【ラブライブ!】海未「リリホワ・ウェポン」凛「2バット」希「炎の焼肉」
- 2020.05.02
- SS

音ノ木警察のお騒がせ刑事コンビ、東條と園田。
人々は2人を人間兵器LW(リーサル・ウェポン)と呼んだ…
凛「2人じゃないよ凛もいるにゃ!」
犯罪者と保険屋泣かせの不死身姉妹に新米の星空が加わって迷惑度もさらにパワーアップ。
秋葉原の平和は私たちが守る。戦えリリホワ!
・
・
『本部より全車へ。××通りで発生した火災は武装した異常者によるものという通報が。付近のパトカーは至急現場へ…』
海未「74号車了解。あと一分で到着します」
凛「その割に何も見えてこないよ」
凛「運転席の希ちゃーん、本当にこの道で合ってる?」
希「間違いないって。ほら、このどしゃ降りなのに段々熱くなってきたでしょ」
凛「言われてみれば。いつの間にか火星みたいな熱気」
海未「それ本気で言ってます?」
希「あ、ほら見てお二人さん。やっと見えて………何アレ」
鎧女「ピャァァァァァァァァ!」DoDoDoDoDoDoDo!!!
鎧女「都市計画なんて糞くらえ!ここら一帯全部焼き尽くして田んぼに還してやります!」
鎧女「ゴーバックトゥ・ライストーンエイジ! ピャアアッ!」ゴオオオオオォォォォーーー
凛「わぁ」
海未「ぶっ飛んでますね」
希「またおっかない所に来ちゃったなあ。マシンガンと火炎放射器背負ったロボコップのパチモンが暴れとるなんて聞いてないよ」
海未「腰にぶら下げてるのは何ですかあれ……炊飯ジャー?」
希「それも二つ」
凛「やっぱりここ火星なんじゃないかな。ところでロボコップってなに?」
希「後でNASAに問い合わせてみな。今はあの電波な宇宙服ちゃんをとっちめるのが先よ」
海未「それで、何か考えはあるんでしょうね」
凛「希隊長、作戦はー?」
希「うむ。作戦は」
希「……」
希「とりえず轢いちゃおっか」
希「そうよ、こっちはパトカーだし。勢いつけて突っ込んじゃえば」
海未「あのアイアン放火マンにですか? 希、あなたこんな時くらい真面目に」
希「ウチはいつも大マジよ。そっちこそ、戦う前からビビっちゃって海未ちゃんらしくもない」
海未「私は三人まとめてバーベキューになるのは御免だと言ってるのです」
凛「そしたら明日からリリブラ三姉妹だねー」
希「心配せんでも、あちらさんは背後のウチらにまだ気付いてない。こっそり近付いてやられる前に殺る、先手轢勝よ」
海未「その前に振り向かれてバレるに決まってるでしょう! なぜ自殺行為だというのが分からないのです?」
希「海未ちゃんっていつも悪い方にばかり考えるよね。グラスにまだ半分残ってるビールを見て、もう半分しかないって嘆くタイプ」
凛「人生いい方に考えよう!」
海未「また懐かしいフレーズを…それビールではなくコーラの宣伝でしたよね? どちらにしろ炭酸は苦手ですが」
希「いや、これは『恋はデジャ・ブ』って映画の有名な台詞。最近の子は知らんの?」
凛「元は19~20世紀にかけて活躍したとある劇作家の言葉なんだけどね。ウイスキーの残量でその人の性格も測れる名言にゃ」
希「物知りやね最近の子はっ!? さっきからジェネレーションギャップ感じてのぞみん辛いよ…」
海未「おっと、そろそろ早期退職を視野に入れる時期でしたね。年金の運用プランは考えていますか?」
凛「お別れは寂しいけど、希ちゃんのことはずっと忘れないから…」グスッ
希「おーおー若さとは振り向かない向こう見ずよ。ここを生き抜いたら二人まとめてワシワシMEGAマックスの刑だから心しとくよーに」ブロロロロ…
希「いい加減覚悟決めてよ。こーいうのは気持ちが大事なんやから」
海未「気持ちとは」
希「トージョーの法則って言ってね。ここからスピリチュアルな気を相手に送るんよ。振り向くな…振り向くな…って」
凛「えっと、神頼み?」
希「念じんるだってば。ほら一緒に」
凛「わ、分かったよ……ふりむくな、ふりむくな」
希「振り向くなぁ~振り向くなぁ~…海未ちゃんも!」
海未「振り向くな! はぁ~振り向くなっ!」コォォ…
希「そうその調子!」
凛「ふりむくにゃ! ふりむくにゃ! ふりむくにゃん!」
希「もっと強く!」
うみりん「ふっ、りっ、むっ、くっ、なっ! フ・リ・ム・ク・ナゥ!!」
希「ヘイヘヘイヘイ!!!」
コメキチ女「ピャァァァァァァァァーーー!!」ボシュウウウウウウウウーーー
のぞうみりん「振り向くなッ!振り向くなッッ!!振り向くなッッッ!!!」
海未「キェェ!」
凛「いいよぉ、残り8.74メートル!」
希「よっしゃ」(カーステレオぽちり)
~♪
『微熱からMystery』 歌:lily white
海未「今年の夏の匂い いつもとは違うみたい」
コメキチ女「ぴゃあぁぁ…炊き立てのお米とナパームの匂いは格別ですぅ」ガンギマリ
海未「いまのわたしがー」
凛「すこしおとなにー」
希「なりたいときは~」
あなたの声が (あなたの声が) 聞こえた時なの…
コメキチ女「ピャアアアア! ピャアッ…… ピャ?」
希「だ」
海未「か」
凛「ら」
コメキチ女「」クルッ
のぞうみりん「振り向いたぁーーーッ!!!」キキィィーーー
ZuDoDoDoDoDoDoDoDoDoDo!!!!
凛「伏せるにゃああああああああ」
海未「そんな暇あったら脱出です!早く!」
希「車の陰に隠れるんや!」
コメキチ女「ピャラララララララ!!!」DoDoDoDoDoDoDoDo!!!
ブスッ! ブスブスブス!!!
凛「うわわわっ弾が車体を抜けてるんですけど!」
希「あちゃー警殺弾(コップキラー)使ってるんか。これじゃ近付いたのは失敗だったね☆」
海未「今更ッ!? ああもぅさっさと片を付けねば!」
凛「待って! 1、2の3で同時に飛び出して撃つんだっけ? それとも3の後に」
海未「今日は時間がありません! 1でいきますよ、ほら1!」ダッ
凛「うわあああ!」バッ
コメキチ女「!?」キョロキョロ
海未「鈍いのですねッ」BANG!
コメキチ女「」カァァン
海未「なっ…」BANG!BANG!BANG!BANG!
コメキチ女「」ガギィン カンカンカンッ
凛「弾が、弾がヨロイに弾かれてるよっ」BANG!BANG!BANG!BANG!
海未「落ち着きなさい!あなたの弾はそもそも当たってないでしょうが!」BANG!BANG!BANG!BANG!
希「さて、ウチの出番みたいやね」
希「のぞみんパワーをたーっぷり注入したこのスペシャルマグナム弾で」
希「はーいプシュ!」DOM!DOM!DOM!
コメキチ女「」カンカンカン
希「あかん」
凛「駄目だぁ、全然歯が立たない!」
海未「私たちだけでは手に負えません、応援はまだですか!?」
――ブォォォォォォォン!
『待たせたわね!』
希「この声は…!」
にこ『真打ち登場!呼ばれて飛び出てにっこにっこにー!!』ギャリリリリリリリリリリ!
にこ『安心なさい。この私が来たからにはもう』
コメキチ女「ぴゃあ! 飛んで火にいるスカイラインです!」ゴオオオオオオオオオーーーー
にこ「ちょ」
――BOOOOOOOOOOOOOOMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMM!!!!!!
海未「にこ…いい刑事でした」
希「まーたにこっちの葬式やるんか。そろそろ包んだ香典だけで家が買えそうなんだけど」
キュイイインン――バラバラバラバラバラバラバラ
ヒデコ『こちらヘリ、只今現場上空に到着! 付近一帯は雨と炎と煙で酷い有様だよ。うちの車両も一台絶賛炎上中』
フミコ『見て、犯人の目と鼻の先にもう一台……あれ海未ちゃん達じゃない!?』
ミカ『ウッソ、おったまげー』
穂乃果「絵里ちゃん今の聞こえた?」
絵里「ええ。全くあの三人の蛮勇には毎度頭が下がるわね」
穂乃果「助けに行かなきゃ…こうしてる間にも海未ちゃんたち、必死に戦ってるんだもん」
絵里「フフ、私たちも負けてられないわね」
絵里「シートベルト絞めて。突っ込むわよ」
ダララララララララララッ!!! ゴォォォォォーーーーーーー
海未「このままじゃ車ごと蜂の巣グリルです。どうにかして敵に隙を作らせなくては…」
希「よしきた。ウチがここから援護するから、海未ちゃんたちは囮になって相手を引き付けて」
海未「は? 何馬鹿なこと言ってるですか」
海未「この中で一番射撃の得意な私が援護するのが道理でしょう? 囮役は希か凛がやってください」
凛「老い先短く失うものがなにもない希ちゃんが適任だと思います!」
希「そっちも大して変わらんだろ星空ァ!」
絵里「にこの二の舞にならないように、ギリギリの距離を保つわよ!」ブォォォォォォォォン
絵里「真姫たちもすぐに着くって。そしたら私たちとリリホワとで敵を挟み撃ちにするの!」
穂乃果「でも、その後はどうするのっ? こっちの武器は効かないみたいだけど」
絵里「分からないわ。だけど私は希たちを信じてる」
絵里「きっとあの三人のことだから、何か考えがあるはずよ」
凛「そうにゃそうにゃ!」
海未「もう責任とって希が特攻してくださいよ!」
希「こらこら、年長者は労わらないと駄目よ二人とも」
希(警部補)「というわけで、ここは一番下っ端の者が行くべきかなと」
海未(部長刑事)「ふむ…一理ありますね」
凛(巡査)「ず、ズルだ卑怯だ!年功序列はんたーい!」
海未「階級を抜きにしても、凛はリリホワの末妹ですからねぇ」
凛「……」
凛「実はさ、今まで黙ってたんだけどね」
凛「凛、結婚することになったんだ」
海未「なっ…!?」
凛「希ちゃんと」ニヤリ
凛「止めないでよ!それとも希ちゃんは階級も性別も、血縁の壁すら超えて凛と結ばれたあの夜をなかったことにしちゃう気なの!?」
希「凛巡査…」
凛「希警部補…」
のぞりん「」ヒシッ
凛「というわけで今から凛は海未ちゃんの義姉になるにゃ」
希「さらば海未ちゃん。ウチら幸せになるから」
海未「み、認められませんよこんなのは……第一姉妹同士でなど条例違反でしょう、ノーカンですノーカン!」
希「愛の形は人それぞれ、誰もそれを縛ることは出来ないんよ…」
海未「…そうですか」
海未「なら私も二人に話していなかったことがあります」
ことり「やんやん、止まってぇーっ!」DoDoDoDoDoDo!!!
コメキチ女「」チュインチュインチュン!
真姫「ヴェェ…なんて固いやつなの」
コメキチ女「無駄無駄無駄です!あなた達なんて米粒程度!寄って集ってお茶碗一杯分にもなりゃしない!大人しく私に炊かれちゃってください!」
絵里「穂乃果ぁ!そこから海未たちの状況が分かる?」BANG!BANG!BANG!
穂乃果「えーっと…三人で作戦会議してるみたいだよ!?」
絵里「よぅし、みんなもう少し持ちこたえるのよ! 三人のために時間を稼いで!」
海未「実は私も、希のことを常より憎からず思っていました」
希「海未ちゃん…」ポッ
海未「ですが希と私は姉妹。二人は決して結ばれてはならぬ運命…」
海未「ではこの身を焼き焦がす想いの丈はどこへぶつければ良いのか。悩んだ末に私は」
海未「希とそっくりな希ママさんと籍を入れることにしたのです」
希「うんうん…うん?」
凛「えっと、希ちゃんのお母さんと海未ちゃんが結婚して…あれれ? でも希ちゃんママって海未ちゃんにとっても」
海未「愛の前には些細な問題ですよ。それでは早速…」
希「お義母さん!お義母さんは可愛い義娘のことを守ってくれるよね?」
海未「いいえあなたのような不義娘は即勘当です。さっさとここを出て私たちの盾になって壮絶に散ってください」
希「待った!まだ言ってなかったけど実はウチ」
――ZuDoDoDoDoDoDo!!!! バリィィン! ズブズブズブズブッ!!!!
凛「希ちゃん!?」
海未「撃たれたのですか!? しっかりしなさい…! 一体どこを」
希「イチチ…ウチのお尻がぁ」
凛「よかった平気そうで」
希「乙女心の方は深く傷付いたよ…」
海未「貫通した流れ弾にツッコまれたんですね。こっちの盾はもう持ちそうにありません」
凛「穴の空いてない所を探すほうが難しいもんね。新車だったのに」
海未「保険下りるでしょうか…」
希「このヒップにも保険かけとけば良かった…」
穂乃果「!…弾切れだっ」カチカチッ
ことり「こっちも…!」
真姫「エリー、もう限界よ!後は特殊部隊か自衛隊に任せましょう」
絵里「まだよっ、希たちはまだ諦めてない!私たちも精一杯ねばらなきゃ…!」
真姫「っ……いいわ。音ノ木署の底力、見せてあげようじゃない」
コメキチ女「ピャアア!諦めの悪い人たちです!いい加減に…」ピピー!
コメキチ女「あっ、どうやら時間みたいですね!ふふ、この時を待ってました!」
凛「今の聞こえた? ヨロイさんの方から変な電子音が」
海未「この喧噪でそんな芸当が出来るのはあなたくらいですよ」
海未「って電子音ですか!? まさか時限式の爆弾でも隠し持って」
凛「あー違うよ、ご飯が炊けた合図だ。今しゃもじ取り出してる」
海未「はぁ、驚かせなくでください。しかしあのフルフェイス被ったままじゃ食べられないでしょうに」
凛「ねー」
希「二人とも」
希「あのボバフェットもどきを宇宙の彼方まで吹っ飛ばす名案が浮かんだわ」
希「あいつの腰の炊飯器と繋がってる背中のガスボンベがあるでしょ。それを」
海未「撃って大爆発ですか? それでは私たちも巻き込まれます」
希「だからボンベじゃなくホースのバルブを狙うんよ。あとは何処へすっ飛んでいこうとウチらの知ったことじゃない」
凛「なるほど…キレてるにゃ」
海未「しかしバルブがあるのはボンベの裏側。どうやって相手に背を向かせるのです?」
希「その点も抜かりなしよ。まず二人は服を脱いで」
希「それから凛ちゃんは発情期真っ只中のネコダンス、海未ちゃんはジャスティンビーバーが転生したアルパカのフリをして敵の注意を」
うみりん「セルフサービスでお願いします」
海未「百歩譲って気を引くために動物の真似をするにしても、裸になる必要性は?」
希「あのイカレポンチとよろしくやるにはそれぐらいしなきゃ」
凛「現場では犯罪者の気持ちになって考えろってやつだね」
海未「火曜の夜に大通りで銃を乱射する人の気持ちなんて知りたくもありませんよ」
凛「家か職場で嫌なことでもあったのかなぁ」
希「プリンセスの日なんじゃない?」
凛「なっとく」チラッ
海未「? 何故こちらを見るのです」
コメキチ女「ぴゃああ!!もう我慢できません!こっちはお腹ペコペコなんです!さっさとくたばってください!」ボオオオオオーーー
凛「うわわ、相変わらずヤバげなテンションMAXでこっちに接近中」
海未「希、あなたちゃんとバルブに当てられるのですか?」
希「大丈夫!ウチこれでもスーパーラッキーガールだし」
凛「運任せだー!?」
希「それだけじゃないよ、今引いたカードは『太陽』の正位置。この意味は」
凛「“何をやっても上手くいく”でしょ知ってるよ! ついでに希ちゃんのタロットが全部そのカードなのも!」
希「ありゃバレてたか」
海未「希、私たちはカードよりもあなたという人を信じます…!」ヌギヌギ
希「海未ちゃん…」
海未「だから…頼みましたよっ」
希「…任せて」
コメキチ女「ピャララララララ!!! あ……あれれ?」ガチガチッ
希「早速ラッキー、弾詰まりやん! 二人とも今のうちに」
凛「ぶっはは! 海未ちゃん水玉模様のパンツって、歳考えよーよ」
海未「余計なお世話です!そっちこそ似合ってませんよその花柄」
凛「これは友達ので凛のセンスじゃないよーだ」
希「はーやーく!」
海未「心の準備くらいさせてください!1、2の3で私は右、凛は左へ飛びます!」
海未「いきますよ……1」
凛「っ…」パンツカブリ
海未「2 希「3!」
うみりん「わあああああああああああ!!!!」バッ
コメキチ女「ぴゃあ! 性懲りもなく…」
海未「ふ…ふぇぇ?」
コメキチ女「ま…た……?」
凛「フーッ…フーッ…にゃ、にゃにゃーん」
希「駄目ーッ!二人とももっと腰と三半規管振って! 恥じらいの毛皮を脱ぎ捨てるんや!死にたいんか?」
海未「ふぇ…フェェ!ンメェーメェメェメェメェメェ!!!」パタパタパタパタ
凛「にゃにゃにゃ~~ん♡にゃろおおおん」クネクネクネ
コメキチ女「……」
海未「フゥーッ!ホホホホホッ……何してるんですか希!さっさと撃ちなさい!」
凛「こんな格好で死にたくないにゃー!」
コメキチ女「…」ガチャ
海未「う゛ああああああ!!こっち見てます!! 希ぃ早く!早く撃って…!」
希(焦っちゃダメ…集中して)
コメキチ女「汚物はぁ…消毒しなきゃ…!」クルッ
希(見えた…ッ!)
コメキチ女「ピャアアアアアアアアアアアアアア!!!!」ゴオオオオオオオオオオーーーー
海未「わああああああああああ!!!!!!」
希「お尻を傷物にされた借りはきっちり返すよ―――!」
――DOM!DOM!DOM!
コメキチ女「ぴゃああっ!!!????」ブシュウウウウ!
希「やりぃ…!」
海未「た、助かった…」ヘナヘナ
コメキチ女「ピャアアアアアアアアアアアアァァァァ」ヒューーーーーーーーーーン
凛「すごーい、ロケットマンだ! どこまで飛ぶの!?」
コメキチ女「ぴゃあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
――グシャァァ!
ヒデコ『せ、精米所の倉に頭から突き刺さった…』
絵里「ハラショー…」
真姫「まずいわ…! 急いでここから離れないと!」
絵里「へ? 何で?」
真姫「分からない!? 粉塵爆発するからよ!」
バチバチ…!
――BOOOOOOOOOOOOOOMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMMM!!!!!!
フミコ『のわあああああ!?!?? 火柱がここまで…』
ミカ『巻き込まれるよっ、退避! みんな退避してー!』
ヒューーーーーーーーン! ドンドンドン!! パチパチッ
凛「キレーな打ち上げ花火にゃ…」
海未「言ってる場合ですかぁあああああ精米機が降ってくるううううう」
希「逃げろぉぉーー!!」
――――
――
凛「くしゅっ」
海未「最低です…こんな下着姿で、空中で炊き上がった米の雨にまみれて身体中ベトベトで…」
希「二人ともお疲れ様。最後は大活躍やったね」
凛「そお? 凛たちのモノマネ役に立ったかな」
希「ラジー賞ものの名演よ。正直感動しちゃったわ」
海未「と、当然です…命まで賭けて本気でやったんですから」
希「うんうん。けどまあ実のところ」
希「あれはほんの冗談のつもりで言っただけ…だったりして」
希「まさか本気にされるとはこっちも予想外だったのだ」
凛「やっぱりねー。薄々そんな気はしてたよ」
希「あ、またお見通し? 勘もノリも良い凛ちゃんには敵わんね」
凛「海未ちゃんの可愛いパンツが見れただけでも良しとするにゃ」
希「お、着信だ……非通知?」
凛「ファンの子かな」
希「はい、捜査一課の東條ですけど」
『もしもし警察ですか? ××通りに生きたまま肥溜めに犬神家したい二人組がいるんです。大至急来てください』
希「別の番号と間違えてません? それに今別件を終えたばかりで……ん? ××通りって」
凛「ここのことだよね」
『お取込み中でしたか失礼しました。ではこちらから伺いますね』
希「……おかしいな凛巡査。急に気温が下がったような」
凛「そういえば火星って本当はとっても寒いんだって」ブルッ
希「なんてことだ。ここは火星だったのか」
希「凛巡査、絶対に振り向くなよ。振り向くと死ぬぞ…」
凛「分かってます警部補。1、2の3でこの場から離脱しましょう」
希「3と同時だな…? よしいくぞ、1…」
凛「2…」
海未「自分たちの余命でも数えているのですか?」
のぞりん「」ビクッ
のぞりん「う、うわあああああああああ!!!」ダッ
海未「待ちなさい!!」
・
・
・
希「やっほーキミが新しい相棒?初めましてウチは東條希!これからよろしくっ」
海未「ど、どうも…」
希「んー? どしたの、ウチの顔に何かついてる?」
海未「あ、いえ…別に」
希「?…変なの。じゃあ先に駐車場行ってるね。早く来ないと置いてくよん」
海未(――あの人、月が出ているわけでもないのに瞳孔が開ききっていました)
海未(音ノ木署きっての壊し屋、人間狂器の東條希)
海未(果たしてうまくやっていけるでしょうか…)
海未「絢瀬先輩…」
絵里「絵里でいいわよ。それより彼女のことだけど」
絵里「噂は色々聞いてるでしょ。先に言っておくけどそのほとんどが事実よ」
絵里「ただ一つ、東條希は障害年金狙いで狂ったフリをしている、というのを除いて」
海未「本気で心を病んでいる…と?」
絵里「刑事は皆そうよ。希が特別ってわけじゃない」
海未「しかし彼女の相方になって二週間と続いた人はいないそうですが」
絵里「ビルに登った自殺志願者の説得に行って一緒に飛び降りちゃうような子だからね。誰も希に付いていけないの」
海未「どうしてそんな…」
絵里「過去に色々とあったらしくて。普段は飄々としてるから、聞こうとしてもすぐはぐらかされちゃうけど」
絵里「そのせいで皆、あの子を誤解してる…本当はとても繊細な子なの。だから」
海未「鋭すぎる感性の刃が真っ先に傷付けるのは常に自分自身…というわけですか」
絵里「え? えぇ…そういうこと、なのかしら?」
海未「ありがとうございます絵里。彼女のことが少し理解できた気がします!」ダッ
絵里「…」ポカーン
絵里「ハラショー…頑張るのよ海未」
希「…」ポツーン
希「……来ないなぁ」
希「はは…また逃げられちゃったか。最速記録やね」
希「……!!」ゾクッ
希「っう、こんな、時に……っ、っ」
希(誰もいない駐車場、雑踏の中ふと高いビルを見上げた瞬間、部屋の隅で過ごす土曜の夜)
希(突然襲来する不安の波は停車寸前の貨物列車みたく人をじわじわ轢き潰そうと痛い痛いイタイ居られないここに…!!)
希「ぐぅ、げほっ……そんな時はこーれ」ゴソゴソ
希「テレレレッテレー、のんたん特性スペシャルマグナム弾~」
希「ウチはたまーにニュースになる間抜けな交番勤務の巡査とは違うよ」ガチャ
希「いつでも一発で確実に始末をつけられるように、こめかみでなく口に咥えて…」ジャキリ
希「~~~っ、ッッ………くぅぅ…!」ガチッ…
希「おわっ…!びっくりした…」
海未「はぁー…はぁ、こっちこそ心臓が止まりかけました」
希「……海未ちゃんだっけ? 危ないなぁ、本当に発射されたらどうすんの」
海未「私には、今まさにあなたがそうしようとしている様に見えましたが」
希「ははは、まさか。あんまりにも来るのが遅いから、ちょいと暇潰ししてただけやん♡」
海未(また瞳孔が…)
希「そんな顔せんでも大丈夫。こう見えて運だけは人一倍あるのだ、ぶい」
希「失礼しちゃうよね、人のことどっかおかしいみたいに」
海未「私とコンビを組むからには、相応しい名前に改めてもらいますよ」
海未「今日から私たちはlw(リリー・ホワイト)です」
――
――――
―――――――
海未「今日という今日は許しませんっ!」
希「ごめんてば! 帰りにウチと凛ちゃんで焼肉おごるから!」
希「あ、それなら撃つ前に犯人からバーナー借りとくんだった」
凛「炊飯器もね!」
希「それにしても空から炊飯器と精米機が一緒に落ちてきたのは傑作やん」
希「前に海未ちゃん家で便器が吹き飛んだ時のことを思い出したよ」
凛「え? 何その話面白そう、詳しく!」
海未「あ゛あ゛あ゛あ゛嫌なこと思い出させないでください!!それと希、あなたしっかり走れてるじゃないですか!」
海未「やはり全然反省してませんね!? 人をおちょくるのもいい加減になさいっ!覚悟ッ!!」
希「ひぇええっ、ウチまだ死にたくない~!」
凛「よーし、このまま焼肉屋まで競争いっくにゃー!」
海未「絶対に逃がしませんよっ、二人とも!!」
海未(置いていけるものならやってみなさい)
海未(私はどこまでも付いていってみせますから…!)
死に急ぎの狂気から三人が解たれるまで――リリホワの戦いは続く。
FIN
久々に旧作映画を見返したらアホみたいに面白かったので読切漫画風に
最初からやりたいけど凛ちゃん出るまでシリアス分多めになりそうで考え中
よかった
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