【ラブライブ!】花丸「こんにちは、梨子さん。図書室へ何かご用ずら?」
- 2020.05.04
- SS

梨子「花丸ちゃんは、図書委員のお仕事?」
花丸「うん。今日はスクールアイドル部もお休みだから、マルの当番にさせてもらったずら」
梨子「練習に委員の仕事に……花丸ちゃんも大変だね」
花丸「さすがに作曲担当の梨子さんには負けるよ。図書委員は趣味みたいなものだし」
花丸「スクールアイドルの練習も楽しいけど、やっぱりオラ、こうやって本に囲まれてる時間が好きずら」
花丸「だから練習のない日は、できるだけ図書委員の仕事もするようにしてるんだ」
梨子「ふふ。花丸ちゃんは偉いね」
花丸「ほとんど趣味だってば」
梨子「ありがとう。あ。何だったら花丸ちゃんのおススメでも借りていこうかな」
花丸「おススメ? ……いいけど、おススメって言われても難しいよ。梨子さんの好みも知らないし」
梨子「私の好みが分かればおススメできる?」
花丸「……まぁ、オラが面白いと思った本くらいは。でも、やっぱりそれが梨子さんに合うとは限らないずら」
梨子「大丈夫だよ。花丸ちゃんが気に入った本ならきっと面白いから」
梨子「本だって音楽や絵画と同じだよ。個々人の感性の差なんて関係なしに受け手の魂を揺さぶるものを、人は名作と呼ぶの」
花丸「……梨子さん、意外と作詞もできるんじゃない?」
梨子「えぇ!? む、無理だよぉ。絵や音楽と違って、詩って何だか具体的に考えてること表現するから恥ずかしい……」
花丸「うーん、いいと思ったけど。まぁいいや。そこまで言うならおススメしてみるずら」
梨子「好きなジャンル……」
花丸「梨子さん、普段は本とか読んだりするの?」
梨子「こっち来てからはスクールアイドルもあってあんまりだけど、前はよく読んでたよ」
花丸「へえ。どんな?」
梨子「え、と。恋愛ものとか?」
花丸「意外ずら。そういうの恥ずかしがりそうなのに。……ああでも、猟奇ホラーとかじゃないだけイメージには合うかな」
梨子「りょ、猟奇ホラー!? 無理無理無理!」
花丸「あはは。じゃあ猟奇ホラーはやめておくずら」
梨子「さすが。すぐにタイトルが出てくるんだね。じゃあ早速とってくるよ」
花丸「ぜんぶB71の棚にあるずら」
梨子「はーい」
花丸「……ふぅ。人におススメするのは疲れるずら」
花丸「でも、梨子さんも本読むんだ……。読書仲間が増えるといいなぁ」
梨子「持ってきたよ、花丸ちゃん」
花丸「早いね」
梨子「花丸ちゃんが棚まで教えてくれたから。ありがとう」
梨子「はい」
花丸「えぇと。『医者の卵とアイドル候補』『硝子の花園』『弓と衣装とお饅頭』『絶頂堕天使~文学少女と淫楽園~』……」
花丸「――っ!?」
花丸「え、ちょ、最後のこれ……、」
花丸(か、官能小説じゃあ――!?)
梨子「」ニコニコ
花丸(ということは、誰かの私物? 確かに、たまにエッチな本を棚に置いていくイタズラをされることもあるけど……)
花丸(でも、委員の仕事の前にB71の棚はチェックしたずら。こんな本が置いている様子はなかったはず)
花丸(ならマルが仕事を始めてから? 誰が? いつ? この図書室、言っちゃなんだけど利用者は少ない。容疑者は限られる)
花丸(いやそもそも。梨子さんはどうしてこの本を持ってきたずら? 当然だけど、これはマルがおススメした本じゃない)
花丸(……まさか。まさか、まさかまさかまさかまさか――!)
梨子「どうしたの、花丸ちゃん? 急に固まっちゃったけど」
花丸「な、なんでもないずら! なんでも!」
花丸(有り得ない! 梨子さんはAqoursでいちばんお淑やかな人ずら。完璧な大和撫子とか自称してるナルシストより、絶対的に謙虚で優しい……!)
花丸「え、えっと梨子さん。借りたいのはこの3さ――、」
梨子「ちゃんと4冊ある? せっかくだし、思いっきり読書に耽っちゃおうと思っていっぱい借りちゃおうかなって」
花丸(はい4冊確定ぃぃぃぃ! 謙虚で優しい先輩はただのドスケベピアニストだったずらぁぁぁぁ!)
花丸(……いや、もとい! オラはまだ諦めないずら! きっと借りたい4冊目を間違って取ってきちゃっただけ、きっとそう!)
花丸「あー。梨子さん。あの、この4冊目なんだけど……」
梨子「4冊目? ……って、どれのことかな?」
梨子「ああ、うん。さっきも言ったけど、せっかくだし思い切り読もうかなって」
花丸「その1冊って、間違って取ってきてないずら? 借りたかったもののタイトルを言ってくれれば、マルが取ってくるから……)
梨子「あれ。私、間違っちゃった? なんて本を持ってきちゃったの?」
花丸「いや、間違った本なんて、どうでもいいずら。借りたかった本のタイトルだけ言ってくれればいいから。ね」
梨子「タイトル? そう言えば何だったかな。一目見てビビっと来たから手に取ったけど、忘れちゃった」
梨子「うーん。忘れたってことは、案外どうでもいい本なのかなぁ」
花丸「きっとそうずら。タイトルだけじゃなく存在すら忘れた方がいいずら」
花丸「じゃあ3冊だけ借りていくんだね。うん。そうしよう。それがいい。それしかない」
梨子「あ。それじゃあ花丸ちゃんがタイトル読み上げてくれない? 思い出すかも」
花丸「オラは忘れようって言ったよねぇ!?」
花丸「ぐ……」
花丸(いや、待つずら。このいかがわしい本が間違って持ってきたものだって分かればそれでいいんだ)
花丸(ここは素直にタイトル読み上げて、何その本ー違う本だよー、でおしまいっ!)
花丸(それで完了! それで梨子さんはクレイジーサイコレズなんかじゃなくて、可愛く儚いはわわ梨子ずら!)
花丸「……ここにある本のタイトルは『絶頂堕天使~文学少女と淫楽園~』、ずら」
梨子「……うーん。そんなタイトルだったかなぁ?」
花丸(や、やった! オラは信じてたずら。梨子さんは大人しくてお淑やかで、エロ同人なんて読み漁るキャラじゃないって……!)
梨子「ダメだ、思い出せないや。ねえ花丸ちゃん。その本の中身も読み上げてみてくれない?」
花丸「……」
花丸「……は?」
花丸「ほ、本文を、読み上げ……音読?」
梨子「うん。お願いしていい?」
花丸「……」
花丸(スクールアイドルになァ! エロ本の音読などぉ、出来るわきゃーねぇだろォー!?)
花丸「いやいやいや! 別に、そんなことする必要はないと思うずら!? そこまでして借りなくたって……!」
梨子「でも気になるよ。ね。お願い。ちょっとでいいから」
花丸「ぐ、ぐぅ……」
花丸(ルビィちゃんや梨子さんみたいに大人しい子のお願いは断りにくい……! これが善子ちゃんなら速攻で断るのに!)
花丸(大丈夫、オラは伊達に本の虫なんてやってない。性的描写の一つや二つ、真っ当に本を読んでたら目に触れて当たり前……!)
花丸(いちいちそんなことを気にする方が変態ずら。ちょっといかがわしい言葉を口にするくらい、何てことない……!)
花丸(そう。別に書いてある文字を読むだけ。アレな感じのルー語を喋るわけでもない、恥ずかしいことなんて何もない!)
花丸「じゃ、じゃあ。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ読むずら」
花丸「それで中身が違うって分かったら、4冊目は諦めて。それでいいよね……!?」
梨子「うん。ありがとう花丸ちゃん」
花丸「じゃあ、読むずら。読む。読むったら。読んで、読んでやるずら……!」ペラッ
花丸「――花丸は善子の秘所に指を這わせる。そこは既に濡れそぼっており、淫靡な水音と共に善子のか細い嬌声が、図書室の静寂に残響する。んっ、ずら、まるぅ……。善子は切なげに――、って!!」
花丸「これ、マルと善子ちゃんずらぁぁぁぁぁぁっ!?」
花丸「自分と友達のエ○小説音読させられて、静かに出来るわけないずらっ! こ、こここここ、これっ! いったい何ずら!?」
花丸「うわ、挿絵まであるずら!? オラと善子ちゃんそっくり! 善子ちゃんすっごい気持ちよさそうな顔してる!」
梨子「うーん。少なくとも私が借りたい本ではなかったかも」
花丸「ああ良かった! もし梨子さんがこれ借りたいとか言ってたら、今後どう付き合っていけばいいか分からないずら!」
梨子「やっぱり4冊目は思い出せないや。とりあえず、おススメの3冊だけ借りていくね」
花丸「ぜひそうして欲しいずら」
梨子「ありがとう花丸ちゃん。ふふ、楽しみ。今晩は夜更かししちゃうかも」
花丸「うん。すっごい疲れたけど、とりあえず終業時間までは頑張るずら」
梨子「ばいばい。また明日、会うのが楽しみだね」
花丸「……また明日」
花丸「はぁ……。本当、ドッと疲れたずら」
花丸「……この本、どうしようかな」
花丸(さすがに図書室には置いておけない。こういういかがわしい本は、たいてい先生に回収してもらって捨ててもらう)
花丸(でも、今回のは内容が内容だから、先生には言い辛いずら)
花丸(オラと善子ちゃんの官能小説……。知人に見られるなんて恥ずかしいにも程がある。それに何より)
花丸(これを書いた人間は、十中八九うちの学校の生徒。でなければオラと善子ちゃんの本なんて作れるわけがない)
花丸(先生に報告すると犯人探しが始まりかねない。そうするとこの本の存在が噂になる。下手をすれば全校生徒に知れ渡る)
花丸「持って帰るしか、ないずらね……」
花丸「それにしても趣味悪いずら。オラと善子ちゃんなんて題材にして、いったい何がしたいんだか」
花丸「無駄に装丁が分厚くて重いし、中身すごく薄いずら。完全にイタズラ目的のジョークグッズみたいだし、本当に趣味が悪い」
花丸(……でも)
花丸(でも、本の中の善子ちゃんは。すっごく可愛くて)
(エ○チだった、ずら)
花丸「あぁ、やっと帰ってこられた。誰かにカバンの中見られたらって、気が気じゃなかったずら」
花丸「早く捨てたいけど、今から焚き火すると怒られるなぁ。他の本と一緒には捨てられないし、しばらく様子を見るしかないかな」
花丸「それまで、この本を隠しておかないとダメずらね……」
花丸「はーあ。何でオラがこんなことで悩まないといけないずら。それもこれも、善子ちゃんが○ッチな本になったりするのが悪いずら」
花丸「善子ちゃんが、……エッ○に、オラと……」
花丸「……」
花丸「善子ちゃんはどうでもいいけど。でも、本は読まれるためにあるわけだし。うん。他意はないずら。他意は」
花丸「……」ドキドキ
花丸「……」ペラ、ペラ
花丸「……///」ジーッ
花丸「……///」モジモジ
花丸「……ん、善子、ちゃ……♡」クチッ
花丸「善子ちゃん、マルは、マルは……っ♡」クチュクチュ
花丸「ん、んんんっ……♡」ビクビクッ
花丸「はーっ、はーっ、は……ぁっ」
花丸「善子、ちゃん……」
「ブックカバーに小型カメラが付いてるなんて、思いも寄らなかったかな? 燃やしてくれるみたいだし、助かるよ」
「ああ、今日は本当にいい映像が撮れた。しばらくはこれで困らないけど、……でも」
「せっかくだし。この動画を使って、今度はよっちゃんに……」
「ふふ、うふふふふふふ」
おしまい
読んで頂いた方、レス頂いた方、ありがとうございました
お目汚し失礼しました
マジかよ梨子ちゃん最低だな
夜更かしってそういう
どこかで見た単語ですね 次回も待ってます
やっぱり春色は刊行されてないみたいですねぇ…
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