【ラブライブ!】ダイヤ「あんパン」
- 2020.05.01
- SS

果南「ダイヤ、この書類はここでいい?」
ダイヤ「はい。手伝ってもらってありがとうございます」
果南「いいよいいよ、これくらい」
ダイヤ「お礼に、はい」
果南「ありがと。ダイヤこのあんパン好きだね」
ダイヤ「ええ、一口サイズで食べやすいですの。5個入りっていうのも丁度いいですから」
鞠莉「チャオ~♪」
ダイヤ「鞠莉さん」
鞠莉「ダイヤ、果南。レッスンの時間よ」
ダイヤ「ああ、すみません。もうすぐ終わるので先に始めておいてください」
鞠莉「OK♪」
ダイヤ「果南さんも先に行っててください。手伝ってくれてありがとうございました」
果南「うん、分かった」
ダイヤ「あ!それはわたくしの!」
鞠莉「ん~♪ソーデリシャス!」
ダイヤ「まだ食べていいとは言ってませんわ!返してください!」
鞠莉「いい~じゃないの、ケチねぇ」
ダイヤ「鞠莉さん!」
鞠莉「Oh!怖い怖い!果南逃げましょ♪」
ダイヤ「あ!待ちなさい!」
果南「あはは……また後でねダイヤ」
パタン
ダイヤ「全く……」
ダイヤ「……また今日も全部食べられなかったわ」
ダイヤ「…」モグモグ
トントン
ダイヤ「はい」
ルビィ「お姉ちゃん、ちょっといい?」
ダイヤ「どうしたの、ルビィ」
ダイヤ「いいわよ。見せてご覧なさい」
ルビィ「ここなんだけど……」
ダイヤ「ふむ……ここはこの公式を少し応用して……」
ルビィ「あ、なるほど」
ダイヤ「分かりにくいですが、やり方は簡単よ」
ルビィ「うん。ありがとう、お姉ちゃん」
ダイヤ「いいえ。いつでも聞きなさい」
ダイヤ「何?」
ルビィ「あんパン一個だけ残ってる……」
ダイヤ「ああ……」
ルビィ「まだ食べられないの?」
ダイヤ「……そうね、もう残す必要はないのに」
ルビィ「お姉ちゃん」
ダイヤ「なぁに?」
ルビィ「良かったね、本当に」
ダイヤ「……ええ……ありがとう、ルビィ」
ダイヤ「いいわよ」
ルビィ「ありがとう!じゃあ、部屋に戻るね」
ダイヤ「ええ。早く寝るのよ」
ルビィ「うん!」
パタン
ダイヤ「……もう、残す必要はないのに」
ダイヤ「癖はなかなか直らないわね」
ダイヤ「待ちなさい鞠莉さん!!」
鞠莉「そう怒らないの♪小じわが増えるわよー!」
ダイヤ「なんですってーー!!」
果南「ちょっとちょっと2人とも、廊下走っちゃダメでしょ」
ダイヤ「だって鞠莉さんが!!」
鞠莉「なーによぅ、ダイヤはほんっとケチねぇ」
ダイヤ「人のものをとっておいてその態度は何ですか!!」
ダイヤ「わたくしが楽しみにしておいたあんパンの最後の1個を鞠莉さんが勝手に食べたのです!」
果南「えぇ?それだけ?」
ダイヤ「それだけとは何ですか!果南さんは最後の1個を食べるということがどういうこてか分かってません!大体ですね……」
果南「わ、分かった分かった」
鞠莉「1個くらギャーギャーうるさいなぁ。ダイヤはホント怒りっぽいんだから」
ダイヤ「鞠莉さん!!」
果南「落ち着きなってダイヤ。鞠莉も、煽らないの」
果南「ほら、鞠莉。鞠莉が悪いんだから謝りな」
鞠莉「アイムソーリーヒゲソーリー♪」
ダイヤ「それが人に謝る態度ですのーー!!」
鞠莉「あはっ♪また怒ったー!」
ダイヤ「待ちなさい!」
果南「ああ……もう」
果南「ここのステップはこうで……」
ダイヤ「もう少し前に出た方がいいのでは?」
鞠莉「そうね、もっとアクティブにいきましょ!」
果南「じゃあこうして……よし。少し一息入れようか」
果南「あ、またあんパン」
ダイヤ「最近ハマってしまって……」モグモグ
鞠莉「うんうん、私も~」ヒョイパク
ダイヤ「って勝手に食べないでくださいって!!」
ダイヤ「だしてください!!今すぐ!!」ブンブン
鞠莉「アウチ!!イタイイタイ!!」
果南「だ、ダイヤ!やりすぎ!」
ダイヤ「ご馳走様でした」
ダイヤ「さ、食後のデザートに……」ガサガサ
ダイヤ「…」キョロキョロ
ダイヤ(鞠莉さんはいませんね……今のうちに!)
鞠莉「」ソロー
鞠莉「…むふっ」
ヒョイパク
ダイヤ「!!」
鞠莉「スキだらけよ、ダイヤ♪」
ダイヤ「また!!鞠莉さん!!」
鞠莉「ラーンナウェイ!」タタッ
ダイヤ「まちなさーーーい!!」タタッ
果南「また……鞠莉も大概だけどダイヤも不用心だなぁ」
ダイヤ「今日こそ許しませんわ!」
鞠莉「ケチケチしないのぉ~♪」
ダイヤ「鞠莉さん!」
果南「あ、いたいた……ってまたやってる」
鞠莉「かな~ん、またダイヤが怒ったの~」
ダイヤ「はぁ……はぁ……あなたって人は!」
鞠莉「ワッツ?どうしたの?」
果南「鞠莉、先生が職員室に来てって」
ダイヤ「鞠莉さんに留学の話が?」
果南「うん……職員室で話してたの聞いちゃった」
ダイヤ「鞠莉さんは何と?」
果南「断ってたよ。スクールアイドル始めたからって」
ダイヤ「そう、ですか」
ダイヤ「……」モグ
ガラッ
鞠莉「チャオ~♪練習よ!」
果南「鞠莉」
ダイヤ「…」
鞠莉「どうしたの?2人とも辛気臭い顔して」
果南「いや、何でもないよ」
鞠莉「そう?ならいいけど、ね!」ヒョイパク
ダイヤ「あ!」
ダイヤ「もう……!」
ダイヤ「……」
鞠莉「あれ?」
ダイヤ「……いえ、練習始めますわよ」
ガラッ
鞠莉「ダイヤ?」
果南「……」
果南「東京?」
ダイヤ「ええ!東京のステージで歌ってくださいとわたくし達にオファーが!」
鞠莉「Oh!ベリーエキサイティン!!」
ダイヤ「これは行くしかありませんわ!わたくし達Aqoursを世の皆さんに知ってもらうチャンスです!」
鞠莉「イエース!やってやるわよーー!!」
果南「……うん、もちろん!」
鞠莉「そーこなくっちゃ!さっそく新曲と衣装の制作に取り掛からないと!」ヒョイパク
ダイヤ「だからわたくしのあんパン!!」
鞠莉「1個残してるのが悪いんだよー!」
ダイヤ「鞠莉さん!!」
ダイヤ「鞠莉さん!大丈夫ですか!?」
鞠莉「ノープロブレムよ。これくらい何ともないわ」
ダイヤ「しかし……!」
鞠莉「テーピングすればいいから。それより早く準備しないと」
鞠莉「いきましょ、果南」
果南「……」
鞠莉「果南?」
ダイヤ「……果南さん?」
ダイヤ「そう……ですか。行ってしまうのですね……」
鞠莉「ええ……」
ダイヤ「……鞠莉さん、わたくしは」
鞠莉「果南のこと頼んだよ」
ダイヤ「鞠莉さん……」
ダイヤ「……何ですか?」
鞠莉「はい、これ」
ダイヤ「……あんパン?」
鞠莉「ええ、いつも勝手に食べてごめんね」
ダイヤ「……」
鞠莉「じゃ、そろそろ時間だから」
バババババ…
果南「……」
ダイヤ「……行ってしまいましたわね」
果南「……うん」
ダイヤ「……あの、これ」
果南「ん?」
果南「……いらない」
ダイヤ「そう、ですか」
果南「うん。じゃあまたね、ダイヤ」
ダイヤ「はい…..」
ダイヤ「……」モグモグ
ダイヤ「……」カサッ
ダイヤ(最後の1個……)
ダイヤ「……」
ダイヤ「……入らない」
ダイヤ「お腹いっぱい……ですわ」
ダイヤ「何故……」
ダイヤ「……」
ダイヤ「……わたくしは……」
ダイヤ「……」
ダイヤ「……ルビィにあげようかしら」
ルビィ「お姉ちゃん、また1つだけ……」
ダイヤ「ああ……食べていいわよ」
ルビィ「いいの?でも……」
ダイヤ「いいから。わたくしはもういらないから」
ルビィ「分かった、ありがとう」
ルビィ「……お姉ちゃん、どうしたの?」
ダイヤ「……」
ルビィ「お姉ちゃん……」
ダイヤ「……どうもしないわ、どうも」
「会長、書類整理終わりました」
ダイヤ「ご苦労様です。そこに置いておいてください」
「はい。あれ、会長またあんパン一個残してますね」
ダイヤ「宜しければ差し上げますよ。食べかけで申し訳ないですが」
「いいんですか?じゃあ遠慮なく」
ダイヤ「……」
「ん、少し固くなってる……」
ダイヤ(最後1個を、どうしても食べられない)
ダイヤ(あれほど取られて悔しい想いをしたのに)
ダイヤ(今は、取られることはないのに)
ダイヤ(どうしても、1個だけ食べることができない)
ダイヤ(どうしても……)
ダイヤ「……」
ダイヤ「……何しに帰ってきたのです」
鞠莉「だーかーら、二年前のリベンジだってさっきから言ってるじゃない」
ダイヤ「わたくしはそんなこと望んでいません。果南さんも」
鞠莉「どうして?」
ダイヤ「どうしてもこうもありません。そんなことする必要などない」
ダイヤ「話が終わったなら帰ってください」
鞠莉「冷たいなぁ……あ、このあんパン食べていい?」
ダイヤ「ダメです」
鞠莉「え~?ケチ~」
ダイヤ「いいから早く帰ってください。わたくしはまだやることがあるのです」
鞠莉「はいはい……また来るわね」
パタン
ダイヤ「……」
ルビィ「お姉ちゃん、鞠莉さん帰ってきたの?」
ダイヤ「……ええ」
ルビィ「じゃあ、また」
ダイヤ「また?」
ルビィ「……いや、何でもない」
ルビィ「うん……」
ルビィ「……あ、また一個残してる」
ルビィ「……」パク
ルビィ「……固くなってる」
果南「どうしたの?用事って」
ダイヤ「鞠莉さんが帰ってきました」
果南「知ってるよ」
ダイヤ「……どうしますか?」
果南「どうするって?」
ダイヤ「その……」
ダイヤ「……そうですわよね」
果南「話は終わり?じゃ、手伝いあるから帰るよ」
ダイヤ「ええ、急に呼び出して申し訳ありません」
果南「ううん……あんパン1個残ってるよ」
ダイヤ「食べますか?」
果南「いらない。じゃ、またね」
ダイヤ「ええ……さようなら」
ダイヤ(この2年の間、何個あんパンを無駄にしてきただろう)
ダイヤ(100個?200個?それとも……)
ダイヤ(食べ物を粗末にしてはいけないのに、それでも買ってしまう)
ダイヤ(何故……)
ダイヤ「……わたくし、は」
ダイヤ「…..果南さん、鞠莉さん……」
鞠莉「……ダイヤ……」
果南「……ダイヤ、ごめんね。今まで……」
ダイヤ「いえ……」
果南「今度はもう……途中でやめない」
ダイヤ「もちろんです……必ず、やり遂げましょう」
鞠莉「なんだかお腹空いちゃった……ん?」
ダイヤ「あ!勝手に食べないでください!」
鞠莉「一個だけ残してるの方が悪いのよ~♪」
ダイヤ「鞠莉さん!!」
果南「2人ともー、部室で暴れちゃダメだよー!」
ダイヤ「……」モグモグ
ダイヤ(お腹いっぱい……ですわ)
ダイヤ「……」スッ
ダイヤ(すっかり、四つで満足する体になってしまった)
ダイヤ(全く……)
ダイヤ「責任、取ってくださいよ」
鞠莉「シャイニー!ダイヤ!」
ダイヤ「鞠莉さん」
果南「ダイヤー、練習始めるよー!」
ダイヤ「はい、今行きます」
鞠莉「あ!あんパンもーらい!」
ダイヤ「また!いい加減にしてください!」
果南「鞠莉、ダイヤ!走っちダメだって!」
ダイヤ(……また、今日も)
ダイヤ「あんパンを一つ食べられなかったわ」
誰か留年ダイヤって書いてたけど俺は留年オタクだ
三年組やっぱいいわ
本家アニメ準拠っぽい感じだが良かった、更に掘り下げてこれを本家にすべし
切ないダイヤさんの雰囲気がすごくよかった
3年生組愛おしすぎる
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