【ラブライブ!】曜「寄り道してこーよ!」 善子「えぇ…?」
- 2020.04.25
- SS

曜「……」
曜(うーん… ここんとこ練習ハードだし、善子ちゃん元気ないよね)
善子「……」ドヨーン
曜(顔色もあんまりよくないし… このままでバスに乗りっぱなしだと酔っちゃうよね よしっ!)
曜「善子ちゃん!」
善子「ん… なに…?」
曜「寄り道してこーよ!」
善子「えぇ…?」
曜(元気づけてあげよーそろー!)
善子「…で、どこにいくつもりなの?」
曜「うん …どうしよっか」
善子「…はぁ!? え、ちょっと、ノープラン!?」
曜「あ、あはは… ごめん、なんか勢いで誘っちゃった」
善子「勢いってあなた…」ハァ
曜「まぁまぁ、気分転換だと思ってさ! 先輩とちょっとぶらついてみない?」
善子「そうね… どうせバスもまだまだないし、そうしましょうか」チラ
曜「決まりだね! 放課後デートに~…ヨーソロー!」ビシッ
善子「で、デートって…/// あ、でもリア充っぽい…!」
善子「ううん 私は基本的にまっすぐ帰るし… 曜さんは?」トコトコ
曜「実は私もなんだー」
善子「えぇ… じゃこれ今宛もなくさまよってるわけ…?」
曜「そうだね」
善子「そうだねって…」
曜「あ、そういえば予定とか大丈夫だった?」
善子「大丈夫だけど… ていうか今更すぎでしょ、もうバスも降りてるのに」ジト
曜「あはは、ごめんごめん…」
曜「いやーほら、思い立ったが吉日って言うじゃん?」
善子「曜さんの場合は考えるより体が動いただけでしょ…」
曜「あ、こら どういう意味ー?」
善子「なによ、あってるでしょ?」
曜「いやいや、これでも曜先輩はいろいろ考えているのでありますよ?」
善子「ふーん? じゃあノープランってなんだったのよ」ニヤニヤ
曜「うぐ… そ、それはそれ、っていうか」
曜「うーん、きびしーなぁ…」アハハ
曜(…うん バスのときより元気が出てる、かな?)
曜(やっぱり話してると気もまぎれるよね!)
曜「ところで善子ちゃん」
善子「なに?」
曜「よかったらあそこで何か食べてかない?」
善子「ドーナツ屋…? ふーん『新装開店セール中!』なのね 私はいいけど、曜さんは…」
曜「じゃ、決まりだね!」
曜(あとは甘いものでもう一押し!)
善子「…そう」
善子「あー… ちょっと混んでるわね」
曜「そうだね… 外で食べる? ここで食べてく?」
善子「うーん… ならやっぱり私は別のところでも… あ」
ゾロゾロ
曜「おー ちょうど席空いたみたいだね」
善子「なら… はやいとこ選んじゃいましょ」
曜「ヨーソロー!」
曜「えーっと… ど、どんまい」
善子「わかってたのよ… ちょうどお店お店がセールしてたり、席が空いたり… 私にしては運が良すぎたもの」
善子「でも苺も、ましてやチョコも売り切れってどういうことよ!」プンスコ
曜「お客さん多かったんだろうね… まぁ私もチョコ切らしてるのはどうかと思うけど」
善子「ほんとよ! はぁ…不運ね…」
曜「まぁまぁ… ほら、食べよ食べよ? いただきまーす」モグ
善子「あ …いただきます」パク
善子「ごくん… そうね、結構いける けどできればチョコかストロベリーの…」
曜「あーもういいじゃんいいじゃん! なんならまた来ようよ、二人でさ!」ニコ
善子「え…///」ドキ
曜「ね?」ニコニコ
善子「っ…/// そ、そうね…! ふたりで、か…///」ボソ
曜「? うん」
曜(改めて見たらずいぶん顔色よくなったね ていうかちょっと赤いくらい…?)
善子「…///」モグモグ
曜(辛いの好きなのは知ってたけど、甘いものも好き、なのかな)ジー
善子「…ん、な、なに?」
曜「あ、ううん なんでもないよ」
善子「そう…?」アム
曜「おいしそーに食べるなぁと思って」
善子「んぐっ!?/// げほっえほっ…」
曜「ちょ、ちょっと大丈夫?」
曜「ええっと…でもそんなに恥ずかしがらなくても」
善子「だってなんか子どもっぽいじゃない…///」
曜「そ、そっか ごめんねー…」アハハ
善子「もう…/// あ」
曜「?」モグモグ
善子「曜さん、じっとして」スッ
曜「ん」ピタ
曜(善子ちゃん、指きれーだな…)ボー
善子「欠片ついてるわよ」ヒョイ
曜「あ、やっぱり? ありがとね」
善子「ふっ、どっちが子どもか分からないわね…?」
曜「だから私はそういうつもりで言ったんじゃないってばー」
曜「…ところでそれ食べないの?」
善子「…は? いやいや、それこそ子どもみたいじゃない」
曜「もったいなくない?」
善子「なくない」ポイ
曜「おいしかったね」
善子「そうね でもチョコ…」
曜「まだ言ってる…」クスクス
善子「ふん 曜さんも不運に見舞われれば気持ちが分かるわよ」
曜「うーん それは勘弁かなー」
善子「はぁ… あら、ちょっとゆっくりしすぎたかしら」チラ
曜「ほんとだ ごめんね、私食べるの早くなくって」
善子「…だから最初に言おうとおもったのに」ボソ
曜「うん?」
善子「…なんでも ちょっと急ぎましょ」
曜「了解であります!」
善子「……」トコトコ
曜(うーん… 善子ちゃんの気分転換に、と思ったけど)
曜(なんかうまくいってないような気もするなぁ…)ハァ
曜(当初の目的の酔い覚ましは達成できてる…よね? それでも)
曜「やっぱり思いつきで動くのはよくないなぁ… なんか振り回しちゃってごめんね」
善子「そんなの気にする必要ないわ ドーナツ屋だって私の不運がよくなかっただけよ」
善子「もう! 私がいいって言ってるの!」
善子「その…食べ歩きみたいなこと、あんまりしたことないからあれだけど…」
善子「経験豊富なリア充の曜さんからしたら失敗だったかもしれないけど、わ、私は楽しかったから!///」
善子「…だから、そんなに卑下しないで、っていうか…」ゴニョゴニョ
曜「善子ちゃん… うん、ありがとう」
善子「私はヨハネよ! ふんっ」プイ
曜「いーや、善い子の善い子の善子ちゃんだよー!」ナデナデ
善子「は、はぁ!?/// からかわないでー!」ウガー
善子「もう…」
曜(…そういえば『ヨハネよ!』ってなんか久々に聞いた気がする)
曜(善子ちゃんのことは普通に呼んでた、はずだから…)
曜(うん、善子呼びに反応するくらいまでには元気にしてあげられた、ということにしよう)
曜「なにより、善子ちゃんが楽しんでくれたならそれでいいや」
善子「だからヨハネ… そうよ、私が楽しかったからいいの」
曜「?」
善子「私ばっかり言ってるけど、その…曜さんの方こそ楽しんだのよね?」
善子「わ、私と一緒でありながら楽しくなかったなんて承知しないんだから!」
曜「私、わたしは…」
善子「……」ソワソワ
―――
善子『~!』ムキー
善子『…///』カァァ
善子『~♪』モグモグ
善子『…わ、私は楽しかったから!///』
―――
曜「もちろんっ! 楽しかったよ!」
善子「そう…! なら、よかった」ニコ
曜「!///」ドキッ
曜(…?)ドキドキ
曜「…い、色んな善子ちゃんが見れてね!///」ダッ
善子「なっ!? ちょっと、それどういう… って待ちなさーい!」バタバタ
曜(なんで、今胸が苦しく…?)タッタッ
曜「えっと、大丈夫…?」
善子「急に走り出して…どういうつもりなのよ…!」ゼェゼェ
曜「ご、ごめんね あはは…」
曜(ていうかここで疲れさせたら何の意味もないじゃん… ほんとにただデートしただけ !)ドクン
曜(…? また顔が熱くなって、どきどきしてる…?)ペタペタ
曜「んー なんかさっきから変だなぁ、私…」
善子「そうよ、全く… ふぅ…」
曜「いや、なんていうかこう… ん、バス来たね」
ブロロロ…
プシュー
善子「ん… でも、たぶん走ってなきゃ間に合ってなかったと思うから」
善子「別に気にすることないわよ」フリフリ
曜「そっか ありがと、善子ちゃん」
善子「だからヨハネよー…」
曜「…めんどくさいなら訂正しなくても」
善子「だから訂正させてるのは曜さんでしょっ!」
曜「くっ、ふふふ…」
善子「もー!」
曜「ごめんごめん ほんとに」
善子「ふん…」
曜「善子ちゃんはいじりがいがあるっていうか、反応がいちいち可愛いっていうか… ね?」
善子「ね?じゃないわよ… そもそもあなた全然反省してないでしょ また善子って呼んでるし…」ジト
曜「いやちょっとは反省してる…つもりだけどさ ほら」
善子「…なによ」
曜(すぐに反応が返ってくるってことは、元気づけられたってことだからね)
曜「ふふ、なんでもないであります」
善子「ちょっと! 気になるでしょ!」
曜「うーん… そうだ! 善子ちゃんが優しいから、謝れば許してくれる、って思っちゃうんだよね!」
善子「…は?」
曜「だから善子ちゃんサイドにも原因は――いひゃいいひゃいほっへとれるとれる!」バタバタ
善子「さっきから適当なことを言ってるのはこの口ね…!」ググググ
善子「ふん、自業自得よ …そもそも堕天使に向かって優しいなんて侮辱だわ」
曜「…嬉しいくせに」ボソッ
善子「まだ罰が足りないようね? リトルデーモン…?」スッ
曜「じょーだんだって!」ババッ
善子「はぁ…」プイ
曜「ほっ…」
善子「…だいたい、優しいのはあなたの方でしょ」
曜「…え?」
曜「…えっと それはー、その…」
善子「別に今更誤魔化さなくてもいいじゃない」
曜「あ、あはは… バレてた?」
善子「ふっ、残念ね 私の魔眼に見抜けない真実はないのよ」
曜「そ、そう… でも、いつから気付いてたの?」
善子「最初から怪しんでたけど、確信したのはドーナツ食べたときね」
曜「なんで最初っから怪しまれてるの… 信用ないなぁ私…」
善子「会話で嘘が見抜けるようなコミュ力なんてないわよ… だから言ってるでしょ、私の魔眼は常に真実を映し出すの」
曜「ってことは私の振る舞い…? うーん…」
善子「…曜さん、ドーナツ苦手でしょ」
曜「いっ!?」ギクッ
曜(嘘!? なんでそれ…!?)
善子「やっぱり…」ハァ
曜「え? あれ? 私善子ちゃんにそんなこと言ってたっけ…?」
曜「プロフィール…?」
善子「『嫌いな食べ物:刺身、パサパサした食べ物』」
曜「! あー… よく覚えてたね」
善子「マスターであるこのヨハネは、リトルデーモンのことはなんでも知ってるつもりよ♪」
曜「いやでもそれズルじゃん」
善子「うるさいわね」
曜「そもそもリトルデーモンじゃないし…」
善子「あのね…」ハァ
曜「いや、無理してたわけじゃ…」
善子「果南さんの前で口つけないのは失礼だと思ったんでしょうけど」
善子「ドーナツ食べてるときも、そのときみたいに時々微妙な顔してたわ」
善子「それに、食べるのにだんだん時間がかかっていったのもそうね あと…」
曜「もういいです… なんかすっごい恥ずかし…///」プシュー
善子「ようやく認めたようね」フフン
曜(あー… かっこつかないなぁ…)
善子「ばっ…!/// ち、違うわよ!///」ビクッ
善子「お刺身苦手なのにすすんで食べにいってたから不思議で…」
善子「それに、ドーナツも一応声かけようとしたけど無理やり入っていったし…」
善子「とにかく! もしかしたらプロフィールは適当だったのかも、と思って見てただけだから!」
曜「なるほど… ってほらやっぱり見てるじゃん!///」
善子「だああもおおお!///」
善子「…嫌いな物我慢してまで、付き合ってくれたところが、優しいって、言いたくて…///」ゴニョゴニョ
曜「!」ドキン
曜(また… なにこれ…?)ドキドキ
善子「その、誘ってくれて、ありがとう…///」
曜「善子ちゃん… そっか、ど、どういたしまして///」テレテレ
善子「ん…///」
曜(うぁぁ…! さっきより恥ずかし…一体どうしたの私!?)ドキドキ
曜「!」
曜(善子ちゃん、ずっとあっち向いてるけど…)
善子「そ、そうね…///」
曜(顔真っ赤なの、窓に映ってる… っ!)キュウ
曜(うわ… 息、苦しい…っ!)バクバク
曜「…ふーっ///」ドキンドキン
善子「…///」
ようよし「!」ビクッ
曜「あ、私降りなきゃ…! 停車ボタンは…」アセアセ
善子「そ、そうね…! ボタンボタン…!」スッ
ピト
ようよし「!!」バッ
曜「ご、ごめ…///」
善子「いや、こっちこそ、でしゃばってごめんなさい…///」
曜「い、いいよいいよ うん!///」ピンポーン
『次、停まります バスが停車するまで、席を立たずに…』
曜(ほんとにどうしたんだろ…私…?)バクバク
曜(なんか、指がすっごい熱くなってる気がする…うーん…?)
曜(善子ちゃんと当たってから…)
―――
善子「……」ソーッ
曜(善子ちゃん、指きれーだな…)ボー
―――
曜「!///」ボフン
曜(急に…っ! 何を思い、出して… 私の方こそ、善子ちゃんばっかり見てるじゃん…!)バクバク
曜「…///」チラ
善子「…?」サワサワ
曜(あ、指触ってる)
曜(私とおんなじこと、してるや)
曜「…ふふっ」
善子「!? ど、どうしたのよ急に…」
曜「あはははは… なんだろ、なんか笑っちゃった」
善子「えぇ…? 変な人…」
曜「そうかもね でも、善子ちゃんも変だよ」
善子「ちょっとなによ急に! 私は――「だからさ」
曜「私たち、似た者同士、だね!」ニコ
善子「っ…/// そんな共通点、いらないわよっ」プイ
善子「ふん…///」
曜(笑ったら、苦しかったのがなくなった気がする)
曜(代わりに、胸の奥が暖かくなって…)
曜(これってもしかして、私…)
プシュー
曜「…おっと じゃあね、善子ちゃん また明日!」スクッ
善子「あ、曜さん!」
曜「うん?」
善子「えっと… 今日は本当にありがとっ!///」
曜「ふふっ、私からもありがとう! それじゃ、ヨーソロー!」ビシッ
スタスタ
曜「~♪」フリフリ
曜(…どうして胸が苦しくなったのか)
曜(どうして楽しそうな善子ちゃんを見て、私も楽しくなったのか)
曜(どうしてあのとき、暖かい気持ちが溢れてきたのか)
曜(それから、どうしてこんなに、善子ちゃんのことを考えちゃっているのか)
曜「…いや、ほんとはもう答え、出てるよね///」クス
曜(そういえば…あった!)スッスッ
曜「『特技:ゲーム、魔法』か… ふふっ」
曜(…善子ちゃん、できれば恋の魔法は、他の人には使わないでよね)
曜「なんてね 全速前進~…」
曜(いいや! 使わせたりしないからね!)
曜「ヨーソロー!」ダッ
曜(青春まっしぐら、だ!)
タッタッタ…
善子「……」ボー
善子(曜さんは…)
善子(かっこよくて、かわいくて、優しくて)
善子(リア充だからちょっと距離あるかもって思ってたけど)
善子(仲良くしてくれて、ほんとにいい人で…)
善子(…平気で、今日みたいなことして)
善子「そんなの、ただの憧れですむわけないじゃない…」
善子(きっと、こんなことは、曜さんにとっては当たり前 それでも…)
善子「今度は、私から寄り道、誘ってみようかな…」ボソッ
善子(ねぇ、曜さん…? 堕天使をその気にさせた責任は、ちゃんととってもらうんだから…!)
この前ちかりこ前提のようよし書いたときに「純粋なようよしはないものか」ってレスがあったので純粋なものを目指しました
楽しんでいただければ幸いです、感想あると嬉しい
ようよしはいいぞ
乙
ようよしは先輩後輩感が良いね
すぐにはくっつかない感じがいいね
-
前の記事
【ラブライブ!】どのμ’s声優の作った昼食食べたい? 2020.04.25
-
次の記事
【ラブライブ!】サンシャイン!! からシール付アイスバーが登場!オリジナルシールが1枚封入!バンダイより 2020.04.25