【ラブライブ!】千歌「わたしのファン」
- 2020.04.30
- SS

全員「Aqoursのホームページを作る?」
鞠莉「イエース!」
鞠莉「と言っても、浦の星ホームページの部活動紹介に特設する感じだけど」
果南「それはいいけど、どうしていきなりホームページを作ることになったの?」
鞠莉「先日、浦の星にAqoursのファンの方から直接問い合わせがあってね」
鞠莉『もっとAqoursについて知りたいから紹介ページを作って欲しい』
鞠莉「……って要望があったのよ」
鞠莉「わたしたちの活動はこの学校の存続にも関わっていることだから」
鞠莉「他の先生方も快くオッケーしてくれたわ」
梨子「やっぱり、この間の予選のライブの反響が大きかったみたいね」
曜「千歌ちゃん、あの時ハメを外していろいろとやっちゃったからねえ……」ハハ…
千歌「うぅ……」ズーン
梨子「まぁ、あの後注意を受けちゃったけど、どうにか予選突破出来たんだし」
梨子「もう気にしないでいいんだよ?」
千歌「う、うん……あの時は本当にご迷惑をおかけしました……」シュン
鞠莉「……ゴホン」
鞠莉「基本的には各メンバーのプロフィールや活動内容などをまとめる予定だけど」
鞠莉「他にもメールフォームを設置するから、全国からファンのメッセージが直接届くようになるからね!」
全員「おお~!」
鞠莉「公開する前に最終チェックをして欲しいんだけど、いいかしら?」
千歌「うん、分かったよ。まずはメンバー紹介を……」カチッ カチッ
千歌「高海千歌、8月1日生まれ。好きな食べ物は『みかん』」
千歌「憧れのスクールアイドルは『μ’sの高坂穂乃果』……うん、大丈夫だよ!」
果南「わたしはAqoursの概要を……へえ~、2年前のこともまとめたんだ」
鞠莉「正直、掲載しようか悩んだんだけどね」
鞠莉「でも、Aqoursが意外と歴史の長いグループだって知ってもらいたいから」
果南「……松浦果南・黒澤ダイヤ・小原鞠莉の3人グループとして活動を続けてきたが」
果南「鞠莉の留学が決まり活動休止となる」
果南「その2年後、のちの現リーダーとなる高海千歌と」
果南「千歌の親友である渡辺曜の2人でスクールアイドル部を立ち上げ……」
曜「千歌ちゃんの『親友』……この情報が全国に知れ渡るんだ……」
曜「嬉しいような、恥ずかしいような///」ドキドキ
梨子「もう、付き合いが長いのは確かなんだし、今更照れることもないでしょ?」
曜「それはそうなんだけど///」カアー
千歌「えへへっ。曜ちゃんてばたまにシャイになるんだから。可愛いなぁ」
千歌(その後、日付が変わったと同時にAqoursのWEBページが公開されました)
千歌(いよいよ全国からファンのメッセージが届くんだ……楽しみだなぁ)
鞠莉「…………」カチッ カチッ
ダイヤ「鞠莉さん、どうですか?Aqoursのホームページの方は」
鞠莉「ええ、開設して半日経ったけどアクセス数も上々よっ!」
鞠莉「それにほら!早速メッセージが5件も来てるの!」
ルビィ「わぁ~、すごいですっ!」
花丸「早く見てみたいずら~!」ソワソワ
鞠莉「ウェイト、ウェイト、ルビまる。では早速1件目」カチッ カチッ
鞠莉「なになに……」
鞠莉『この間のライブを見てAqoursのファンになりました。今後の活躍に期待しています』
鞠莉「……ですって!」
全員「お~っ!!」
果南「こうやって応援されているのが分かると、モチベーションが上がるね」
善子「他のメールはどうなのよっ、早く見せてよ鞠莉~!」ソワソワ
鞠莉「もぉ~、少しは落ち着きなさいよ。ヨ・シ・コ♪」
善子「ヨ・ハ・ネッ!!」
鞠莉「今、次のメールを開くからさ……」カチッ カチッ
曜「えっ、わたし!?」
鞠莉『Aqoursの中では曜ちゃんが一番好きです。予備予選のライブとてもよかったです』
鞠莉「と、書いてあるわ」
梨子「さすが曜ちゃんね」
曜「そ、そんな……照れるなぁ///」カアー
ダイヤ「謙遜することはありませんわ」
ダイヤ「曜さんは間違いなくAqoursの『エース』なのですから」
千歌「そうだよ、曜ちゃん!だからもっと胸を張っていいんだよ?」
曜「千歌ちゃん……うんっ、ありがとね。みんなっ!」
千歌(そして2人目の曜ちゃんのファンからの応援メッセージでした)
千歌(やっぱり曜ちゃんと果南ちゃんは同年代の女の子からの人気が非常に高く)
千歌(梨子ちゃんは、自身が作曲した歌の評判がとても良いみたいです)
千歌(3人とも、メッセージを受け取ってとても嬉しそうでした)
千歌(羨ましいなぁ……)
鞠莉「~♪」カチッ カチッ
千歌「鞠莉ちゃん、今日もメールチェック?」
鞠莉「オウ、千歌っち! そうだ、これ読んでみてよ!」
千歌「なになに……」
千歌「……って何これ?全部英語っ!?わたしが読めるわけないじゃんっ!」
鞠莉「フフッ、ソーリー。アメリカからメールが来てね」
鞠莉「読んでみたらわたしのファンの子だったのよ!」
千歌「す、すごいね。海外にもAqoursを知ってる人がいたんだ」
鞠莉「何でもホームステイで名古屋に滞在してた時にね」
鞠莉「思い出作りのためにステイ先のファミリーと予選のライブを見たそうなんだけど」
鞠莉「そこで気に入ってくれたみたいなの♪」
千歌「嬉しそうだね、鞠莉ちゃん」
鞠莉「オフコース!Aqoursが評価されるのはもちろんだけど」
鞠莉「やっぱり個人も評価してくれると、とても嬉しいわ」ニコニコ
ダイヤ「こうやって応援してくださる方の声が聞けるのは、とても励みになりますわ」
千歌「ダイヤさんもメッセージをもらえたんだね」
ダイヤ「ええ。とても嬉しかったですわ」
鞠莉「もぉ~、ダイヤったら。みんなの前ではすました顔をしちゃって」
鞠莉「初めて受け取った時は狂喜乱舞してたくせに」ニヤニヤ
ダイヤ「おだまらっしゃいっ!!///」カアーッ
果南「まぁ、ダイヤが喜ぶのも無理ないよね。予備予選の時だったけ?」
果南「ルビィちゃんのファンの子に名前を覚えてもらえてなくて落ち込んでたじゃない」
果南「あの頃と比べたら、ダイヤのファンも着実に増えたわけだからねっ」
ダイヤ「うぅっ、あの時のことはあまり思い出したくなかったのに……」
千歌「あはは……」
ルビィ「リトルデーモン4号を披露した頃からのファンの子からだったの!」
花丸「まるも、まるも!」
花丸「『歌声がとてもきれいで素敵です』って褒めてくれて、すごく嬉しかったずら~♪」
善子「フフフッ……」
善子「ヨハネも全国のリトルデーモンから『スピリチュアル・メッセージ』をキャッチしたわっ!」ギラン
千歌「そ、そっか。ルビィちゃんたちもよかったね……」
果南「それじゃ、そろそろ練習を始めよっか!今日はランニングから始めるよ~!」
善子・花丸・ルビィ「は~いっ!」
千歌「よ、よ~しっ、わたしも練習がんばろっと……」
千歌「…………はぁ」トボトボ
梨子(ん、千歌ちゃん……?)
鞠莉「なに?梨子。そんな小声で」ヒソヒソ
梨子「千歌ちゃんのファンからのメッセージって、もしかして……」ヒソヒソ
鞠莉「……えぇ、今のところ千歌っちだけゼロのままよ」ヒソヒソ
梨子「そんな……千歌ちゃんだけまだ1件も来てないのっ!?」
鞠莉「シーッ!トーンを抑えて梨子!みんなに聞こえちゃうわ!」
梨子「はっ!?ごめんなさい……」シュン
鞠莉「こればかりは仕方ないわ。これだけの大所帯だからファンも分散するし」
鞠莉「特にAqoursには曜みたいなスペシャルなスターがいるから、どうしても人気が偏ってしまうのよ」
鞠莉「まぁ、まだ公開して日が浅いし、今はそこまで気にしなくてもノープロブレムよ」
梨子「そう、なんだね」
梨子(千歌ちゃん……)
千歌「はっ、はっ、はっ、はっ……」タッタッタッタッ
千歌(前から薄々感じてはいたけど……)
千歌(やっぱりわたしって、みんなと比べると人気ないんだなぁ……)
千歌(予備予選の時の曜ちゃんがよく評価されてたけど)
千歌(一緒にセンター務めたわたしは全く評価されてなかったもん……それに)
千歌(果南ちゃんはダンスが上手だし、梨子ちゃんは作曲のプロだし)
千歌(ルビィちゃんは可愛いし、花丸ちゃんは歌声がきれいだし、善子ちゃんは堕天使が魅力的だし)
千歌(ダイヤさんは美人だし、鞠莉ちゃんはスタイル抜群だし……)
千歌(Aqoursが評価されるのはとても嬉しいし、励みにもなるけど)
千歌(鞠莉ちゃんの言ってたとおり、やっぱり個人的にも評価されたいと思うよね……)
千歌(ううん、気弱になっちゃダメだ、わたし!)
千歌(これでもAqoursのリーダーなんだからっ!)
曜「前見て、前っ!!」
千歌「えっ……?」
電柱ドンッ!!
千歌「あたっ!!」ガンッ
梨子「千歌ちゃん!大丈夫!?」
千歌「あいたたた……だ、大丈夫だよ梨子ちゃん」
曜「おでこ真っ赤だよっ!?早く保健室に行こう!」
千歌「う、うん……ごめんね2人とも」
梨子「千歌ちゃん……」
梨子(やっぱり、自分だけ応援メッセージがもらえないのを気にしてるみたい……)
梨子(よし、こうなったら……)
梨子「ん~、やっと着いたわね」
千歌「それにしても、梨子ちゃんから遊びに誘ってくれるなんて珍しいね」
梨子「そ、そうかな?何だか千歌ちゃん、ここ最近元気がなかったみたいだったから」
千歌「そんなこと、ないよ?うん……」
曜「千歌ちゃん、梨子ちゃん、おはヨーソロー!」
千歌・梨子「おはよう曜ちゃん」
曜「今日はどこに行こうか。特に決めてなかったんだよね?」
梨子「千歌ちゃん。今日は千歌ちゃんの行きたい場所にとことん付き合ってあげるから」
梨子「曜ちゃんもそれでいいよねっ?」
曜「えっ!?う、うん。わたしは別にいいけど」
千歌「わたしが決めていいの?それじゃ……」
千歌「まずはここ!静岡東部で唯一のスクールアイドルショップ!」
梨子「沼津にこんなお店があったんだね」
曜「最近出来たみたいなんだよ」
曜「ルビィちゃんもこの間ダイヤさんと足を運んだって言ってたし」
千歌「すごいよねぇ、全国の有名なスクールアイドルのグッズがこんなに……」
千歌「……あっ、ごめん。ちょっとトイレに」ブルッ
梨子・曜「いってらっしゃい」
曜「ねぇ梨子ちゃん見て見て!この衣装可愛いよ!今度のライブの参考にしようかなぁ」
梨子「もう曜ちゃんったら、衣装を見るたびに目の色を変え過ぎだよ」クスクス
客A「あ、あの……」
曜「はい?」
客A「もしかしてAqoursの渡辺曜ちゃん、ですか?」
曜「はい、そうですけど」
客B「あっ、ホントだ!あれ……隣にいるのは、桜内梨子ちゃんですよねっ!?」
梨子「え?ええ。そうですけど……」
客B「わぁ~!本物の梨子ちゃんだ!Aqoursの曲、スマホに入れていつも聴いてます~!」
梨子「あ、ありがとうございます///」
ジャー…
千歌「ふぅ、これなら出かける前にトイレ済ませておけばよかったよ」フキフキ
千歌「あれ?2人とも誰と話してるんだろう?」
曜「そ、そうかなぁ~///」
客B「わたしもピアノを習ってて、いつか梨子ちゃんみたいな曲を作ってみたいって思ってたんですよっ!」
梨子「そうだったんですね///」
千歌「梨子ちゃん?曜ちゃん?」
曜「あっ、千歌ちゃん。おかえり」
梨子「おかえりなさい、千歌ちゃん。こちらはAqoursのファンの方々で……」
千歌「あっ、そうだったんだ!わたしは……」
客A「リーダーの高海千歌ちゃん……ですよね?」
千歌「はいっ!!」
客A「……わぁ~、まさかAqoursの2年生トリオに会えるなんてっ、夢みたい!」
客B「千歌ちゃん、とても可愛いですねっ!動画で観るよりも断然いいですよっ!」
千歌「そ、そうですか!?すごく嬉しいですっ!///」パアア
客A「……それじゃあ、わたしたちはこれで」
客B「これからも応援してます。頑張ってくださいね!」
千歌・梨子・曜「ありがとうございますっ!」
曜「いや~、まさかここでファンの人たちに会えるなんて思いもしなかったよね」
梨子「よかったね、千歌ちゃん」
千歌「うんっ!」ニコニコ
梨子(よかった。千歌ちゃん元気になったみたい。あの人たちに感謝しないと)ホッ…
千歌「~♪」ストローチュー
梨子「さっきからご機嫌だね、千歌ちゃん」
千歌「だって~、初めてファンの人から『可愛い』って言われたんだもん♪」
曜「直に応援してくれるとより一層励みになるもんね!」
千歌「うんっ!みんなに自慢しちゃおうかなぁ~」ニコニコ
千歌「……あっ、ごめん。またトイレ」ブルッ
梨子「もう。調子に乗ってみかんジュースおかわりするから……」
千歌「えへへ……ちょっと行ってくるね」
梨子・曜「いってらっしゃい」
千歌「あれ?」
千歌「あそこにいるのはさっきお店にいた……同じカフェにいたんだ」
客A「さっきは本人の前だから空気を読んで言わなかったけどさぁ……」
客A「……高海千歌って、全然可愛くなかったよね?」
千歌(えっ…………?)
客B「でも、梨子ちゃんと曜ちゃんの2人に会えたのは本当嬉しかったよ」
客A「わたしも。でもあの子が現れた時は、正直反応に困ったわ」
客B「でも、なかなかの名演技だったじゃない。『夢みた~い』なんて」クスクス
客A「そういうあんただって」ゲラゲラ
千歌(そ、そんな……さっきあれだけ褒めてくれたのに……)
客A「可愛い曜ちゃんと一緒に地味なあの子がセンターやってたのが不満だったわけよ」
客B「どうせ最初から眼中になくて、センターは曜ちゃんしか見てなかったんでしょ?」
客A「まあね~。あとさ、この間出来たAqoursのホームページ見たらさ……」
客A「曜ちゃんと『親友』同士なんだって!?明らかに釣り合ってないじゃんっ!!」
客B「『月とスッポン』『雲泥の差』とはよく言ったもんだよね」
客B「曜ちゃんも何であんな地味な子と親友なのか、ホント謎すぎるわ~!」
客A「あの2人を料理で例えるなら、曜ちゃんは大好物の『ハンバーグ』で……」
客A「あの子はせいぜい『付け合わせのニンジン』ってところよ。ちょうど色も合ってるし」
客B「うわっ、あってもなくてもいいヤツだ!アレあんまり好きじゃないんだよねぇ~」
千歌「……………………」
客A「一応、部活を立ち上げたのがあの子だったからという理由みたいだけど」
客A「それなら曜ちゃんでいいじゃん、って思うのよ」
客B「言えてる。曜ちゃんのほうがしっかりしてるしね。生徒会長のダイヤさんでもよかったけど」
客A「あとさ、この間公開された予選のライブ映像見た?」
客A「観客をステージ前に呼んだり、外に飛び出したりてたんだけどさ……」
客A「あれ全部ルール違反だったんだからねっ!?」
客B「見た見た!」
客B「あんな勝手なことしてるのがリーダーってあり得ないでしょ!?って思ったわ」
客B「まぁ、パフォーマンスは最高だったから、失格にならなかったからよかったけどさぁ」
客A「でもメンバー全員に迷惑かけてる時点でリーダーとして失格だけどね」
客B「まったくもってその通りだわ~」
千歌「……………………」
客A「高海千歌はスクールアイドルに全然向いてないから……」
客A「今すぐにでもAqoursを辞めて欲しいですっ!!」
客B「わたしも賛成でーすっ!」
アッハハハハハ……
千歌「」
千歌「……………………」フラフラ
曜「あっ、千歌ちゃんおかえり~」
梨子「千歌ちゃん?どうかしたの?」
千歌「う、うん。何でも、ないよ……?」
曜「もしかして、ジュース飲みすぎてお腹壊した?それに顔色も……」
千歌「そうかもしれない……2人ともごめん」
千歌「外の空気が吸いたくなったから、先にお店出るね」
千歌「お会計は先に済ませるから……」
梨子・曜「…………千歌ちゃん?」
千歌「……………………」
梨子(千歌ちゃん、あれから急に口数が減っちゃって……)
梨子(確かに具合も悪そうだけど、他にも何か理由がありそう)
梨子(そう言えば、カフェで席を外してからだったわよね……)
千歌「……ねえ、梨子ちゃん」
梨子「な、なに?千歌ちゃん」
千歌「わたしって、スクールアイドル向いてないのかな……」
梨子「なっ!?いきなり何言って……」
梨子「えっ、そうだったの?全然気付かなかった」
千歌「それでね、わたしのことを『全然可愛くない』のに『センターやってるのが不満』だって」
千歌「『ライブでみんなに迷惑をかけてる時点でリーダー失格』だって……言ってたの」
梨子「……それ、本当に?」
千歌「…………」コクン
梨子(とても嘘を付いてる様子には見えない)
梨子(わたしと曜ちゃんのことは応援してくれたから、にわかに信じられないけど……)
梨子(千歌ちゃんの言ってることは、きっと本当のことなんだ……)
千歌「……でもね。確かにその通りだと思う」
梨子「えっ?」
千歌「わたしがハメを外したせいで、みんなスタッフの人に怒られちゃったんだもん」
千歌「そんな勝手なことをしていたのがリーダーだって知ったら」
千歌「誰だって納得出来るわけないもんね。リーダー失格と言われ当然だよ……」
千歌「こんないい加減なリーダーだから、ファンメールもわたしには届かないんだよね……」
梨子「っ!」
梨子「し、仕方ないよ!あの時の千歌ちゃん、すごくテンションが高かったし」
梨子「それに、メールだって千歌ちゃん宛のだけたまたま受信されてないってことも……」
千歌「えへへ……いくらなんでもそれはあり得ないって。わたしでも分かるよ」
梨子「ご、ごめんなさい……」
千歌「隣にいたわたしのことは眼中になかったみたい」
梨子「そんなことも……言ってたの?」
千歌「…………うん」コクン
千歌「こんなことも言ってたよ。料理に例えると」
千歌「曜ちゃんがハンバーグなら、わたしは付け合わせのニンジンなんだって」
千歌「きっと『引き立て役』ってことなんだろうね。例えが上手くて感心しちゃった」エヘヘ…
梨子「…………そんな」
千歌「曜ちゃん、スクールアイドルを始める前からスポーツ万能で、料理も出来て、衣装も作れて……」
千歌「何よりとても可愛い、みんなの人気者だったけど」
千歌「それに比べてわたしは、特に取り柄も個性もない、ただの地味な普通怪獣だもん」
千歌「全然釣り合ってないって言われても仕方ないよね」
梨子「千歌ちゃん…………」
千歌「『キラキラ輝きたい』『みんなを笑顔にしたい』って気持ちはちゃんとあるし」
千歌「そのために今までいっぱい頑張ってきたんだよ?」
千歌「人生で一番と言っていいくらいに……」
梨子「うん。千歌ちゃんがいつも頑張ってたのは、わたしもよく知ってるよ……」
千歌「でも……」
千歌「『すぐにAqoursを辞めて欲しい』って言われた……時は……」
千歌「さすがに……キツかった……かな…………」ジワッ
梨子「辞めて欲しい……って、そんなっ!!」
ボフッ
梨子「千歌ちゃん!?」
千歌「ちょっとだけ、このままでいさせて……?」グスッ
梨子「…………うん……いいよ」
千歌「……ぐすっ、ううっ……ひっく」ポロポロ
梨子(わたしの胸に顔を埋めた千歌ちゃんは、内浦に到着するまでの間)
梨子(他のお客さんに気付かれないように声を殺して泣き続けました)
梨子(きっと、カフェで悪口を聞いた時からずっと泣くのをこらえてたんだと思います)
梨子(東京のライブの時のように……)
梨子(けどわたしは、そんな千歌ちゃんを慰める言葉が見つからず)
梨子(ただ頭を撫で続けるくらいしか出来ませんでした……)
梨子(わたしの方こそ、ごめんね……千歌ちゃん……)ジワッ
梨子「…………はぁ」
ガラガラ
曜「おはヨーソロー!」
梨子「おはよう。曜ちゃん」
曜「……ってあれ?もしかして千歌ちゃんお休み?」
梨子「うん。やっぱり具合が悪かったみたい。志満さんが今日は様子を見て休ませるって」
曜「千歌ちゃん、そう滅多に学校休まないのに心配だね……」
曜「そうだ、今日は千歌ちゃんのお見舞いに行ってみようか?」
梨子「えっ?……ううん。『風邪をうつすと悪いから気にしないで』って」
曜「……そっか、分かった。今日は千歌ちゃん家に寄らないで帰るよ」
梨子(ごめん曜ちゃん。志満さん、そこまで言ってないんだ)
梨子(とてもじゃないけど、曜ちゃんには会わせられないよ……今の千歌ちゃんは)
トントン
鞠莉「ハーイ、どうぞ」
梨子「失礼します」ガチャ
鞠莉「あら、梨子じゃない。どうしたの?」
梨子「うん。実はね、千歌ちゃんが……」
カクカクシカジカ
鞠莉「そう……そんなことが……」
梨子「千歌ちゃん、先週から元気がなかったから、遊んで元気になって欲しいと思ってたのに」
梨子「余計に辛い思いをさせてしまって……」
鞠莉「梨子が気に病むことはないわよ。でも千歌っちにとってはかなり辛いわね……」
鞠莉「まさか千歌っち自身の批判を、ダイレクトに耳にしてしまうなんて……」
梨子「批判というより、あんなのただの悪口よ……」
梨子「一生懸命頑張っているのに辞めて欲しいなんて言われたら、誰だって傷つくよ……」
鞠莉「このことを曜は知っているの?」
梨子「ううん。知ったら千歌ちゃんと同じくらいに落ち込んでしまうと思うから……」
鞠莉「賢明な判断ね」
鞠莉「千歌っちが一大事の時に悪いけど、他言無用にしておきましょう」
鞠莉「今朝の時点で2件受信されたけど、いづれも曜のファンからね」
梨子「相変わらずすごいね、曜ちゃん。もう10件以上はもらってるよね?」
鞠莉「えーと、今日受信された分を含めて16件ね。言わずもがな断トツの件数よ」
梨子「それなのに、どうして千歌ちゃんには1件も来ないんだろう……」
鞠莉「……今は、ただ待つしかないわね」
鞠莉「梨子たちが昨日会ったというファン……」
鞠莉「いいえ、アンチの子たちの件は、本当に残念でならないけど」
鞠莉「それでもきっと、千歌っちのことを応援してくれるファンがいるはずだから」
梨子「千歌ちゃん……」
梨子「なに?鞠莉ちゃん」
鞠莉「千歌っちのこと、お願いできる?」
梨子「……もちろん、最初からそのつもりだよ」
梨子「学校が終わったらすぐに千歌ちゃんに会いに行って、励ましてくるからっ」
鞠莉「頼んだわよ。千歌っちのベストフレンド……」
鞠莉「……いや」
鞠莉「ここは千歌っちの『ファン代表』と言うべきかしら」
鞠莉「今、千歌っちの力になれるのは、梨子しかいないからねっ!」
梨子「鞠莉ちゃん……うんっ!」
梨子(千歌ちゃん……今会いに行くからね……っ!)ドキドキ
ガラガラ
梨子「ごめんくださいっ!」
志満「あら、梨子ちゃんいらっしゃい。もしかしてお見舞いに来てくれたの?」
梨子「は、はい。それで、千歌ちゃんは……」
千歌「あっ、梨子ちゃん!おかえり~」モグモグ
梨子「ち、千歌ちゃん……!?」
志満「千歌ったら、今朝は本当に顔色が悪くて、ついさっきまで寝ていたのよ」
千歌「昨日のお昼から何も食べてなくて、ようやく食欲が戻ってきたから」
千歌「遅めのお昼ごはんを食べてるところなんだぁ」エヘヘ
梨子「そ……そうだったのね。でも、元気そうでよかったよ」ホッ…
梨子「今日は軽くミーティングを済ませて解散しました」
梨子「3年生は用事がありましたし、リーダーも不在ですしね」
千歌「そっか。みんなにも迷惑かけちゃったね……」
千歌「……ねえ、梨子ちゃん。この後時間ある?」
梨子「え?うん。大丈夫だけど」
千歌「そしたらさ、ちょっとお散歩に行かない?いいでしょ?志満姉」
志満「それはいいけど、少し肌寒くなってきてるからちゃんと上着を着るのよ?」
千歌「はーい」
千歌「ここに来るのは、夏の合宿の時以来だね」
梨子「うん。あの時ここで千歌ちゃんが『ピアノコンクールに出場して欲しい』って」
梨子「わたしの背中を押してくれたんだよね」
梨子「みんなにはたくさん迷惑をかけちゃったけど、あの時は本当に嬉しかった」
千歌「わたしも、梨子ちゃんが抱きしめてきた時は驚いたけど」
千歌「想いが伝わったと分かった時はすごく嬉しかったよ」
千歌「それにその後……『大好きだよ』って、プロポーズしてくれたし///」
梨子「……なっ!?///」
梨子「あれはっ!『友だち』としての好きであって、決して『それ以上』という意味じゃ……///」アタフタ
千歌「あははっ、そんなに慌てなくても分かってるってば~///」
梨子「もう、千歌ちゃんってば……」ムスー
千歌「曜ちゃんに昨日のこと、話したの?」
梨子「ううん。曜ちゃんには何も言ってないよ」
梨子「本当のことを知ったら、曜ちゃんきっと悲しむから……」
梨子「千歌ちゃんのお見舞いに行こうとしてたけど、わたしが丁重に断ってあげたわ」
千歌「ありがとう……」
千歌「わたしさ、昨日は家に帰ってからずっと部屋に籠もって泣いてたんだ」
梨子「……そうだったんだ。だから少し目元が赤く腫れてるのね」
千歌「ずっと悩み続けたの。予選のことを後悔して、自分の人気のなさに絶望して」
千歌「本当のことを言うとね、曜ちゃんにも嫉妬しちゃったんだ。ちょっぴりだけど」
梨子「無理ないよ。わたしだって自分よりピアノ演奏が上手い人を見たらすごいと思うし」
梨子「それと同じくらい羨ましいなって気持ちになるもの」
梨子「まして曜ちゃんは親友だもんね。いつも側にいたらそう感じることだってあると思うよ」
千歌「今まで何もしてこなかったわたしが嫉妬するのがお門違いなのも分かってはいたんだけど」
千歌「曜ちゃんが可愛いのは生まれつきだから、そこは羨ましいなって思うかな……」
梨子「……千歌ちゃんは……可愛いよ」ボソッ
千歌「え?」
梨子「千歌ちゃんは可愛いよっ!」クワッ
梨子「わたしが可愛いって思ってるものっ!!」
梨子「今すぐにでも抱きしめたいくらいに……」両肩ガシッ
千歌「り……梨子ちゃんっ!?///」ドキドキ
梨子「…………はっ!勢いでなんてことを、わたし……///」
千歌「……くすっ。ありがとう、梨子ちゃん///」
梨子「ごめんね……///」カアア
千歌「……わたし、やっぱりスクールアイドルは続けていきたい」
千歌「Aqoursのメンバーとして。リーダーとして……」
梨子「っ!」
千歌「どんなに悩んでも、この気持ちが折れることはなかったよ」
千歌「廃校を阻止したいという気持ちもあるけど」
千歌「何より、スクールアイドルは『曜ちゃんと絶対やり遂げる』って決めたから……」
千歌「だから……絶対に辞めないよ。Aqoursは」
梨子「……強いね、千歌ちゃん」
梨子「わたしが同じ立場だったら、立ち直るのに時間がかかってたと思うから」
梨子「本当に尊敬するよ……」
梨子「……頑張ろうね、千歌ちゃん。わたしも応援するから!」
千歌「梨子ちゃん……うんっ!」
梨子「暗くなり始めてきたし、そろそろ戻ろうか」
千歌「そうだね……あっ、そうだっ。家に戻る前に寄り道してもいい?」
梨子「え?いいけど」
千歌「よかった。まだやってた」
梨子「このお店、バスの中から見たことはあったけど、訪れるのは初めてだわ」
千歌「うちはここでいつもみかんを箱買いしてるんだ」
千歌「まだシーズンじゃないけど、この時期でもみかんは販売してるんだよ」
店員「あら千歌ちゃん。いらっしゃい」
千歌「こんにちは!みかん買いに来ました」
店員「いつもありがとね。隣の子は、もしかしてスクールアイドルの……」
梨子「桜内梨子です。千歌ちゃんと一緒にスクールアイドルやっています」
店員「そうかい。もう少しで閉店だけど、ゆっくりしていってね」
梨子「はい」
千歌「えーっと、どれにしようかな……」
梨子「うん、そうだよ」ニコッ
女の子「わたしね。大きくなったら、ちかちゃんみたいな『素敵なアイドル』になるんだぁ!」
千歌「っ!!」
梨子「へぇ~、それはとってもいい夢だね」
女の子「わたしもあんな風に、見ていて元気が出るライブがしたいの!」
おばあちゃん「あらあら、やっと千歌さんに出会えたから大喜びしちゃって。大ファンだもんね」
千歌「え?大ファン……?」
おばあちゃん「この子の母親にお願いして、パソコンでライブ映像を見ているのよ」
おばあちゃん「それも毎日」フフフ
千歌「そう……なんですね。すごく嬉しいなぁ」
女の子「あっ、そうだ!ちかちゃん、みかんが好きなんだよね?」ガサガサ
女の子「はいっ、あげる!」つミカン
千歌「っ!……ありがとう……」
梨子「どうして千歌ちゃんの好きな食べ物を知ってるの?」
おばあちゃん「この間、Aqoursのホームページが出来たでしょ?」
梨子「はい。あっ、メンバー紹介のプロフィール」
おばあちゃん「もしかしたら、その内このお店に訪れるんじゃないかって」
おばあちゃん「この子とほぼ毎日通っていたのよ」
梨子「毎日……すごい」
おばあちゃん「まあ、このお店は散歩道の通過点だし、ここで店員さんとお喋りをするのが日課だったから一石二鳥ってね」ウフフ
梨子「そうだったんですね……よかったね、千歌ちゃん」
千歌「うん。食べても……いいかな?」
女の子「いいよっ!」ニコッ
皮ムキムキ
パクッ
千歌「うん、うん……」モグモグ
千歌「地元のみかんは……日本一の……みかんだよぉ……」グスッ
おばあちゃん「あらあら」
女の子「ちかちゃん……泣いてるの?」キョトン
千歌「えへへ。涙が出るくらい……甘くてね……」ポロポロ
千歌「本当に、美味しいの……ありがとう。ありがとね……」ポロポロ
女の子「よかったあ!」ニコッ
梨子(千歌ちゃんが泣きながら食べたそのみかんを、あとでわたしも頂いて食べましたが)
梨子(旬を迎える前のものだったので、甘さは控えめでした)
梨子(でも、小さいけど大ファンな女の子からもらったそのみかんは)
梨子(千歌ちゃんにとってはとても甘く、とても美味しいみかんだったに違いありません)
梨子(わたしも、食べてるうちに少し涙が出てしまいました)
千歌「……ごめんね。帰るのが遅くなっちゃって」
梨子「気にしないで。お母さんにはちょっと遅くなるって連絡してあるから」
梨子「それにしても、あの後『想いよひとつになれ』をデュエットで披露することになるとは思わなかったよ」
千歌「せっかくプレゼントをもらったんだもん。何かお礼をしたいなって思ったからさ」
千歌「それにしては梨子ちゃん、曜ちゃんと作り直す前の振り付けを完璧に覚えてたね」
梨子「一応、ピアノコンクールに出場する前はセンターとして練習してましたから」
千歌「ようやく梨子ちゃんと一緒に踊れて嬉しかったよ」
梨子「ふふっ、わたしもだよ」
千歌「このミニライブは、曜ちゃんには内緒にしてね?」
千歌「わたしと梨子ちゃん、二人だけの秘密」
梨子「……うん、秘密だね」
千歌「わたし、忘れかけてたよ」
梨子「え?」
千歌「わたしだけファンメールが届かないばかりか、陰で悪口を言われたせいで」
千歌「自分は人気がない、誰も応援してくれないと勝手に思い込んでたけど」
千歌「Aqoursを応援してくれているのは同年代の子たちだけじゃない」
千歌「内浦に住んでいる地元の人たちもいるってことを……」
梨子「そうね。わたしも正直忘れかけていたわ」
梨子「ファーストライブは地元の人たちの協力もあって成功したのに……」
梨子「さっきの女の子とおばあちゃんみたいな地元の人たちの応援が、今までのエールの中で一番心に響いたよ」
千歌「そうだね。わたしも、あのみかんの味は一生忘れないよ」
千歌「わたしのファンから初めてもらった、『最高のみかん』の味を……」
千歌「今日は付き合ってくれてありがとう」
梨子「ううん。わたしも楽しかったよ」
千歌「それじゃ、今日はこれでお別れだね」
梨子「……千歌ちゃん!」
千歌「え?」
梨子「わたしもその、千歌ちゃんとはメンバー同士だけど……」
梨子「わたしも千歌ちゃんの『大ファン』だからねっ!」
千歌「り、梨子ちゃんっ!?///」
梨子「ふふっ///」
千歌「あ、ありがとう……梨子ちゃん。それじゃまた明日ねっ!」
梨子「うん。バイバイ」
トントン
鞠莉「どうぞ~」
梨子「失礼します。千歌ちゃん連れてきたよ」ガチャ
鞠莉「千歌っち!どうやら復活したみたいね」
千歌「鞠莉ちゃん、昨日はごめんなさい。学校休んじゃって……」
鞠莉「ノンノン。事情は梨子から聞いてたから」
鞠莉「こっちこそ、千歌っちが大変だった時に何もしてあげられなくてソーリーね」
千歌「ううん。梨子ちゃんが励ましてくれたから大丈夫だよっ!」ニコッ
鞠莉「あらあら、仲がよろしいようで……」ニヤニヤ
梨子「もう、鞠莉ちゃんてば……///」
梨子「そう言えば、わたしと千歌ちゃんだけ呼んで、一体どうしたの?」
鞠莉「実は、千歌っちに大事な話があってね?梨子にも聞いて欲しいんだけど……」
千歌「…………え?」
鞠莉「コングラッチュレ~ション!」
千歌・梨子「!!?」ビクッ
鞠莉「ついに今日、待望の千歌っちのファンメール第1号が届いたわよっ!」
鞠莉「『0』から『1』になったのよ~っ!」
千歌「……………………」ポカーン
鞠莉「あら、突然のことだから呆然としてるわね」ツンツン
梨子「鞠莉ちゃん、どんな応援メッセージなのか早く教えて?」
鞠莉「オーケー!」
鞠莉「わたしもまだ本文は見てないから、2人とも耳の穴をかっぽじってよく聞いてね~!」
Dear 高海千歌さん
初めまして。私は秋田まんじゅうと言います。
私がAqoursを知ったのは、動画配信サイトでたまたまランダム再生された
東海地区予選ライブの映像を見たのがきっかけです。
この時のAqoursのライブは、他の出場チームを圧倒するくらいの
最高のパフォーマンスでしたが、その中で私が特に気になったのは、
ラストでステージ外に飛び出した元気な女の子。
……それが千歌さんでした。
関連のライブ映像を全て視聴していました。
みんなとても可愛いらしいですが、私は千歌さん推しです。
どうして私が千歌さんが好きになったのかと言うと……
実は私も昔スクールアイドルをやっていて、
まるで昔の自分の姿を見ている気分になったからです。
数年前、私も『ラブライブ』を目指してチームメイトと
毎日練習を頑張ってきました。
ちなみに私もリーダーだったんですよ。奇遇ですねっ!
みんなに迷惑をかけてしまった時がありました。
それが原因でケンカになってしまい、
グループ全体の空気が悪くなってしまった時期もありました。
千歌さんが取ったあのパフォーマンスも、どうやらルール違反だったみたいで
ライブ終了後にいろいろとゴタゴタがあったかもしれません。
決して、めげないでください。
決して、負けないでください。
人間なら誰もが失敗すると思います。
私もたくさん失敗しましたし、悔し涙を流したこともありました。
失敗してしまったら、次は成功するように努力して頑張ればいいんです。
そして成功した時には、チームメイトと喜びを分かち合ってください。
その時は、思いっきり嬉し涙を流してください。
あっ、もしも何事もなければ上の話は全部聞き流してください。
説教臭くなってしまいすみません……
東海地区予選突破おめでとうございます。
最近はスクールアイドルの数が大幅に増えて、
私たちの頃と比べてもラブライブに出場するのが超難関と聞きました。
ですが、皆さんなら絶対に行けると私は信じています。
母校の廃校阻止を目指して、ラブライブ出場を目指して頑張ってください。
これからも応援させて頂きます……
――
鞠莉「……どうやら、わたしたちの『先輩』が送ってくれたみたいね」
梨子「差出人の名前が『秋田まんじゅう』ってことは、秋田出身のスクールアイドルだったのかしら」
鞠莉「どうかしらね……それは分からないけど」
鞠莉「でも、今の千歌っちにはとても心打たれるメッセージだと思うわ」
鞠莉「わたしも感動しちゃった」
梨子「わたしも。このファンの方がスクールアイドルを楽しんでいたのが良く伝わったわ」
千歌「……………………」
梨子「千歌ちゃん?」
千歌「うぅっ……うううっ……えぅ……梨子ちゃぁあん」ポロポロ
ギュッ
梨子「よかったね、千歌ちゃん……」ギュッ
梨子「ちゃんと、見てくれていた人がいたね」グスッ
千歌「うん……うんっ、嬉しい……嬉しいよぉ……ひっく」ポロポロ
鞠莉「もう、2人とも午後も授業あるのに、あまり泣いてたら目が赤くなるわよ?」グスッ
千歌「……あっ、そうだった!」ゴシゴシ
梨子「お昼休み、そろそろ終わっちゃうわね」
千歌「早く戻ろう!曜ちゃんもきっと待ってるだろうし」
梨子「うんっ。それじゃ鞠莉ちゃん。また放課後ね!」
鞠莉「気をつけて戻りなさーい!」
千歌・梨子「はい、失礼しました~っ!」
バタンッ
鞠莉「やれやれ……」
鞠莉「ん?そう言えばこのメール、まだスクロール出来るわね……」サッ サッ
鞠莉「…………あっ」
鞠莉「最後のこのメッセージ。あとで千歌っちに教えてあげよう」
鞠莉(先輩は、これを一番千歌っちに伝えたかったのかもしれないわね……)
果南「千歌は病み上がりなんだから、少しペース落としてもいいんだからね~?」
千歌「大丈夫だよー!」
曜「千歌ちゃん、すっかり全快したみたいだね。よかった!」
梨子「ふふっ、そうだね。本当に」フフッ
曜「なんだか、梨子ちゃんも嬉しそうだね」
梨子「そうかな?……ううん。わたしも元気な千歌ちゃんを見れて嬉しいよ」
梨子「曜ちゃんは?」
曜「わたしもだよ。やっぱり元気な千歌ちゃんが一番素敵だよっ!」
千歌「はっ、はっ、はっ、はっ……」タッタッタッタッ
千歌(また、涙が零れそうになりました)
千歌(今度は何とかこらえましたが……)
千歌(そして、不思議と『元気』と『勇気』が湧いてきました)
千歌(まるで、わたしが憧れている『あの人』に応援された気がしたから……)
千歌(もしかしたら、秋田まんじゅうさんって……)
千歌(ううん、さすがにそれはあり得ないか)エヘヘ
千歌(ずっと励まし続けてくれてくれた梨子ちゃん)
千歌(そして、秋田まんじゅうさん……)
千歌(ファンのみんなの期待に答えられるように)
千歌(高海千歌、今日もスクールアイドル頑張りますっ!)
千歌「よーし、あと2周っ!今日こそ1位でゴールするぞ―っ!」
千歌ちゃん!
ラブライブ目指して頑張ってね!
ファイトだよっ!
――
おわり
いくらオリジナルストーリーとはいえ、推しキャラを悪く言うのは本当に辛かったです。
千歌ちゃんは本当に魅力的で可愛い女の子です。
おつ
秋田まんじゅうって誰なんだろう
千歌ちゃんが救われてよかった
ほんとひたむきでかわいいちかっちすき
ありがとう ちかっち頑張ろうね
その時まで応援するからね
普通千歌っちネタはいろいろあっておもしろいー
良かった
千歌推しとしてほんとに素晴らしいスレだった
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