【ラブライブ!】穂乃果「これたべたい」
- 2020.04.14
- SS

穂乃果「ねえ海未ちゃん、これって美味しいのかな?食べたいな」
穂乃果「sur…シュ、シュールストローミング?」
海未「穂乃果!それはシュールストレミングです…」
穂乃果「なにそれ?美味しいの?」
海未「味はよくわかりませんが…臭いがきつく、世界一臭いと言われる程の臭いがするそうです」
海未「部屋で開封すると一カ月は生臭い匂いがとれない、という話もあるのですよ?」
海未「開封時や食べるときに服に臭いが付いたら、その服は捨てた方がいいと言われるくらいですし…」
穂乃果「えー、でも食べてみたいなあ…」
海未「第一、穂乃果の実家はおまんじゅう屋さんではないですか…?」
海未「シュールストレミングを持ち込むことは衛生的にも良くないですよ?」
穂乃果「そっかぁ…じゃあ、あきらめようかなぁ…」
穂乃果「服なら、この間掃除した時に出てきた中学の時の体操服があったから良いかなって思ったんだけど」
海未「穂乃果の…」
海未「中学時代の体操服…?」ハァハァ
???「…」ピクッ
ことり(穂乃果ちゃんの匂いが、たくさん詰まった…体操服…!?)
海未(…くっ!ことりのあの顔…まさか…!?)
ことり「あのー…穂乃果ちゃん?」
穂乃果「どうしたの、ことりちゃん?」
ことり「えっとね…その缶詰さ、ことりが買ってあげようかぁ?」
穂乃果「ええっ、いいの!?ことりちゃん!」
ことり「うん…でもね、開封した時の汁が飛んでお洋服がだめになっちゃうのは困るんだ…」
ことり「ことりは捨てられる服は全然持ってないから、穂乃果ちゃんの体操服くれたらいいよ!」
穂乃果「ホント!?じゃあことりちゃんお願い─」
海未「待ってください!」
ことり「海未ちゃん…?」
海未「衣装を作ることりから異臭がするなんてことになれば…」
海未「次のライブ衣装はどうなるのです!?」
海未「せっかく素敵な衣装に身を包んでステージに立ったのに、そこから異臭がする…」
海未「これではμ’sではなく臭’sになってしまうのではないですか!?」
ことり「…ッ!!」
穂乃果「そうだね…衣装に嫌な臭いが付いたら、ちょっとイメージ悪くなっちゃうよね…」
ことり「そっかぁ…」
穂乃果「ごめんね、ことりちゃん…せっかく買ってくれるって言ったのに…」
ことり「ううん…」
海未「それでは私が─」
海未「な─!?」
希(穂乃果ちゃんが3年間着続けた体操服なんて…そんなん、もう、西陣織に匹敵するレベルの価値があるやん♪)
希「ウチは一人暮らしなん、穂乃果ちゃん知ってるよね?」
希「だから、誰にも迷惑かからないからウチが買おうかなって思ってね」
希「ウチの家に臭いが付いても穂乃果ちゃんは気にしなくてもいいからね」
希「でも、ウチ…あんまり服持ってないから、開封する時のために穂乃果ちゃんの体操服くれたら助かるんやけどね~」
穂乃果「ほんとぅ!?希ちゃん、ありがとう!」
穂乃果「それじゃあ─」
海未「待ってください、穂乃果…」
希「海未、ちゃん…?」
海未「希は一人暮らしなのですよ?」
海未「そんな希の家がシュールストレミングで臭くなったら…」
海未「…家に帰って一人、異臭と共に過ごすだけの日々…そんなの、悲しいですよね?」
希「うちは別に、そんなこと…」
海未「穂乃果、分かってください」
海未「希はこのようにいつも私達のことを気にかけてくれています」
海未「それはもう、聖母マリアのごとく…」
海未「そんな希の部屋を汚すなんてことは…穂乃果にしてほしくありません」
穂乃果「そっか…ごめん、希ちゃん…」
穂乃果「穂乃果、全然希ちゃんのこと考えてなかった…」
希「ううん、ええんよ…その気持ちだけでうちはもう、嬉しいんよ…」
穂乃果「ありがとう、希ちゃん…やっぱり穂乃果、諦め─」
海未「いえ!穂乃果、それでは私が─」
海未(凛まで─!?)
凛(穂乃果ちゃんの体操服…それに身を包むことが出来たら…凛は、穂乃果ちゃんの匂いだけでこの世の何よりも速く走れる気がする!)
凛(穂乃果ちゃんの匂い…ほのスメルドーピングは検査にも引っかからないし、世界も狙えるにゃ!)
凛「やっぱり魚と言ったら猫だよ、穂乃果ちゃん!」
凛「シュールストレミングってニシンの塩漬けのことなんだよ?」
凛「凛の部屋なら別に誰にも迷惑はかからないし、最適だと思うんだよね」
凛「でも、凛は最近買ったスカートとかに新しい服に臭いが付くのは嫌だから…」
凛「穂乃果ちゃんの体操服がもらえるなら、凛が買ってあげる!」
穂乃果「凛ちゃんの可愛い服が汚れちゃうのは穂乃果も嫌だし…」
穂乃果「買ってくれるなら穂乃果の体操─」
海未「穂乃果、ダメです…」
凛「海未、ちゃん…?」
穂乃果「えっ、どうして?」
海未「穂乃果も知っているかと思いますが、凛は魚が苦手なのですよ…?」
穂乃果「あっ─」
凛「─ッ!」
海未「凛は良い子なので買ってくれると言ってくれているようですが…」
海未「やはり自分が食べられないものを買ってもらうのは、いかがな気分かと思います…」
海未「もし、穂乃果がお使いを頼まれたときに…ピーマンを100個買ってきて、とメモに書かれていたらどうしますか…?」
穂乃果「そうだね…穂乃果もピーマンは嫌だし…見なかったことにしてカレーの材料を買って帰るかな…」
凛「そんなこと、凛は別に…」
海未「無理してまで買うことはないのですよ、凛?」
穂乃果「また何かほしくなったらその時はお願いするかも!ごめん、凛ちゃん!」
海未「仕方ありませんね、それでは─」
海未(にこ…貴女まで…!?)
にこ「ここは、アイドル研究部の部長として後輩の面倒を見てあげるわ!」
にこ(穂乃果の中学時代3年間の汗の結晶が織り込まれた体操服?…そんなの、伝伝伝に匹敵する伝説になる─)
にこ(にこの直感がそう告げているわ!)
にこ「こんなこと言いたくはないけど…あんまり部長らしいことが今までできてなかったと思うのよ、私」
にこ「こんな時だけ部長面をするのは、ちょっと都合良すぎるかもしれないけど…」
にこ「私は皆のことを大切に思っているわ」
にこ「もちろん、穂乃果もそう」
にこ「これぐらいだったら力になれるから、この私に任せてみなさい」
穂乃果「にこちゃん…」
穂乃果「うぅっ…にこちゃんが初めて先輩だって思えたよ…!」
にこ「初めてって…アンタねぇ…」
にこ「まあいいわ、私も服が汚れるのはアイドルとして抵抗があるから、その…体操服貰えると助かるんだけど」
穂乃果「もちろんだよ、にこちゃんだーいすき!」
海未「待ってください穂乃果!」
にこ(くっ…)
穂乃果「えっ、どうして?」
海未「にこには妹と弟がいるのは知ってますよね?」
穂乃果「えっ、もちろんだよ」
海未「にこの妹弟はいずれもまだ小学生以下…」
海未「そのようないたいけな少女達がシュールストレミングの臭いを嗅いだらどうなりますか…!?」
にこ「あっ─」
海未「そうです…トラウマになること間違いなしです…」
海未「さらに!何かの拍子で臭いが体に付いた場合を考えてください」
海未「シュールストレミングの臭いは何日もとれないことだってあるのです…!」
海未「その状態で学校に行く…」
海未「最近の子供は残酷ですからね…次の日から虎太郎のあだ名が生臭太郎なんてことに…」
海未「穂乃果!にこの妹弟に、このような業を負わせてまで食べたいのですか!?」
穂乃果「…ごめん、私って最低だね」
穂乃果「にこちゃんの気持ち、ううん、ここあちゃん達のことも考えずに自分のことばかり…」
にこ「…良いのよ、穂乃果…」
穂乃果「やっぱり、私は買わなくていいや─」
海未「いえ、穂乃果?こういうときは─」
海未(絵里ッ…!!)
絵里(ほのスメルが3年間染み込んだ体操服なんて…ロマノフ王朝の財宝に匹敵する宝になるわ!)
絵里「知っての通り、私はロシア人のクォーターよ、もちろん亜里沙もね」
絵里「だから…シュールストレミングくらいなら私が引き受けるわ」
海未「あの…言っている意味が良くわからないのですが…」
絵里「妹の亜里沙は穂乃果の妹と同じ中3だし、同級生も臭いくらいで軽々しいイジメをなんてするほど分別が無いわけじゃない…」
絵里「亜里沙もああ見えて強い子で…臭いくらいで根をあげるほど、ヤワじゃないのよ?」
絵里「でも、やっぱり服が汚れちゃうのは…ちょっと嫌なのよね…」
絵里「だから…その、穂乃果の体操服を貰えるなら買っておいてもいいわよ」
穂乃果「ほんとう!?よかったぁ、このまま諦めるところだったよ、絵里ちゃん!」
絵里「ふふっ、生徒会の用務以外でも…少しは私を頼ってくれてもいいのよ?」
穂乃果「ぅ絵里ちゃーん!」
海未「いけません、穂乃果!」
絵里「う、海未?」
穂乃果「ん?ならいいじゃん…」
海未「しかし、絵里が買うことによるとんでもないデメリットが内在していることに気がついていないのですか?」
絵里「私が買う…」
穂乃果「デメリットって…?」
海未「絵里も言っていたように、絵里には穂乃果の妹と同級生の亜里沙がいますよね?」
海未「絵里がシュールストレミングを購入、それは亜里沙にも伝わります」
海未「そして…こんな珍しい食材ですし、亜里沙は雪穂にもその話をするでしょう…」
海未「すると、雪穂が穂乃果に言う言葉は…」
─雪穂「おねーちゃんだけ珍しい食べ物食べてずるーい!ふんだ!」─
海未「…ここから想像を絶する姉妹喧嘩が始まることは必至!」
海未「穂乃果が雪穂と不穏な関係を過ごすことにより、穂乃果の精神は徐々に崩壊し…いずれはμ’sが解散…」
海未「最悪のケースが手に取るように見えるではないですか…」
穂乃果「そこまでの喧嘩はしないと思うけど…」
海未「穂乃果!今はラブライブ!に向けた一番大事な時なのですよ!」
海未「私達の希望の源である穂乃果に落ち込まれたら…私は…私はっ…」
穂乃果「そっか、ごめんね…海未ちゃんの言う通りだ…」
穂乃果「絵里ちゃん、やっぱりごめんね…」
絵里「いいのよ…私は穂乃果のことが一番大事だもの…」
穂乃果「もう、この話はやめ─」
海未「いえ、穂乃果、私が─」
海未(ぐっ…一番黙っていてほしかった真姫が…)
真姫(穂乃果の中学時代の体操服…いくらお金を積んでも得られない、その価値はプライスレスよ!)
真姫「穂乃果…貴女ねえ、いままで散々うちの別荘を使ってるのに…それを思い出さないなんて…」
真姫「ちょっと抜けてるんじゃない?」
穂乃果「そんなことないよ~」
真姫「パパの別荘なら別に汚れてもいいわ」
真姫「どうせパパも年に1,2回使うか使わないかってところだし…」
真姫「なにより、汚れてもハウスクリーニングで何とかなるし…」
真姫「でも、別荘に私の替えの服はないのよ」
真姫「何とかならないのは服だけ…」
真姫「でも、穂乃果が捨てる予定の体操服をくれれば、全ての問題は解決するでしょ?」
穂乃果「おぉぅっ!さっすがは真姫ちゃん、セレブだねぇ~」
真姫「ちょ…やめてよそんな呼び方するのは…」
真姫「それじゃあ、さっそく注文をするわ─」
海未「待ってください!」
海未「穂乃果…今、貴女がしようと思っていることは今までで一番愚かな行為なのですよ…」
穂乃果「どうして…?」
海未「今まで、真姫の別荘を2度も借りている私達が言える筋合いはないのかもしれませんが…」
海未「真姫の別荘でシュールストレミングを食べ、別荘を汚し、散らかして帰る…」
海未「それでクリーニングは真姫に頼む…?」
海未「そのような横暴が通るのでしょうか?」
海未「さらに、この行為は…真姫をセレブとしか見ていないと言っているようなものです…」
海未「穂乃果がクリーニング代も持つ、という話であれば最善の手かと思いますが」
海未「もし、穂乃果に少しでも真姫を労わる気持ちがあるのならば…」
海未「どうか考え直してはもらえないでしょうか?」
穂乃果「うん…」
穂乃果「やっぱり穂乃果はずるいや…真姫ちゃんの気持ち考えずにお願いばっかりして…」
真姫「…そんなこと言わないでよ」
真姫「別荘を貸したのも…μ’sのためなんだから」
穂乃果「うっ…うんっ…」グスッ
穂乃果「そう言ってくれると…穂乃果も嬉しいよ…」
真姫「穂乃果…」
海未「穂乃果、安心してください…ここは私が─」
7人「えっ…!?」
花陽「みんな、家の中で食べようとしてるけど…」
花陽「あれは部屋の中で食べるものじゃないと思うよ…」
穂乃果「えっ、花陽ちゃん、たべたことあるんだ!?」
花陽「う、うん…ご飯に合うかなって思ったんだけど…ちょっとにおいがきつくって…」
花陽「じゃなくって…シュールストレミングを食べるなら、お外じゃないとだめだよ…」
にこ「ナイスよ!花陽!だったらにこが責任を持って買っておくわ!外で食べれば妹達に迷惑はかからないもの!」
真姫「なに言ってるのにこちゃん!私が買うからいいわよ」
凛「真姫ちゃんも何言ってるんだにゃー!凛が買っておくから大丈夫だよー?」
絵里「あら、やはり北欧の食べ物と言えば私じゃないかしら?」
ことり「えぇっ、絵里ちゃんはロシアだよね…!?、やっぱり幼馴染としてことりが…」
希「かわいいことりちゃんにこんなもの買わせられるわけないやん?うちが買っておくよ?」
海未「希、無理をしなくてもこの私が買うので問題ないですよ?」
ギャーギャー
穂乃果「やったー!買えたよ、ありがとう花陽ちゃん!」
7人「なん…だと…?」
花陽「それでね、穂乃果ちゃんが買ったんだから…」
花陽「シュールストレミングの缶を開けるのも…穂乃果ちゃんでいいと思うんだ…」
穂乃果「そっか、花陽ちゃんにお願いしようと思ったんだけど…」
花陽「せっかく買ったんだよ、穂乃果ちゃん?開ける経験もしないと…損かもしれないよ?」
穂乃果「だったらお言葉に甘えようかなぁ~」
海未(し、しまったぁっ!…まさか、花陽がノンケだったとは…!?)
ことり(花陽ちゃんの動きだけ見てなかった…もうっ、ことり…なにやってるのっ!)
希(ふぅ…これで誰の手にも渡らずに終わるんなら…まぁ、ええかなぁ…)
凛(かよちん…そうだ、凛はかよちんの体側服をゲットすれば、そっちのほうがいいに決まってるにゃ!)
にこ(くっ、まさか思わぬダークホースがμ’s内にいたとはね…)
絵里(あら、ということは穂乃果の体操服はごみの日に出されるのね…そうよ、ごみの日を狙えば…!?)
真姫(花陽…そうね、私達が間違っていたんだわ、ありがとう、花陽)
穂乃果「花陽ちゃん、何から何までありがとうっ!」
花陽「ううん、花陽は…経験者だから─」ニヤッ
7人(花陽がこっち見て不敵な笑みを…?)
海未(はっ…花陽ぉぉぉおおお!ここで抜け駆けとは…抜け駆けとは何事ですかぁぁあああ!)
ことり(何がノンケだよ、花陽ちゃんが一番の肉食獣だよっ!)
希(はは…あんな顔して、とんでもない策略家やん…!)
凛(なんで!?なんでかよちんは凛の体操服をほしがらないの、ねえ!?)
にこ(穂乃果が3年間着た体操服に、さらに今の穂乃果のスメルを上重ねすることを思いつくなんて…とんでもないわ…)
絵里(ふっ…ふふっ…さすがにああまで良い様にされるなんて…お手上げだわ…)
真姫(私達は花陽の手のひらの上で踊らされていたようね…)
穂乃果「シュールストレミング、早くこないかなぁっと♪」
花陽「ほんと、楽しみだねェ…♪」
花陽(穂乃果ちゃんの中学時代と高校の匂いが合わさった体操服…たのしみっ♪)
おしまい
乙
シュールストレミングは飛行機での輸送はできないのです
船舶での輸送をしている間に発酵し過ぎて9人が食べようとした時は
食べ物では無くなったエンド
…だと微妙なのでここで終わりました
な、なんだってー!
面白かった乙
ここは俺が
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