【ラブライブ!】絵里「絢瀬家のお正月」亜里沙「ちょっとだけ」
- 2020.03.26
- SS

亜里沙「あ、やっと起きた。おはよう」
絵里「いま何時・・?」
亜里沙「もう9時だよ?・・お姉ちゃん、髪ぼさぼさ」
絵里「うぅん・・初夢見れなかった」
亜里沙「初夢?」
絵里「ええ。ぐっすり寝ちゃってて」
亜里沙「お姉ちゃん、初夢っていうのは元旦以降の夜に見る夢のことだよ」
絵里「え、そうなの?」
亜里沙「うん。だから、まだチャンスはあるよ」
絵里「良かったー、これで安心して眠れるわ」
亜里沙「ちょ、ちょっと。また寝ちゃダメぇっ!」
亜里沙「そうなんだけど、何だかわくわくしちゃってすぐ目が覚めちゃったんだ」
絵里「それじゃ、全然寝られてないんじゃない?」
亜里沙「そうだねぇ・・でも、お正月だから、元旦だから!」
絵里「・・何だかよく分からないけど、亜里沙が元気ならそれで良いわ」
亜里沙「うん!」
絵里「ところで、私は気付けば寝ちゃってたんだけど、今年の紅白歌合戦はどっちが勝ったの?」
亜里沙「えーとね・・紅組!」
絵里「そうなんだ、最近白組ばかりだったから、たまには・・、
亜里沙「・・あれ、白組だったっけ?」
絵里「亜里沙・・ちゃんと見てたのよね?」
絵里「食べる」
亜里沙「いくつ?」
絵里「2個」
亜里沙「にこ」
絵里「にー」
亜里沙「・・・」
絵里「・・・」
亜里沙「・・・」
絵里「・・・」
亜里沙「はい、どうぞ」
絵里「ありがと」
絵里「亜里沙、初めてお餅食べたときもそんなこと言ってた気がするわ」
亜里沙「そうだったっけ?・・でも、こんな食べ物は世界に一つしかないよ」
絵里「まあ、私も初めて食べたときはおっかなびっくりだったけどね」
亜里沙「納豆ほどじゃないけれど」
絵里「あはは、そうね。同感」
亜里沙「お餅は喉につまるのが怖いから、いつも口の中に居れるときに、
このくらいの大きさで喉を通るかどうか、ドキドキしちゃうんだ」
絵里「それは神経質すぎじゃないかしら・・よく噛んで食べれば大丈夫だけど、
確かに、ちょっと怖いと思うときはあるわね、ごくたまに」
亜里沙「でも、喉につっかえても、掃除機で吸い出せば何とかなるって言ってたよ」
絵里「誰が?」
亜里沙「雪穂が」
絵里「(恐らく、喉につまらせたのは・・)」
亜里沙「駅伝もやってるよっ」
絵里「そういえばそうね・・でも、お正月からあんなに走るなんて、とても真似できないわ」
亜里沙「すごいよね。全然知らない会社や大学の人でもつい応援しちゃう」
絵里「走る人もすごいけど、応援に詰めかける人もすごいと思うわ。熱意がね」
亜里沙「応援って言っても、応援する人の前を走る人が通るのは一瞬なのが寂しいな」
絵里「それは仕方ないわよ。競技性ってやつね」
亜里沙「亜里沙も応援に行こうかな?駅伝も立派な日本の文化だから」
絵里「誰か知り合いが走るなら応援する気も大きくなるんだけどね」
亜里沙「うーん・・μ’sで一番箱根駅伝に近い人っているの?」
絵里「・・運動神経から見れば凛かしら」
亜里沙「でも、穂乃果さんも何となくしっくりくる・・」
絵里「まあ、私たちはこたつでぬくぬくしてましょう」
亜里沙「そういえば、お姉ちゃん、初詣には行かないの?」
絵里「もちろん行くわよ。希のところに行ってゆっくり話したいとは思うけど、まだ忙しいでしょうね」
亜里沙「そうだよね。一番忙しい日だよね」
絵里「夕方ぐらいに行こうかしら・・人もまばらになるでしょうし」
亜里沙「夕暮れの初詣もよさそうっ」
絵里「初詣、亜里沙も行くの?」
亜里沙「うん。雪穂と」
絵里「そう、でももう十時になっちゃうけど、まだいいの?」
亜里沙「うん。さっきメールがきて、今は穂乃果さんの喉につまったお餅を、
海未さんとことりさんと一緒に必死に吸い出してるところだから、まだ無理って」
絵里「(やっぱり、穂乃果だった)」
絵里「あなた、神社についてから真っ先にひくわよね」
亜里沙「うん。日本に来て初めての初詣でひいて以来、ずっと『大吉』なんだもんっ」
絵里「す、すごいわね」
亜里沙「・・そのくじ運で運を使っちゃってる気もするんだけどね」
絵里「何バカなこと言ってるのよ」
亜里沙「でも・・」
絵里「ここにいる、毎年『小吉』の人よりはマシでしょ」
亜里沙「元気出して、お姉ちゃん。『小吉』って名前で勘違いされがちだけど、『吉』よりも上なんだよ」
絵里「え、そうなの?」
亜里沙「だいたいのところだと、上から三番目なんだよっ」
絵里「あ、何か元気出て来たわ・・」
亜里沙「ハラショー!」
亜里沙「え、ええっ、いいよ、そんなお姉ちゃんっ」
絵里「何言ってるのよ、私ももう二十歳過ぎてるんだから、当然でしょ」
亜里沙「でも・・」
絵里「でもじゃなくて、受け取りなさい。それで、今日美味しいものでも食べてきなさい」
亜里沙「・・うん。じゃあ、お言葉に甘えて」
絵里「そうそう。遠慮しすぎは良くないわ」
亜里沙「じゃあ、亜里沙もお年玉、お姉ちゃんにあげるっ」
絵里「え?」
亜里沙「はい、お餅」
絵里「も、もう食べられないわよ・・これ以上食べたらお昼に影響が出ちゃう」
亜里沙「遠慮しすぎはよくないよっ」
絵里「ふぐぅっ!?」
絵里「むぐむぐ・・う、ふぐっ」
亜里沙「お姉ちゃん?」
絵里「ごふ、う、む、むぐぅ~っ!」
亜里沙「お姉ちゃん!お餅が喉にっ!?」
絵里「むぐぅ~っ!」
亜里沙「あ、あっ・・どうしよう、お姉ちゃんが死んじゃうよぉ!」
絵里「・・ぅ、ぐ」
亜里沙「あ・・ああ、て、ていっ!!」
絵里「おぐっ☆!?・・ぅ、けほけほっ」
亜里沙「あ、良かった!お姉ちゃん、大丈夫!?」
絵里「ええ・・何とか助かったわ、ありがとう、亜里沙」
亜里沙「良かった・・海未さんに習ってた正拳突きが役に立つときがくるとは思わなかったよっ」
絵里「・・そう」
亜里沙「うん。大変だったけど、そういうところは大切にしたいから」
絵里「ええ。亜里沙は凄かったわね、表面を全部筆で書くんだもの」
亜里沙「何事も練習だから・・あんまり上手く書けなかったけど」
絵里「そんなことないわ。立派だと思うわよ。私はもうプリンターにまかせっきりだから」
亜里沙「途中で印刷できなくなって、お姉ちゃん焦ってたね。電話で希さんに聞いてたし」
絵里「ええ。希は凄いわ。私の質問に一言目でもう原因を当てちゃうんだもの」
亜里沙「うん。インク切れ」
絵里「画面に表示もされてたのにね」
亜里沙「希さんも苦笑いだね」
絵里「私は恥ずかしくて仕方なかったわ」
亜里沙「電話で良かったよね」
絵里「良いアイデアね。でも、お正月から見たい人なんているのかしら。
何よりももう、解散したのも何年も前のことだし」
亜里沙「私は見たいな。・・今でも」
絵里「・・ありがとう。亜里沙がそう言ってくれるだけで、充分よ」
亜里沙「うん」
絵里「・・・」
亜里沙「・・・」
絵里「・・・」
亜里沙「はい、お餅」
絵里「やめて」
お餅食べて、お年玉もらって、お餅食べて、これから初詣に行って・・」
絵里「一通り、やることはやったわね」
亜里沙「お正月ってゆっくりしたいけど、やることはいっぱいあるんだね」
絵里「そうね。こういうゆっくりとした時間の中でせわしなく動く。これもまたお正月の雰囲気なのかしら」
亜里沙「空もどこか、いつもと違う感じ。より澄んでるっていうか」
絵里「そうね。早く初詣に行きたいわ」
亜里沙「あ・・」
絵里「亜里沙?」
亜里沙「・・大切なこと、忘れてる」
絵里「お年玉ならもうあげたからね?」
亜里沙「亜里沙はそんなにがめつい子じゃないよっ!」
絵里「あはは、ごめんごめん」
亜里沙「うん。お姉ちゃん、あけましておめでとう!」
絵里「あ・・」
亜里沙「私が先に思い出した。私の勝ちだねっ、お姉ちゃん」
絵里「ふふ、寝惚けててすっかり忘れてたわ」
亜里沙「私も今の今まで忘れてたよ」
絵里「うん・・亜里沙、あけましておめでとう」
「「今年もよろしくね」」
おわり
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