【ラブライブ!】善子「泣いた堕天使」 【Aqours昔話】

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1: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 22:45:26.69 ID:UdIkGkqk

昔昔あるところに堕天使と天使が仲良く暮らしていました。
え?堕天使と天使って普通は敵じゃないかって?
知りませんよそんなの。

善子(堕天使)「あ~暇~」

花丸(天使)「それはしょうがないずら」ズズズ

善子「私の分のお茶は?」

花丸「飲みたきゃいれるずら」

善子「いれてくれたっていいじゃないのよー!」ブーブー

このようにのんびりと、暮らしていました。

2: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 22:49:02.82 ID:UdIkGkqk

堕天使が暇だと言っていたのには理由があります。
2人が住んでいる山の麓の村、そこには人間が住んでいるのですが、自分達とは違う2人を怖がっていたのです。
だから2人を見かけるとすぐに逃げてしまいました。

善子「立て札……立てたのにな……」

堕天使は何もしなかったわけではありません。
自分達の家の前に

『天界より追放されし堕天使とその眷属たる天使が住まう場所』

と書かれた立て札が……ってこんなの人来るわけ無いじゃないですか!
余計に怖がりますよ!

花丸「そうずら」

善子「かっこいいじゃない」

3: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 22:50:57.07 ID:UdIkGkqk

いつまで経っても人間と仲良くなれない堕天使は悲しみました。

善子「私だって一緒にお喋りしたいわよ……」グスグス

花丸「……」

そんな堕天使を物陰から見ていた天使は一計を案じます。

4: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 22:53:28.74 ID:UdIkGkqk

花丸「善子ちゃん、話があるずら」

善子「何?」

花丸「善子ちゃんは人間と仲良くなりたいんだよね?」

善子「そうよ、ってかアンタだってそうじゃない」

花丸「それはこの際置いといて、オラに良い考えがあるずら」

善子「ホントにぃ?」

花丸「うん」

5: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 22:55:46.56 ID:UdIkGkqk

そこで天使が作戦の内容を話します。
その内容とは――

善子「何よ!そんなの認められるわけないじゃない!」

とても悲しい結果になるのが目に見えていて――

花丸「オラは善子ちゃんの願いを叶えたいずら」

とても自分勝手で――

善子「嫌よ!私は絶対に嫌!」

天使がその身を犠牲にするという内容でした。

7: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 22:59:11.58 ID:UdIkGkqk

花丸「善子ちゃん、言う事聞くずら」

善子「嫌よ……アンタと離れるくらいなら人間と仲良くならなくていいわ」

花丸「大丈夫だから。心配することなんて無いよ」

善子「……」

嫌がる堕天使を、天使は無理矢理引っ張って行きました。

花丸「じゃあ、行くよ」

善子「待っ――」

花丸「ふははははは!オラは天使!この村を滅ぼしに来たずら!!」

天使の作戦が……始まってしまいました。

8: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:03:19.90 ID:UdIkGkqk

千歌「天使だ!」

梨子「逃げないと!」

ルビィ「おねぃちゃぁ……」グスグス

ダイヤ「ルビィ、逃げますわよ!立てますか?」

鞠莉「皆こっちよ!早く逃げて!」

曜「戦える人は残って皆を守るよ!」

果南「それなら私も参加させてもらおうかな」

花丸「はははは!雑魚がどれだけ集まっても無駄無駄無駄ァ!」

善子「ずら丸……何やってんのよ……」

9: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:05:29.32 ID:UdIkGkqk

花丸「(ほら、善子ちゃん早く!)」チラッ

善子「そんな目で見られても……」

堕天使は迷います。
実は天使と堕天使はそれほど力がある訳ではなく、戦いになれば一方的に負けるのは分かっていたのです。

善子「……」

天使を守る為、という理由で、堕天使は姿を現します。

10: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:07:26.21 ID:UdIkGkqk

善子「待ちなさい!」

曜「うわっ!堕天使まで来た!」

果南「これは覚悟を決めないとヤバいかもね……」

そして――

善子「そこの天使!私が人間達に代わって成敗してやるわ!」ビシッ

決別の言葉を口にしました。

11: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:10:36.48 ID:UdIkGkqk

曜「え?仲間じゃないの?」

果南「よく分かんないけど……味方?」

花丸「何を言ってるずら、よし――堕天使。お前なんかオラの魔法でひとひねりずら」

善子「させないわ!堕天流奥義!”真空弾”!」

存在しない技を出した堕天使と――

花丸「それは――ぐわぁぁぁ!!」

存在しない技を受けた天使。

花丸「く、くそ……覚えとくずらぁぁ!」

善子「二度と来るんじゃないわよ!」

2人は、離れ離れになりました。

13: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:14:22.45 ID:UdIkGkqk

曜「あなたは……私達の味方なの?」

善子「え、えぇ……(泣いたらダメ!今泣いたら花丸の行動が全部無駄になる!)」

堕天使は必死に涙をこらえます。

果南「そっか、私達を助けてくれてありがとう。良い人だったんだね」

善子「……まぁ」

曜「それに比べてあの天使は酷いよ!」

果南「いきなり現れて村を滅ぼす~だもんね。あれは酷い」

善子「っ!」

堕天使は我慢します。
天使のしたことが無駄にならないように……

14: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:17:08.16 ID:UdIkGkqk

その後堕天使は村の人間と仲良くなりました。
今まで願ってきたことが叶ったのですが……

心にぽっかりと空いた穴はなおりませんでした。

善子「花丸……」

ある日堕天使は決心して前住んでいた家へと向かいます。

善子「もしかしたら花丸がいるかも!」

そう思って……

15: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:20:27.81 ID:UdIkGkqk

善子「花丸!」バン!

ですが、家に帰っても天使はおらず。

【善子ちゃんへ】

そう書かれていた手紙だけが、家には残されていました。

「人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。もしオラ、このまま善子ちゃんと付き合っていると、善子ちゃんまで悪い堕天使だと思われるかもしれません。
なのでオラは旅に出ます。旅に出るけども、いつまでも善子ちゃんを忘れたりはしません。
さようなら、体を大事にしてください。
どこまでも善子ちゃんの眷属、花丸より」

天使から堕天使に向けての、最後の言葉でした。

16: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:23:36.51 ID:UdIkGkqk

善子「何……言ってるのよ……」ポロポロ

堕天使は涙を流します。

善子「……そんな、そんな終わり方って……」

何度も何度も読みました。

善子「花丸……」

堕天使は泣いて泣いて、後悔し続けましたとさ。

17: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:25:45.76 ID:UdIkGkqk

が!ここで終わらないのがAqours昔話クオリティです!!
堕天使よ!本当にこのまま終わって良いのですか!?

善子「……」

天使は貴女の唯一無二の親友でしょう!
こんな簡単に失ってもいいのですか?

善子「なによ……」

ここでやらなくていつやるんですか!

善子「――いわね」

ん?

善子「うるさいわね!!やってやるわよ!!」

それでこそこの物語の主人公です。

18: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:28:22.33 ID:UdIkGkqk

善子「ずら丸の行きそうな所行きそうな所……」ブツブツ

善子「上手い食べ物があるところ!それか神社!」

そこにいる可能性が高い、と?

善子「ぶっちゃけそこしか思いつかないわ」

善子「待ってなさいよ……!」

19: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:30:22.09 ID:UdIkGkqk

――

善子「一番近くの街に来たけど……人多いわねぇ」

善子「鞠莉から美味しい店のチェックリストは貰ってるから……」ガサゴソ

善子「あとはそこをしらみつぶしにまわるしかないわね」

善子「一件目は……”のっぽパン専門店”?」

……あれ?

20: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:32:19.35 ID:UdIkGkqk

――

善子「っと、ここね」

イラッシャイマセー

善子「ここには……へ?」

花丸「ずら?」

善子「ずら丸じゃないのよ!どうしてここに!?」

花丸「どうしてってオラはここの常連だよ?」

善子「」

なんという奇跡。

21: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:34:22.55 ID:UdIkGkqk

善子「私が!どんだけ心配したと思ってるのかしら!!」ポコポコ

花丸「ちょっ、痛いからやめるずらぁ~!」

善子「止めないわよ!」ポコポコ

花丸「ぎゃー!!」

元気そうで何よりです。

善子「けど、無事で良かった」ギュッ

花丸「善子ちゃん……」

花丸「ごめんね」

善子「許す!」

花丸「はやっ!?」

善子「アンタがしたことは水に流すから、また2人で暮らしましょ?」

22: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:35:07.35 ID:UdIkGkqk

花丸「人間達は?」

善子「あんなもの仮初よ。私は花丸と一緒にいたいの」

花丸「善子ちゃん……」

ふぅ……これで一件落着ですね。

23: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:37:05.83 ID:UdIkGkqk

―天使堕天使のその後―

善子「この紙は何?」

花丸「ずら?」

善子「なんか【借用書】って書いてあるように見えるんだけど」

花丸「そうずら」

善子「アンタねぇぇぇ!!!!」

花丸「ごめんなさいずらぁぁぁ!」

24: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:37:51.30 ID:UdIkGkqk

めでたしめでたし
25: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:41:47.67 ID:mZCurhRE

泣いた赤鬼読んだことなかったけどこんな話だったのか
27: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:44:41.84 ID:UdIkGkqk

>>25
元の話と違う点は

赤鬼と青鬼は一緒に住んでいない

堕天使と天使は一緒に住んでいる

赤鬼は青鬼に申し訳ないと思って断った

堕天使は天使と一緒に居たいから断った

赤鬼は最後手紙を読んで諦める

堕天使は見つけ出す

29: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:52:01.22 ID:mZCurhRE

>>27
ありがとう
オリジナルは切ないな
30: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 00:00:20.01 ID:RwJ97XyJ

>>29
最後は青鬼の手紙読んでわんわん泣くとこで終わりなんだよ
思い出して泣けたわ
33: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 00:39:34.61 ID:L9rf35Px

花丸の借金に泣いた善子ちゃん
37: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 06:33:25.20 ID:KjRIz+uX

泣いた
26: 名無しで叶える物語@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 23:43:17.39 ID:td21xFeK

泣いた俺氏