【ラブライブ!】絵里「花陽の頬っぺたを触りたいのよ」海未真姫「……は?」
- 2020.03.25
- SS

海未真姫「……ハァー」
絵里「な、何よその反応……」
真姫「何って……絵里、あなたかなり深刻そうな顔をして」
絵里『海未、真姫、ちょっと二人に話があるの…練習が終わったら残ってくれないかしら…』
海未「何か大切な話があるかと思えば第一声がそれ」
海未真姫「誰だってそんな反応になります(なるわよ)!」
絵里「え、えぇ…駄目だったかしら…?」
海未「そもそもなぜ私と真姫を呼んだのですか…」
絵里「それは……花陽の頬っぺたを触る方法、二人なら良いアイデアが出るかと思って……」
真姫「何で私達がそんな考えなくちゃいけないのよ」
絵里「三人寄ればなんとやらってやつよ、私達クールでかしこいキャラじゃない?」
海未「今のあなたにクールとかしこいのイメージは一つもありませんが」
絵里「うぅ…………」
絵里「面と向かって言うのは恥ずかしいのよ……出来たら相談なんて持ちかけてないわ」
海未「呼び出しておいてその言い草ですか」
真姫「ヘタレね」
絵里「…………」
絵里「……!じゃあ、言える?花陽に頬っぺたを触らせて欲しいって」
真姫「……た、頼むも何もそんなこと一度も思ったことないわよ」
海未「…………同じく」
真姫「…………っ」イラ
海未「何でしょう、言ってることは正しいけど物凄い腹が立ちます」
絵里「ふふっ、怒らないの……ほら、早く答えてほしいわぁ」
絵里「あ、それとも……こんな簡単な問いにも答えられないかしらぁ?私も人の事は言えないけれど、どちらか一つも選べないあなた達も相当ヘタレなのねぇ?」
海未「……………」
海未(……これは、まさか……)
真姫「っ………!!」イラァ
真姫「イミワカンナイ!何よ!勝手に呼び出された挙げ句、さっきから馬鹿にしたような口調で!」
真姫「言える!言えるわよ!私は絵里と違ってヘタレじゃないもの!!」
絵里「ほう」
真姫「え?」
海未「あ」
絵里「そうよね……誤解してたわ、真姫……あなたはヘタレじゃない」ニヤ
絵里「だからね……ヘタレの私のために、見本を見せてくれないかしら?」ニヤァ
真姫「ヴエェェェェ!?」
海未「してやられましたね…真姫」
絵里「フフフ、伊達にかしこいなんて呼ばれてないわよ?」
海未「誉めてません」
真姫「ちょ、ちょっと待って!誘導尋問なんてズルいわ!反則よ!」
絵里「……確かにそういう流れに誘導したのは事実、でもNOって答えることもできたはずよ?」
真姫「うっ………」
絵里「それなのにYESと答えた、出来るって言い切ったのは……真姫、あなたよ」ドヤァ
真姫「うぅ~………!」
真姫「楽勝よ!一言言って花陽の頬っぺたプニプニしてくるわ!!」
絵里「燃えてきたわね……さぁ、一緒に頑張りましょう!!」
真姫「燃えてない!自棄になってるだけよ馬鹿ぁ!」
海未「……まぁ、その……頑張って下さい」
絵里「何言ってるの、海未にも付き合ってもらうわ」
海未「えぇ!?わ、私もやるんですか!?」
真姫「そうよ!一人だけ抜けようったって許さないんだから!!」
海未(うっ……!この状況……流石に一人で対向するのは厳しい……)
海未「……はぁ、わかりましたよ」
真姫「そうね……」
絵里「皆、明日から頑張りましょう」
海未真姫(……何でこんなことに)
海未(…………けど、まぁ)
真姫(正直言えば…………)
海未(花陽の頬っぺた……一度触ってみたかったんですよね…………///)
真姫(花陽の頬っぺた……一度触ってみたかったのよね………///)
海未「さて、昼休みです」
絵里「私達は今屋上に来てます、そして隠れてます」
真姫「何故なら……」
凛「うわぁー……かよちんのおにぎり、いつにも増して大きいにゃー!」
花陽「うん!今日のおにぎりは自信作なんだぁ…頑張って朝から作ったんだよ?」
絵里海未真姫(こうして花陽の様子を観察しています……)
絵里「真姫、どういう作戦で行くの?」
真姫「無論、正面突破よ……余計な策は必要無いわ」
海未「おお、それはまた……思い切りましたね」
真姫「さっさと終わらせたいだけよ、一言言って触るだけなんだから」
海未「それもそうですね」
絵里「ふふっ……昨日は自棄になってたみたいだけど、意外とやる気なのね?」
真姫「うっさいヘタレ」
海未「ガチのヘタレは少し黙っててください」
絵里「うぅ……根に持ってるからってそこまで言わなくったって良いじゃない……」
絵里「え、もう?ちょっと早くないかしら……」
真姫「こういうのは勢いが大事なのよ、考えれば考えるほど、いつまでたっても踏み切れないわ」
海未「頑張ってください、真姫」
真姫「フフッ、任せなさい」
ーーーーー
凛「かよちーん、この唐揚げ頂戴!」
花陽「うん、はい凛ちゃん…あーん」
凛「あーんっ……美味しいにゃー!」
花陽「えへへ……良かった」
真姫「花陽、凛、ここに居たのね」
花陽「真姫ちゃん、用事はもう済んだの?」
真姫「えぇ、終わらせて来たわ、ついでに昼食も取って来ちゃった」
花陽「そうなんだ、私達はこれから食べるところだよ」
凛「かよちんのお弁当、すっごく美味しいにゃー」
真姫「そう……って凛、花陽のじゃなくて自分のお弁当食べなさいよ……」
凛「えー?だって美味しいんだもん!手が止まらないにゃー」
ヤイノヤイノ
絵里「ハラショー……自然と本題を切り出せる流れを作ってるわ……」
海未「見習わないといけませんね、絵里」
絵里「…………うぅ…」
ーーーーー
真姫「止めなさい、花陽の分がなくなるでしょ……全く……」
花陽「あ、あはは……」
真姫(さて、そろそろね……いくわよ)
真姫「あ、そうだった……花陽、ちょっとあなたに頼みがあるの」
花陽「………?私に?」
あなたの頬っぺたを触らせて欲しいの
真姫「…………………」
ーーーー
海未「!仕掛けました!!」
絵里「……みたいだけど、ちょっと待って………何か様子が変よ」
ーーーー
花陽「…………真姫ちゃん?」
真姫「……………ぅ、ぁ…………////」
凛「真姫ちゃん顔真っ赤にして黙っちゃったにゃ……」
真姫(こ、声が出ない………一言で済むのに、その一言が言えない……!!)
真姫(どうしたのよ私………!!)
真姫「ぁ……ぅ…………///」
花陽「ま、真姫ちゃん!?大丈夫!?」
凛「わわ、どんどん顔が赤くなってくにゃー……!」
真姫「……っ………ホ…………////」
花陽「わ、分かんないよぉ……それより真姫ちゃん!ホントにどうしちゃったのぉ!?」
真姫「っ……ホ……ほっ……!////」
真姫(!さっきより声が出る……イケる、イケるわ!)
真姫(このまま言えば良い、「頬っぺたを触らせて」と)
真姫「ほっ……ホ……ほっ……!!////」
真姫(言え、言いなさい!西木野真姫!一言なんだから根性見せなさいよ!)
真姫「ほっ…………ほおぉ………!!////」
凛花陽「!?」
花陽「………え?ほ、穂乃果ちゃん……?」
凛「真姫ちゃん穂乃果ちゃん探してるの?」
真姫「ヴェェ!?あ、いや違……うん……穂乃果、どこに居るか知らない……?」
花陽「あ……うーん……ごめん、分からないよ……」
真姫「うん……そうよね……」
花陽「って、それより真姫ちゃん大丈夫なの!?すごく顔真っ赤にして…もしかして熱でも…!」
真姫「あ、うん……大丈夫……むしろスッゴい冷えてるから……頭の中真っ白だから……」
花陽「そ、そうなんだ……?」
花陽「あ、真姫ちゃん!……行っちゃった……」
凛「あんな力の入ってない走りは初めて見たにゃー……それにしても変だったね、真姫ちゃん」
花陽「う、うん……心配だなぁ……」
ーーーーー
絵里海未「…………………」
真姫「ア-……ナンデ………ナンデアノトキホノカッテイッチャッタノヨォ……」
絵里(空気が……重い……!)
海未(真姫に、何て声を掛けてあげれば……)
海未「そ、そうですよ!花陽を前にしてあんなに話せるなんて、凄いです!」
絵里「わ、私なら花陽の前に立っただけで卒倒しちゃうわ!」
海未「わ、私も!緊張で一言も話せないかもしれません……」
真姫「……やめてよ、気休めなんて……どうせ私はヘタレよ……」
真姫「そうよ、ヘタレよ!たった一言も言えなかった……ヘタレ……うぅ……」ジワ
絵里「ま、真姫……」
海未(かなり重症ですね、これは……)
真姫「っ……海未……?」
海未「そもそも本当にヘタレなら、あなたは花陽の前に立つことすら出来ないはずです」
海未「けれどあなたは後一歩のところまで迫ることが出来た……これは、勇気がなければ出来ないことです」
海未「残念ながら結果は伴いませんでしたが……心配しないでください、真姫」
海未「この失敗は次に活かします、必ず」
海未「……あなたの想いは、私が受け止めますから」
真姫「…………海未ぃぃぃぃ!」ブワッ
絵里(……………あれ……何か私、空気?)
設定だけでご飯100杯いける

このキャプ可愛いのに見たら絶対笑うわ
絵里「……大丈夫?」
真姫「ええ、だいぶ落ち着いたわ……ありがとう」
海未「気にしないで下さい」
絵里「良かったわ……けど、まさか真姫ですらあんな事になるなんて……」
真姫「私も予想外だったわ……正直楽勝だと思ってたのに……」
海未「………………次は私が行きましょう」
絵里「海未……どうするの?」
真姫「何か考えとかないとマズイわよ」
海未「わかっています……だから1日、私に時間を下さい」
絵里「1日……やっぱりそれくらい時間をかけないとダメなのね……」
真姫「……じゃあ明日、やるのね?」
海未「はい」
海未「必ず、花陽の頬っぺたをプニプニします」
その日の放課後の練習中
真姫は花陽に心配され続け、凛……そして名前を呼んでしまった穂乃果に昼間の件についてしつこく聞かれていた
これほどまでに弄られるのは今日で最後にしてほしい……西木野真姫、彼女は心からそう願った
海未(真姫が失敗した原因……それは恐らく、自らの自信を過剰に信用し過ぎたたことでしょう)
海未(やはりこういう事は、時間をかけて覚悟を決めなければなりません)
海未(……今回、時間の問題はクリア……後は、花陽を呼び出す誘い文句があれば完璧ですね)
海未「失敗は許されません、なんとしてでも成功させなければ……」
穂乃果「ことりちゃん!おっはよー!」
ことり「おはよう、穂乃果ちゃん!」
穂乃果「あれ?海未ちゃんは?」
ことり「それが……まだ来てないみたい……」
穂乃果「海未ちゃんが?珍しいね」
ことり「うん……連絡もないし、どうしたんだろう」
穂乃果「風邪でも引いちゃったのかな?」
ことり「でも昨日は普通に練習してたし……もしそうなら連絡が来ると思うけどなぁ」
穂乃果「そっか……あ!じゃあきっと寝坊だよ!」
ことり「う、うーん……海未ちゃんが寝坊?するかなぁ……?」
ことり「そ、それなら……あり得るかも……?」
穂乃果「ムフフ……来たらからかっちゃおー、いつも穂乃果に厳しくしてる仕返ししなくちゃ……!」
ことり「あはは……ん?」
海未「………………………」
ことり「穂乃果ちゃん、あれって海未ちゃんじゃないかな?」
穂乃果「んー?ホントだ、海未ちゃんだ!」
海未「…………………」
穂乃果「もう!海未ちゃん遅いよー!早くしないと遅刻………しちゃ……う………!?」
ことり「どうしたの?穂乃果……ちゃ……ん……!?」
海未「ホ ノ カ、コ ト リ」
穂乃果ことり「」
穂乃果ことり「あ…………お……おはう……ゴザイマス……」
穂乃果(う、海未ちゃん……なんであんなに目が見開いてるの!?)
ことり(あ、あの目の下の隈……き、昨日何してたの……!?)
穂乃果「は……はい……!」
ことり「い、行きましょう!」
穂乃果(な、何があったの……海未ちゃん!?)
ことり(と、とりあえず話……何があったか聞かなきゃ……!)
ー学院、玄関前ー
ザワザワ…ソノダサンドウシタノ…?
ナンカメツキガコワイヨー
ことり(け、結局登校中に話しかけられなかった……穂乃果ちゃんですらずっと黙ったまま……!し、しかも……)
穂乃果(うわぁぁ!う、海未ちゃんのせいで……なんか私達、物凄く目立っちゃってるよ……!)
海未「………………ナヨ……」
海未「花陽……花陽ハドコデスカ……」
ことり「は、花陽ちゃん?花陽ちゃんがどうかしたの……?」
海未「アァ……コノ時間ならアノ場所デスネ……行キマショウ」フラフラ
穂乃果「ちょっ……海未ちゃんどこいくの!?教室そっちじゃないよ!?」ガシッ
海未「離シテクダサイ」 ギロッ
穂乃果「はい」パッ
海未「花陽……花陽ォォォォ……!」ダッシュ
ことり「離しちゃ駄目だよ穂乃果ちゃん!?」
穂乃果「あ“っ!ごめん、怖くて離しちゃった……っていうか足速っ!」
ことり「と、とにかく海未ちゃんを追いかけて……ううん、それじゃ追い付かない……!」
穂乃果「うぅー……あ!それならまず花陽ちゃんを見つけよう!海未ちゃんより先に見つけて……」
ことり「うん、それが良いかも!」
穂乃果「でも、花陽ちゃんがどこに居るかわかんないよ!?とりあえず一年生の教室に……」
ことり「そうだね……いや、待って!この時間帯なら多分花陽ちゃんは……!」
ーアルパカ小屋前ー
花陽「フンフンフーン……♪」
アルパカ「モフー」
花陽「はい!アルパカさん、ご飯ですよー」
アルパカ「モフフ、モッフォー」モシャモシャ
花陽「えへへ……可愛いなぁ……」
アルパカ「モフー」
…………ヨチャーン
花陽「?あれは……穂乃果ちゃんと、ことりちゃん?」
ことり「花陽ちゃ~ん!」ゼェゼェ
穂乃果「よ、良かった~……やっぱりここに居たんだね……!」ハァハァ
花陽「え?えぇ?ふ、二人ともどうしたの……?」
穂乃果「い、いいから……逃げて、花陽ちゃん!!」
ことり「海未ちゃんが……海未ちゃんが……!!」
花陽「う、海未ちゃん?海未ちゃんなら二人の後ろ………ヒィ!?」
海未「………………………」
花陽「ぁ………ぇ………!?」
穂乃果ことり「アバババババババババ……!!」
海未「………………フフフ、花陽……」
海未「見 ツ ケ マ シ タ」
花陽「」
花陽「ピヤアァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
ガシッ!
海未「ムゥ……!?」
穂乃果「う、海未ちゃん落ち着いてよ!!」
ことり「そうだよ!何があったか知らないけど……乱暴な事はダメだよ!!」
海未「は、離シテクダサイ…!私ニハ、花陽ニヤラネバナラヌコトガ……!!」グググッ
穂乃果「ぐ、ぬぬぅ……ふ、二人がかりなのに、止めるのが精一杯だよぉ……!!」
花陽「あ、ぁぁ………ぅ……!」
ことり「は……花陽ちゃん……!逃げて、早く……!」
花陽(あ、足……動かない………!)ガクガク
海未(花陽ノ……頬ッペタヲ、触ラナケレバ……!!)
穂乃果「!?ま、また強くなって……うぐぐっ……!!」
ことり「あぅ……も、もう……ダメぇ……!!」
海未(花陽ノ頬ッペタヲ、触ラナケレバ……!!)
花陽「うっ……うぅっ……ごめんなさい……海未ちゃん、ごめんなさいぃ……!!」ポロポロ
海未(!!!泣イテ……花陽ガ、泣いテいる……!?)
海未(……!わ、私……な、何をして……!)
海未(あ……意識が……)
海未「」グデンッ
海未「」グー
穂乃果「ね、寝ちゃってる!?ど、どうなってるの……!?」
ことり「わ、わかんない……と、とりあえず、私は海未ちゃんを保健室に連れていくね?穂乃果ちゃんは……」
花陽「うっ……ヒグッ……うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」ボロボロ
穂乃果「……うん、花陽ちゃんは穂乃果に任せて」
目覚めた後、穂乃果とことり……事情を聞いた凛とにこに本気で怒られた
希も、言葉は優しいものの、やはり怒られてしまった
海未は花陽を含む6人に、泣きながら屋上のタイルが叩き割れんばかりの勢いで謝り倒した
誠意を込めて何度も謝り、そうして皆にようやく許して貰えた
しかし……花陽の目には、まだ少しだけ海未に対しての怯えが残っていた
園田海未……恐らくこの日が、彼女の人生で最も涙を流した日だった
ーーーーー
海未「うぅ……ヒグッ……悪気は、悪気はなかったんです……!!」ポロポロ
絵里「ま、まさかここまで暴走するなんて……」
真姫「あなたなにやってるのよ」
海未「まっ、真姫のぉ……い、いえ……二人の想いを、無駄にしてはと思ってぇ…………うあぁ……!!」ポロポロ
絵里「海未……あなた昨日帰ってから一体何をしていたの……?」
海未「うぅ……は、花陽に、どう話を切り出そうか考えていて……」グズッ
海未「そ、そのまま……朝を迎えてしまって……」
真姫「はぁ!?あなた練習終わって、そのまま帰ってからずっと起きてたって言うの!?」
海未「は、はいぃ……そ、そのまま頭が覚醒しないまま……しかし頭の中は花陽の事だけ考えて登校し……」
海未「み、見つけた瞬間……私は花陽に……あ、あぁぁ……!」ポロポロ
絵里「こ、これはひどい……」
絵里「ちょっ、うるさいわよ!静かにして……」
真姫「……時間かけてもこんな調子じゃあ、私達、一生花陽の頬っぺたに触るなんて無理ね……」
絵里「……………真姫」
海未「ま、真姫ぃ……そんな事を言わないで下さいぃ……!」
真姫「だってそうじゃない!海未は考えて過ぎて暴走して、私は目の前で言葉に詰まる、絵里は論外!!」
絵里「論外!?」
真姫「こんなんじゃ……こんなんじゃ無理よ……!」
海未「やめなさい真姫ぃ!そんな事を言わないで下さい!また涙が止まらなくなるじゃないですか……!」ポロポロ
真姫「泣きたいのは私だって一緒よ!!うぅ………!」ポロポロ
絵里「真姫…………」
真姫「もういやぁ……何で、何で言えないのよぉ……!」ポロポロ
絵里「…………海未……」
海未「くっ……情けない、こんな自分が恥ずかしい……!」ポロポロ
絵里「……………………………………」
絵里(……私は、何をしているのかしらね)
絵里(……私はそれを見ているか、励ますことしかしていない)
絵里(言い出しっぺの私は……いつも安全な所で二人を見ていた)
絵里(そもそも私はこの中で言えば最年長……普通なら二人に見本を見せる立場じゃない)
絵里(なのに私は……私は……!!)
絵里(……本当にヘタレ……いや、卑怯者ね)
絵里(ちょっとの勇気も、出すことが出来ない……)
かよちんのほっぺ触りたいだけなんだぜこれ…
絵里「……日も落ちかけてるわ」
真姫「グズッ……そうね……」
海未「は、はい……グズッ、帰りましょう……」
絵里(こうして私達は帰る準備をして、それぞれ帰路に着いた)
絵里(……あぁ、結局言えなかった……)
絵里(「明日は私がやる」……たったその一言が……)
絵里(……それでも、二人が何も言わなかったのは)
絵里(私には……出来ないと思われているからかしらね……)
絵里「グズッ……ヘタレ……最低よ、私……!」
絵里(海未がやらかしてから二日ほど経った)
絵里(あの日以来、私達三人が練習以外で揃うことはなくなっていた)
絵里(それぞれの近況はというと……真姫はほぼ完全に立ち直ったみたい)
絵里(海未は……もう少しだけ時間が掛かりそうね、未だに花陽との距離が空いちゃってるわ)
絵里(二人とも、まだ触りたい気持ちはあるようだけど……明らかに以前より熱が冷めきっている)
絵里(そして私は……まだ、諦めていない)
絵里(むしろ日が増す毎に、触りたい気持ちが強くなっていた)
絵里(真姫を真似て、自然な流れで話を切り出そうとした)
絵里(海未と同じように、花陽を呼び出す誘い文句も考えた)
絵里(正面からは駄目だと思って、二人組での体操の時、花陽と組んでこっそり触ろうとした)
絵里(果ては花陽が気づかない内に頬っぺたに触れるように、ジャブの練習もしてみた)シュ!シュ!
絵里(結果は……全部ダメだった)
絵里(肝心なところで、言葉や手が止まってしまう)
絵里「はぁ…………」
絵里(空、綺麗ね……雲ひとつない晴天だわ)
絵里「……私の心はこんなに曇ってるのに……」
にこ「なーに真っ昼間から黄昏てんのよ」
にこ「何か変なジャブ打ってる所から、後さっきのポエムっぽいの何……新しい曲の歌詞?」
絵里「ち、違うわよ!うぅ……恥ずかしい所を見られちゃったわ……////」
にこ「ふーん……ま、いいけど」
にこ「それより海未といいあんたといい、後は……真姫ちゃん?最近なんか様子が変よ?何か悩みでもあるの?」
絵里「え……いや………悩みはある、けど……言いたくない」
にこ「それって、にこは信用出来ないってこと?」
絵里「そ、それは違うわ!で、でも……その……」
絵里(言えるわけないじゃない……!花陽の頬っぺたを触りたいだなんて!)
にこ「……言いたくなかったら別に良いわ、ただ、抱え込み過ぎて練習に支障がないようにしなさいよね」
絵里「…………大丈夫、わかってるわ」
にこ「何?相談する気になった?」
絵里「あ、いや……本題とは違うけど……」
絵里「……勇気って、どうやればつくのかしら?」
にこ「と、唐突ね……勇気?うーん……その勇気ってのがどういうものかわかんないけど……」
にこ「まぁ、とりあえず一歩踏み出してみたらいいんじゃない?」
絵里「一歩……踏み出す…………?」
にこ「そう、一歩だけ……だけど一度踏み出したらもう後ろに逃げ道がない、そんな一歩よ」
絵里「ち、ちょっと……それってハードル高くないかしら……?」
にこ「要は逃げ道作るなってことよ、それなら後は突き進むしかなくなるでしょ?」
絵里「そ、そうかしら……?」
にこ「やってもないのに疑わないの」
絵里「け、けど……その一歩も踏み出せなかったら……?」
にこ「その程度の事だったってことよ、そんな事も出来ないで勇気なんてつくわけないじゃない」
絵里「そ……そう、よね……」
にこ「ま、参考程度にしときなさい……私も今さっき思い付きで考えただけなんだから」
絵里「……うん……ありがとう、にこ」
絵里「もうそんな時間?……そうね、行きましょう」
にこ(……あの絵里がこんなに悩んでるなんて、よっぽどのことなのかしら?)
にこ(さっきの相談といい何か引っ掛かるのよねー……ま、まさか……!)
にこ「絵里!」
絵里「ん?何?」
にこ「わ、私は個人的な思いにとやかく言うつもりはないわ……でもね、アイドルは恋愛禁止、そこだけはちゃんと自覚しときなさい!」
絵里「え?……あ、うん……」
絵里(何の事かしら……)
絵里(一歩踏み出す勇気、か……)
絵里(……思えば私がやって来た事も、どこかに逃げがあったかもしれない)
絵里(私は………………………)
絵里(……とりあえず今は切り替えましょう、にこも言ってた通り、練習に影響しちゃマズイわ)ガラガラ
絵里「……………あれ、誰も居ない」
絵里(あ、そういえば今日は練習無かったわ……)
絵里「あちゃー……」
絵里「わっ!の、希………」
希「やっぱりここにおった、今日は練習休みってゆうてたやん」
絵里「そ、そうだったわ……ごめんなさい、ボーっとしてて……」
希「一緒に帰ろか、絵里ち」
絵里「…………うん」
ー帰り道ー
絵里(休みすら忘れてるなんて……ダメだわ、今の私かなりおかしくなってる)
絵里(…………どうすれば)
希「………なぁ絵里ち、何悩んでるん?」
希「せやで……って言いたい所やけど、カード使わなくても絵里ちの顔見てたらすぐに分かるわ」
絵里「そう……そうよね……」
希「……それでも、ウチに相談はしてくれへんのやろ?」
絵里「えっ……!?」
希「にこっちから聞いたんよ、昼休み、絵里ちが変だからなんとかしてくる!言うてな」
希「……けど、何があったか答えなかったんやろ?」
絵里「……ごめんなさい、希……」
希「だからウチは無理には聞かんとく」
絵里「…………ありがとう、希」
希「……けどな、一つだけ言っとくわ」
絵里「……?何?」
希「想いっちゅうもんはな、ちゃんと言葉にせんと相手には伝わらへんよ」
希「相手が察するのを待ってるだけじゃ、いつまでもその状態のままなんやで」
希「……それだけ」
絵里「の、希…………」
絵里(想いを……言葉に……)
絵里(……そして、一歩を踏み出す……)
絵里(私は…………………)
絵里「…………希、私やることが出来た」
希「ん、そうみたいやね……顔付き変わってるやん」
希「はいはい、気を付けてなー」
絵里(もう、逃げない)
絵里(もう、ヘタレない!)
絵里(あの二人に、私の決意を見せる!)
絵里(そして………………!)
絵里(花陽の頬っぺたを……触る!!)
希「相手は花陽ちゃん、か…………」
希「…………頑張ってな、絵里ち」
絵里「急に呼び出して悪いわね…………海未、真姫」
海未真姫「…………………」
絵里「……こうして三人で集まるのって、久しぶりね」
海未「……一体何の用ですか?」
絵里「明日、花陽を呼び出すわ」
真姫「!……何か、考えがあるの?」
絵里「無いわ、直接呼び出す、それだけよ」
海未「なっ……!それでは真姫の二の舞ではありませんか!」
真姫「無謀ね、絶対に失敗するわよ」
絵里「………………………」スゥー
絵里「私は!!ヘタレじゃない!!!」
海未真姫「!?」
絵里「必ず!花陽の頬っぺたを!!プニプニするわぁ!!!」
絵里「KKE!!KKE!!!KKE!!!!」
海未「ちょ、うるさいですよ!近所迷惑です!!」
真姫「あなた本当に頭おかしくなったんじゃないの!?」
絵里「はっ!……ごめんなさい、つい興奮しちゃったわ……」
絵里「その……二人に、私の決意を聞いてほしくて……」
海未真姫「ハァー……」
絵里「うっ」
海未「だいたいあなた、私たちの中で一番のヘタレじゃないですか」
絵里「うぅっ……」
真姫「……だけど、嬉しい」
絵里「……え?」
海未「ええ……ようやく、決意してくれたんですね」
絵里「ぁ………え………?」
絵里「ま、真姫………」
海未「絵里」
絵里「う、海未…………」
海未「私の想い、あなたに託します」
真姫「私の想い、あなたに託すわ」
絵里「う、うぅ……グス……ま、任せなさい!」ダキッ
海未真姫「うわぁ!?」
絵里「私が……私が必ず成功させるわぁ!!」ポロポロ
海未「……ふふっ、お願いしますよ、絵里」ジワ
真姫「全く……ここまで言ったんだから、必ずやり遂げなさいよね」ジワ
絵里「わかってる……わかってるわ!二人の想いは、絶対に無駄にはしないから……!!」ポロポロ
凛「うにゃー!今日も練習キツいにゃー……」
花陽「うん……でも昨日は休みだったし、今日は頑張らないといけないよ、凛ちゃん!」
絵里「……………………」ソワソワ
穂乃果「ね、ねぇことりちゃん……今日の絵里ちゃん、なんか変じゃない……?」ヒソヒソ
ことり「う、うん……なんだか落ち着きがないよね……」ヒソヒソ
絵里「……………………」モジモジ
にこ(絵里……あなたやっぱり……)
希(絵里ち……ファイトやで)
海未真姫(うわ、無茶苦茶そわそわしてる!)
真姫(ずっとあの状態で棒立ちしてるじゃない……!)
海未(昨日のあなたはどこに行ったのですか……!)
絵里(一歩進めば後戻りは出来ない……)
絵里(こ、怖いわ……けど、踏み出さなきゃ……!)
絵里「………………」スタッ、スタッ
海未(!絵里が……花陽と凛の前に行きました!)
真姫(絵里……頼むわ、あなたが最後の希望なの……!)
花陽「……それでね、本当に美味しいお米は研ぎ方からちゃんとしないといけないの!」
凛「ほぇー……研ぎ方なんて適当でも良いと思ってたにゃー……」
絵里「は、花陽ぉ!!////」
花陽「ほわぁ!?え、絵里ちゃん……どうしたの?」
海未(いけ!綾瀬絵里!そのまま言うのです!)
絵里「そ、その……ホ……ほっ……!///」
真姫(ほぉ!?その流れで穂乃果なんて言ったらぶっ飛ばすわよ!)
絵里「ほっ…………ほぉっ……!////」
絵里(踏み出すのよ、絵里……勇気を、出して!)
花陽「え、絵里……ちゃん……?」
絵里(お願い私……あと少しだけ、勇気を出して……!!)
絵里「放課後!……練習が終わったら、話があるの………ち、ちょっと…残ってくれないかしら……////」
絵里「そ、そう……じゃあ放課後、よろしく……///」
絵里(あー言っちゃった言っちゃった言っちゃったあぁ……もう逃げられないわぁ……!)
凛「えぇーそんなー!?放課後一緒にかよちんと遊びにいこうか……とぉ!?」
希「きっと大事な話なんよ、だから邪魔しちゃ駄目やで~凛ちゃ~ん?」ワシワシ
凛「わ、わかった……わかったからワシワシはやめて欲しいにゃー!!」
花陽「ご、ごめんね凛ちゃん……」
にこ(……ふふっ、やるじゃない、絵里)
海未真姫(ぃよっしゃあああああああああぁぁぁぁぁ!!言ったああああああああぁぁぁぁぁ!!)ガッツガッツガッツポーズ!
穂乃果「あ、あの二人もなんだかおかしいよ、ことりちゃん…!」ヒソヒソ
ことり「も、もう訳分からないよぉ……!」ヒソヒソ
絵里は練習が終わるまでずっと顔が赤くなっていた
そして海未、真姫……この二人の動きのキレが尋常でなかったことは気のせいだろう
綾瀬絵里……彼女の心の強さは、少し成長した
ー練習後、部室ー
絵里「……………………」
花陽「え、絵里ちゃん……それで話って……?」
絵里(あ……ああああぁぁぁぁ!こ、ここでもう一つのハードルを越えないといけないの!?)
絵里(さ、誘い出すことで頭がいっぱいで……完全に忘れていたわ……!!)
花陽「…………?」
花陽(あ……絵里ちゃんの横顔、夕陽に照らされて綺麗だなぁ……)
花陽(……二人っきりの放課後、私達以外には誰も居なくて)
海未「くっ……早く本題を切り出してはどうですか……!!」ヒソヒソ
真姫「やっぱりヘタレじゃないの……!!」ヒソヒソ
花陽(顔を赤くしてる絵里ちゃん……)
絵里(マズイマズイマズイマズイマズイマズイ……何か考えなくっちゃ……!!)
花陽(や、やっぱりこれって……そういうことなのかなぁ……/////)
絵里(あああ……ど、どうやって花陽の頬っぺたを触らせて欲しいと頼めば良いのよ……!!)
絵里「!?は、花陽……!?///」
絵里(あ……花陽の手、すっごく暖かくて柔らかいわ……)
花陽「あ、あのねっ……緊張してるときは、深呼吸したら良いんだよ……///」
絵里「し、深呼吸……?///」
花陽「うん、そ……それで、落ち着いたら……ちゃんと言って欲しいな……///」
絵里「…………花陽……///」
絵里(……気を使ってくれてるのね……)
絵里(全く、本当に情けない先輩だわ、私……)
絵里(これから頼む相手にまで、こんな事を言われるなんて……)
絵里(……覚悟、決めましょう)
花陽「…………落ち着いた?///」
絵里「……ええ、落ち着いたわ……じゃあ花陽……」
絵里「言わせてもらうわ」キリッ
花陽「っ……は、はいっ……!////」
花陽(あぁ……とうとう言われちゃうんだ……///)
絵里「私に、あなたの頬っぺたを触らせて欲しい」
花陽「…………はいっ!////」
花陽「…………はい?」
花陽「はっ……えっ……!?ほ、頬っぺた……?」
絵里「そ、そうなの……実は、ずっと前から触ってみたいと思ってて……」
花陽「緊張してたのってそのせいだったのぉ!?」
絵里「は、恥ずかしながら……私って度胸が無くて、でも花陽にこうして伝える事が出来て良かっt////」
花陽「あ、あの……絵里ちゃん……!」
花陽「わ、私……頬っぺたを触られるのは……嫌なんですっ……!」
絵里「…………え?」

こうなるのか…
かよちんって髪の毛少し乱れてるとすっごい色気というか、お姉さん感出るよな
やめろwwwww
絵里(は………嫌……え……?)
花陽「と、特に頬っぺたのお肉は、こんなにブヨブヨのお肉がついて……それが嫌で……」
花陽「は、早く……痩せて、直したいんです…」
絵里(嘘………嘘………これが、現実………?)
花陽「その……だ、だから……ごめんなさいっ……!」
絵里(わ、私……の……想いは……届、k………)
花陽「………絵里ちゃん?」
絵里「」ヒュー、バタン!
花陽「!?え、絵里ちゃん!?」
絵里「」シロメ
花陽「き、気絶しちゃってる……」
花陽「あわわ……ど、どうしたら……!」
海未真姫「絵里ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」ロッカーバァン!
花陽「ピャァァァァァァァァァァァァ!?」
海未「そこまで露骨に避けられると悲しいですね……」
花陽「な、何で二人ともロッカーに……!?」
真姫「先回りして、絵里が花陽に気持ちを伝えられるか観察してたのよ」
花陽「さっきのずっと見てたのぉ!?な、何のために……」
絵里「」
海未「はっ……と、とにかく話は後にしましょう!絵里の目を覚まさせます!」
花陽「す、すっごく気になるけど……は、はいっ……分かりました!」
海未「絵里!大丈夫ですか!?」ユサユサ
真姫「さっさと起きなさいよ!!」ペチペチ
花陽「え、絵里ちゃぁん……!」
絵里「」
真姫「……駄目、全然起きる気配がしないわ……!」
花陽「ど、どうしよう……こ、このまま目を覚まさなかったら……!」
花陽(わ、私のせいで……絵里ちゃんが……)ジワ
海未「っ……綾瀬絵里ぃ!目を開けなさい!!」
絵里「」
真姫「あなたこんな所で終わるつもり!?」
絵里「」
花陽「絵里ちゃん……絵里ちゃん!嫌だよ……目を覚ましてぇ……!」
絵里「」ピクッ
海未「…………!も、もしやこれなら……!」
真姫「!海未、何か思い付いたの!?」
海未「はい、恐らくこの方法ならば目を覚ますはずです」
海未「花陽!」
花陽「グズ……ふぇ……?」
海未「今から私の言う通りにしてください」
真姫「なるほど……それなら……!」
花陽「えぇ!?け、けど……そんな事……わ、私やっぱり……!////」
海未「しかし……いくら私達が呼び掛けても目覚めないのであれば、もうこの方法しか考えられません……」
真姫「お願い花陽!あなただけが頼りなの…」
花陽「う、うぅ~…….!////」
花陽(え、絵里ちゃん……////)
絵里「」
花陽(……絵里ちゃんが、目を覚ますなら……////)
花陽「…………やって、みますっ……////」
海未「花陽、良いですか?まずは絵里の耳元に口を近づけてます」
ーーーー
花陽(こっ……こうして、耳に口を近づけて……////)
ーーーー
海未「そうしたら名前を呼び掛け、この言葉を囁いて下さい」
ーーーー
花陽「っ……え、絵里……ちゃん……!////」
花陽「お、起きてっ……起きてくれたら……っ、あのっ……えっと……////」
花陽「はっ……花陽の頬っぺた……プニプニして良いよ……?////」
花陽「ひゃあ!?」
絵里「プニプニ!?プニプニして良いの!?」
絵里「…………あ、あら?私……一体……」
花陽「っ……絵里ちゃんっ!」ギュ
絵里「わっ!は、花陽……どうしたのよ?」
真姫「目を覚ましたわ……!」
海未「やりましたね、花陽!」
花陽「グズ……良かったよぉ、絵里ちゃん…!」
絵里「え、えーと………い、一体何がなにやら……」
絵里「そう……私、ショックで意識が飛んでたのね……」
海未「覚えてないのですか?」
絵里「花陽に頼んで、断られて……その後の記憶は正直無くなってるみたいだわ」
真姫「どれだけショックだったのよ……」
花陽「ご、ゴメンね……私が、あんな事言っちゃったから……!」
絵里「そ、それは違うわ!花陽は全く悪くないの!私が勝手に気絶しただけだから……!」
真姫「そうよ!全く、断られた位で気絶するなんて……」
海未「やはり根本的な部分はまだヘタレのようですね」
絵里「あなた達はちょっとひどくない!?一応私、ちゃんと言えたのよ!?」
海未真姫「うっ……」
絵里「そ、そりゃあ……ここまで来るのに色々あったけど!?けど、結果的には私が一番最初に言えたわよ!?」
海未真姫「ぐはぁ……!?」
絵里「じ、自分の事は棚に上げて……このっ、ヘタレ共っ!」ビシィ!
海未真姫「ウボァァァァァ!!」
海未真姫(ま、まさかこの人にそれを言われるとは……!!)
海未真姫「」チーン
花陽「は、はいぃ!!////」
絵里「あの……さっき言ってた事……」
花陽「え!?あ……あれは海未ちゃんに言わされt……!////」
花陽(……こ、ここで断っちゃったら……絵里ちゃんまた気絶しちゃうかもしれない……!)
花陽「その……ち、ちょっとだけなら……触っても良いよ……?////」
絵里「ほ、本当に良いのね!?嫌なら無理しなくても良いのよ!?」
花陽「む、無理なんてしてないよ!大丈夫……!////」
絵里「じ、じゃあ……触るわよ……」
花陽「っ…………!////」ギュ
海未(あぁ……つ、遂にこの時が……!)
真姫(ど、どんな触り心地なのかしら……!)
フニ
絵里「…………………」フニフニ
海未「え、絵里……ど、どうなのですか……!?」
絵里「………………………」フニフニ
真姫「え……絵里………?」
絵里(なに、これ)
絵里(晴天の空が見える)
絵里(辺り一面に花が咲き乱れてる)
絵里(透明で綺麗な川が見える)
絵里(……その先で天使が手招きしてる)
絵里(………………あ、これ見えちゃいけないやつだわ)
花陽( あ、あぅ……ま、真顔でずっと触られてる……////)
花陽(や、やっぱり……気持ち悪いよね、こんな頬っぺた……)
絵里「……………っはぅあ!!」パッ
海未真姫花陽「!?」
絵里「ハァ……ハァ……ッ、ハァッ……!!」
花陽「え、絵里ちゃん……!?////」
海未「え、絵里!?どうしたのですか!?」
絵里「ま、マズイ……マズイわ……!!」
真姫「な、何がマズイのよ……!?」
絵里「て、天国が見えたのよ……あと少しで持っていかれるところだった……!!」
絵里「な、なんてハラショーな頬っぺたなの……花陽……!」
絵里「とんっでもない!最高よ!最強よぉ!!ウルトラハイパーMAXハラショーよおぉぉ!!!」
海未「ちょっ、うるさいです!ここ学校ですよ!?」
絵里「はっ!……ご、ごめんなさい……あまりにもハラショーだったから、つい……」
真姫「この流れ何度目よ」
花陽「っ……け、けどっ……!」
絵里「oh、シャラップ!少し黙りなさい花陽ぉ!!」
花陽「!!?」
絵里「はっ!……いけないいけない、いつものクールな私を忘れてたわ……」
海未真姫「もう手遅れですよ(じゃない)」
絵里「ねぇ、花陽……あなたどうしてそんなに自分の容姿を嫌がってるの?」
花陽「え!?そ、それは……あの……」
絵里「……周りと、比べちゃう?」
花陽「!!……うん……」
花陽「絵里ちゃん……それに、海未ちゃんや真姫ちゃん……」
花陽「皆スラッてしてて、綺麗で、アイドルらしくて」
花陽「そんな周りの皆を見てたら、自信がなくなっちゃって……」
絵里「それに私なんかより愛嬌があって……可愛い」
花陽「か、可愛い…………?///」
絵里「ええ、とっても」
花陽「そ、そんな……み、皆と比べたら私なんて……」
絵里「……花陽、あなたは自分を貶め過ぎよ?」グイ
花陽「ほぁ!え、絵里ちゃん……?///」
花陽(え、絵里ちゃんの顔が目の前に……!///)
花陽「絵里ちゃん……近いよ……////」
絵里「それに、体つきだって別に変じゃないわよ?」ムニムニ
花陽「ひやぁ!?お、お腹周りは触っちゃダメぇ……!///」
絵里「ふふっ、声も可愛い……」
花陽「え、絵里ちゃんやめてよ……////」
絵里「花陽……今すぐにだなんて言わない、けどね」
絵里「もっと自信を持ちなさい……誰がなんと言おうと、あなたは素敵よ」
絵里「ほらそういうの、すぐ言っちゃダメよ」
花陽「ぁぅ…………////」
絵里「少しずつで良いから、ね?」
花陽「絵里、ちゃん………////」
花陽「…………うん、分かった////」
海未「すいませーん、もう良いですかねー?」
海未「二人とも完全に私達のこと忘れてましたよね!?」
絵里「そ、そんな訳ないじゃない!ね、ねぇ?」
花陽「そ、そうだよ……!////」
海未「いーや!絶対忘れて二人だけの世界に行ってましたよ!!」
真姫「うぁ……砂糖のジャリジャリが分かるくらい甘いコーヒー飲まされた気分だわ……」
真姫「ていうか絵里!あなた何どさくさに紛れて花陽のお腹触ってんのよ!?」
絵里「えぇ!?あ……あれはその……し、自然の流れってやつ?////」
真姫「頬っぺた触るのにはあんなにひよってたくせに!?」
海未「破廉恥です!!!」
花陽「ピャァ!!な、何でしょう……!?」
海未「わっ……私達もですね……その……触らせて欲しいのです////」
花陽「…………へ?」
真姫「だから、その……頬っぺた!触らせて欲しいの……!!////」
花陽「は、はい!?」
海未「じ、実は……私達も、花陽の頬っぺたをプニプニしたいと考えてまして……////」
真姫「わ、私はちょっと興味があるだけ……い、いや、無茶苦茶触りたいって思ってたのよ……////」
花陽「二人もそんなこと考えてたのぉ!?ま、まさか……ロッカーに居たのもこの為だったり……?」
海未「当たり前じゃないですか!////」
真姫「そうじゃなきゃあんな場所にいないわよ////」
花陽「ええー……」
花陽「え、えと……あの……////」
花陽「ぅ、うぅ……や、やっぱりダメぇ!////」
海未「な、何故です!?絵里には触らせ、私達は駄目なのですか!?」
花陽「だ、だって……私は……!」
花陽「……は、恥ずかしい、から……恥ずかしいから駄目なのっ!////」
真姫「そ、そもそも絵里を後押したのだって私達なのよ!?私達にも触る権利があるはずよ!!」
花陽「うぅ……訳分かんないよ……」
海未「絵里のあの様子を見て……これ以上自我を押さることなど出来ません……!!」
真姫「ハァー……ハァー……プニプニさせなさいよ、花陽ぉ……!!」
真姫「そのまま天国に連れてってもらうわ……!!」
花陽「アワワワワ………!」
花陽(だ、ダメだ……二人とも目がおかしくなってるよぉ……!)
花陽「え、絵里ちゃん……!!」
絵里「………………花陽」
絵里「わ、私も……もう一回触っても良いかしら……?////」
花陽「」
ダレカタスケテー!
部室から響き渡る悲痛な叫び声
誰もいない校内でその声が誰かに届くはずもなくもなく、小泉花陽……彼女は三人にずっと頬っぺたを触られていた
凛「で」
穂乃果「なんで三人とも正座させらてるか」
にこ「わかってんでしょうねあんたたち」
絵里海未真姫「…………………ハイ」
花陽「あぅ……まだちょっとヒリヒリすりよぉ………」ナミダメ
真姫「ハイ」
凛「昨日かよちんが途中で逃げなきゃずっと触ってるつもりだったの?」
真姫「………触ってたら、手が止まりませんでした」
凛「……まぁ、それはわからなくもないにゃ」
真姫「そ、そうよね!あの柔らかさは本当に……!」
凛「けど加減があるでしょ!?なんでかよちんの頬っぺたが赤くなるまで触ってるにゃ!!」
花陽「うぅ……ひどいよ、皆……」
真姫「」
海未「ハイ」
穂乃果「もしかして海未ちゃん……いや、もしかしなくても、馬鹿だよね?」
海未「ば、馬鹿ぁ!?」
穂乃果「馬鹿だよ!大馬鹿だよ!!」
海未「……せ、成績なら私の方が……!」
穂乃果「成績どうとかじゃないよ!なんで懲りずにまた花陽ちゃん泣かしてるのさ!? 」
海未「ぐっ……こ、ことり……!!」
ことり「ごめん、海未ちゃん」
ことり「今回の件はないと思うな」
海未「」
絵里「ハイ」
にこ「あの相談ってこんな下らない事のためだったのかしら?」
絵里「く、下らないって……私は真剣にっ!!」
にこ「下らないことでしょうがぁぁぁ!!何あんた!?そんなことで屋上で意味深に黄昏てんじゃないわよ!!」
絵里「」ビクッ
にこ「あーもう!あの時変な勘違いしてクソ真面目にアドバイスした私をぶん殴ってやりたいわ!!」
絵里「ぐっ……の、希……!」
希「ハァー……絵里ち」
希「アホやろ」
絵里「」
絵里「ちょ、ここ屋上よ!?ずっと正座!?」
凛「そうだよ!そのままずっと座ってればいいにゃ!」
ことり「三人ともちゃんと反省しないと駄目だよ?」
海未「こ、こんなの……私でも耐えられるかどうか……!!」
真姫「あ、私もうヤバイかもしれないわ」
花陽「に、にこちゃん……こんな事しちゃって良いのかなぁ……?」
にこ「良いのよこれくらい!ったく……これで少しは懲りて……」
希「甘いなぁ、にこっち……」
絵里海未真姫「え?」
希「花陽ちゃんは頬っぺた赤くなるまで触られたんよ?けど三人は正座で済むなんて、割に合わんと思わん?」ニヤリ
にこ「……あぁー、そういこと……」ニヤリ
穂乃果「あ、穂乃果もわかっちゃった」
凛「凛も」
ことり「んー……今回は、しょうがないよね?」
花陽「え……えっと……?」
絵里「こ…これ以上何をするつもり……!?」
希「……海未ちゃん、真姫ちゃん、絵里ち」
希「ウチなぁ……これ、大好きやねん」カマエ

特になにをしてるというわけでもないし、ほとんど写ってないのに矢澤で笑える
真姫「ま、まさか……!!!」
海未「や、やめてください!!それだけは!!!」
希「問答無用や!全軍突撃!目標は三人の頬っぺたやでぇぇぇぇぇ!!!」
凛にこ穂乃果ことり「おおおおおおおお!!!!」
花陽「お、おおおおおぉぉ……?」
絵里海未真姫「イヤァァァァァァァァ!!!!!」
響き渡る三人の絶叫
恐らく今回は校内中に届くだろう
そんな叫び声とは裏腹に、空は今日も晴れていた
全体的に駆け足で誤字もあったり、荒い感じになってしまったのは申し訳ないチカ…次はもっと丁寧に書けるように頑張るチカ
皆、最後まで読んでくれてありがとうチカ
面白かった
みんな可愛かった
とても感動的だったチカ
正座からのワシワシまでの流れ良かった
乙
また一つソルゲ組SSに良作が生まれたな。
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