【ラブライブ!】善子「泣いた堕天使」 【Aqours昔話】
- 2020.04.28
- SS

え?堕天使と天使って普通は敵じゃないかって?
知りませんよそんなの。
善子(堕天使)「あ~暇~」
花丸(天使)「それはしょうがないずら」ズズズ
善子「私の分のお茶は?」
花丸「飲みたきゃいれるずら」
善子「いれてくれたっていいじゃないのよー!」ブーブー
このようにのんびりと、暮らしていました。
2人が住んでいる山の麓の村、そこには人間が住んでいるのですが、自分達とは違う2人を怖がっていたのです。
だから2人を見かけるとすぐに逃げてしまいました。
善子「立て札……立てたのにな……」
堕天使は何もしなかったわけではありません。
自分達の家の前に
『天界より追放されし堕天使とその眷属たる天使が住まう場所』
と書かれた立て札が……ってこんなの人来るわけ無いじゃないですか!
余計に怖がりますよ!
花丸「そうずら」
善子「かっこいいじゃない」
善子「私だって一緒にお喋りしたいわよ……」グスグス
花丸「……」
そんな堕天使を物陰から見ていた天使は一計を案じます。
善子「何?」
花丸「善子ちゃんは人間と仲良くなりたいんだよね?」
善子「そうよ、ってかアンタだってそうじゃない」
花丸「それはこの際置いといて、オラに良い考えがあるずら」
善子「ホントにぃ?」
花丸「うん」
その内容とは――
善子「何よ!そんなの認められるわけないじゃない!」
とても悲しい結果になるのが目に見えていて――
花丸「オラは善子ちゃんの願いを叶えたいずら」
とても自分勝手で――
善子「嫌よ!私は絶対に嫌!」
天使がその身を犠牲にするという内容でした。
善子「嫌よ……アンタと離れるくらいなら人間と仲良くならなくていいわ」
花丸「大丈夫だから。心配することなんて無いよ」
善子「……」
嫌がる堕天使を、天使は無理矢理引っ張って行きました。
花丸「じゃあ、行くよ」
善子「待っ――」
花丸「ふははははは!オラは天使!この村を滅ぼしに来たずら!!」
天使の作戦が……始まってしまいました。
梨子「逃げないと!」
ルビィ「おねぃちゃぁ……」グスグス
ダイヤ「ルビィ、逃げますわよ!立てますか?」
鞠莉「皆こっちよ!早く逃げて!」
曜「戦える人は残って皆を守るよ!」
果南「それなら私も参加させてもらおうかな」
花丸「はははは!雑魚がどれだけ集まっても無駄無駄無駄ァ!」
善子「ずら丸……何やってんのよ……」
善子「そんな目で見られても……」
堕天使は迷います。
実は天使と堕天使はそれほど力がある訳ではなく、戦いになれば一方的に負けるのは分かっていたのです。
善子「……」
天使を守る為、という理由で、堕天使は姿を現します。
曜「うわっ!堕天使まで来た!」
果南「これは覚悟を決めないとヤバいかもね……」
そして――
善子「そこの天使!私が人間達に代わって成敗してやるわ!」ビシッ
決別の言葉を口にしました。
果南「よく分かんないけど……味方?」
花丸「何を言ってるずら、よし――堕天使。お前なんかオラの魔法でひとひねりずら」
善子「させないわ!堕天流奥義!”真空弾”!」
存在しない技を出した堕天使と――
花丸「それは――ぐわぁぁぁ!!」
存在しない技を受けた天使。
花丸「く、くそ……覚えとくずらぁぁ!」
善子「二度と来るんじゃないわよ!」
2人は、離れ離れになりました。
善子「え、えぇ……(泣いたらダメ!今泣いたら花丸の行動が全部無駄になる!)」
堕天使は必死に涙をこらえます。
果南「そっか、私達を助けてくれてありがとう。良い人だったんだね」
善子「……まぁ」
曜「それに比べてあの天使は酷いよ!」
果南「いきなり現れて村を滅ぼす~だもんね。あれは酷い」
善子「っ!」
堕天使は我慢します。
天使のしたことが無駄にならないように……
今まで願ってきたことが叶ったのですが……
心にぽっかりと空いた穴はなおりませんでした。
善子「花丸……」
ある日堕天使は決心して前住んでいた家へと向かいます。
善子「もしかしたら花丸がいるかも!」
そう思って……
ですが、家に帰っても天使はおらず。
【善子ちゃんへ】
そう書かれていた手紙だけが、家には残されていました。
「人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。もしオラ、このまま善子ちゃんと付き合っていると、善子ちゃんまで悪い堕天使だと思われるかもしれません。
なのでオラは旅に出ます。旅に出るけども、いつまでも善子ちゃんを忘れたりはしません。
さようなら、体を大事にしてください。
どこまでも善子ちゃんの眷属、花丸より」
天使から堕天使に向けての、最後の言葉でした。
堕天使は涙を流します。
善子「……そんな、そんな終わり方って……」
何度も何度も読みました。
善子「花丸……」
堕天使は泣いて泣いて、後悔し続けましたとさ。
堕天使よ!本当にこのまま終わって良いのですか!?
善子「……」
天使は貴女の唯一無二の親友でしょう!
こんな簡単に失ってもいいのですか?
善子「なによ……」
ここでやらなくていつやるんですか!
善子「――いわね」
ん?
善子「うるさいわね!!やってやるわよ!!」
それでこそこの物語の主人公です。
善子「上手い食べ物があるところ!それか神社!」
そこにいる可能性が高い、と?
善子「ぶっちゃけそこしか思いつかないわ」
善子「待ってなさいよ……!」
善子「一番近くの街に来たけど……人多いわねぇ」
善子「鞠莉から美味しい店のチェックリストは貰ってるから……」ガサゴソ
善子「あとはそこをしらみつぶしにまわるしかないわね」
善子「一件目は……”のっぽパン専門店”?」
……あれ?
善子「っと、ここね」
イラッシャイマセー
善子「ここには……へ?」
花丸「ずら?」
善子「ずら丸じゃないのよ!どうしてここに!?」
花丸「どうしてってオラはここの常連だよ?」
善子「」
なんという奇跡。
花丸「ちょっ、痛いからやめるずらぁ~!」
善子「止めないわよ!」ポコポコ
花丸「ぎゃー!!」
元気そうで何よりです。
善子「けど、無事で良かった」ギュッ
花丸「善子ちゃん……」
花丸「ごめんね」
善子「許す!」
花丸「はやっ!?」
善子「アンタがしたことは水に流すから、また2人で暮らしましょ?」
善子「あんなもの仮初よ。私は花丸と一緒にいたいの」
花丸「善子ちゃん……」
ふぅ……これで一件落着ですね。
善子「この紙は何?」
花丸「ずら?」
善子「なんか【借用書】って書いてあるように見えるんだけど」
花丸「そうずら」
善子「アンタねぇぇぇ!!!!」
花丸「ごめんなさいずらぁぁぁ!」
元の話と違う点は
赤鬼と青鬼は一緒に住んでいない
↓
堕天使と天使は一緒に住んでいる
赤鬼は青鬼に申し訳ないと思って断った
↓
堕天使は天使と一緒に居たいから断った
赤鬼は最後手紙を読んで諦める
↓
堕天使は見つけ出す
ありがとう
オリジナルは切ないな
最後は青鬼の手紙読んでわんわん泣くとこで終わりなんだよ
思い出して泣けたわ
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