【ラブライブ!】そして最後のページには
- 2020.03.29
- SS

絵里ちゃん、希ちゃん、にこちゃんの3人が卒業して、私はなんとなく気の抜けた春休みを過ごしていました。
こういうの、燃え尽き症候群って言うのかな。廃校を阻止して、ラブライブ!で優勝して。本当なら4月の新入生歓迎会の準備もあるのに━━
そんな時、花陽ちゃんからメールが来たんだ。
『新入生が来る前に、部室の整理をしたいんだけど、手伝ってくれないかな…?』
花陽「突然ごめんね?穂乃果ちゃん忙しいかなと思ったんだけど」
穂乃果「ううん、大丈夫だよ!忙しいっていうか、ボケーっと過ごしてたから忙しくなかったっていうか…えへへ。他のみんなは忙しかったの?」
花陽「うん。真姫ちゃんは勉強したいらしくて、海未ちゃんは日舞のほうがあるって。ことりちゃんも、服飾のお勉強で海外一人旅だとか…。でもね、凛ちゃんが後で来てくれるから、今日は3人だよ」
穂乃果「みんな充実してるなぁー。私なんて家の手伝いと宿題ばっかりだもーん。たまに雪穂と買い物行くけど、だいたい雪穂に振り回されてさ…」
花陽「なんか、穂乃果ちゃんらしいね。ふふっ」
そんな会話をしながら、私たちは部室の整理を始めたのでした。
凛ちゃんも来てくれて、話に花を咲かせながら、というか話をするのがメインになってたかな?なんて、久しぶりに二人に会えて、単純に嬉しくて。
穂乃果「ねぇ、二人ともさ!これ終わったら、ごはんでも行かない?」
花陽「えっ、いいの?」
穂乃果「うん、久しぶりに二人に会えたし、たまにはいいかなって!凛ちゃんはどうする?」
凛「もちろん行きたい!」
穂乃果「よし、じゃあ決まりだね!よーし、急いで終わらせるぞー!」
りんぱな「おー!」
花陽「あ、本当だ……これ、私が預かっておくね。にこちゃんとはちょくちょく会うから」
凛「分かったにゃ!お願いしまーす!」
穂乃果(あれ、なんだろ、このノート……とりあえず、中身見るのもなんだし、この辺りにしまっておこうかな……)
1時間後
花陽「あー、ようやく終わったぁ……二人ともありがとう!」
凛「どういたしましてにゃー」
穂乃果「んー、綺麗になると気持ちいいねぇ!お昼も美味しく食べられそうだよ!」
凛「もう、ごはんのことばっかり考えてたら、穂乃果ちゃん太っちゃうよ?」
穂乃果「そ、そんなこと言わないでよ!……そうだ!この間お母さんと見つけた、美味しいレストランがあるんだけど、あそこのハンバーグがおいしくてさぁ…そこにしない?」
花陽「ご、ご飯は付いてるよね…?」
穂乃果「な・ん・と、おかわり自由!」
花陽「おおおお、それはぜひ行ってみたいです、行くしかない!!」
凛(変わらないなぁ、二人とも……まぁ、そこがいいところなんだけど。ふふっ)
凛「なんかね、凛」
穂乃果「ん?どうしたの?」
凛「最近ね、ラブライブ!が終わってから、μ’sの活動もなくなっちゃってどうしたらいいんだろうって、ふと考えるんだよね」
花陽「んー。なんか、凛ちゃんらしくないよ?」
凛「え、そうかにゃ?でもでも、いまから新しく部活入るのもなぁって感じだしー、もしかしたら『入部?ミトメラレナイワァ』なんて言われちゃうかもだしー」
穂乃果「ふふふ……そんな凛ちゃんには、ぜひ生徒会のお仕g」
凛「穂乃果ちゃん絶対それ言うと思った!凛、やっぱり体動かしたいよ!」
穂乃果「むー……(ジト目)」
凛「とりあえず行ってみようかにゃー……かよちんも行く?」
花陽「わ、私はアイドル研究会があるし…新入生を歓迎する側だから……」
凛「そっかぁ。じゃあ、陸上部の友達にちょっと連絡してみよーっと!」
穂乃果「ねぇねぇ、2人とも。私、ファーストライブを講堂でやる前に、神田明神で海未ちゃんとことりちゃんとお参りしたんだ。これから新年度ってことで、それぞれやることもあるだろうし、お参りしない?」
凛「いいね!やるにゃやるにゃ!」
花陽「ぜひ!」
穂乃果(生徒会の仕事がうまく行きますように。あ、あとそれから、これからももっともーーっと、音ノ木坂に行きたいって思ってくれる人が増えますように!)
花陽(アイドル研究会に、たくさんの新入生が入ってくれますように!)
凛(これからも、いろんな楽しいことが凛と、周りのみんなに訪れますように!あと、いっぱい体動かしたいにゃ!)
穂乃果「ふぅー、それぞれ終わったね。いやー、今日は楽しかったよ。なんかこの後の生徒会の仕事もやる気出てきたよ!ありがとう!」
花陽「いえいえ、こちらこそ片付け手伝ってもらって。穂乃果ちゃん、凛ちゃん、ありがとう!」
凛「どういたしましてにゃ!凛、宿題全然やってないんだけど、かよちんこの後一緒にやらない?」
花陽「う、うん!いいよ、やろう!」
穂乃果(あ、穂乃果もやってない……帰ったらやろう…(泣))
りんぱな「ばいばーい!」
私は帰り道で、あのノートのことを思い出していました。活動日誌?にしては表紙には何も書いてなかったし、でも妙に使い込まれたような感じがしていたので、気になっていたんです。
雪穂「…………ちゃーん、ねぇ、おねーちゃーん?」
穂乃果「わ、ゆ、雪穂。どうしたの?」
雪穂「いや、おねえちゃんこそどうしたの?考えごと?」
穂乃果「あ、いや……今日花陽ちゃんに頼まれて、部室のお片づけしにいったんだけど、その時、見たことないノートを見つけて……あれ、何だったんだろうなぁって」
雪穂「ふーん、3年生の誰かの忘れ物…とか?」
穂乃果「中身見てないから分かんないんだよねぇ。うー、見ておけばよかった……」
雪穂「いやでも、プライベートなこと書いてあったりするかもしれないし、見なくて正解じゃない?あ、そうそう。晩ごはん、用意できたって」
穂乃果「お、もうそんな時間かぁ。おっけー、今行くね」
それからは結局、あのノートのことは何もわからずじまいでした。そして、4月を迎えたのです。
親鳥「……この音ノ木坂学院は、古き良き伝統と若さ溢れる生徒たちによって、これからもより一層輝いていくことでしょう。新入生の皆様の活躍を、心よりお祈り申し上げます」
司会「南理事長、ありがとうございました。━━閉式の辞」
偉い人「これにて、第○○回国立音ノ木坂学院の入学式を終了いたします」
司会「それではこれより……」
穂乃果(こんなにたくさんの新入生が来てくれたなんて、やっぱり嬉しいなぁ……頑張らなくちゃ!)
ことり「新入生、いっぱい入ってきたねぇ」
海未「これも穂乃果が『スクールアイドルをやろう』と言ってくれなければ実現しませんでしたもんね」
穂乃果「いやいや~、なんか照れるよ…えへへ。なんか、理事長もちょっと嬉しそうな感じで挨拶してたよね」
ことり「確かに!お母さん、この間『μ’sのみんなには本当に感謝してるわ。ことりも、よく頑張ったね』って言ってくれて。私、ちょっと泣いちゃって」
穂乃果「うちのお母さんもさ、『まさか雪穂が音ノ木坂に行ってくれるなんて思わなかった。穂乃果のおかげね』なんて言ってて。やってきたことが報われたなぁっていうか」
海未「二人とも、さっきから手が動いていません」
ことほの「あ、はい……」
コンコン ガチャ
花陽「失礼しまーす…」
穂乃果「あ、花陽ちゃん!」
花陽「穂乃果ちゃん!海未ちゃんもことりちゃんも、お久しぶりですっ」
ことり「お久しぶり♪今日はどうしたの?」
花陽「あ、新入生歓迎会についてなんだけど、それが終わってから講堂を使いたくて……」
海未(思えば、ちょうど1年前の今頃、私達もここで絵里と希に同じお願いをしたんでしたね……みんな、元気にしているでしょうか……)
穂乃果「……じゃあ、アイドル研究会は16時から20分間ってことだね。わかったよ!頑張ってね、花陽ちゃん!」
花陽「あ、ありがとう穂乃果ちゃん!それでは失礼しましたっ」
海未「花陽も部長らしくなってきましたね」
穂乃果「私たちも頑張らないとね~。よーし、仕事終わらせるぞー!」
真姫「ちょっと花陽、なんで私がここに呼び出されたわけ?」
花陽「ごめんね真姫ちゃん、今度の新入生歓迎会の後のライブで音響やってくれる人探してて……」
真姫「なるほどね。まぁ、別にいいわよ。放送部の友達にも頼んでみるわ」
花陽「ありがとう、真姫ちゃん!」
ガチャ
凛「かーよちん、一緒に帰るにゃー……って、真姫ちゃんなんでここに?」
真姫「ああ、ちょっと花陽にお願いされてね。もう話は終わってるわよ」
凛「そうだったんだ!かよちん帰るにゃ帰るにゃー」
花陽「うん、も、もうちょっとだけ待ってて!」
真姫「じゃあ、私はこれで。連絡付いたら、花陽にも伝えるわ」
花陽「わかった。それじゃあね、真姫ちゃん」
凛「真姫ちゃんバイバイにゃ!」
真姫「じゃあ、また明日(……あのライブから1年か。なんだか懐かしいわね……音楽室でも寄っていこうかしら)」
花陽「……それでは、次で最後の曲です。ちょうど1年前、今の生徒会長、高坂穂乃果さんがスクールアイドルユニットμ’sを作って、最初にライブをやった時の曲……聞いてください。『START:DASH!!』」
テレレン テテン テレレン テテンテーン テレレレレテンテテテーン
ダダダダダアイセーー………
真姫(我ながらやっぱりこのイントロ最高だわ……お客さんも結構来てくれてるし、アイドル研究会もなかなかやるじゃない……ん、あれって……あそこにいるの、にこちゃん!?)
ライブ後
真姫「ち、ちょっとにこちゃん!」
にこ「あら、真姫じゃない。久しぶり」
真姫「あ、えーと、久しぶり……って、なんでライブ来てるのよ、びっくりしたでしょ」
にこ「後輩たちが頑張ってるか、様子を見に来たのよ。新入生、いっぱい見に来ててよかったじゃない(忘れ物取りに来たついでだなんて真姫だけには絶対言えない……)」
真姫「そ、そう……せっかくだし、花陽たちにも会ってきたら?元部長さん」
にこ「言われなくてもそうするつもりよ。真姫も、部室行く?」
真姫「ゔぇ、私?……まぁ特に予定も無いし、いいわ(久しぶりににこちゃんに会えて嬉しいからついていこうだなんてにこちゃんには絶対言えないわね……)」
にこ「……真姫、なんか顔赤いけど大丈夫?」ジト目
真姫「あ、いや、別に平気よ。ほら、行きましょう」
にこ「えぇ、ちょくちょくね。希は親御さんが住んでるところの大学に行っちゃったからあんまり会えないと思うけど、絵里は都内の大学だから、たまに会うわよ」
真姫「って言っても、希のご両親って今は千葉に住んでるんじゃなかった?」
にこ「4月から兵庫に転勤なんだって。多分次に希と会ったら、本物の関西弁になってるわよ……」
真姫「そうなんだ……なんだか淋しいわね」
ガチャ
にこ「花陽ー!ライブお疲れさま、良かったじゃない!」
にこ「えっ、あ、そのー、たまたま今日がライブだったからってだけよ!」
真姫「にこちゃんさっきそんなこと言ってなかったわよね」
にこ「うぐっ……に、にっこにっこにー♪」冷や汗
真姫「かわいそうな人」
にこ「何よ!」
花陽「ふふっ、にこちゃん変わってないね。はい、これ」
にこ「あ、ありがと……どこに行ったか分からなくなってたんだけど、部室にあったのね……良かったわ」
花陽「そういえばにこちゃん、芸能系の専門学校行ったんだよね。どんなことやってるの?」
にこ「そうね……にこは根っからのアイドルだから知ってることも多いんだけどぉー、立ち振る舞いとかぁー、ダンスレッスンとかぁー、まぁ色々って感じでぇー」
真姫「いい加減そのぶりっ子やめたら?」
にこ「うるさいわね。こういう性格なんだから仕方ないでしょ……って、変な話ばっかりしてたらもうタイムセールの時間じゃない!花陽、今度来た時は差し入れ持ってくるわ!じゃあね!」タッタッタッタ
花陽「あ、うん!今日はありがとう!」
真姫(はぁ……あの子、変わってなさすぎて逆に尊敬するわ……あれ?こんな分厚いノート、部室では見たことないわね)
真姫「ねぇ花陽これ……って、花陽までいなくなってるし……もう、イミワカンナイ!」
穂乃果「え、にこちゃん学校に来てたの!?」
花陽「うん、忘れ物とりに来たついでにライブまで見てくれてたらしくて。にこちゃん、全然変わってなかったよ。タイムセールで帰っちゃったけど…」
穂乃果「穂乃果もにこちゃんに会いたかったよーーー、うぅぅ」
花陽「まぁでも前と住んでる場所一緒だと思うし、いつでも会えるんじゃないかな?」
穂乃果「まぁそっか、それもそうだね。━━あ、思い出した!」
海未「どうしたんです、突然」
穂乃果「部室だよ、部室!春休みに部室の整理した時に、なんか見たことないノートがあったんだよね…」
花陽「エ、ソンナノートアッタノォ?」
穂乃果「あ、花陽ちゃんに言うの忘れてた…そうなの、その時は見るのためらっちゃって中身は見てないんだけど、棚にしまってあるから、探せば見つかると思う」
ことり「それって活動日誌とかじゃないの?」
穂乃果「それにしては分厚かったというか……それで、妙に使い込まれてたというか、……とにかく怪しかったんだよねぇ」
花陽「んー、それも誰かの忘れ物かなぁ。ちょっと見てくるね」
穂乃果「うん、それじゃあね。あ、ライブお疲れさま!」
花陽「ありがとう!じゃあね!」
真姫「もう、どこ行ってたのよ」
花陽「あ、ごめん……穂乃果ちゃんたちに、にこちゃんが来たこと言いに行こうと思って……」
真姫「なるほどね。でも私を一人にして行かれても困るわよ……鍵だって持ってないんだし」
花陽「気をつけまs……って、その手に持ってるノートって」
真姫「ああ、これ?そこの棚にしまってあったんだけど、こんなノート見たことないと思って花陽に聞こうと思ったんだけど」
花陽「これ、穂乃果ちゃんが言ってた怪しいノートなんじゃ……」
真姫「ナニソレ、イミワカンナイ」
花陽「とにかく、私も知らないノートだから、誰かの忘れ物なんじゃないかって話で……」カラン
真姫「ん、なにこれ……DVD?」
15分後
ガチャ
凛「かーよちん!…………かよちん?真姫ちゃん?」
花陽「た、たたた、大変ですぅ!!!」
「カードでもそやって出とるし、気付かんかったらわしわしMAXやで!」
「ねぇ、なんだか関西弁きつくなってない?」
「ん、まぁウチ今兵庫におるし、周りの子と喋っとったらホンマの関西弁になってしまうよ」
「そ、そう……でも、元気そうで良かった。GWはこっちに来るのよね?」
「もっちろん!みんなに会いとうてかなわんし!」
「待ってるわ。それじゃあまたね、希」
「うん、ほなね、えりち!」
穂乃果「今日も疲れたなー、歓迎会があったからかな、なーんて」
海未「穂乃果は『今日も疲れたなー』が最近口癖ですけど、体力落ちたんじゃないですか?」
穂乃果「え、そうかなぁ……まぁでも運動とかしてないしなぁ……」
ことり「勉強もあるし、頭も使うから仕方ないんじゃないかな?」
「……eんですうううう!!!」
ことり「ん?」
花陽「た、大変です……」ゼーハー
海未「どうしたんですか、卒業式の時と同じような流れになってますが」
花陽「と、とにかく部室に来てください!」
3人「え?」
にこ「妹たちを置いて『いいから早く来て』なんていい度胸してるわね」
真姫「でも仕方ないじゃない!緊急事態よ、これは」
にこまき「あーでもないこーでもない」
花陽「お、落ち着いてください!」
穂乃果「花陽ちゃんこそ落ち着いてよ!どうしたの、急に呼び出して」
花陽「さっき話してたノートなんですけど……と、とりあえずこのDVDを見てほしいんです」
ファーストライブの映像。
みんなで部のPRをしようとした時に撮ったもの。
μ’sが9人になってから、秋葉原で路上ライブした時のもの(いつ撮ってたんだろう……)。
ラブライブ!地区大会のとき、ネット上で配信されたUTX屋上でのライブや、ラブライブ!決勝のアンコールも。
私たちは一度見ただけで、卒業していった3人が作ったものだとわかりました。
そして、気付いたら泣いていた━━私たちは、あまりに輝けていたんだと思って、色んなことがあったなと思って、μ’sをやれてよかったなと思って胸がいっぱいでした。でも━━
にこ「私、こんなの初めて見たわよ」
真姫「じゃあ、希と絵里が作ったってことかしら」
ことり「そういえば、ノートの中身は……?」
ノートには、絵里ちゃんと希ちゃんが作ったのであろう、フォトアルバムのようなものと、たくさんの装飾と、私たちへの感謝の言葉が書いてありました。
そして、めったに会えなくなるからと、μ’sでの思い出をこうして綴ったノートを作ったんだと思います。
絵里ちゃんも、希ちゃんが兵庫に行くのを聞いていて、ノートづくりのお手伝いをしたのでしょう。
絵里ちゃん自身も、廃校を阻止したいと心から思っていたから、μ’sでの活動はかけがえのないものだったのかもしれません。だからこうやって、ノートいっぱいに、みんなへの気持ちを……
穂乃果「絵里ちゃん……希ちゃん……」
お礼を言うのは、こっちの方なんだよ。最初は対立してたけど、2人がμ’sに入ってくれて、本当に廃校を阻止できて、そして9人でラブライブ!に出て、優勝できて。お礼を言うのは、私の役目なのに……
なんだか、あの海岸からの帰り道、みんなで抱き合って、顔をぐしゃぐしゃにして泣いたあの時を思い出してしまって。私はこれ以上何も言えませんでした。
にこちゃんは部長だったから、そして絵里ちゃんが、にこちゃんは東京に残るっていうことを知っていたから、あえてノートづくりの仲間に入れなかったのかもしれません。
こんな形でサプライズをして、にこちゃんを含めた私達全員に「ありがとう」と言いたかったのだと思います。
『ラブライブ!が終わったら、μ’sはおしまいにします!』
その言葉が、頭の中でずっと流れたまんま、その日は家に帰ったのでした。
そして、迎えたゴールデンウィーク。
絵里(希ったら……約束の時間過ぎてるじゃない)
希「あー、えりちおった。ごめんごめん、待たせてしもたね」
絵里「もう、10分遅刻よ」
希「さすが、元生徒会長は時間に厳しいなぁ」
絵里「ふふっ、冗談よ。さ、行きましょ」
3日前、絵里ちゃんからみんなに「5/5 13:00に音ノ木坂学院前集合!」とLINEが来て、私たちは言われるがままに集まったのです。
音ノ木坂学院前
ことり「絵里ちゃん遅いね……」
凛「元生徒会長が遅刻なんてしちゃだめだにゃ」
海未「あ、来ましたよ……って希!?」
穂乃果「ぅぅぅぅ絵里ちゃん!の、のの、希ちゃん!」
絵里「ごめんね、待たせちゃって。今日は希が遊びに来てくれたから、みんなにも集まってもらおうと思ったのよ」
にこ「2人とも、あの憎たらしいノートとDVDの演出はなんなのよ!またボロボロ泣いちゃったじゃない!」
希「んー?そんなノートあったっけ?」微笑
絵里「無事に見てくれたようね。中身のとおり、みんなにありがとうって言いたかっただけよ」
真姫「直接言えばいいのに……メンドウナヒトタチ」
希「サプライズした方がおもろいやん?それよりもやな、今日はやりたいことがあってん。中入ろ?」
絵里「そうね、私達が持っていくものでもないし、ね?」
希「せやね。んー、久しぶりの部室、懐かしいなぁ」
それから私たちは、久しぶりに集まったμ’sのメンバーで、しばらく話をしていました。
穂乃果「そういえば、希ちゃんが言ってたやりたいことって……?」
希「あ、忘れとったわ。ノート貸してくれへん?」
そう言うと、希ちゃんと絵里ちゃんはおもむろにペンを取り出して━━
希「はい、これでほんとに完成!」
表紙に小さく「ありがとう」……私はこのノートの中身を初めて見た時のことを思い出しました。
穂乃果「そうだ、このノートを見た時、思ったんだった。ありがとうって言わなきゃいけないのは、私のほうだって。だから私も」
ことり「じゃあ、ことりも!」
海未「もちろん、私もです」
花陽「わ、私も」
凛「凛も書くにゃー」
真姫「私も。ありがとう……っと」
にこ「にこからも、アイドル研究会部長として、お礼を言わせて。ありがとね、みんな」
これで、本当にμ’sはおしまい。でも、離れていても心は一つ!なんて、くさいセリフかな。でもでも、本当にそんな感じ。
私たちはそれぞれがそれぞれやるべきこと、やりたいことに向かって、また全力で駆け出していこうと、そう誓い合って━━
今はそれさえ笑い話 ずいぶん強くなったみたい
いろんなことがあったね 怒ったり泣いたり忙しく
真っ白なノートブックへと 思い出が増えてゆく
表紙に小さくありがとうって書きたいな
いつかね…いつかね!
Days are shining…
Days are shining こんなふうにがんばれば
Days are shining ぴっかりと!
おしまい
そしぺ関連のSSはいいなあ
おつ
ちょい短かったけど雰囲気好きだわ
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