【ラブライブ!】海未「えり、ゲームをしましょう」
- 2020.04.27
- SS

絵里「それはよかったわ。明日はうみが作る番よね? 楽しみにしてるわ」
海未「期待に添えるかどうかは分かりませんが、がんばります」
絵里「ええ」
海未「あっ、では昨日の続きをしたいと思うので見ていてくれませんか?」
絵里「あのゲーム? 面白かったの?」
海未「はい。昨日はよく分からないまま終わってしまいましたから。今日こそはパートナーを育て、公式戦というものに出てみたいと思います」
絵里「かまわないけれど。……でも、海未ってゲームとかするの?」
海未「いえ。実家にいた頃はそういうものに触れる機会がありませんでしたから。ですから、新鮮で面白いです」
絵里「穂乃果とかゲーム好きそうだけれど、一緒にやったりはしなかったの?」
海未「はい。小さい頃に何度か横で見ていた覚えがありますけれど」
絵里「ふーん」
海未「えり、何かCDを持っていませんか? せっかくなのでモンスターを再生してみたいです」
絵里「そうね。手元にあるのはこれと……これくらいかしら」
海未「ありがとうございます。一枚目は……まだ再生できないようですね」
絵里「ほとんど進めてないからしょうがないわね」
海未「二枚目は……あっ、できました」
絵里「よかったじゃない」
海未「ドキドキしますね」
絵里「そうね。うみのお気に召すモンスターだといいわね」
絵里「ライガーとナーガの混合種かしら?」
海未「す、すごいです! かっこいいです!」
絵里「そ、そう? ちょっとこわくない?」
海未「何を言っているのですか! 紫色の体、金色の瞳、ぞくぞくしませんか!?」
絵里「え? ど、どうかしら……」
海未「決めました! あなたの名前はドゥンケルです! 二人でがんばりましょう!」
絵里(うみって少し中二病入ってるわよね)
海未「ついにやってきました。ここがわたしとドゥンケルの晴れ舞台です。最初の相手はナッツ? うさぎでしょうか?」
絵里「まあその相手なら負けることはないでしょ。がんばってね」
海未「はい!」
…………
海未「やりました! あと1勝で全勝です!」
絵里「うまいじゃない。その調子よ」
海未「やはりドゥンケルは強いです。Eランクは楽勝ですね」
絵里「最後まで気を抜いちゃダメよ。次の相手は……あっ」
海未「オクレイマン? 変な名前ですね」
絵里「今までの相手より少し強いわ。注意して」
海未「そうなのですか? 分かりました」
海未「ここまでは順調です。あとは時間切れまで逃げ切れば……」
絵里「あっ! その位置は……」
『フッ、フッ、ヒュン! \BOO!/』
海未「やりました! 時間切れです!」
絵里「ふう。危なかったわね……」
海未「え? なにか言いましたか?」
絵里「いいえ。おめでとう」
海未「はい! ありがとうございます!」
絵里「え? もう次の公式戦に出るの?」
海未「はい。Eランクは簡単に優勝できましたから。次は一つ飛ばしてCランクに挑みます」
絵里「悪いことはいわないからせめてDランクにしときなさい」
海未「臆していては勝てる試合も負けてしまいます。わたしはドゥンケルを信じています」
絵里「一応、忠告はしたわよ」
絵里「はいはい。その調子で頑張ってね」
海未「はい!」
…………
海未「…………」
絵里「一撃だったわね」
海未「そもそも15%の技が当たるなんておかしいです。今のは運が悪かっただけです」
絵里「はいはい。次こそはがんばってね」
絵里「結局2勝5敗だったわね。お疲れさま」
海未「…………」ブチッ
絵里「あっ」
海未「何だかやる気がなくなりました。えり、他になにかおもしろいゲームはありませんか?」
絵里「……そうね。わたしもそんなに持っているわけじゃないのだけれど。テトリスとかどうかしら?」
海未「それならさすがに私でも聞いたことがあります」
絵里「そう。じゃあ準備するわね」
海未「とにかく横一列にそろえればいいのですよね。簡単です」
…………
海未「レベル13までいけました。次はえりの番ですよ」
絵里「わたしもやるの? まあいいけれど」ピッピッピ
海未「え? そんなに難易度をあげるのですか?」
絵里「ええ。まあ見てなさい」
期待してます
絵里「……あっ、詰まっちゃった」
海未「えり、あなた本当に人間ですか?」
絵里「小さい頃から大好きだったの。ロシアにいた頃もずいぶんやったわね」
海未「さすがにこれでは勝てる気がしません。今回はえりに勝ちを譲ります」
絵里「ありがと」
絵里「うん? どうしたの?」
海未「今日、穂乃果からこのゲームを借りたのでした。すっかり忘れていました」
絵里「ゲゲゲの鬼太郎? 懐かしいわね」
海未「なにかゲームを送るよう実家に頼んだら送られてきたそうです。ですがこっちにはPSがなくてできなかったと」
絵里「だったら穂乃果も来て一緒にすればよかったのに」
海未「わたしもそう言ったのですが……。わたしとえりの二人でやってほしいと」
海未「でも鬼太郎ですよ。怖いと言ってもあくまで子ども向けでしょう。馬鹿にされるのも癪なので今からやろうと思います」
絵里「……わたしもやるのよね?」
海未「もちろんです」
絵里「そうよね……。なんかそう思ってみるとパッケージも怖くなってきたわ」
海未「えり……。そこまで怖がりなのですか?」
絵里「わ、わかったわよ! やるわよ!」
絵里「に、肉人形ってのはあとにしない? べ、べつに怖いわけじゃないけれど」
海未「そうですね。それでは最初はゲゲゲの森にしましょう」
…………
海未「森を探索して鬼太郎を見つけることが目的のようですね」
絵里「な、なかなか雰囲気あるわね」
海未「そうですね。とてもこども向けとは……」
『カァー! カァー!』
絵里「ひっ!」
海未「えり、カラスが鳴いただけですよ」
絵里「わ、わかってるわよ! ちょっと驚いただけでしょ! ……でも、もう少しだけこっちに寄って」
海未「はいはい」
海未「これでクリアのようですね」
絵里「なーんだ。本当に怖くないじゃない。わざわざ穂乃果が貸すくらいだからもっと怖いのかと思ったのに」
海未「…………」
絵里「な、なによその目は」
海未「いえ。でも、確かにそうですね。懐かしいキャラクタが出てきて楽しめました。はなから友人を疑うなんてよくありませんでした。反省します」
絵里「そうね。この分だと他のも普通に楽しめそうね。……ちょっとお手洗いにいってくるわ。先に進めてていいわよ」
海未「はい。分かりました。それでは『学校』をやってみます」
海未 ダッダッダッ「えりいいいいいぃぃぃぃぃ!!」
絵里「え!? な、なに!? どうしたの!?」
海未「せ、先生が……顏の……にげられなくて……お化けで……!」
絵里「ちょ、ちょっと! いっかい落ち着きなさい!」
海未「と、とにかくわたしを一人にしないでくださいぃぃぃ!」
絵里「わ、分かったから! とりあえず戻るわよ!」
海未「は、はい。わたしは向こうを向いています。もう見たくありません」
絵里「ちょ、ちょっと! おどかさないでよ! ……とりあえず教室から出てみるわね」
海未「あっ……」
『おい、内山…… 何処へ行くんだ? ダメじゃないか…… 勝手に出歩いちゃぁ……』
絵里「これってさっきの先生よね? ……あれ? コントローラがきかな……」
『ウォォォォォ!!』
絵里「ひぃっ! う、う、うみ! これどうすればいいの!?」
海未「わ、分かりません! すぐにえりのところにいったので!」
絵里「ち、近づいてきてるんだけど!? いやっ! まってまってまって! あっ……」
海未・絵里「ひいぃぃぃぃぃぃ!!!」
絵里「ええ」
海未「……肉人形はどうしますか」
絵里「ぜったいにやらない」
海未「同意見です。……ところで、えり、明日は暇ですか?」
絵里「え? 特に予定はないけれど」
海未「ゲームを返すついでに穂乃果にお礼をしたいと思うのですが」
絵里「なるほどね。わたしもついていくわ。こーんなに面白いゲームを貸してもらったんだもの。相応のお礼をしなくちゃね」
海未「明日が楽しみですね」
海未・絵里「ふふふっ」
海未(今になってお手洗いに行きたくなってきました。時間は1時ですか。えりは……)
絵里「すう……すう……」
海未(完全に寝ていますね……)
海未(……なにを躊躇しているのでしょうか。朝まで我慢できるはずもありません。さっさと済ませましょう。無心……無心……)
ガチャッ
海未「ひっ!」
海未「い、いま玄関のドアノブが……」
海未「き、気のせいですよね。はやくお手洗いに……」
ガチャガチャガチャ!
海未「ひいっ!」
ガチャガチャガチャ! ……カチッ
海未「え?」
ギィィィ……
海未「!?」ガチャッ!バタン!カチッ!
ヒタヒタ
海未「ふ、不審者でしょうか……? 咄嗟にトイレに逃げ込んでしまいましたが、このままではえりが……」
バンッバンッ!
海未「ひいっ! 窓に手が!? あ、鍵が開いて……」
ガラガラ
海未「な、中に入って……! に、にげっ……!」カチッ!ガチャッ!
海未「あっ………」
???「…………」
???「…………」ヒタヒタ
海未「い、いやっ……! 近づかないで……!」
???「…………」ヌーッ
海未「ひいっ!」
???「ばあっ!」
海未「………っっっ!!!」
穂乃果「えへへ、な~んちゃって! 海未ちゃんびっくりした!?」
海未「……ほ、ほのか?」ストン
穂乃果「うん! 協力してくれてありがとう!」
絵里「……ちょっと騒がしいわよ、うみ……ってあなた達!? どうしてここに!?」
希「お、えりち。ほんとはえりちにもドッキリ仕掛けようと思ってたんやけど、運がよかったなあ」
絵里「ど、どっきり?」
海未「い、いまは触らないでっ……! あっ……」ジワァ…
穂乃果「え?」
海未「み、みないで……みないでぇ……」ジワワッ……
穂乃果「う、うみちゃん?」
穂乃果・希「本当に申し訳ありませんでしたっ!」
絵里「あなたたち、どう考えてもやりすぎよ! それにわたしに謝ってどうするの!? 謝るなら海未にでしょ!?」
穂乃果「海未ちゃん、ごめんね……。こんなことになるなんて思わなくて……。ほんとにごめんっ!」
希「ちょっとやりすぎたんよ……。海未ちゃん、本当にごめんなさい」
絵里「うみ、だいじょうぶ?」
海未「ぐすっ……ひっく……ひっく……」
絵里「とりあえず、今日は帰って。これ以上は少し落ち着いてからにしましょう」
穂乃果「うん……。海未ちゃんほんとにごめんね」
希「本当にごめんなさい。この埋め合わせは必ずするから。……それじゃあおやすみ」
絵里「うみ、少し落ち着いた?」
海未「…………」
絵里「もう気にしないで、ねっ?」
海未「……はい」
絵里「うん。それじゃあおやすみ」
海未「あ、あの……」
海未「きょ、今日だけいっしょの布団で寝てもよいでしょうか……?」
絵里「いいわよ。おいで」バサッ
海未「……ありがとうございます」モゾモゾ
絵里「ふふっ。じゃあ今度こそおやすみ」
海未「……はい。おやすみなさい」
後日、穂乃果と希は財布がすっからかんになるまで奢らされました。
お付き合い頂きありがとうございました
乙
海未ちゃんがこうなるのは珍しいな
乙です
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