【ラブライブ！】にこ「真姫ちゃんの恵方巻き食べちゃうにこ♡」

ん…あむ…んっ…

にこ「ん……あむ」

真姫「あー！ちょっとにこちゃん！」

にこ「むぐっ」

真姫「それ私の恵方巻きでしょ！返して！」

にこ「んー！んー！」ﾌﾙﾌﾙ

真姫「何とか言いなさい！」

にこ「もがっ、揺すぶらないで……あー！」

にこ「しゃべっちゃったー！」

にこ「食べてる途中で話しちゃダメなのに、もう！」

にこ「真姫ちゃんのせいにこ！」

真姫「知らないわよ！」

にこ「真姫ちゃんのせいで、今年は厄年にこー！」ﾎﾟｶﾎﾟｶ

真姫「自分がいけないんでしょ！バカ！」ﾎﾟｶﾎﾟｶ

にこ「真姫ちゃんきらい！」

真姫「ふん、私だってにこちゃんきらいよ！」

にこ「！！」ｶﾞｰﾝ

真姫「ふんっ」ﾌﾟｲｯ

にこ「……」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

にこ「にごっ」

ﾋﾞｯﾀｰﾝ

にこ「うう、何か踏んづけて転んだにこぉ……」

花陽「あわわ、にこちゃん大丈夫？」

凛「かよちんと二人で豆まきしてたにゃ～」

花陽「ごめんね、にこちゃん」

花陽「はい、絆創膏」

にこ「ありがとう……」

凛「元気ないけど、どうしたの？」

にこ「にこが真姫ちゃんの恵方巻き食べたから、喧嘩になっちゃった……」

花陽「……」

凛「どう考えてもにこちゃんが悪いにゃ～」

にこ「真姫ちゃん、にこのことが嫌いだって……」ｸﾞｽｸﾞｽ

花陽「大丈夫だよ、にこちゃんならきっと仲直りできるよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

凛「そうだ、これあげるにゃ」

にこ「……豆？」

凛「節分の日は、歳の数だけ豆を食べるにゃ」

凛「えーと、にこちゃんは高校三年生だから……」

にこ「12個にこ」

凛「18個だにゃ」

花陽「元気だしてね、にこちゃん」

凛「ちゃんとごまかさずに食べるにゃ～」

にこ「ありがとう、二人とも♡」

にこ「さて、真姫ちゃんを探しに行くにこ」ﾄｺﾄｺ

海未「ああ、にこ」

にこ「海未にこ」

海未「ちょうどよかったです、実は人探しをしていまして」

にこ「奇遇にこ。実はにこも――」

海未「……なるほど、真姫の恵方巻きを食べてしまったのですね」

にこ「バカなことしちゃったにこ……」

海未「やれやれ……あなたもですか」

にこ「海未は誰を探しているにこ？」

海未「穂乃果です！」

海未「あの子ときたら、豆まきのために取っておいた豆を一人で全部食べてしまいまして」

にこ「穂乃果らしいにこ」

海未「まったく！あの子ときたら！」

海未「これでは鬼が追い払えないではありませんか！」

にこ「海未の方がよっぽど鬼っぽいにこ」

海未「何か言いましたか？」ｷﾞﾛ

にこ「ひっ……な、なんでもない！なんでもないにこ！」

海未「……ならいいのですが」

にこ（鬼より怖いにこぉ……）

にこ「ふぅ、おしっこちびりそうになったにこ」

希「にこっち、わしわしやん♪」

にこ「にごっ……の、希！？」

希「元気ないやん？どしたん？」

にこ「実は――」

希「なるほど、真姫ちゃんを怒らせちゃったんやね」

にこ「おまけに恵方巻き食べながらしゃべっちゃうし……」

希「しっかり反省せなあかんよ？」

にこ「うん……」

にこ「ところで、どうして恵方巻き食べながらしゃべっちゃいけないにこ？」

希「言葉と一緒に運気が逃げてしまうからやね」

希「あと、願いの途中で雑念が混じるから、とも言われてるね」

にこ「なるほど、さすがスピリチュアルなことに詳しい希にこ」

にこ「希は恵方巻き食べないにこ？」

希「うちはラッキーガールやから、行事にすがる必要なんてないんよ」

にこ「あやかりたいにこ」

希「ほな、うちのラッキーパワー注入してあげるね」ﾝｰ

にこ「ちょ、なんで顔を近づけるにこ！」

希「ええやん、減るもんやなし」

にこ「やめるにこー！離すにこー！」

「……何してるの」

にこ「あ……真姫ちゃん」

真姫「心配になって、戻ってきてみれば……」

希（あっちゃー、やらかした）

にこ「真姫ちゃん、さっきはごめ」

ﾊﾟｼ

真姫「さわらないで！」

真姫「にこちゃんなんて大っ嫌いよ！」

にこ「！！！！」ｶﾞｶﾞｰﾝ

真姫「ふんっ」ﾌﾟｲ

希「ま、真姫ちゃん！」

希「違うんよ、これは」

にこ「……ふ」

にこ「ふぇええん……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

希「あわわ……」

希（火に油注いじゃったやん……）

希（……かくなるうえは！）

希「にこっち！」

希「ごめん、この通りや！」

にこ「……」ｸﾞｽ

希「せや、おわびにうちが、鬼になる！」

にこ「……ほんとにいいの？」

希「ええんよ、うちが悪いんやから」

にこ「じゃあ、遠慮なくいくにこ」

ﾊﾞﾗｯ

にこ「鬼はーそとー」

にこ「福はーうちー」

希「もっと強くてええよ」

にこ「鬼はーそとー！」

希「もっと！」

にこ「セクハラ魔はーそとー！」

にこ「無駄におっきな胸はーそとー！」

にこ「ワシワシ魔はーそとー！」

にこ「下品な乳はーそとー！」

希「……」

にこ「レズ痴漢はーそとー！」

にこ「おっぱい魔神はーそとー！」

希「……にこっち」

希「ほんとはうちのこと、嫌い？」ｸﾞｽ

にこ「自分から言い出しておいて……」

希「思ったよりダメージ大きかったんよ……」

にこ「まったく……でも、ありがとうにこ」

にこ「おうちに帰ったら鬼役にならざるを得ないから、たまには豆をまく側になりたかったにこ」

希「そっか、可愛い妹が待ってるもんね」

にこ「少し元気出たにこ！がんばって真姫ちゃんの誤解を解くにこ！」

希「うまくいくよう、願ってるんよ」ﾌﾘﾌﾘ

にこ「真姫ちゃん、真姫ちゃん」ﾄｺﾄｺ

にこ「部室かな？真姫ちゃんやーい」

にこ「……う」

にこ「うげー、これなんの臭いにこ？」

にこ「いたっ」

にこ「何にこ？このトゲトゲ葉っぱ！」

にこ「部室にこんないたずらしたのは、誰にこ！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

ｶﾞﾁｬ

にこ「うげげ……なにこの魚の頭」

にこ「臭いの元はこれにこね」

にこ「服に臭いがついちゃうにこ！換気、換気！」

絵里「あら、にこ。いらっしゃい」

にこ「いらっしゃいじゃないにこ！」

にこ「部室にこんなイタズラして！」

絵里「あら、イタズラなんかじゃないわ」

絵里「柊の葉っぱと、鰯の頭」

絵里「これもまた、立派な魔除けなのよ！」ﾊﾞｰﾝ

絵里「鰯の頭を使うのは、西日本に由来があるらしいわね。関西の人は節分に鰯を食べるんですって」

絵里「柊の葉っぱは、鬼に目潰しをする役割があるらしいわ。ちょっと残酷な魔除けね」

絵里「どう？エリーチカの豆知識。賢いでしょ？」

にこ「……」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

にこ「さっさと片付けるにこぉー！！」ﾄﾞｶｰﾝ

絵里「ハラショオ！小鬼よ、小鬼！！」

にこ「もうっ！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

絵里「くすんくすん」

ｶﾞﾁｬ

ことり「すごい声がしたけど、どうしたの？」

にこ「あら、ことり。いらっしゃい」

ことり「あっ、にこちゃん。ちょうどよかった♪」

ことり「新しい衣装を作ったんだけど、ちょっと着てみてくれるかな？」

にこ「わーっ、楽しみにこ♡」

ことり「ところで、なんだか生臭いけど、どうしたの？」

にこ「絵里のせいにこ」

絵里「にこ、大変なことを忘れてたわ！」

絵里「節分の鰯は、焼かなきゃいけないのよ！鰯を焼く臭いが鬼を追い払う役目を果たすのよ！」

にこ「家で勝手に焼くにこ」

絵里「そんなぁ……」

にこ「付き合ってられないにこ」

ことり「じゃじゃん♪どう？」

にこ「これは……鬼の衣装にこ♡」

ことり「２月のメインイベントだもんね、節分♪」

にこ「えっ」

にこ「ことり……女子としてその発言はどうかと思うにこ」

ことり「うっ」

にこ「２月といったらバレンタもがもが」

ことり「わー！わー！」

にこ「ええっ、もぎゅラブの衣装製作が難航してるにこ？」

ことり「うぅ……」ｸｽﾝ

にこ「しょうがないにこね～、にこが協力してあげるにこ」

ことり「ありがとう。助かる♪」

にこ「その代わり、この衣装ちょっと貸してね」

にこ「うちに帰ったら、ちび達の鬼役をするにこ」

ことり「どうぞ♪」

にこ「サンキューにこ～♡」

にこ「じゃじゃん♡」

ことり「やんやん、可愛い鬼さん♪」

にこ「がおー」

ことり「きゃー♪」

ｶﾞﾁｬ

穂乃果「ちょ、ちょっとかくまって！」

ことり「あっ、ﾊﾉｹﾁｪﾝ」

にこ「さっき海未が探してたにこ」

穂乃果「おっ、なになに？節分の衣装？」

ことり「作っておいてなんだけど、使いどころが限られた衣装だよね……」

にこ「ハロウィンで使い回せばいいにこ」

穂乃果「にこちゃん、お願いがあるんだけど……」

にこ「何にこ？」

穂乃果「私も、豆まきがしたいの！」

穂乃果「ほら、私ってお姉ちゃんでしょ？」

穂乃果「豆をまくのはいつもユッキーの役で、私は毎年鬼役だから……」

にこ「わかるにこわかるにこ、長女は辛いにこね」

にこ「わかったにこ！穂乃果のために一肌脱ぐにこ！」

穂乃果「ありがとぉ！にこちゃん好き！」

にこ「あら、でも穂乃果、さっき豆を全部食べちゃったんじゃ 」

穂乃果「あ」

ことり「お豆ならここにあるよ～」

穂乃果「ありがとぉ！ことりちゃん大好き！」

にこ「むー、にこより好きのグレードが上がってるにこ……」

にこ「がおー」

ことり「福はうっちー！」

穂乃果「福はうちー！」

にこ「うがー！」

ことり「鬼は外！」

穂乃果「鬼も内！」

にこ「ストップストップ」

にこ「穂乃果、何いってるにこ。鬼は外でしょ」

ことり「鬼が入ってきちゃうよ」

穂乃果「うーん、そうなんだけどね……」

穂乃果「ほら、今は２月じゃん」

にこ「２月にこね」

穂乃果「こんな寒い日に追い払われるなんて、鬼が可哀想な気がしちゃって」

穂乃果「私が鬼なら、きっと泣いちゃうだろうな、って思って」

にこ「穂乃果……」

ことり「優しいんだね、ﾊﾉｹﾁｪﾝ！」

ことり「うん、鬼さんを迎え入れてあげよう♪」

穂乃果「よぅし、鬼さんおいで！」

穂乃果「お茶と熱々のほむまんあげるよ！鬼はうちー！」

ことり「鬼はうっちー！」

「楽しそうですね」

にこ「あ……」

ことり「……あ」

海未「やっと見つけましたよ、穂乃果」ﾆｺ

穂乃果「あ、ああああ……」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

海未「さ、行きましょう」ｸﾞｲｯ

ｽﾞﾙｽﾞﾙｽﾞﾙｽﾞﾙｽﾞﾙｽﾞﾙ

穂乃果「わ、わーん！助けてにこちゃーん！」

にこ「……さ、さーて。にこ達もそろそろ帰るにこ」

ことり「そうね」

穂乃果「やっぱり鬼は外！鬼はそとー！」

海未「誰が鬼ですか！早く来なさい！！」ｸﾜｯ

にこ「なんだかんだで楽しい節分だったにこ～♡」

ﾋﾞｭｳｳｳｳ

にこ「うぅ……寒いにこぉ」

にこ「……これで真姫ちゃんが隣にいてくれたら、もっともっと楽しい節分になったのにな」

にこ「真姫ちゃん……にこのことほんとに嫌いになっちゃったのかな」

にこ「……ぐす」

ｶﾞﾁｬ

にこ「ただいまにこ……」

こころ「あっ、にこにーおかえりなさい！」

ここあ「にこにー、豆まきやろー！」

真姫「鬼役はにこちゃんよ」

にこ「はいはい、わかってるにこ……」

真姫「……」

にこ「……」

真姫「……何よ」

にこ「……え」

にこ「ええええええええ！？」

にこ「まっ、まままま真姫ちゃん！？」

にこ「どうしてここに！？」

真姫「にこちゃん、さっき私の恵方巻き食べたでしょ」

真姫「作って償いなさい」

にこ「で、でもさっきにこのこと大嫌いだって……」

真姫「……ごめんなさい。言い過ぎたわ」

真姫「冷静に考えたら、ヘタレのにこちゃんにあんな大胆なことできるわけないし」

にこ「……」

真姫「何よ、なんとか言いなさいよ」

にこ「……ゔー」ｸﾞｽｸﾞｽ

にこ「よかった……よかった……」

ここあ「あーっ、にこにー泣いてる！」

こころ「マッキーがにこにーを泣かせた！」

真姫「鬼の目にも涙ね」

ここあ「マッキー悪いやつ！やっつけちゃえ！」

真姫「ヴェエ！？悪いのはにこちゃんの方よ！」

こころ「それっ、鬼はそとー！」

ここあ「鬼はーそとー！」

真姫「いたっ、ちょ、にこちゃん！なんとかして！」

にこ「……」ｸﾞｼｸﾞｼ

にこ「よぅし！みんなで真姫ちゃん鬼をやっつけろー！」

真姫「ちょ、もう！」

真姫「」ｾﾞｰﾊｰｾﾞｰﾊｰ

こころ「もぐもぐ」

ここあ「むぐむぐ」

にこ「歳の数だけ食べるにこよ」

にこ「あんまりお豆食べ過ぎたら、恵方巻きが入らなくなっちゃうにこ」

真姫「……にこちゃん」

にこ「んー？」

真姫「次は、にこちゃんが鬼役やるのよ」

にこ「もちろんにこ、これ見て！」

こころ「あーっ！鬼の服！」

ここあ「つよそー！」

真姫「……ことりの作品ね」

にこ「でも、その前に恵方巻きにこ♡」

にこ「いい？恵方巻きを食べてる間はしゃべっちゃダメにこ」

こころ「はーい！」

にこ「しゃべったら運が逃げちゃうにこ」

ここあ「わかったー！」

にこ「では、手を合わせて」

にこ「いただきまーす！」

真姫「……いただきます」

真姫（にこちゃんの手作り……）

真姫「……」ﾑｸﾞﾑｸﾞ

にこ「真姫ちゃん、お味はどう？」

真姫「……」ﾌｲ

にこ「ねーってば、おいしい？」

真姫（にこちゃん、しゃべらせようとしてるわね）

真姫（そうはいかないんだから）

にこ「真姫ちゃーん」

真姫「……」ﾊｸﾞﾊｸﾞ

にこ「……そっか」

にこ「やっぱり真姫ちゃん、にこのこと嫌いなんだ……」ｼｸｼｸ

真姫「なっ……そんなわけないデショー！」

にこ「やった！さっきのお返し大成功にこ♡」

真姫「……あ！」

真姫「むぅーっ、悔しい！」

にこ「これでおあいこにこ～♡」

真姫「見てなさい、仕返ししてあげるんだから！」

にこ「へー、どうやって？」

真姫「……」ｽﾞｲ

真姫「にこちゃん（イケボ）」

にこ「！？」

真姫「その鬼の衣装、とっても可愛いわね（イケボ）」

真姫「可愛いにこちゃんに、とってもよく似合ってるわ（イケボ）」

にこ「……///」

真姫（にこちゃんたら……痩せ我慢して）

にこ（危ない危ない……あやうくとろけちゃうところだったわ）

真姫「あら、にこちゃん」

真姫「ここ、ご飯粒ついてるわよ」

にこ「えっ、どこどこ」

真姫「ここよ」ﾍﾟﾛ

にこ「～～～～～っ！！？？」ﾊﾞｯ

真姫「ふふん、にこちゃんの初めて食べてあげたわ」

真姫「……何とか言いなさいよ////」

にこ「……//////」

ﾋﾞｯﾀｰﾝ

こころ「あーっ！にこにーが真っ赤だ！」

ここあ「赤鬼だ！」

こころ「豆もまかずに鬼を倒すなんて、マッキー強い！」

ここあ「強い！！」

にこ「……/////」ﾌﾟｼｭｰ

真姫「ちょっ、にこちゃーん！」

真姫（ほっぺのご飯粒取っただけでこの反応……）

真姫（バレンタインデーにいろいろ渡したら、いったいどうなっちゃうのかしら？♡）ｸｽ

もぎゅラブに続く

おしまい

かなりやっつけな節分SS。
海苔が苦手で恵方巻きが食べられないエリーチカとか、恵方巻き食べ過ぎちゃうかよちんとか、もっといろいろ書けばよかった。

恵方巻きの由来がアレというのは、本当なのでしょうかね。

ええやんけ

色々完璧だったおつおつ