【ラブライブ!】ーー 絵里です。
- 2020.04.23
- SS

少しの時間が流れた
街でもよく見かける様になったスクールアイドル
駅前でもビラ配りしてたりね
「よろしくお願いしまーす!!」
絵里「あぁ…どうも」
「お願いしまーす!」
絵里「…」
絵里(懐かしいわ…)
希「お待たせ!」
絵里「あぁ、希」
絵里「んん、別に。それより…」
希(ツッコミ待ちなんやけど…)
絵里「どこに行くの?」
希「あ、うん真姫ちゃん家」
絵里「そう…」
絵里「もしかして…」
希「ん?どしたん?」
絵里(なんか大きな荷物も持ってるし…バレバレよ…)
絵里「なんでもないっ じゃあ行きましょう。あと、いつもぼけっとしてるみたいに言わないでよね」
絵里「うふふ……ありがとう」
私と希とにこは大学、穂乃果達も新しい生活が始まって忙しいし
たまにこうして集まる事もあるから寂しくはない
ただこの季節は少し別
肌寒くて少しだけ人の温もりが恋しくなる
温もりって言っても肌じゃなくて、想い
夜に街を歩いていると去年の今頃は…なんて思う
絵里「そりゃそうよ。1ヶ月2ヶ月くらいじゃ、ね」
希「それもそうか…。でも春くらいから比べると…凛ちゃんは髪伸びてたり…」
絵里「そうね。どことなく穂乃果に似てきたかも
」
今日は私の為にみんなが誕生日会を開いてくれた
今夜だけ荷物の多くなった私の荷物係として希が送ってくれてる
やっぱり9人揃うと、騒がしくて懐かしい記憶ばかり蘇ってきて
でも話はほとんど穂乃果達の話で
集まると何故だか自分の話をする気にならなくて
希「うん、まぁそれなりかなぁ。絵里ちは?」
絵里「……まぁ。……それなり…」
希「そっか…」
絵里(なんか特別、話す事あったかしら……?)
希「1年目だしね。にこっちは勉強大変そう」
絵里「そうね」
μ′sとして私達の残した一つの道
これから、私達はどんな人生を歩むんだろう
今は不安も特にないし、不満もない
今は まだね
絵里「希、ありがとう。助かったわ」
希「いいんよ、っていうか荷物増えるの分かってたし絵里ちを家まで送るまでが今日の計画やしね」
絵里「っふふ」
ガチャッ
亜里沙「あ、おかえりお姉ちゃん!あ、希さん!」
希「お~!久しぶり」
絵里「少し上がってく?寒いし…。ココアでも」
希「ううん、大丈夫。ありがと」
亜里沙「はい!!!毎日練習が楽しくって!」
希「そっかそっか。頑張ってね」
希(そういえば、絵里ちは亜里沙ちゃんから話聞いたりしないのかな…)
希(いつも穂乃果ちゃん達に話を聞いて初耳!みたいな顔してるし)
希「それじゃ、帰るね。今日は本当におめでとう」
絵里「ありがとう。気をつけて帰って」
希「うん。じゃ」
亜里沙「楽しかった?」
絵里「えぇ。楽しかったわ」
亜里沙「よかったね!」
絵里「うぅ……寒い。お風呂入っちゃうわね」
今朝起きて、みんなからのLINEが来てて
希から誘いがあって…なんとなく予想はしていたけどやっぱり嬉しかった
卒業してからの毎日は高校の時とさほど変わりはしない
学校が終わってからの時間はアルバイトに費やした
他に空いた時間は勉強したり家事をしたり
現実的な生活を送る
今日はなんだか疲れた
その晩、私はすぐ眠った
昨日の余韻にもう少し浸っていたかったな…
絵里「亜里沙!先に出るわね。気をつけて行くのよ」
亜里沙「うーん!お姉ちゃんもね!」
絵里(よし…今日からまた頑張ろう…。帰ったらプレゼント開けて…楽しみだわ)
ーーーーーー
絵里「はぁ……」
今日、バイトでミスをした
レジ閉めをしていた時に発覚したのだ
-5000円。皆で予想し、その結果
五千円札を一万円と勘違いしお釣りで五千円多く渡してしまったんだろう
言われてみればそんな気がする
どこか浮ついていてよくよく思い返せば。例えばどんな客がいたかも思い出せない
そして夕方からレジを担当していた私のミスである事は明らかだった
絵里(バカだなぁ…私…)
絵里「最悪な気分だわ」
絵里「はぁ~ぁ………」
絵里(寒い…ちょっとあったかいココアでも買おうかな…)
自販機で買ってベンチに腰掛けた
そして不覚にもウトウトしてしまった
穂乃果「絵里ちゃん!!!」
絵里「…………?」
穂乃果「…もう、何してるの……?」
絵里「ほ……のか…?あれ…私……って。あ!こぼしてる………!!……っくしゅん!!!」
穂乃果「あーあーあーあー……忙しいね…大丈夫?」
絵里「えぇ……っくしゅん!!!」
穂乃果「なんでこんなところで寝てるの…?」
絵里「え?えーっと……」
穂乃果「誰か待ってるの?」
絵里「ううん、違うの。ちょっと休もうとして…。穂乃果は……走ってたの?」
穂乃果「うん」
絵里「偉いわね…。寒くないの?……っくしゅ!!!」
穂乃果「…こっちのセリフだよ…」
絵里「…と、とりあえず帰るわね」
穂乃果「うん。気をつけてね」
絵里「ええ、穂乃果も。……へっくしゅん!」
穂乃果「絵里ちゃん」
穂乃果「なんかあったら、教えてね」
絵里「え?」
穂乃果「いつも集まると私達の話ばっかりでさ」
穂乃果「絵里ちゃんも希ちゃんもにこちゃんも、あんまり最近の事とか話さないじゃない」
絵里「それは…。うん…」
穂乃果「そうだ。帰ったら電話するよ。いい?」
絵里「え?いいけど…」
穂乃果「うぅぅ……寒いから帰る!またあとで~!」
絵里「…」
絵里「ただいま」
亜里沙「おかえりー」
絵里「……う………ん……………ぁ……っ……れ…」
亜里沙「お姉ちゃん!!??」
ーーーーーー
絵里「…」
絵里(あ、…私………あれ…)
自分の布団に寝ていた
頭がボーッとしてすごく寒い
この感覚は……風邪か
ガチャっ
亜里沙「あ、起きた?お粥作ってある向こうで食べて」
絵里「そう…」
亜里沙「熱も高いみたいだし、お粥食べたら早く寝てね」
絵里「ありがとう…」
絵里「…」
絵里「…」
絵里「あ。そういえば…穂乃果が電話するとかなんとか……」
着信がある
やってしまった
絵里「…とりあえず食べなきゃ」
台所に行くとお粥があった
ふと洗剤の香りがした
もしかして、と思って脱衣所を見ると洗濯物が少なくなっていた
亜里沙がやってくれたんだ…
座ってお粥を食べた
とても暖かくなった
それから再びベットに辿り着く頃には1時前になっていた
だが眠れない
そうだ
prrrrr….prrrrr…
絵里「え?」
絵里「……穂乃果…?こんな時間に…」
絵里「もしもし……」
穂乃果「あ、出た」
絵里「まだ起きていたの?」
穂乃果「うん。亜里沙ちゃんから聞いたよ。風邪っぽいんでしょ?」
絵里「ええ…そうなのよ…外で寝てたせいよね…絶対……」
穂乃果「もー。電話出なくて心配したよ!もしかしてまた途中で寝てるのかと思ったし」
穂乃果「それで亜里沙ちゃんに電話かけたみたら倒れたっていうからビックリしたよ~」
絵里「ごめんね…」
絵里「ええぇぇぇ………」
穂乃果「あははっ!ねぇ、眠い?」
絵里「それがね。あまり眠くなくてね…だから、ちょうど今からプレゼント開けようと思ってね」
穂乃果「そうだったんだ」
絵里「ええ」
穂乃果「…」
絵里「…」
穂乃果「…」
絵里「穂乃果?」
絵里「聞くって……何を?」
穂乃果「いいから。あ、スピーカーにしてよ」
絵里「……分かったわ…。ゲホっ……」
穂乃果「わざとでしょ」
絵里「違うわよ…」
それから30分くらいだろうか
穂乃果と喋りながらようやく全てのプレゼントを開け終わった
みんなそれぞれ嗜好を凝らしたみんならしいプレゼントだった
嬉しかった
ベットに腰掛けながら穂乃果の寝息を確認した
『夕方、お姉ちゃん宛に宅配便、』
亜里沙のメモと一緒に小さな小包があった
絵里「何かしら……」
ガサガサ…
絵里「…」
絵里「………これ…」
絵里「チョコレート..」
絵里「…」
絵里「手紙が付いてる」
『……来年は約束を叶えるぞ・・・!忘れてないだろうな・・・?!!』
絵里「まったく………さっさと結婚でもしなさいよね」
そうそう
私には特別な人がもう1人居たんだった
あれからどうしてるのかな
秋だからよかったものの…
もし暑かったら溶けてるじゃない
絵里「亜里沙ー!先に行くからー!」
亜里沙「行ってらっしゃーい!」
絵里「……ん?LINE?……穂乃果から…?」
『昨日寝ちゃってごめん また今夜電話してもいい?』
絵里「…」
絵里「い…い…で…す…よ…っと」
毎日繰り返しだけど特別な日がある
その日だけは自分の事大切にしてもいいのかなって思わせてくれた気がする
少し悲しくなるような日もあったけど、私達はこうして過ごしてる
別に 報告じゃないけど
Nanjolic nangol へ
乙
なんちやまんのソロ聴きたくなるSSだった
良かった
乙でした
-
前の記事
【ラブライブ!】りきゃこ、信玄餅を食べる 2020.04.23
-
次の記事
【ラブライブ!】チョーカーしてるのが一番似合ってる娘と言えば? 2020.04.23