【ラブライブ!】ことり「大好きを伝えたくて」
- 2020.03.27
- SS

1年で唯一”大好き”を”カタチ”にして、アナタに伝えられる日
だけど…カタチだけでは、アナタに伝えきれなくて…
でも、”コトバ”で伝える勇気は…私には、無くて
ことり「うん…」
チョコでいっぱいの紙袋を両手に持ち、ご機嫌の穂乃果ちゃん
スクールアイドルを始めてから迎える、初めてのバレンタイン
それに加え生徒会長になったことから、穂乃果ちゃんを知らない生徒は学院内にはいなくて…
通学路、校内とすれ違うたびに貰うチョコは増えて行って…
他校の生徒も、チョコを渡そうと集まってきちゃって校門前大混乱!
急遽チョコお渡し会を始めて、なんとかなったけど…
そんな感じで朝から大忙しだった為、穂乃果ちゃんにチョコを渡せずじまいで…
穂乃果「ことりちゃんも、いっぱい貰えてよかったね」
ことり「あはは、そうだね…」
私も、両腕では抱えきれない程のチョコをもらったけど…本当に欲しいのは、1つだけ…
ことり「ホントだね」
μ’sの中で特にチョコを貰ったのはこの二人でした
元々生徒会長として多くの生徒の憧れの的だった絵里ちゃんと、弓道部の頃からファンの多い海未ちゃん
そんな二人が、新たに多くの子からの人気を得ることは自然なことで…
段ボールいっぱいでも収まらないくらいのチョコを貰ってました
このまま残って、もっと増えたら困るということで…二人は先に帰っちゃいました
穂乃果「みんなは、どんなチョコくれるのかな~」
さらに元気になる穂乃果ちゃん…
そうか…今年はまだこれから、5人と交換するんだ
みんなから貰う”大好き”が一気に増えて…
私と穂乃果ちゃんのココロの距離は、どんどん離れていきそう…いつも、今も隣にいるのに
やっぱり…”カタチ”だけじゃダメなのかな…
だけど”コトバ”にすると、今の関係が壊れる気がして…
そんなモヤモヤとした気持ちで、ここ数年はこの日を過ごしています
穂乃果「みんな、やっほーっ!」
ことり「こんにちは」
にこ「遅いっ!他のメンバーはとっくに揃ってるわよ!」
凛「もう待ちくたびれたにゃ~」
ことり「ごめんね…今日の後片づけをやってたら、遅くなって」
希「まぁまぁ、にこっちも悪気はないんやし気にせんでええよ」
花陽「凛ちゃんもね」
真姫「今日は2人いないから、練習もできないし…別にいいんんじゃない」
部室には海未ちゃん、絵里ちゃんを除いてみんないて…
みんなはどういう”カタチ”で、穂乃果ちゃんに”大好き”を伝えるんだろう…
にこ「…ってこれ」
凛「穂乃果ちゃん家のお店の箱?」
穂乃果「それはね…この時期限定の、チョコほむまんだよっ!」
希「ほんまや、お饅頭がチョコ色になっとる!」
花陽「ほんのりと香る、チョコレートの匂いが素敵ですっ!」
真姫「へぇー、こういうのもあるのね」
穂乃果「3月14日までの限定だから、もっと欲しい人はウチまで来てねっ!」
にこ「…って、宣伝かいっ!」ビシッ
希「にこっち、ナイスツッコミやね」
凛「ホントだー、にこちゃんだけひいきだにゃーっ!」
穂乃果「あぁそれね、こころちゃんたちの分だよ!」
にこ「えっ、妹たちの分まで?!何か悪いわね」
穂乃果「いいよいいよ!ウチのお饅頭、色んな人に知ってもらいたいから」
にこ「そ、そう…それじゃあ、ホワイトデーの時はウチに来なさいよ」
穂乃果「えっ、いいの?」
にこ「いいわよ…妹たちと一緒に、アンタをおもてなしするから!」
穂乃果「やったー!えへへ、楽しみだな~」
――――ズキッ
まただ…今日穂乃果ちゃんが他の子に笑顔を見せる度に、胸が痛む…
真姫「まんまと先手をとられたわね」ヒソヒソ
花陽「わ、私も…負けてられません」ヒソヒソ
凛「かよちん、ガンバローねっ」ヒソヒソ
――――ズキズキッ
みんなが隅でこそこそと…聞こえないようにしてるみたいだけど、ちゃんと聞こえてるよ
やっぱり、みんな考えることは一緒か…
まだ穂乃果ちゃんから貰ってないから、他の5人にあげよ…
一応穂乃果ちゃんの分もあるけど、やっぱり”特別”な方あげたいし
にこ「流石ことり、手が込んでるわね~」
真姫「お店で売ってるみたい」
ことり「ありがとう…」
喜んで貰えてみたいでよかった…
でも、私が気になるのは…みんなを笑顔で見つめる穂乃果ちゃんで…
私から貰えなくて、何て思ってるのかな…
まだ私も貰ってないから、おあいこだけど
穂乃果「わぁー、ありがとうにこちゃん!」
ことり「ありがとー!わぁ、可愛い包装♪」
にこ「とーぜんよっ!にこのセンスにかかればこれくらい」
凛「あれ、穂乃果ちゃんの方がちょっと大きくないかにゃー?」
穂乃果「えっ?どれどれ…わっ、ホントだ!」
ことり「確かに、そうだね…」
にこ「そ、それは…穂乃果に小さいって文句言われない為よ!べ、別に…深い意味はないんだから」
穂乃果「わーい、にこちゃんありがとー」ギュッ
にこ「ま、まぁ!これも部長の役目だしっ///」
凛「あれー、にこちゃん顔真っ赤だにゃーっ!」
にこ「なっ…こ、この部屋暖房が利きすぎなんじゃないのー?!」パタパタ
やっぱりみんなも…穂乃果ちゃんは、特別なんだね
胸の痛みはどんどん大きくなっていく…
それからも…それぞれが穂乃果ちゃんにチョコを渡す度に胸は痛んで…
もう、”私の”穂乃果ちゃんじゃなくて…”みんな”の穂乃果ちゃん、になっちゃったみたい
そんな穂乃果ちゃんに、私だけを見て欲しいって思うことりは…悪い子、だよね
うん、いいの…私が”コトバ”にするのを我慢するだけでいいんだから
今年も、これからも…”カタチ”で伝えることができれば、穂乃果ちゃんが笑顔になってくれれば…
それだけで…いいの
その道中穂乃果ちゃんは…
鞄からチョコをはみ出しながら、両手にチョコでいっぱいの袋を持って上機嫌で…
全部食べられるかなとか、ホワイトデーが大変だとか…
そんな穂乃果ちゃんに、私は相槌を打つんだけど…
上手く答えられているかな?笑顔は、不自然じゃないかな?…そんなことばかり考えて
もう、私がチョコを渡すことなんてどうでもよくなってて…
だって…もし私がチョコを渡しても、穂乃果ちゃんから貰えなかったら…
そして、それぞれの家に向かう分かれ道に…
ことり「それじゃあ穂乃果ちゃん…また…」
自分の家の方へ向かおうとしたその時…
穂乃果「あー、そうだった!忘れてたーっ!」
穂乃果ちゃんが大声を上げ、思わず立ち止まっちゃいました
穂乃果「あの、その…ね」
ことり「うん?」
さっきまでの元気は無くて、鞄の中をゴソゴソと何かを探し出す穂乃果ちゃん
穂乃果「これ!」
穂乃果ちゃんが取り出したのは…
オレンジのリボンが結ばれた、真っ白なハート型の入れ物
ことり「えっと…それは」
穂乃果「穂乃果から、ことりちゃんへのチョコですっ!」
ウソ…私に…穂乃果ちゃん、忘れてなかったんだ…
どうして、私には…違う容器なの?
穂乃果「それは…ことりちゃんが、特別だからっ!」
えっ…私が…特別?
周りが薄暗くなって、はっきりとは分からないけど…穂乃果ちゃん、顔赤い?
穂乃果「えっと、あの…うぅ…」
何か言いたげだけど、恥ずかしそうにする穂乃果ちゃん
そんな様子を見て、ある期待が大きくなる
えっ…今、穂乃果ちゃん…”大好き”って…
穂乃果「とにかくっ!穂乃果の、大好きを込めたチョコ受け取ってくださいっ!」
どうしよう…今、嬉しさと幸せでいっぱいになって…コトバが…上手く、喋れない
穂乃果「…わっ、ことりちゃん泣いてるの?!」
泣いてる…ホントだ、自分では気づかないうちに…幸せが、私から溢れてる…
穂乃果「あ、あの…その、ごめんね急に…こんなこと言われても、迷惑…だったよね」
違う!違うよ、穂乃果ちゃん…ただ、嬉しくて言葉がでないだけだから…
穂乃果「ただ、気持ちだけでも分かってもらいたかったから…その、忘れても…いいから」
ダメだよ、忘れられないよ…
何とか声に出して、私の気持ちも…”コトバ”にしなくちゃ…
あ、そうだ!あった、私も大好きを伝えられるものが…
早く、見つけないと
どこにあるの…早く、早く!…あっ、あった!
ことり「…んっ、んんっ」
穂乃果「えっ…ことりちゃん、これって」
ことり「んっ、ん…」コクコク
私が用意したチョコを差し出して、声にならない声で答える
穂乃果「私…に?」
ことり「ん…んっ…そ、そうだよっ!」
やった!声が出せた
ことり「それは…私も、穂乃果ちゃんが特別だから…」
もう迷いはない!正直に、穂乃果ちゃんへ…”コトバ”にしてっ
穂乃果「えっ…それって…」
ことり「私も…ことりも、穂乃果ちゃんのことが大好きだからっ!だから、その気持ちを”カタチ”にしましたっ!」
言えた…ずっと抱えてた、気持ちを!
穂乃果「嘘…それじゃあ、私たち…両想…い」
ことり「そう…だね」
穂乃果「う…うぅ…やったー!」バッ
ことり「きゃっ…穂乃果ちゃん…」ギュッ
穂乃果ちゃんが宙へ投げた紙袋から、たくさんのハートが降ってきて…
それがまるで、私たちの思いが形になったみたいで…
ことり「うん…私も…」
もう日は落ちて、空気は冷え切っていたけど…
抱き合った私たちは…幸せな気持ちでとても温かくて、全く気になりません
穂乃果「ずっとこうしていたいけど…風邪ひいちゃいけないから」
ことり「うん…そうだね」
名残惜しいけど、またいつでもできるもんね
穂乃果「あぁっ!嬉しさのあまり、みんなから貰ったチョコ投げちゃった」
ことり「もう、穂乃果ちゃんたら」クスクス
穂乃果「あうぅ~、ごめんねー」
ことり「私も手伝うね」
穂乃果「ありがとー、ことりちゃーん」
ことり「そうだね」
穂乃果「あ、あのさ…ことりちゃんっ!」
ことり「んっ、何?」
穂乃果「もしよかったら…私の家、寄ってかない?」
ことり「えっ…」
穂乃果「その…ことりちゃんが、私のチョコ食べているとこ…見たい、から///」
ことり「う、うん…私も…穂乃果ちゃんが、私のチョコ食べるとこ見たいから…いいよ///」
穂乃果ちゃんと一緒に…今までとは関係が違うから、何か恥ずかしいです…
穂乃果「…」ソワソワ
今私は、遅くなることをお母さんに伝えています
ことり「…///そっ、そんなことしないよっ!もうっ、じゃあねっ!」ピッ
お母さん…何言ってるの?!両想いになったばかりだし…それに私たち、まだ高校生だし…
穂乃果「えっ、えっと…どうだった?あと、大きな声出してたけど」
ことり「あ、あぁ…大丈夫だって!何なら、泊まってもいいって///」
穂乃果「そっか、よかったー…それで、何でことりちゃんは顔が赤いの?」
ことり「えーっと…何か今日、暑いからじゃないかな~」パタパタ
穂乃果「そ、そうかな…私は寒いけど…」
ことり「あ、あはは…」
言えないよ…穂乃果ちゃんには
ことり「ぜ、全然大丈夫だよっ!」
穂乃果「そっか…じゃあ、もっと寒くなる前にいこっか!」
ことり「そうだね!」
穂乃果ちゃんが差し出した手を握って、私たちの新たな一歩を踏み出す
繋がれた手から穂乃果ちゃんの温かさが私に伝わって、再び幸せで満たされる
まだ始まったばかりなんだから、急ぐ必要なんてない…
ちょっとずつ、一緒に歩いていければ大丈夫…
まだ、ゴールじゃない…ここからが、スタートなんだから
昨日に上げたかったんですが、間に合わなくて1日遅れのバレンタインネタとなりました。
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