【ラブライブ！】絵里「肝試し」

絵里「悪いわね、海未、呼び出して」

海未「どうしたのですか、こんな夜遅くに…」

絵里「夜遅くっていってもまだ9時前よ」

絵里「そういえば海未のご両親って結構厳しんだっけ」

海未「今日は二人とも留守でしたから大丈夫ですよ」

絵里「そう、実はね、今から私と肝試しに付き合ってくれない？」

絵里「ええ、今日帰りに希に『エリチは相変わらず暗いところだめやね』ってからかわれて…」

海未「少しでも克服したいということでしょうか」

絵里「そうよ、そこで頼りになってみんなに内緒にしてくれそうな海未を選んだの」

海未「まあ、誰かにしゃべったりはしませんけど」

絵里「海未も肝試しは苦手？」

海未「いえ、そもそもあまり信じていませんので」

絵里「そ、そう」

絵里（思ったより心強いわ）

絵里「そうじゃなかったらこんなとこに呼んでないわよ」

海未「こういうのって勝手にはいるとセキュリティの問題とか…」

絵里「私は生徒会長よ？」

海未「そこらへん抜かりないってことですね」

絵里「優等生の海未にはやっぱり夜の学校に侵入だなんて荷が重すぎたかしら？」

海未「なっ！そんなことありません！」

絵里（よしっ！）

海未「うわー、やっぱり暗いと雰囲気ありますね」

海未「とりあえずどこに行きましょうか」

海未「やっぱり定番としては理科準備室とか音楽室でしょうか」

海未「…」

海未「絵里、そろそろしゃべったらどうです？」

絵里「…ねぇ、誰もいない？」

海未「誰かいるって言った方がいいですか？」

絵里「お家帰る！」

海未「ダメです」

海未「今更真顔で何言ってるんですか、誘ったのは絵里ですよ」

絵里「帰らないなら不法侵入で停学にするわよ」

海未「あなたもですよ…」

絵里「はっ！？」

海未「さっさと行きますよ」

絵里「ああ！一人にしないで！」

海未「離すも何も絵里が私の手首を一方的に掴んでいるだけですよ」

絵里「そんな怖いこと言わないで」

海未「今の台詞のどこが怖いっていうんですか…」

海未「あ、つきましたよ、理科準備室」

絵里「す、スルー！」

海未「しません」ｶﾞﾗｯ

絵里「海未、ははは早く出ましょう」

海未「絵里、取り敢えず目を開けてください」

絵里「ダメよ！絶対に失神する自信があるわ！」

海未「何も克服できませんよ？」

絵里「…分かったわ、でも懐中電灯で怖いところ照らさないでよ」

海未「分かりました」

絵里 ﾁﾗｯ

ｶﾞﾀﾀｯ

絵里「ｷｬｱｧｧｱｱｱｱ」

海未「すいません、机の上のファイルを落としてしまいました」

絵里「ｲﾔｧｱｱｱｱｧｧｱｱｱｱｱ」

絵里「うぅ…、海未はイジワルよ…」

海未「わ、わざとじゃありません！懐中電灯を下げようとしたらたまたまファイルに」

絵里「言い訳はいいわよ」ｷﾞｭｯ

海未（なんだか一方的に恋人同士の腕組みたいになってます…）

絵里「海未…」

海未「どうしました？」

絵里「トイレ」

海未「…」

海未「ななな何を言ってるんですか！破廉恥です！」

絵里「…じゃあ怖いから開けっ放しにしとく…」

海未「生徒会長が学校で何をしてるんですか」

絵里「トイレよ…」

海未「でも、トイレと言えば怪談の定番ですよね」

海未「花子さんとか」

絵里「やめて！昔ポン●ッキーズでアニメみてトラウマなの！」

海未「ああ…」

絵里「まだ行くの…」

海未「そりゃ、肝試しですから」

絵里「次で最後にしましょう！ね！お願い！」

海未「分かりました」

絵里「もう絶対にこんなことやらないわ」

海未「ええ、そうしたほうがいいかと」

絵里「嫌よ！腰が抜けちゃうじゃない！」

海未「どんだけビビりなんですか」

絵里「出来ないものは出来ないのよ」

海未「そんなに自信もって言わないでください」

絵里「一緒に入りましょう？」

海未「しょうがないですね」

ｼｰﾝ

海未「特に変わったところはありませんね」

絵里「ええ、でも絶対に肖像画は照らさないでね」

海未「どうしてですか」

絵里「照らしたら笑うかもしれないじゃない」

海未「へー」ﾁﾗｯ

絵里「ｲﾔｧｧｱｱｱｱｱｱｧｱｱｱ」

海未（面白い…）

海未「さっきまで私の斜め後ろにいたのに終わった途端先頭に…」

絵里「一刻も早くこんな所とはおさらばよ」

海未「私たちの学校なんですけど」

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ

絵里「ひっ！…ってびっくりした、ごめんなさい電話だわ」

海未「どうぞ、出てください」

絵里「はい、絢瀬です」

海未『あ、園田です。遅くにすいません、明日の練習のことで確認が…』

絵里「え」

絵里「えーっと、海未…よね？」

海未『はい、どうしたのですか』

絵里「い、今私の後ろにいるのは…」

海未？「あーあ、ばれちゃいましたか」

海未？「もうちょっとだったんですけどね」

絵里「う、海未？」ｸﾙﾘ

絵里「！」

ﾊﾞﾀﾝｯ

海未『絵里？どうしましたー？』

おしまい