【ラブライブ!】希「幸せの味」

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1: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 00:59:25.73 ID:TulCVgzr.net

のんたんss
話しは短め

2: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:00:08.66 ID:TulCVgzr.net

もうすぐ日が落ちそうな時間、ウチは部屋で一人にらめっこをしていた。

お母さんからの仕送りの中に入っていた小さな箱―――キャラメルと。

テーブルの上で、一粒取り出してまじまじと見つめて呟く

「昔はキャラメル大好きやったなぁ・・・」

あの時のように夕焼けで染まった部屋に小さく響いた

3: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:00:38.01 ID:TulCVgzr.net

うちはキャラメルが苦手。

別にあの甘さが嫌いとか、食感が苦手とか、歯の詰め物が取れるからとかではないんよ。

キャラメルは一人ぼっちの味がするから―――

6: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:10:21.74 ID:TulCVgzr.net

「私、キャラメル大好き!」

お父さんもお母さんも仕事が忙しくて、小さい頃のうちは一人でお留守番してることが多かった。

お母さんは気を利かせてお留守番のときは、大好きやったキャラメルを必ず用意してくれてたんよ。

「今日も帰りが遅くなります。ごめんね、希ちゃん」

いつもこんな書置き付きで。

この書置きを見るたびに、「今日は夜まで一人ぼっちなんだ・・・」って寂しい気持ちになってた。

それを誤魔化そうと甘い甘いキャラメルを一人で頬張っていた。

7: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:14:35.30 ID:TulCVgzr.net

こんな毎日が続いたある日・・・

(今日のキャラメル、変な味)

なんだかしょっぱい―――

ウチは泣いていた。

大好きなキャラメルを食べれば食べるほど、寂しい気持ちが強くなって涙がとまらなかった。

夕焼けに染まった部屋に、小さなすすり泣きだけが響いていた。

だからウチはキャラメルが苦手。

寂しい気持ちが込み上げてくるから―――

8: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:19:37.57 ID:TulCVgzr.net

でも、焼肉は大好き。

もちろんお肉大好きやけど、それ以上に―――

いつも正面にはお父さん。隣にはお母さんがいたから―――

幸せの味がするから。

9: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:21:01.44 ID:AUxckKlT.net

ええな
10: 名無しで叶える物語(もみじ饅頭)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:22:54.70 ID:a/2Ig+oY.net

悲しいなぁ…
11: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:23:07.94 ID:TulCVgzr.net

その時、ガチャンとドアを開く音が聞こえた。

「あ!帰ってきた!お父さんかな?お母さんかな?」

ドアに駆け寄り寂しさを吹き飛ばすような大きな声で―――

「おかえりなさい!!!」

「ただいま。希ちゃん」

12: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:31:32.97 ID:TulCVgzr.net

「…みちゃん・・・」

凛「希ちゃーーん!!」

テーブルから身を乗り出して、まんまるな顔がウチを覗いていた。

希「うわっ!?あれっ!?何で凛ちゃんがここに!?」

凛「も~!今日はリリホワの作戦会議をするからウチの家来て~って言ったの希ちゃんだにゃ!」

希「ごめんごめん!すっかり忘れてたわ~」

部屋の明かりがパチリと点いて、凛とした声が響いた。

13: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:32:23.44 ID:TulCVgzr.net

海未「希!!明かりも点けず、鍵も掛けないなんて無用心ですよ!私たちだったから良かったものの―――」

海未ちゃんはウチの隣に腰掛けてお説教を始める。

希「今後は気をつけるから堪忍して~!!」

希(穂乃果ちゃん!今なら気持ち良くわかるで!)

そんなことを考えていたら、海未ちゃんのお説教を遮るように凛ちゃんが口を開いた

14: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:34:22.02 ID:TulCVgzr.net

凛「あれ?希ちゃんってキャラメル嫌いだよね?」

テーブルの上のキャラメルを指差す。

希「これ?お母さんが仕送りで送ってきたんよ」

凛「!なるほどわかったにゃ!キャラメルの処理に悩んでたら寝ちゃったんだね!」

凛「それなら凛にちょうだい!」

凛ちゃんはキャラメルに手を伸ばした―――だけど、

海未「凛!はしたないですよ!」

お説教モードの海未ちゃんに遮られてしもうた。

16: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:36:13.69 ID:TulCVgzr.net

希「まぁまぁ、苦手なのはたしかやし・・・はい、海未ちゃんどうぞ!」

海未「希がそういうなら・・・」

海未ちゃんは箱から一粒取り出す。

凛「あっー!?海未ちゃんズルイにゃー!!」

希「凛ちゃんには残りの全部あげるでー♪」

これで全部のキャラメルを渡した―――はずだったんやけど

ポケットの中に、にらめっこのお相手が残っとった。

17: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:37:09.54 ID:JmlEzzyu.net

面白い
18: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:39:39.47 ID:TulCVgzr.net

凛「それにしても今日の海未ちゃん意地悪な姑みたいだにゃぁ・・・」

海未「凛・・・!!それはどういう意味ですか」ニコッ

凛「海未ちゃんごめんなさ~い!!」

なんだか、こんなに騒がしいテーブルは久しぶりやん

ウチの正面には凛ちゃんが、隣には海未ちゃんが―――

手の中を開くと一粒のキャラメル。大好きだったはずのキャラメル。

不思議だった。何故かキャラメルの包みを開いて口へと運んでいた。

19: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:41:39.81 ID:TulCVgzr.net

甘い味が口に広がる・・・だけど

(キャラメル、やっぱり変な味)

なんだかしょっぱい―――

わたしは泣いていた。

あの時と同じ、涙が混じった甘くてしょっぱいキャラメル―――

だけど、一人ぼっちの味はしない―――

20: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:42:21.09 ID:TulCVgzr.net

わたしはキャラメルが苦手。

別にあの甘さが嫌いとか、食感が苦手とか、歯の詰め物が取れるからとかじゃない。

キャラメルは一人ぼっちの味がするから―――だけど今は―――

幸せの味がした

21: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:44:06.59 ID:TulCVgzr.net

おしまい
なんで希ってキャラメル嫌いなんだろう、からの妄想。

あと、μ`sの皆さんRの法則お疲れ様でした!

22: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:53:49.63 ID:YoHWlXJS.net

よかった乙
23: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:54:48.96 ID:t4A68hK5.net

いいお話
25: 名無しで叶える物語(うめぼし)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:56:43.31 ID:HeqeSh1X.net

いいね乙
24: 名無しで叶える物語(もみじ饅頭)@\(^o^)/ 2015/02/17(火) 01:56:26.29 ID:a/2Ig+oY.net


寝る前にいい話をありがとう