヨハネに怖いものなんかないわ!ゴカイだろうがなんだろうがかかってきなさいよ!」
ルビィ「おぉー、やる気だね善子ちゃん」パチパチ
花丸「……善子ちゃんがやるっていうなら……マルもがんば……る……ずら」
ルビィ「マルちゃんは無理してない?」
花丸「だ、大丈夫、釣りの後にはおいしい天ぷらが待っていると考えたらマルにもできるはずずら」
ルビィ「……本当に大丈夫か心配だけど……次はハゼ釣りに行ってみる?」
花丸「釣りガール?」
ルビィ「意味としては山ガールとかと同じことだよ、業界が流行らせようとしてるんだけど成果は……あるのかな?」
善子「部長はルビィね、私とずら丸はヒラ部員、ダイヤさんは料理担当のマネージャーよ」
ダイヤ「わたくしも数に入っているのね、まあいいでしょう、お付き合いしますわ」
善子「ルビィとずら丸はどうするの? 賛成? 反対?」
ルビィ「面白そうではあるよね、ルビィは賛成!」
花丸「ルビィちゃんもダイヤさんもやるっていうならマルも賛成」
善子「決まりね! 釣りガール部第一回の活動内容は次回のハゼ釣りに向けての準備よ!」
一同「おーっ!」
善子「釣って楽しく!」
花丸「食べておいしい!」
ルビィ「そんな魚釣りを楽しむルビィ達の活動、今日からスタートです!」
一応初めてでもそれなりな釣りができるサビキ釣りの説明はできたと思う
http://www.ishiguro-gr.com/fishing/ereainfo_format.php?id=66
http://www.ishiguro-gr.com/fishing/ereainfo_format.php?id=63
ここらはサビキ釣りが出来るみたいだから巡礼ついでに魚釣りっていうのも面白いかも
ハゼ釣り編も期待
釣りとか全然興味無かったけどわかりやすい説明ですんなり入り込めたよ
シリーズ化期待
アジフライ美味そう
木負堤防は曜ちゃんが釣りしてる聖地やね
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