【ラブライブ!】絵里「Octoberbride」
- 2020.04.25
- SS

「ええ、まさか私が着ることになるなんて思ってもみなかったけど」
「ん…ちょっと胸がキツいわね」
「…羨ましい」
「ふふっ」
「わ、こんな肌出すんだ」
「私のは肩までみたいね」
「ちょっと恥ずかしいなあ…」
「ふふっ、けど似合ってるわよ」
「ホント? ありがとう」
「さあ、そろそろ時間よ」
「行きましょ? 穂乃果」
「うんっ、絵里ちゃん!」
絵里「はい」
「高坂穂乃果は絢瀬絵里を夫とし…」
穂乃果「はい!」
「それでは、誓いのキ…キスを…」
穂乃果「絵里ちゃん…」
絵里「穂乃果…」
穂乃果「好きだよ」
絵里「ええ、私も」
穂乃果「んー…」
絵里「んっ…」
「す、ストーップ!」
穂乃果「海未ちゃん邪魔しないでよー」
海未「こ、これは撮影ですよ! 本当にしなくてもいいではないですか!」
絵里「そんなこと言われても…ねえ?」
穂乃果「うん」
絵里「こんなかわいい子の唇がすぐそこにあるんだし生殺しはキツいわよ」
穂乃果「そうだそうだ!」
海未「いや…ですが…!」
ことり「わあ…いい写真取れたよ!」
穂乃果「え、ほんと?」ドタドタ
絵里「転ぶわよ、穂乃果」
穂乃果「わあ! すっごい綺麗!」
絵里「それ、自分で言うの?」クスクス
海未「ああ…! 本当にしています…//」
ことり「何をしてるの?」
海未「その…えっと…キ、キスを…」
穂乃果「ぷぷっ」ニヤニヤ
ことり「? してないと思うよ?」
海未「へ?」
ことり「ほら、よく見て?」
海未「え、ちょっと…恥ずかしいですよ…//」
ことり「いいからいいから」
海未「うぅ…//」
海未「ほ、本当でしたね」
絵里「もう、海未ちゃんたらせっかちさんなんだから!」ツンツン
海未「ほっぺた触るのはやめてください」
穂乃果「あー! 穂乃果も触るー!」
ことり「ことりも!」
海未「触ろうとしなくていいですから!」
海未「うぅ…ほっぺたが三つになってしまいました…」
絵里「これでお嫁に行けなくなっちゃったわね」
海未「はあ!?//」
絵里「大丈夫、その時は私がもらってあげるから」
穂乃果「絵里ちゃんずるいー」
ことり「ずるいー」
絵里「ふふっ、冗談よ」
ことり「それにしても今日の撮影は大成功だったね」
海未「まさか撮影用にウェディングドレスまで貸してくれるとは思ってもみなかったですね」
穂乃果「穂乃果初めて着たよ」
絵里「私も」
海未「あの…ことり、一つ聞きたいことがあるのですが…」
ことり「なあに? んみちゃん」
海未「……今回の撮影…何故穂乃果と絵里を選んだのですか?」
ことり「え」
海未「?」
ことり「海未ちゃん気付いてないの?」
海未「? 何がですか?」
ことり「はあ…じゃあ鈍感な海未ちゃんにことりが教えてあげるね」
海未「え」
ことり「同じように絵里ちゃんも穂乃果ちゃんが好きだと思うよ」コソコソ
ことり「絵里ちゃんの気持ちは推測だけどね」ニコニコ
海未「ななな…」
海未「そ、その話は本当ですか!?」
ことり「あの二人を見て嘘だと思う?」
絵里「ちょっと穂乃果、離れてよ」
穂乃果「やだやだー!」
海未「そうは見えませんが」
ことり「あはは…」
絵里「うわっ」
穂乃果「教会に忘れ物したぁ!」
穂乃果「取りに行ってくるっ!」ダッ
絵里「え、ちょっと穂乃果! 待ちなさい!」
ことり「なんだろう」
海未「はて」
絵里「海未、ことり、悪いけど先に帰ってて」
絵里「私は穂乃果についていくから」
海未「は、はあ」
絵里「ごめんね、ありがとう!」
ことり「ね?」
海未「ふーむ…」
穂乃果「あ、あった!」
絵里「穂乃果!」
穂乃果「絵里ちゃん!」
絵里「忘れ物したからって走っていかないでよ」
穂乃果「あ、あはは…ごめんごめん」
絵里「それで、探し物は見つかった?」
穂乃果「うんっ」
絵里「そう、ならよかったわ」
絵里「じゃあ帰りましょ?」
穂乃果「……やだ」
絵里「穂乃果?」
穂乃果「あ、いや、えっと…ちょっと教会探検してみない…?」
穂乃果「むっ…子どもで悪かったですよーだ」
絵里「まあいいわ、一緒に探検しましょ?」
穂乃果「やった!」
絵里「ほら、手」
穂乃果「手?」
絵里「さっきみたいにいきなり走り出したら面倒だから、手」
穂乃果「うんっ」
絵里「捕まえたっ! これで穂乃果は私のものよ!」
穂乃果「へ…// あ…ははは//」
絵里「なんで恥ずかしがるのよ…」
絵里「相変わらず綺麗なステンドグラスね…」
穂乃果「うん…」
穂乃果「ねえ」
絵里「なに?」
穂乃果「…将来穂乃果や絵里ちゃんが結婚した時、ここで式挙げれるかな?」
絵里「んー…まあ教会だしできると思うわよ?」
穂乃果「…そっか」
穂乃果「じゃ、じゃあさ…」
絵里「穂乃果?」
穂乃果「今…ここで結婚式の練習してみない…?」
穂乃果「…あ」
穂乃果「ごごご…ごめん、変なこと言っちゃった」
絵里「ふふっ、いいわよ」
穂乃果「え…」
絵里「じゃあどんなことする?」
絵里「入場? ブーケトス? それとも…」
穂乃果「…っ」
穂乃果「…絵里ちゃん」
絵里「ん? なあに穂乃果」
穂乃果「…こっち向いて?」
絵里「え? ええ…」
ちゅっ
絵里「んむっ…!?」
穂乃果「ぷはっ…」
穂乃果「……上手くできたかな」
絵里「え? 今の…え?」
穂乃果「これで…結婚式の時も大丈夫だよね…?」
絵里「穂乃果! 今のは…?」
穂乃果「……っ」
絵里「穂乃果! 聞いてる?」
穂乃果「ごめんっ…!」
ダッ
絵里「ちょっと! 穂乃果!?」
突然のキスで戸惑う私を置き去りにして
絵里「今の…」
穂乃果は何を思ってキスしてきたのだろう
本当に結婚式の練習?
本当は違う目的じゃなくて?
考えるにしても心臓の鼓動が邪魔してくる
こんなに心臓がうるさいのはさっきのキスのせい?
それとも私は穂乃果が好きなの?
絵里「わからないわよ…」
穂乃果「あ、おはよー! 絵里ちゃん」
絵里「あ…お、おはよう」
穂乃果「元気ないね、どうしたの?」
絵里「え、え? そうかしら? エリチカ元気いっぱいよ?」
絵里「…はは//」
穂乃果「あはは! 絵里ちゃん自分で言って赤くなってる!」
絵里「だ、だって…穂乃果に心配かけたくなかったから…」
穂乃果「…!」
穂乃果「う~…絵里ちゃん大好きっ!」ギュッ
絵里「きゃっ!」
絵里「ねえ穂乃果」
穂乃果「コンビニで…」
絵里「穂乃果」
穂乃果「チョコを買ったんだけど…」
絵里「あの」
穂乃果「…なに?」
絵里「そろそろ離れてくれない? みんな見てるし…」
穂乃果「やだもん」ギューッ
絵里「困ったわね…」
絵里「結局学校まで抱きつかれたままだったわ」
穂乃果「アクセサリーを買おうとしたんだけど…」
絵里「穂乃果、そろそろ離れてくれない?」
穂乃果「やだ」
絵里「む…」
絵里「離れなさい!」
穂乃果「やだやだ!」
希「3年生の教室の前で何してるん…?」
にこ「さあね、ほっときましょ」
穂乃果「離れたくない!」
絵里「もう学校よ? それも教室前」
穂乃果「関係ないもん」
絵里「…私には関係あるわ」
穂乃果「……やだ」
絵里「駄々こねないの」
穂乃果「やだもん…」
絵里「穂乃果?」
穂乃果「だって……」
キーンコーンカーンコーン
穂乃果「あっ」
穂乃果「よ、予鈴鳴ったから教室行くね! 」
穂乃果「あ、その前に…」
穂乃果「好きだよ、絵里ちゃん」
ちゅっ
絵里「ん!?」
穂乃果「へへっ、また絵里ちゃんの唇奪っちゃった♡」
絵里「ほの…」
穂乃果「また後でね、絵里ちゃん」
絵里「ちょっと穂乃果!」
またキスされちゃった
穂乃果は私のことが好き…なのかしら
私も穂乃果が好きなのかしら
わからない
自分の気持ちも、穂乃果の気持ちも
「…せ」
絵里「はあ…」
「あ…せ」
絵里「穂乃果…」
「絢瀬!」
絵里「は、はい!」
「この問題答えは?」
絵里「Simple feelings」
「正解だ」
「この文はItを仮主語として……」
Simple feelings…
私の素直な気持ちは…?
にこ「なによ」
希「誕生日のこと?」
絵里「いえ、私の好きな人は誰?」
にこ「…?」
希「熱でもある?」
絵里「平熱よ、安心して」
にこ「で、あんたの好きな人がどうだって?」
絵里「私の好き人を知りたいの」
希「知りたい…ってまるで自分が知らないみたいな言い方やけど」
絵里「ええ、私は私の好きな人を知らないの」
絵里「だから、客観的に見て私は誰が好きなのか教えてほしい」
にこ「また面倒な案件ね…」
希「μ’sに入ってから2回目やん…」
希「そうそう、あれは穂…」
にこ「あーっ! 野生のちんすこう!」
希「うそぉ!?」
絵里「穂乃果?」
にこ「ばばばばバカ言うんじゃないわよ!」
にこ「あいつが恋なんてしてるわけ…」
絵里「なるほど、穂乃果なのね」
絵里「で、穂乃果の好きな人は誰なの?」
にこ「…マジ?」
希「うっそお」
絵里「え?」
にこ「まさか…わかんないの?」
絵里「ええ…」
希「…どうする?」
にこ「知らない」
絵里「え、ちょっと! 」
にこ「……」
希「……」
絵里「なによ」
にこ「まあ…頑張りなさい」
希「なせばなるんよ」
絵里「え、ちょっと!?」
希「えりちの素直な気持ち、教えてあげて」
にこ「あんたなら絶対大丈夫だから」
絵里「私の…素直な気持ち…」
「ん?」
絵里「今日の誕生日パーティーの後、時間ある?」
「うん」
絵里「よかった、じゃあニコライ堂へ来てくれる?」
「ニコライ堂…なんで?」
絵里「それは…伝えたいことがあるの」
「伝えたいこと…」
「うん、わかった」
絵里「ありがとう、じゃあまたあとでね」
「うんっ」
絵里「ふふっ、みんなありがとう!」
凛「さっそくだけど誕生日プレゼントあげるにゃー!」
にこ「ちょっと凛! 抜け駆けは駄目よ!」
穂乃果「穂乃果が一番最初にあげたかったのにー!」
海未「相変わらず騒がしいですね…」
希「まあそれもええやん?」
真姫「花陽…なにあげるつもりなのよ…?」
花陽「しゃもじだよ?」
ことり「それもらっても…」
いよいよ素直になる時間がきた
大丈夫、私なら言える
大丈夫、私は彼女が好き
大丈夫、彼女は私のことが好き
私の素直な気持ちを
絵里「お待たせ」
絵里「穂乃果」
絵里「今日はありがとう、とても楽しかったわ」
穂乃果「そっか、喜んでくれて嬉しいな」
絵里「ふふっ」
穂乃果「…」
絵里「…」
穂乃果「ねえ」
絵里「ねえ」
絵里「あっ、ごめん」
穂乃果「いいよ、絵里ちゃん先に言って?」
絵里「…ええ」
絵里「何しようにも理屈っぽく考えて結局できないことが多かったわ」
絵里「自分の気持ちを吐き出すこともできなかった」
絵里「でも、私は変わることができた」
絵里「穂乃果、あなたのおかげで」
絵里「穂乃果は私の知らない新しい世界へ連れて行ってくれた」
絵里「どんなときも明るくて、みんなを照らしてくれた」
絵里「そんな穂乃果に私はどんどん惹かれていったの」
絵里「ねえ穂乃果」
絵里「私は穂乃果のことが……好き」
絵里「穂乃果は私のこと…好き?」
穂乃果「絵里ちゃんはね、ずーっと穂乃果の憧れだった」
穂乃果「生徒会長として廃校を阻止しようとする責任感の強い絵里ちゃん」
穂乃果「μ’sに入ってみんなのお姉ちゃんみたいな温かい絵里ちゃん」
穂乃果「どんなことをしても真正面から受け止めてくれる優しい絵里ちゃん」
穂乃果「光に照らされて輝く金髪、弓みたいにしなやかでぎゅってすると暖かい体」
穂乃果「雪みたいに綺麗な肌、そして穂乃果と同じ青い瞳」
穂乃果「穂乃果はね…そんな絵里ちゃんが大好き」
穂乃果「絵里ちゃんも…穂乃果と同じ気持ちだったんだね…」
穂乃果「嬉しい…」ポロポロ
穂乃果「絵里ちゃん…」
絵里「ほら、泣かないで」
絵里「かわいい顔が台無しよ?」
穂乃果「だって…不安だったもん…」
穂乃果「絵里ちゃんは…穂乃果のことが好きじゃないのかなって…」
絵里「馬鹿ね、そんなことあるわけないじゃない」
穂乃果「でも…教室前で話してた時の態度とか…嫌がってたし…」
絵里「さっきも言ったけど私は不器用なの」
絵里「穂乃果の好きを素直に受け止めることができなかった」
絵里「けど、本当は穂乃果と同じ気持ちだったの」
穂乃果「そっか…よかった…」
穂乃果「うん…」
絵里「あんまり泣くとチュウしちゃうわよ?」
穂乃果「…いいよ?」
絵里「…えっ」
穂乃果「さんざん穂乃果からしたんだもん…絵里ちゃんからもしてよ」
絵里「…しょうがないわね、閉じて?」
穂乃果「うんっ」
絵里「穂乃果」
穂乃果「絵里ちゃん」
「大好き」
「ええ、まさか私が着ることになるなんて思ってもみなかったけど」
「ん…あの時よりも胸がキツいわね」
「…羨ましい」
「ふふっ」
「わ、またこんな肌出すんだ」
「私のはやっぱり肩までみたいね」
「ちょっと恥ずかしいなあ…」
「ふふっ、けど似合ってるわよ」
「ホント? ありがとう」
「それにしても私の誕生日に挙式なんて夢みたいだわ」
「この日のために調整頑張ったもん!」
「ふふっ、ありがとう。さあ、そろそろ時間よ」
「行きましょ? 穂乃果」
「うんっ、絵里ちゃん!」
「はい」
「高坂穂乃果は絢瀬絵里を夫とし…」
「はい!」
「それでは、誓いのキスを…」
「絵里ちゃん…」
「穂乃果…」
「これからもよろしくね」
「もちろん、死ぬまで離さないから」
「えへへ、穂乃果も!」
「ふふっ」
「絵里ちゃん、大好きだよ」
「穂乃果、大好きよ」
ちゅっ
絵里ちゃん誕生日おめでとう!
やっぱりほのえりはチュウが似合うなぁ

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