【ラブライブ!】メノ^ノ。^リメノノリ様
- 2020.05.02
- SS

漁村なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、
高校になってバイクに乗るようになると、夏休みとか冬休みなんかには、よく一人で遊びに行ってた。
女なのにバイクが趣味とは変わってるってよく言われるし、男勝りだと思われてるらしく同姓に告白されることも多かったが、そういうのにはあまり興味はなかった。
じいちゃんとばあちゃんも、「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。
でも最後に行ったのが、高校三年にあがる直前だから、もう十年以上も行っていないことになる。
決して「行かなかった」んじゃなくて、「行けなかった」んだけど、その訳はこんなことだ。
まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこでしばらく寛いでいた。
そうしたら、
「れず、れずっず、れ、ずっ…」
と、変な音が聞こえてきた。
機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じがした。
それも、透き通るような感じの声だった。
何だろうと思っていると、庭の生垣の上に帽子があるのを見つけた。
生垣の上に置いてあったわけじゃない。
まあ帽子は、その女性が被っていたわけだ。
女性は白っぽいワンピースを着ていた。
生垣の高さは160センチくらいある。
私よりも少し背が小さい、同い年くらいの女の子だ…
地元の子かなと思っていると、女はまた移動して視界から消えた。帽子も消えていた。
また、いつのまにか「れずず」という音も無くなっていた。
その後、居間でお茶を飲みながら、じいちゃんとばあちゃんにさっきのことを話した。
「さっき、変わった女の子を見たよ。地元の子かなあ」と言っても、「へぇ~」くらいしか言わなかったけど、
「私より少し背が小さかった、変わった帽子をかぶってて『れずず』とか変な声出してたし」
と言ったとたん、二人の動きが止ったんだよね。
いや、本当にぴたりと止った。
じいちゃんが怒ったような顔で質問を浴びせてきた。
じいちゃんの気迫に押されながらもそれに答えると、急に黙り込んで、
廊下にある電話まで行き、どこかに電話をかけだした。
引き戸が閉じられていたため、何を話しているのかは良く分からなかった。
ばあちゃんは、心なしか震えているように見えた。
「今日は泊まっていけ。いや、今日は帰すわけには行かなくなった」と言った。
――何かとんでもなく悪いことをしてしまったんだろうか。
と必死に考えたが、何も思い当たらない。
あの女だって、自分から見に行ったわけじゃなく、あちらから現れたわけだし。
そして、「ばあさん、後頼む。俺はKさんを迎えに行って来る」と言い残し、
軽トラックでどこかに出かけて行った。
「メノノリ様に魅入られてしまったようだよ。じいちゃんが何とかしてくれる。何にも心配しなくていいから」
と震えた声で言った。
それからばあちゃんは、じいちゃんが戻って来るまで、ぽつりぽつりと話してくれた。
この辺りには「メノノリ様」という厄介なものがいる。
メノノリ様は女の子姿をしている。
名前の通りメノ^ノ。^リのような顔であり、「れずれず」と、透き通る声で変な笑い方をする
女性で背が160センチくらいなことと、メノ^ノ。^リ←こんな顔をしていること、それに気味悪い笑い声は共通している。
昔、東京から引っ越して来たという噂もあるが、定かではない。
この地区(今は沼津市の一部であるが、昔は内浦村。)に、音ノ木レズ結界によって封印されていて、よそへは行くことが無い。
メノノリ様に魅入られると、数日のうちに壁クイされて、レズになってしまう。
メノノリ様の被害が出るのはかなり多いらしい。
メノノリ様がよそへ移動できる道というのは、理由は分からないが限られていて、その道の村境に犬を祀ったそうだ。
メノノリ様の移動を防ぐためだが、それは東西南北の境界に、全部で四ヶ所あるらしい。
もっとも、何でそんなものを留めておくことになったかというと、周辺の店と何らかの協定があったらしい。
例えば、ダイビングショップの売上や地元旅館やホテルの集客を優先するとか。
メノノリ様の被害はわりとよくあることだが、
地元の人は、そこそこ有利な協定を結べれば良し、と思ったのだろうか。
そのうち、じいちゃんが一人の女の子を連れて戻ってきた。
「えらいことになったずら。今はこれを持ってるずら」
Kさんという、私より少し年下くらいの少女はそう言って、お札をくれた。
それから、じいちゃんと一緒に二階へ上がり、何やらやっていた。
ばあちゃんはそのまま一緒にいて、トイレに行くときも付いてきて、トイレのドアを完全に閉めさせてくれなかった。
ここにきてはじめて、「なんだかヤバイんじゃ…」と思うようになってきた。
そこは窓が全部新聞紙で目張りされ、その上にお札が貼られており、四隅には盛塩が置かれていた。
また、木でできた箱状のものがあり(祭壇などと呼べるものではない)、その上にオトメアンの同人誌が乗っていた。
あと、どこから持ってきたのか、『おまる』が二つも用意されていた。
これで用を済ませろってことか…
俺もばあさんもな、お前を呼ぶこともなければ、お前に話しかけることもない。
そうだな、明日朝の七時になるまでは絶対ここから出るな。
七時になったらお前から出ろ。家には連絡しておく」
と、じいちゃんが真顔で言うものだから、黙って頷く以外なかった。
「今言われたことは良く守るずら。お札も肌身離さしたらいけないずら。何かおきたら同人誌の前でお願いするずら」
と、Kさんにも言われた。
部屋に閉じ込められるときに、ばあちゃんがくれたおにぎりやお菓子も食べる気が全くおこらず、
放置したまま、布団に包まってひたすらガクブルしていた。
そんな状態でもいつのまにか眠っていたようで、
目が覚めたときには、何だか忘れたが深夜番組が映っていて、
自分の時計を見たら、午前一時すぎだった。(携帯は電池が切れていた)
なんか嫌な時間に起きたなあなんて思っていると、窓ガラスをコツコツと叩く音が聞こえた。
小石なんかをぶつけているんじゃなくて、手で軽く叩くような音だったと思う。
誰かが本当に叩いているのかは判断がつかなかったが、必死に風のせいだと思い込もうとした。
落ち着こうとお茶を一口飲んだが、やっぱり怖くて、テレビの音を大きくして無理やりテレビを見ていた。
そんなとき、女性の声が聞こえた。
「ねえ、大丈夫?。怖かったら無理しなくてもいいわよ」
思わずドアに近づいたが、じいちゃんの言葉をすぐに思い出した。
また声がする。
ばあちゃんの知り合いにそんな若い女性はいない。
どうしてか分からんけど、そんな気がして、そしてそう思ったと同時に、全身に鳥肌が立った。
「ねえ、私とレズ○ックスしない?」
ふと隅の同人誌を見ると、それは端のほうが黒く変色していた。
そのとき、
「れずっず、れ、ずず…」
あの声が聞こえ、窓ガラスがトントン、トントンと鳴り出した。
そこまで背が高くないことは分かっていたが、
アレが下から屋根をよじ登って、窓ガラスを叩いている光景が浮かんで仕方が無かった。
もうできることは、同人誌に祈ることだけだった。
つけっぱなしのテレビが、いつの間にか朝のニュースをやっていた。
画面隅に表示される時間は、確か七時十三分となっていた。
ガラスを叩く音も、あの声も気づかないうちに止んでいた。
どうやら眠ってしまったか、気を失ってしまったかしたらしい。
同人誌はさらに黒く変色していた。
念のため自分の時計を見たところ、ほぼ同じ時刻だったので、恐る恐るドアを開けると、
そこには、心配そうな顔をしたばあちゃんとKさんがいた。
ばあちゃんが「よかった、よかった」と涙を流してくれた。
下に降りると、母も来ていた。
どこから持ってきたのか、ワンボックスのバンが一台あった。
そして、庭に何人かの女たちがいた。
庭にいた女たちもすべて乗り込んだ。
全部で九人が乗り込んでおり、八方すべてを囲まれた形になった。
「大変なことになったね。気になるかもしれないけど、これからは目を閉じて下を向いていなさい。
私たちには何も見えないけど、貴女には見えてしまうだろうからね。
いいと言うまで、我慢して目を開けないで」
右隣に座った五十歳くらいのおばさんがそう言った。
という車列で走り出した。
車列は、かなりゆっくりとしたスピードで進んだ。
おそらく、二十キロも出ていなかったんじゃあるまいか。
間もなくKさんが、「ここがふんばりどころずら」と呟くと、何やら念仏のようなものを唱え始めた。
「れっずず、れ、ずっ、れずず…」
またあの声が聞こえてきた。
Kさんからもらったお札を握り締め、言われたとおりに目を閉じ下を向いていたが、
なぜか薄目をあけて、外を少しだけ見てしまった。
走ってついてきているのか。
頭は帽子の影に隠れてよく見えない。
しかし、車内を覗き込もうとしたのか、帽子を外す仕草を始めた。
無意識に「ヒッ」と声を出す。
「見ないで」と隣が声を荒げる。
慌てて目をぎゅっとつぶり、さらに強くお札を握り締めた。
ガラスを叩く音が始まる。
周りに乗っている人も、短く「エッ」とか「ンン」とか声を出す。
アレは見えなくても、声は聞こえなくても、音は聞こえてしまうようだ。
Kさんの念仏に力が入る。
やがて声と音が途切れたと思ったとき、Kさんが「うまく抜けたずら」と声をあげた。
それまで黙っていた周りを囲む女たちも、「よかったねえ」と安堵の声を出した。
やがて車は道の広い所で止り、母の車に移された。
母とじいちゃんが他の女たちに頭を下げているとき、Kさんが「お札を見せてみるずら」と近寄ってきた。
無意識にまだ握り締めていたお札を見ると、全体が黒っぽくなっていた。
Kさんは「もう大丈夫だと思うずら、念のためしばらくの間はこれを持っているずら」と、新しいお札をくれた。
その後は、母と二人で自宅へ戻った。
バイクは、後日じいちゃんと近所の人が届けてくれた
子供の頃、友達のひとりが魅入られてレズになった、ということを話してくれた。
魅入られたため、他の土地に移った人も知っているという。
バンに乗った女たちは、すべてばあちゃんの一族に関係がある人で、
つまりは、極々薄いながらも、自分と血縁関係にある人たちだそうだ。
ばあちゃん、後ろを走った母も当然血のつながりはあるわけで、
少しでもメノノリ様の目をごまかそうと、あのようなことをしたという。
母の姉妹(伯母)は、一晩でこちらに来られなかったため、
血縁は薄くても、すぐに集まる人に来てもらったようだ。
また、夜より昼のほうが安全と思われたため、一晩部屋に閉じ込められたのである。
道中、最悪なら、ばあちゃんか母が身代わりになる覚悟だったとか。
そして、先に書いたようなことを説明され、「もうあそこには行かないように」と念を押された。
家に戻ってから、ばあちゃんと電話で話したとき、
「あの夜に知り合いの若い女性を呼んだか」と聞いたが、そんなことはしていないと断言された。
――やっぱりあれは…
と思ったら、改めて背筋が寒くなった。
まだ子供や若年の人間が、極度の不安な状態にあるとき、
身内の声であのようなことを言われれば、つい心を許してしまうのだろう。
まあ、そのあと実は女の子同士の恋愛もありかなって思ってしまったんだけど
見入られてんじゃねえよwwwww
「メノノリ様を封じている犬、しいたけが、脱走してしまった。それも、お前の家に通じる道のものがな」
と、ばあちゃんから電話があった。
(じいちゃんは二年前に亡くなっていて、当然ながら葬式にも行かせてもらえなかった。
じいちゃんも起き上がれなくなってからは、絶対来させるなと言っていたという)
今となっては、迷信だろうと自分に言い聞かせつつも、かなり心配な自分がいる。
「れずず…」という、あの声が聞こえてきたらと思うと…
小学生の私は、一人で自分の家のホテルの前の浜辺を歩いて、漂着した色々なものを探すのが好きでした。
その日も一人で、午後の砂浜を歩いていたのですが、二人で、遠くに変なものを見つけました。(その時はことさら変ではなかったのですが)
それは、足跡でした。砂浜を足跡がずっと続いています。ほとんどは、波や風によって消されていましたが、それは、比較的まっすぐに続いていました。
徐々に海から上がってきたように思われました。ちょっとおかしいなと思ったのは、足跡に水掻きのようなものがついていたということです。自分たちのものと比べて形が違うので、おどろきました。
次の日も1人でいってみると、その足跡は、まだあります。まだ、というより、また、誰かが歩いて新しく残していった、と思われました。その次の日も、新しい足跡がありました。
これは、誰が歩いているのか確かめようということになり、四日目に、午前中から海岸のクルーザーに隠れて見張ってみることにしました。
あいにくその日は、風が強く(雨は降りませんでしたが)、海がしけていました。波が高いというので、やめることにしました。
私は、次の日の朝に、例の砂浜にいきましたが、足跡が残っていました。
以前と比べると、よりくっきりと。海から出てきて海にもどる。その行動がはっきりと残っている足跡でした。
私は、その正体を見定めようとはしませんでした。
その後、ホテルの警備員の人達はあまり良い顔をされませんでしたので、一週間おきくらいに行きましたが、足跡は付けられていました。同じ所から同じ所まで。
夏休みが終わって2週間目くらいの日曜日にいってみると、足跡はありませんでした。
ちょうど私に友達が二人できた時です。
その後、足跡があの浜に残されていることはありませんでした。
ホラーかと思ったらかなまりだった
娘を連れて、ドライブに行った。
なんてことない海沿いの道を進んでいって、途中のドライブインで飯食って。
で、娘を喜ばそうと思って水族館に向かった。
娘がウキウキしてたので、どんどん進んでいったんだ。
そしたら、急にエンジンが停まってしまった。
ケータイの電池も切れて車の知識もないから
娘と途方に暮れてしまった。飯食ったドライブインも歩いたら何時間かかるか周辺のホテルも旅館も満員。
で、しょうがないからその日は車中泊して、次の日の朝にJAFを呼ぶことにした。
車内で寒さをしのいでるうち、夜になった。
夜の海って何も音がしないのな。たまに風が吹いて波がザワザワ言うぐらいで。
で、どんどん時間が過ぎてって、娘は助手席で寝てしまった。
俺も寝るか、と思って目を閉じてたら、何か聞こえてきた。
今思い出しても気味悪い、声だか音だかわからん感じで
「テン(ケン?)・・・ソウ・・・、レズ・・・」って何度も繰り返してるんだ。
最初は聞き間違いだと思い込もうとして目を閉じたままにしてたんだけど、
音がどんどん近づいてきてる気がして、たまらなくなって目を開けたんだ。
めちゃくちゃ怖くて、叫びそうになったけど、なぜかそのときは
「隣で寝てる娘がおきないように」って変なとこに気が回って、叫ぶことも逃げることもできないでいた。
そいつはどんどん車に近づいてきたんだけど、どうも車の脇を通り過ぎていくようだった。
通り過ぎる間も、「テン・・・ソウ・・・レズ・・・」って音がずっと聞こえてた。
音が遠ざかっていって、後ろを振り返ってもそいつの姿が見えなかったから、ほっとして
娘の方を向き直ったら、そいつが助手席の窓の外にいた。
。思い出したくもない恐ろしい顔でニタニタ笑ってる。
俺は怖いを通り越して、娘に近づかれたって怒りが沸いてきて、「この野郎!!」って叫んだんだ。
叫んだとたん、そいつは消えて、娘が跳ね起きた。
俺の怒鳴り声にびっくりして起きたのかと思って娘にあやまろうと思ったら、娘が
「はいれずはいれずはいれずはいれずはいれずはいれずはいれずはいれずはいれず」ってぶつぶつ言ってる。
早く人がいるとこに行きたくて、車を飛ばした。ようやく街の明かりが見えてきて、
ちょっと安心したが、娘のつぶやきが「はいれずはいれず」から「テン・・ソウ・・レズ・・」に
いつの間にか変わってて、顔もメノ^ノ。^リみたいになってた。
家に帰るにも娘がこんな状態じゃ、って思って、目についた寺に駆け込んだ。
夜中だったが、寺の隣の住職が住んでるとこ?には明かりがついてて、娘を引きずりながらチャイムを押した。
女住職らしき人が出てきて娘を見るなり、俺に向かって「何をやったずら!」って言ってきた。
山に入って、変な奴を見たことを言うと、残念そうな顔をして、気休めにしかならないだろうが、
と言いながらお経をあげて娘の肩と背中をバンバン叩き出した。
住職が泊まってけというので、娘が心配だったこともあって、泊めてもらうことにした。
娘は「メノノリ」(住職はそう呼んでた)に憑かれたらしく、49日経ってもこの状態が続くなら一生このまま、正気に戻ることはないらしい。
住職はそうならないように、娘を預かって、何とかメノノリを追い出す努力はしてみると言ってくれた。妻にも俺と住職から電話して、なんとか信じてもらった。
住職が言うには、あのまま家に帰っていたら、妻にもメノノリが憑いてしまっただろうと。メノノリは女に憑くらしく、完全にメノノリを抜くまでは、妻も娘に会えないらしい。
一週間たったが、娘はまだ住職のとこにいる。毎日様子を見に行ってるが、もう娘じゃないみたいだ。
ニタニタ笑って、なんともいえない目つきで俺を見てくる。
早くもとの娘に戻って欲しい。
遊び半分で海には行くな。
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