【ラブライブ!】千歌「Step!」あんじゅ「ZERO to ONE!」
- 2020.04.30
- SS

あんじゅ(もうすぐだ・・・・・・いよいよ、始まる・・・・・・)
ドキドキドキ…
あんじゅ(どうしよ・・・・・・全然、落ち着かない・・・・・・)
あんじゅ(手の、震えが・・・・・・止まらない・・・・・・)
ドキドキドキドキ…
あんじゅ(失敗しちゃったらどうしよう・・・・・・みんなをがっかりさせちゃったら・・・・・・)
ギュッ
あんじゅ(どうしよう・・・・・・怖い・・・・・・怖い怖い怖い・・・・・・!)
『――あんちゃーん!』
あんじゅ「――!」ハッ
あんじゅ「その、声は・・・・・・」
しゅか「ワン、ツー、スリー、フォー」
しゅか「うーん、今のところのタイミング、もう少し良くなるかも」
しゅか「よし、もう1回・・・・・・!」
『ヨーソロー! しゅかちゃん、精が出るねー』
しゅか「ぅわぁい! なんだ、びっくりした、曜か」
曜『もうすぐ本番なのに、まだダンスの練習やってるの?』
しゅか「練習ってほどじゃないよ。本番前に、最後の確認してるだけ」
しゅか「まあ、なんていうか・・・・・・やっぱ、不安なんだよね。落ち着かないっていうか」
曜『・・・・・・しゅかちゃんでも、やっぱり緊張するんだ?』
しゅか「当たり前じゃん! てゆうかさ・・・・・・私は、みんなが思ってるほど、怖いもの知らずな訳じゃないもん・・・・・・」
曜『・・・・・・・・・』
しゅか「やっぱり、臆病なんだよね。プレッシャーばっかり感じちゃってさ・・・・・・」
しゅか「声優も初めてだったし。アフレコとかでも、みんなに迷惑かけちゃったんじゃないかって」
しゅか「だから、せめて小さい頃から続けてきた、ダンスだけはきちんとしなきゃって・・・・・・」
曜『・・・・・・・・・』
曜『・・・・・・そっか。やっぱりしゅかちゃんは、私とおんなじなんだね』
しゅか「え?」
曜『私だってそうだよ。臆病で・・・・・・大事な友だちに、言いたいことも言えなかったり・・・・・・』
しゅか「あ・・・・・・」
曜『だから、しゅかちゃんの気持ちはよくわかる。でも・・・・・・』
曜『しゅかちゃんは・・・・・・そこから逃げずに、頑張ってきたじゃない』
曜『どんな時でも、元気全開なのが、しゅかちゃんのいい所でしょ?』ニコッ
しゅか「曜・・・・・・」
しゅか「・・・・・・ありがとう。でも、曜のおかげだよ。私が、ここまで頑張れたのは」
しゅか「いつだって、曜は私に、元気をくれたんだから」
曜『もー、照れるでありますっ///』
しゅか「・・・・・・ね、曜。私、ずっと、目標にしていたことがあったんだ」
しゅか「それはね・・・・・・私自身が、“曜そのもの”になるってこと」
しゅか「私、ちょっとは・・・・・・曜に、近づけたかな?」
曜『・・・・・・なに言ってるのさ』
曜『会った時から、“しゅかちゃん”は“私”だよ』
しゅか「・・・・・・そっか」
クスッ
しゅか「ありがとう、曜・・・・・・私、頑張るから!」
りきゃこ「みんなぁ~♥ 一緒にぃ、元気よくぅ~♥」
りきゃこ「ビーチすけっちぃ~?」
りきゃこ「さくらうちぃ~(裏声)」
りきゃこ「・・・・・・いや、今のところはもうちょっと、甘ったるい感じで・・・・・・」ブツブツ
『・・・・・・なにしてるの?』
りきゃこ「どわっ!? り、り、梨子!?」
梨子『さっきから、ひとりで鏡に向かって・・・・・・』
りきゃこ「い、いや、本番前だし、コーレスのイメトレなんかをやってみたりして・・・・・・」ダラダラ
梨子『・・・・・・そんなだから、あざと医とか言われちゃうんじゃない?』
りきゃこ「うっさい!」
りきゃこ「当たり前じゃん・・・・・・だって、こんな大きな舞台なんだもの」
りきゃこ「蓬田さんだって、そりゃ緊張しますよ」
梨子『そっか・・・・・・そうだよね』
梨子『私も、初めてステージに立った時は、体が震えて仕方なかったし・・・・・・』
りきゃこ「・・・・・・でもね」
りきゃこ「不思議とね。心のどこかで、安心もしてるんだ」
梨子『安心?』
りきゃこ「うん。きっと出来る、っていう安心」
りきゃこ「たぶんそれは、Aqoursのみんなと・・・・・・梨子が、いてくれるからだと思う」
りきゃこ「大きなプロジェクトに参加して、仲間って呼べる人たちが出来たのは、初めてだったからかな」
りきゃこ「最初は、お互い緊張もあったけど・・・・・・合宿したり、練習したり、イベントを頑張ったり・・・・・・」
りきゃこ「いつの間にか・・・・・・みんなのことが、大好きになって」
りきゃこ「ひとりじゃない。みんながいる、って考えたら、すごく心強くて・・・・・・安心出来るんだよね」
梨子『仲間・・・・・・か』
りきゃこ「そして、何よりも・・・・・・梨子が、いてくれたから」
梨子『え?』
りきゃこ「私とちょっと似てて・・・・・・私の、憧れの女の子」
りきゃこ「梨子と一緒なら、なんだって頑張れる・・・・・・そんな風に、思ってるんだよ?」
梨子『ありがとう・・・・・・たまには、お姉さんらしいことも言ってくれるんだ』
りきゃこ「う、うっさいなー/// こんな恥ずかしいこと、他のみんなには話さないでよ」
梨子『はいはい』クスクス
りきゃこ「梨子・・・・・・ありがとね」
りきゃこ「これからも、一緒に・・・・・・頑張ろう?」
梨子『うんっ!』ニコッ
キング「そのチャンスを~♪ 他のひとには~♪」
キング「やだな、取られたくない♪ つかまえなきゃ絶対っ♪」
キング「・・・・・・うーん、ここはサビ前の目立つパートだし、もう少し感情こめて・・・・・・」
『おーい、かなこちゃーん』
キング「あ、マルちゃん!」
花丸『かなこちゃんは熱心ずら。直前まで、歌の練習してるの?』
キング「練習っていうか、確認かな? やっぱ、歌で失敗できないし」
花丸『真面目ずらね、かなこちゃん』
キング「んなことないってー!」
花丸『・・・・・・かなこちゃん?』
キング「初めて、みんなで合宿やった時から、そうだったし。誰よりも体力ないわ、一人だけ置いてかれるわ、捻挫するわ・・・・・・」
キング「もうね、思い知ったよ。それまでも、なんとなく群れるのが嫌いで、一匹狼みたいに振る舞ってたけど」
キング「そんなの、誰かと比べられて、自分が未熟者だってことが、周りにバレるのが怖かっただけなんだって。ほんと情けないねー、私は」
花丸『・・・・・・・・・』
キング「だから、もっと努力しないと駄目なんだよ、私は」
花丸『そんなこと・・・・・・』
花丸『そんなこと、ないずら。かなこちゃんがすごく頑張ってるのは、マルが一番よく知ってる!』
キング「マルちゃん・・・・・・?」
花丸『でも、今は違う。かなこちゃんが本気で頑張ったことは、“本当の自信”につながってるはずずら!』
キング「・・・・・・!」
花丸『いつか、ソロ歌手として、もっともっと歌を歌いたいんでしょう?』
花丸『“本当の自信”をつけたかなこちゃんなら、きっと大丈夫!』
キング「・・・・・・う。やめてよ・・・・・・本番前に、こんな、こんな・・・・・・」グスッ
花丸『わ、わ、かなこちゃん!?』
キング「ほんとはさ・・・・・・私は、マルみたいなかわいい系じゃないし・・・・・・花丸役は似合わないって、言われないか怖くて・・・・・・」
キング「だけどね。気づいたら、誰にも渡したくないくらい、マルのことが好きになってて・・・・・・」
花丸『かなこちゃん・・・・・・』
キング「うん・・・・・・ありがとう、マルちゃん。私、もう、大丈夫」
キング「誰になんて言われても、マルちゃんの気持ちを伝えるために、私が持つ力の全てを出して、これからも演じてみせるから」
キング「それが、私のところに来てくれた・・・・・・マルちゃんへの、恩返しだから!」
花丸『マルの方こそ・・・・・・』グスッ
花丸『マルが、出会えたのが・・・・・・かなこちゃんで、本当によかったずら・・・・・・!』
ふりりん「せーの、」
『が、頑張ルビィ♪』
ふりりん「フゥーッ! 本番前に、生“頑張ルビィ”、頂きましたー!!」
ルビィ『な、なんだか恥ずかしいよぉ・・・・・・///』
ルビィ『本当に、これで・・・・・・愛ちゃん、元気でたの?』
ふりりん「でたでた! もう元気勇気100倍ですよ!」
ふりりん「ルビィの応援が、私の元気の源なんだから! なんつってー!」
ルビィ『そ、そんなこと、ないと思うけどなぁ・・・・・・』
ルビィ『だって、愛ちゃんはルビィと違って、大人だし・・・・・・しっかりしてるし・・・・・・』
ルビィ『ルビィの応援なんてなくったって、きっと、大丈夫だと思うし・・・・・・』
ふりりん「・・・・・・・・・」
ルビィ『ぴぎっ!? な、なにするのぉ?』
ふりりん「もう、ほんとにさー・・・・・・ルビィちゃんって、そゆとこあるよねー」
ルビィ『・・・・・・え?』
ふりりん「別にさ・・・・・・私だって、そんな大人じゃないよ」
ふりりん「昔から人見知りだし、人前に出るのは苦手だし・・・・・・」
ふりりん「今だって、みんなの前に出て、歌ったり踊ったりしゃべったりするのは・・・・・・ちょっと怖いよ」
ルビィ『愛ちゃん・・・・・・』
ふりりん「ね、覚えてる? 初めて、ルビィに会った時のこと。オーディションの時」
ルビィ『あ・・・・・・!』
ふりりん「ずっと大好きだった、ラブライブのオーディションの場に立ってるってだけで、なんだかすごい高ぶっちゃって」
ふりりん「ひたすら大泣きしながら、『ラブライブが大好きです!』ってことしか言えなかった」
ルビィ『そう言えば・・・・・・そうだったね』
ふりりん「今思えば、散々だったけど・・・・・・でも、諦めずにチャレンジして良かったよ」
ふりりん「お陰で・・・・・・私は、ルビィに出会えたんだから」
ルビィ『え・・・・・・!?』
ふりりん「私は、いつだって、ルビィから勇気をもらってたんだよ?」
ルビィ『え・・・・・・ルビィから・・・・・・?』
ふりりん「私みたいに、泣き虫で、人前に出るのが苦手な女の子」
ふりりん「だけど、人一倍頑張り屋で、勇気を出して、前に進んでいこうとする」
ふりりん「・・・・・・そんなルビィから、数え切れないくらい、勇気をもらってたんだよ」
ルビィ『そ、そんな・・・・・・ルビィは・・・・・・///』
ふりりん「だから私は、ルビィに出会えて良かった!」
ふりりん「黒澤ルビィとして歌いたい。黒澤ルビィとして輝きたいって、そう思ってるんだよ」
ふりりん「・・・・・・なんつってね///」
ルビィ『愛ちゃん・・・・・・///』
ルビィ『ありがとう。ルビィも、愛ちゃんと出会えて・・・・・・本当に良かった』
ふりりん「おいおい、なに言ってるのさ、まだまだこれからですやん!」
ふりりん「よーし、それじゃ気合入るように、もう1回あれやろう、あれ!」
ルビィ『うん! せーのっ、』
ふりりん「ふたりで一緒に、」
「「頑張ルビィ!!」」
あいきゃん「・・・・・・かの約束の地に降臨した堕天使ヨハネの魔眼が、この世の全てを見通すのです・・・・・・」ブツブツ
あいきゃん「・・・・・・全てのリトルデーモンに授ける・・・・・・堕天の力を・・・・・・!」ブツブツ
『・・・・・・ふ。絶好調みたいね、我が闇の眷族』
善子『って、いきなりキャラ変えるなっ! くっつくな!』
あいきゃん「えー、いいじゃん、ヨハネはこんなに可愛いんだからー♥」
善子『やめろーなでるなー! 堕天使の魔法で炭にするわよ!?』
あいきゃん「ほんと・・・・・・私も、ヨハネみたいになれたら・・・・・・」
善子『え・・・・・・愛香?』
善子『ちょっと、やめてよ!///』
あいきゃん「私の・・・・・・憧れの、女の子だよ」
善子『・・・・・・え?』
あいきゃん「歌手になりたくて、がむしゃらに頑張って、なんとかデビューできて・・・・・・」
あいきゃん「でも、なんだか思い通りにならなくて。一度は、夢を諦めかけた」
あいきゃん「最後のチャンスと思ったラブライブのオーディションで、ヨハネに出会えて・・・・・・」
あいきゃん「・・・・・・ヨハネは、私の人生を、変えてくれたよね」
善子『愛香・・・・・・』
あいきゃん「ヨハネのことを、知れば知るほど、好きになっていって」
あいきゃん「追いかけながら、憧れながら。ヨハネを、もっともっと輝かせてあげたいって・・・・・・」
あいきゃん「だからさっきも、少しでも私がヨハネに近づけたらって思って、セリフを唱えてみたの」
あいきゃん「ね・・・・・・ヨハネ」
あいきゃん「私・・・・・・ちょっとは、ヨハネを・・・・・・輝かせられたかな・・・・・・?」
善子『・・・・・・・・・』
善子『それでも、“私”なの?』
あいきゃん「・・・・・・え?」
善子『愛香がいたから、私はここにいる』
善子『愛香じゃなければ、私はいなかった』
善子『そんなこともわからないのー? 堕天使失格よ!』
あいきゃん「ヨハネ・・・・・・善子、ちゃん・・・・・・」
善子『ヨハネ! 善子いうなー!』
あいきゃん「ふふ・・・・・・あはは! ありがとう、ヨハネ」
あいきゃん「でもね・・・・・・それでも、私、譲れないことが、いっこだけあるよ」
善子『譲れないこと?』
あいきゃん「たとえ、“貴方”が、“私”でも・・・・・・」
あいきゃん「私は・・・・・・世界で一番、ヨハネのことを愛してる、世界一のリトルデーモンだから!」
善子『んなっ!?///』
あいきゃん「頑張るね、私! ヨハネと、Aqoursのみんながいてくれたら、何も怖くないから!」
善子『まったく・・・・・・』
善子『ま、それでこそ、堕天使ヨハネよね。行くわよ、相棒!』
ありしゃ「・・・・・・・・・」
『あら。珍しいですわね』
ありしゃ「――ダイヤ」
ダイヤ『まるで精神統一ですわね。貴方でも、そこまで緊張することがありましたの?』
ありしゃ「それは、ね。今までで、一番の大舞台だから」
ダイヤ『これまで、女優として、モデルとして、活躍していた貴方が・・・・・・』
ダイヤ『まさか、そんなフリフリヒラヒラ衣装で、アイドルになるなんて』
ありしゃ「本当にね。だけど、ここまで来れた。絶対に成功させてみせるから」
ダイヤ『貴方の、その旺盛なチャレンジ精神には、感嘆しますわ』
ありしゃ「最初は、特撮でアフレコをした時、本職の声優さんの演技に感動してね」
ありしゃ「声だけで、こんなに色んなことを表現できるんだ、って」
ありしゃ「でも、やっぱり決定的だったのは・・・・・・舞台で、新田さんと共演できたからかな」
ダイヤ『穂乃果さんですわね』
ありしゃ「演技も、ダンスも、歌も、一切の妥協がない。そんなラブライブっていうプロジェクトに、憧れと、ちょっぴり嫉妬を感じて・・・・・・」
ありしゃ「事務所に頼み込んで、オーディションを受けて・・・・・・そこで、ダイヤと出会ったんだったよね」
ダイヤ『思えば、不思議な縁ですわね。貴方という人に出会えたからこそ、今のわたくしが生まれたんだと思いますわ』
ダイヤ『他の誰であっても、“私”は“私”にはなれなかった・・・・・・』
ありしゃ「・・・・・・それは、私も同じ」
ありしゃ「知れば知るほど、私に似たところが見つかって。どんどん、ダイヤのことが好きになっていって」
ありしゃ「お芝居の枠を超えて、私自身が、“黒澤ダイヤ”として振る舞えるようになっていって・・・・・・」
ありしゃ「こんな感覚、今までになかった。ありがとね、ダイヤ」
ダイヤ『な、なんですの、改まって・・・・・・///』
ありしゃ「それ以上に、なんだかわくわくしてるの!」
ありしゃ「みんなと一緒に、これから、どんな景色が見れるのか。それに、ダイヤも一緒にいてくれるし、ね」
ダイヤ『当然ですわ。このわたくしがついているのですから、失敗は許されませんわよ?』
ありしゃ「あ、でもなんか今のセリフ、ちょっとポンコツっぽい」
ダイヤ『んなっ!? 失礼な! 貴方こそ、そんないかにも出来る女性っぽく振る舞ってる割に、ポンコツでしょう!?』
ありしゃ「はあ!? ポンコツじゃないわよ! ダイヤの方こそ、ポンコツじゃない!」
ダイヤ『・・・・・・・・・』
ありしゃ「・・・・・・・・・ぷっ」
ダイヤ『ふふっ・・・・・・』
ありしゃ「あははは」
ダイヤ『――さ、行きましょう、有紗さん。最高のパフォーマンスを披露しに』
ありしゃ「うん――行こう。ダイヤ」
すわわ「・・・・・・・・・」シャンシャン
『ちょっと、ななか。こんな時に、またスクフェス?』
すわわ「いいじゃん。気分転換。私はこうしてると落ち着くの」
すわわ「果南の方こそ、緊張するとテンパって走り出したりするくせに」
果南『う、うるさいなー、いいでしょ別に///』
果南『まったく、相変わらずマイペースだよね、ななかは』
すわわ「・・・・・・・・・」シャンシャン
すわわ「・・・・・・そう見える?」
果南『・・・・・・・・・』クスッ
果南『ちょっと違う、かな?』
果南『本当は、ちょっぴり臆病な・・・・・・普通の、女の子』
すわわ「・・・・・・・・・」シャンシャン
すわわ「・・・・・・変な感じだね、“私”がもうひとりいるって。お見通しなんだもんね」
果南『ごめんね、嫌だった?』
すわわ「・・・・・・ううん」
すわわ「果南の、言う通りだよ。別に、いつも落ち着いてるとか、そういう訳じゃないし」
すわわ「色々考えて、口に出そうとするけれど、その言葉を口にした後のこととかまた色々考えちゃって、結局何も言えなくて・・・・・・」
すわわ「中学で養成所入って、たくさんオーディション受けたのもそう」
すわわ「積極的とかじゃなくて、結局、才能がなくて自信がない自分を変えようと、必死だったのかなって・・・・・・」
果南『・・・・・・・・・』
すわわ「・・・・・・あ。ミスった」シャンシャン
果南『ななかは・・・・・・変わったよね』
すわわ「・・・・・・・・・」シャンシャン
果南『最初の頃より、ずっと元気になった。明るくなった。人見知りもなくなったよね』
果南『やっぱり、Aqoursのみんながいたから?』
すわわ「それも、ある・・・・・・けど」
すわわ「やっぱり・・・・・・果南が、いたから」
果南『私?』
すわわ「果南と向き合ってくうちにね・・・・・・できないことがあっても、できるまで頑張ればいいんだって」
すわわ「自然と、そう思えるようになって・・・・・・」
すわわ「やっぱり、果南に引っ張られたのかな、って」
果南『・・・・・・そうかな』
すわわ「そうだよ・・・・・・」シャンシャン
すわわ「・・・・・・駄目だ。なんか、画面が・・・・・・見にくいや」
果南『ななか・・・・・・』
すわわ「ありがとね・・・・・・私を、引っ張ってくれて」
すわわ「これからは、私も・・・・・・果南のこと・・・・・・引っ張っていって、みせるから」
果南『・・・・・・うんっ。よろしくね・・・・・・ななか』
あいにゃ「・・・・・・ここのステップ・・・・・・ここでターンしたら・・・・・・」ブツブツ
あいにゃ「・・・・・・すわわの位置がここで・・・・・・ぶつからないように・・・・・・」ブツブツ
『シャイニー☆ 愛奈、チョーシはどう!?』
あいにゃ「ま、鞠莉っ!?」ビクッ
あいにゃ「が、がははははっ! そりゃ勿論、絶好調にシャイニー☆よ!」
鞠莉『・・・・・・まったく。相変わらずね、愛奈は』
鞠莉『どうせ、ここには私たちしかいないんだから。無理に取り繕わないで、肩の荷を降ろしたら?』
あいにゃ「・・・・・・・・・」
あいにゃ「ははっ。お見通しかあ、鞠莉には」
鞠莉『アッタリマエよ。このマリーを、誰だと思ってるの?』
鞠莉『愛奈のことなら、なんでも知ってるんだから!』
あいにゃ「・・・・・・ありがと、鞠莉」
鞠莉『なに?』
あいにゃ「・・・・・・上手く出来るかな。私たち」
鞠莉『・・・・・・なんで?』
あいにゃ「小さい頃から、アニソンシンガーになりたかった。その中で、ラブライブに出会って、μ’sの歌を知って・・・・・・」
あいにゃ「私も、こんな歌が歌いたい、って思うようになった。ダメ元でオーディションを受けて、合格して・・・・・・」
鞠莉『ワンダフルじゃない』
あいにゃ「だけど、だからこそ、思っちゃうんだよ。本当に私で、良かったのかな、って」
あいにゃ「Aqoursのみんなは頑張ってる。だけど私は、他のお仕事で、一緒にレッスン出来ないことも増えて」
あいにゃ「もし私が、本番で失敗とかしちゃったら・・・・・・」
鞠莉『・・・・・・・・・』
鞠莉『えいっ!』グニッ
あいにゃ「ぐえっ!?」
鞠莉『うりゃうりゃ~!』グニグニ
あいにゃ「や、やめふぇ~」
あいにゃ「だってぇ・・・・・・」
鞠莉『貴方が、Aqoursの一員になって学んだのは、その程度のことなの?』
あいにゃ「・・・・・・・・・」
あいにゃ「・・・・・・うん。ごめんね、鞠莉。また私、弱気になってた」
あいにゃ「昔の私は、自分のことで精一杯だった。どうにかしなきゃって、自分の殻に閉じこもってばかりだった」
あいにゃ「でも、今は・・・・・・気づいたんだよね。Aqoursのみんなが、私に手を差し伸べてくれてる・・・・・・」
あいにゃ「困ってる私を助けようとして、みんな気にしてくれてたんだ、って」
あいにゃ「でも・・・・・・それに気づかせてくれたのは、鞠莉のお陰だよ」
鞠莉『・・・・・・私が?』
あいにゃ「マイペースに見えて、本当は心の奥で、いつも仲間のことを考えてる」
あいにゃ「不器用だけど、大好きな友達のためなら、強くなれる・・・・・・」
あいにゃ「鞠莉がそんな女の子だって気づいたから、私も気づけた。私はひとりじゃない、って」
あいにゃ「ありがとね、鞠莉」
鞠莉『もー、なによ、改まっちゃって///』
あいにゃ「あはははっ! よし、元気出た! 行こ、鞠莉!」
鞠莉『ええ。みんなと一緒に、ね』
あんじゅ「その、声は・・・・・・」
『あんちゃーん、どうしたの?』
あんじゅ「千歌・・・・・・」
千歌『・・・・・・あんちゃん? 泣いてるの?』
あんじゅ「そんなことっ・・・・・・ない、し・・・・・・」
千歌『・・・・・・ね、あんちゃん』
千歌『吐き出したいことがあるなら、吐き出した方がすっきりするかもよ?』
千歌『チカも、前はそうやって、内に溜め込もうとしてたけど・・・・・・みんなのお陰で、本当のことが言えるようになったし』
千歌『ほんと、あんちゃんは・・・・・・私と、おんなじなんだから』
あんじゅ「・・・・・・・・・」
千歌『怖い?』
あんじゅ「だって・・・・・・ここまで、がむしゃらにやってきたけど・・・・・・!」
あんじゅ「私なんて、リーダーに向いてないし・・・・・・みんなに迷惑かけてばっかりだし・・・・・・」
あんじゅ「あの、μ’sみたいになんて・・・・・・なれないよ・・・・・・!」グスッ
千歌『・・・・・・・・・』
千歌『ね、あんちゃん。覚えてる?』
千歌『初めて、会った時のこと』
あんじゅ「・・・・・・え?」
千歌『どんな人が、“私”なのかなぁって、ドキドキしたよ』
千歌『そして、会えたのは・・・・・・』
千歌『私と同じ、ラブライブが、μ’sが、大好きで』
千歌『だけど、ちょっぴり自分に自信が持てない、ごく普通の、女の子だった』
あんじゅ「・・・・・・・・・」
千歌『私たちも、最初は、“ゼロ”だったんだよ?』
あんじゅ「・・・・・・ゼロ?」
千歌『プロジェクトが始まったばかりの頃は、私たちはまだ、紙の上の女の子だった』
千歌『そんな私たちに、あんちゃんたちが、“命”を吹き込んでくれた』
あんじゅ「命・・・・・・」
千歌『嬉しかったよ。私たちに、命をくれた人たちに、巡り会えて』
千歌『最初は、戸惑いながら、悩みながら。時には、笑われながら』
千歌『それでも、私たちに、命を与え続けてくれて。私たちを、好きになってくれて。すごく、すっごく、嬉しかった』
千歌『あんちゃんたちが、私たちを、“ゼロ”から“イチ”にしてくれたんだよ?』
あんじゅ「千歌・・・・・・」
千歌『そうだよね。私も、気づいたよ。私たちは、μ’sには、絶対になれない』
あんじゅ「・・・・・・・・・」
千歌『だって、私たちは、Aqoursなんだもの』
あんじゅ「Aqours・・・・・・」
千歌『μ’sと同じになれなくてもいい。でも、μ’sが目指したように、私たち自身の輝きを目指すことは出来るんだって』
千歌『私は、Aqoursのみんなから、応援してくれる人たちから、教えてもらったから!』
あんじゅ「私たちの、輝き・・・・・・」
千歌『だから、あんちゃん』
千歌『一緒に、行こうよ。みんなが、待ってるよ!』
あんじゅ「・・・・・・・・・」
グッ
あんじゅ「私、やっぱり助けられてばっかりだ。Aqoursのみんなにも、応援してくれる人たちにも」
あんじゅ「そして・・・・・・千歌にも」
千歌『あんちゃん・・・・・・』
あんじゅ「そうだよね。私はもう、決めたんだもの」
あんじゅ「千歌と、そして、Aqoursのみんなと一緒に・・・・・・」
あんじゅ「これから、色んな景色を、見に行くんだって!」
千歌『そうだよ! その意気だよ、あんちゃん!』
あんじゅ「あのさ・・・・・・こんな、私だけど」
あんじゅ「一緒に、来てくれる? 千歌」
千歌『・・・・・・当たり前だよ』
千歌『一緒に行こう! これからも、ずっと!』
あんじゅ「うん・・・・・・うん!」
……
あんじゅ「ごめーん、みんな、お待たせ!」
ふりりん「お、あんちゃん来た!」
すわわ「先に始めちゃおうかと思ったよー」
しゅか「とかいって、みんなも今そろったところだけどね!」
ありしゃ「ところで・・・・・・みんな、落ち着けた?」
あいにゃ「落ち着いてなんてないってー!!」
キング「そうそう! わくわくして高ぶっちゃってるもん!」
あいきゃん「あいにゃとキングが荒ぶってるぅ~!」
りきゃこ「あいきゃんもね。ふふふ、気合は十分、って感じかなー」
あんじゅ「よーし・・・・・・!」
あんじゅ「みんな!! 行くぞー!!」
~2017.2.25 横浜アリーナ~
果南『まあまあ、私たちだって、似たようなもんだったじゃん』
梨子『だけど・・・・・・みんななら、きっと大丈夫』
曜『私たちみたいに、まだまだ頼りないところもあるけれど』
花丸『悩みながらも、ここまでずっと一途に頑張ってきて』
ルビィ『一生懸命、走ってきたみんななら・・・・・・!』
鞠莉『きっと、シャイニー☆な輝きを、つかめるはずよ♪』
善子『ふっ・・・・・・選ばれし新たな女神たちに、堕天使の祝福があらんことを・・・・・・』
千歌『よーし・・・・・・!』
千歌『行こう、私たちも! みんなと、一緒に!!』
あんじゅ「あの時、“ゼロ”だったものを、“イチ”にするために!」
あんじゅ「さあ、行くよ!」
あんじゅ「1!」
しゅか「2!」
りきゃこ「3!」
キング「4!」
ふりりん「5!」
あいきゃん「6!」
ありしゃ「7!」
すわわ「8!」
あいにゃ「9!」
あんじゅ「――Aqours!!」
9人「Sunshine!!!!」
書くにあたって、色々な雑誌のインタビュー記事等を参考にさせて頂きました
今日、新たな船出を迎えるAqoursの18人を、心から応援しています
おつ
本番楽しみだな
中の人とキャラのクロス良かったよ
今日と明日のライブの大成功を祈る!
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