【ラブライブ!】国木田花丸「黄昏の理解者」
- 2020.04.23
- SS

たきびだたきびだおちばたき~♩
あたろうか~あたろうよ~♩
っと、そろそろずら……
アチっ!
それは、ある秋の夕暮れ。
モブ「ねぇねぇ、津島さん」
善子「ん?どうしたの?」
モブ「よかったら、連絡先交換しない?」
善子「えっ?」
モブ「私、津島さんと友達になりたいんだ♩」
善子「い、いいわよ!もちろん!」
モブ「ホント?嬉しいな!」
モブ「今度みんなで一緒にカラオケ行かない?駅前に新しくーー」
ルビィ「花丸ちゃん、窓の外なんか見てどうしたの?」
花丸「うん……」
花丸「今日は一日中、雨なのかなって……」
ルビィ「ルビィが今朝見た天気予報でも言ったね」
花丸「ルビィちゃんは、雨は嫌い?」
ルビィ「う~ん。ルビィ、濡れるのは嫌だなぁ……」
花丸「でも、雨の音って……何か心が落ち着くような気がしない?」
ルビィ「その気持ちはちょっとわかるかも。何でだろうね?」
花丸「でも、言葉で説明出来ない事って……なんか神秘的ずら」
ルビィ「確かに、不思議だよねぇ……」
ルビィ「あっ!ねぇねぇ、花丸ちゃん!アレ見て」
花丸「アレ……?」
ルビィ「善子ちゃん、あれからクラスに溶け込めたみたいだね」
花丸「うん。みんなに囲まれて、嬉しそうずら」
ルビィ「やっぱり、Aqoursに入ってから何か変わったのかな?」
花丸「う~ん……」
花丸「変わったのは善子ちゃんじゃなくて、周りの方なのかも」
ルビィ「周り?」
花丸「逆に言えば、それはみんなと仲良くなりたいって事なんだよ」
ルビィ「善子ちゃんって、ちょっと不器用な所あるもんね……」
花丸「それに昔から目立つ事が好きで、美人でスタイルも良いし」
花丸「きっと、クラスのみんなも探してただけなんじゃないかな」
花丸「善子ちゃんと仲良くなるきっかけを……」
ルビィ「それで堕天使キャラを、みんなが受け入れ始めてきたんだね」
花丸「うん。マルはそう思う、かな……」
ルビィ「なるほど。流石、花丸ちゃんは善子ちゃんの理解者だね!」
ルビィ「たしか花丸ちゃんって、善子ちゃんの監視係だったよね?」
花丸「そうそう。善子ちゃん、気付いたらすぐ堕天しちゃうし」
ルビィ「その度に止めに入ってたんだよね。懐かしいなぁ~」
花丸「でも、もう善子ちゃんに監視係は必要ないみたい……」
ルビィ「そうだね。今の善子ちゃん、凄く幸せそうだし!」
ルビィ「良かったね!花丸ちゃん♩」
花丸「・・・」
ルビィ「……花丸ちゃん?」
花丸「えっ?あ、うん……」
花丸「マルもこれで良かったと思うずら。アハハ……」
ルビィ「……?」
ルビィ「今日は雨だから、部活休みだね」
花丸「うん……」
ルビィ「……花丸ちゃん?」
花丸「えっ?」
ルビィ「さっきから元気無いね?何かあったの?」
花丸「そ、そんな事ないずら!別にオラは普通ずらよ……」
ルビィ「ふーん……」
花丸「……あれ?」
ルビィ「どうしたの?」
ルビィ「えっ?誰か間違って持ってっちゃったのかな?」
花丸「どうしよう……」
ルビィ「ルビィの傘じゃ、二人が入るにはちょっと小さいね……」
花丸「ううん。ルビィちゃんは気にしないで」
花丸「マルはどうにかして帰るから、大丈夫ずら♩」
ルビィ「花丸ちゃん……」
善子「何してんのよ?ずら丸、ルビィ?」
善子「ん?ずら丸、もしかして傘持ってないの?」
ルビィ「それが花丸ちゃんの傘、無くなっちゃったみたいで……」
善子「ちょっと待ってなさい。よいしょっと……」
花丸「それは?」
善子「予備に持ち歩いてる方の折りたたみ傘よ」
ルビィ「貸してくれるの?」
善子「そりゃ貸すわよ。友達が困ってるんだから」
ルビィ「良かったね!花丸ちゃん!」
善子「いいわよ、別に」
花丸「このお礼は、今度必ずさせてもらうずら♩」
善子「お礼って何よ?」
花丸「実は、今度新しくオープンした喫茶店なんだけど……」
モブ「あっ、津島さん!」
善子「ん?」
善子「ごめん、ずら丸。その話は明日聞かせてもらうわ」
花丸「あっ、うん……」
モブ「津島さん?何してるの?」
善子「ううん、なんでもないわ」
善子「じゃあね……花丸、ルビィ!」
ルビィ「バイバイ、善子ちゃん!」
花丸「バイバイ……」
ルビィ「善子ちゃん、行っちゃったね」
花丸「うん……」
花丸「善子ちゃん、楽しそうだったずら……」
ルビィ「えっ?花丸ちゃん、何か言った?」
花丸「ううん、何でもない」
ルビィ「とりあえず、ルビィ達も早く帰ろう!」
花丸「うん♩(段々雨が)」
花丸「(強くなってきた)」
花丸「(善子ちゃん、またあの娘と喋ってる)」
花丸「(昨日の喫茶店の事を話してるのかな)」
花丸「(それに善子ちゃんのあんな顔、初めてみた気がする)」
花丸「(でも、オラには別に関係無いし……)」
ルビィ「花丸ちゃん♩」
花丸「ルビィちゃん……」
ルビィ「お昼、食べよう♩」
花丸「……うん♩」
花丸「善子ちゃん……」
善子「……何よ?」
花丸「ううん、何でもないずら」
善子「ずら丸。なんか最近、ちょっと変よ?」
花丸「別に、オラは……」
善子「もしかして、体調悪いの?」
モブ「つーしーまーさんっ♩」
モブ「これからみんなと屋上でお昼を食べるんだけど……」
花丸「・・・」
モブ「よかったら、津島さんも一緒に行かない?」
善子「あぁ、ゴメン!その話なら……」
花丸「……善子ちゃん」
善子「ずら丸?」
花丸「行ってあげたら?屋上に」
ルビィ「……花丸ちゃん?」
善子「はぁ?ずら丸、何言ってんのよ?」
善子「だって、いつもお昼は……」
ルビィ「そうだよ、花丸ちゃん……」
花丸「善子ちゃん、みんなといると楽しそうだし」
善子「・・・」
花丸「それにマルは、ルビィちゃんと食べるから大丈夫ずら♩」
善子「ずら丸、それ本気で言ってるの?」
花丸「ううん。マルはそういうつもりで言ったわけじゃなくて……」
善子「……もういいわ」
ルビィ「あっ、善子ちゃん!ちょっと待って!」
花丸「・・・」
果南「ワンツースリーフォー、ワンツースリーフォー……」
ーー
曜「ねぇ、千歌ちゃん?」
千歌「どうしたの曜ちゃん?」
曜「なんか今日の一年生組、元気無いと思わない?」
梨子「実は私も、ちょっと感じてた……」
千歌「う~ん?何かあったのかな?例えば……」
梨子「例えば?」
曜「それは千歌ちゃんの事だよね。アハハ……」
梨子「たしか、今回は結構簡単な範囲だったハズよね……」
千歌「だって今日の星座占い、最悪だったんだもん!」プンスカ
梨子「しし座、12位だったわね……」
曜「いやいや、それは関係無いと思うよ……」
ドンッ!
千歌「あっ、花丸ちゃん!善子ちゃん!大丈夫!?」
ダイヤ「少し休憩ですわ。練習のやり過ぎは良くありませんもの」
善子「イタタタ……」
花丸「ごめん、善子ちゃん……」
善子「・・・」
花丸「全部、オラが……」
果南「……ん?」
花丸「すみません、千歌先輩……」
千歌「へっ?」
ルビィ「善子ちゃん、大丈夫だった?」
善子「うん。私は別に平気よ」
ルビィ「花丸ちゃん、途中で帰っちゃったね……」
善子「・・・」
ルビィ「具合悪いって言ってたみたいだけど」
善子「知らないわよ、あんな奴……」
ルビィ「善子ちゃん……」
善子「帰るわよ、ルビィ」
ルビィ「うん……」
ルビィ「(花丸ちゃん、学校休んじゃった……)」
ルビィ「(花丸ちゃんの席には誰もいない……)」
ルビィ「(やっぱり、いつもと違うのは……)」
ルビィ「(……)」
善子「おはよう、ルビィ」
花丸「善子ちゃん、おはよう」
善子「・・・」
ルビィ「・・・」
善子「ふーん……」
ルビィ「善子ちゃんは……」
ルビィ「寂しくないの?」
善子「別に……」
ルビィ「そうなんだ……」
善子「・・・」
ルビィ「それと、善子ちゃんに渡したい物があって……」
善子「渡したい物?」
善子「これ、この前ずら丸に貸した傘……」
ルビィ「昨日、花丸ちゃんから善子ちゃんに渡しといてって」
善子「・・・」
ルビィ「でも……」
善子「……?」
ルビィ「花丸ちゃん、言ってたよ」
善子「・・・」
ありがとう、って
花丸「こうして焚き火を見ていると」
花丸「なんか心が落ち着くずら……」
花丸「でも、何でだろう?」
花丸「言葉で説明出来ない事って」
花丸「なんか神秘的ずら……」
花丸「って、前にルビィちゃんとそんな話をした記憶が。アハハ……」
花丸「ルビィちゃんは元気かな」
花丸「今頃みんな練習してるのかな」
花丸「それに……」
花丸「・・・」
花丸「相手に想いが伝わればいいのに……」
花丸「そうすればきっと」
花丸「こんな気持ちになる事もないのかな……」
花丸「でも、オラはもう……」
花丸「善子ちゃんの、監視係じゃないし……」
花丸「善子ちゃんには、善子ちゃんの……」
花丸「・・・」
善子「ずら丸。ここで、何してんのよ?」
花丸「どうしてここに?」
善子「いいでしょ、何だって」
花丸「・・・」
善子「・・・」
善子「ずら丸、具合は大丈夫なの?」
花丸「それは……」
善子「まぁ、焼き芋焼いてる人に聞くセリフじゃないわよね」
善子「それと、私まだ……」
花丸「・・・」ぎゅーっ
善子「……ずら丸?」
花丸「ごめんね、善子ちゃん」
花丸「マルのせいで、心配掛けちゃたずら」
善子「・・・」
花丸「マル……」
花丸「マルは、善子ちゃんの事が……」
善子「もう気にしてないわよ。それに、私も悪かったわ……」
善子「だから……」
善子「そういうの、やめなさいよ……」
善子「焚き火の火が……」
善子「消えちゃうじゃない……」
善子「ずら丸、もしかしてこれ一人で食べる気だったの?」
花丸「うん。でも……」
花丸「マル一人じゃ、食べきれないずら♩」
花丸「だから、善子ちゃんも一緒に……」
善子「馬鹿ねぇ、ずら丸」
花丸「……?」
ルビィ「花丸ちゃーん!善子ちゃーん!」
善子「焼き芋……」
善子「足んないわよ」
ーENDー
いい雰囲気でした
最終話のライブ前思い出す
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