【ラブライブ!】海未「ラーメンがすすれません……」
- 2020.04.02
- SS

海未「……ぶほっ!」
海未(不思議です)
海未(凛や希と食事に行くたびに、不思議に思うんです……)
海未(なぜラーメンをすすれるのでしょうか?)
海未(私がすすろうとすると、途中で勢いが足りないのか、むせてしまいます……)
海未(しかも必ずヤケドするんですよね…………)
海未(私と凛たち、何が違うんでしょうか…………不思議です)
海未「…………」
海未(凛が部室でカップめんを食べています。とても上手にすすってますね)
海未(観察してみましょうか。凛を見ていれば何かわかるかもしれません)
海未「…………」
凛「……ごちそうさまニャ!」
海未「え…………」
海未「凛はラーメンを食べるのが早いのですね」
凛「そうかな?普通だと思うよ」
海未(観察しようと思ったら、すでに食べ終えてました……)
俺は評価する
凛「海未ちゃんからラーメンのお誘いなんて!」
凛「えへへ、凛嬉しいニャ!毎日でも誘ってほしい!」
海未(あのあと、何度かカップめんを食べているのを見る機会がありました)
海未(しかしカップめんだと、凛はあっという間に食べてしまうんです)
海未(そこで、近場のラーメン屋に連れて行くことにしました)
海未(これでなんとか凛の、麺をすする光景を観察できそうです)
海未「………………」ジー
海未(さて、食べ始めましたね……まずは……)
海未(んん?結構な量を、ぐわしと掴んでいますね)
海未(あの量を凛の小さな口に入れるというんですか……)
凛「……ふー……」チュルチュル
海未(!…………なんということでしょう。麺が吸い込まれていきます!)
海未「………………」ジー
凛「…………」チラッ
凛(しかも真剣な顔で!)
凛(な、なんなんだろ…………)
凛「あ、あの海未ちゃん?」
海未「なんでしょうか」
凛「早く食べないと伸びちゃうよ?」
海未「……そうですね」
凛(とりあえず、顔を丼の方へ向かせることに成功したニャ……)
凛「…………ふーふー……」チュルチュル
海未(このふーふーして冷ます動作)
海未(これも重要なんでしょう。凛はヤケドしませんし)
海未(しかし、これなら私もしてるのですが……)
凛「…………」チュルチュルチュル
海未「………………」ジー
海未(そして怒涛の勢いのすすり!潔いです!)
海未(どうしてなんでしょうか。あんなにも上手くすすれるのは)
凛「…………」チラッ
凛(なんで凛のこと見てくるの!?)
海未「………………」ジー
凛「う、海未ちゃん……なんかずっと見てきてないかニャ?」
海未「そ、そんなことありません……」
凛「本当?」
海未「ええ」
凛(ウソにゃ……ずっと見てきてるよ!……まさか―――)
凛(凛のラーメンに何か入れた!?)
海未「!」
海未(見ましたよ!今、底から麺を掬い上げてました!)
海未(なるほど、底の方の熱い麺を外に出すんですね!)
海未(そうすることで、冷ますことができる……ふむ……)
海未「…………」マジマジ
凛(特にないニャ……いたって普通)
凛(そもそも海未ちゃんがそんなことするわけないよね)
凛(うーん……何で海未ちゃんは……)
凛「…………」チラ
海未「…………」ジー
凛「…………ねえ海未ちゃん」
海未「……な、なんでしょうか」
凛「何で凛のこと見てるの!」
海未「見てませんよ!見てないです!」
凛「じゃあなんで目が合うの!」
海未「ついです!うっかりです!偶然にです!」
――――――
海未「…………」チュル…
海未「……ぶほっ……ごほっ」
海未(あれから何度か凛をラーメンに誘い、見ていましたが―――)
海未(結局未だにすする方法がわかりません…………)
海未(調べてみたところ、すするには吸う力も重要なようです)
海未(ストローでその強さが試せる。ということなので…………)
海未(凛に、この紙パックのジュースを飲んでもらいましょう)
海未「はい、ぜひ今、まさに今飲んでください」
凛「うーん……今はあんまりノド乾いてないニャ……」
海未「今です。今飲んでほしいです」
凛「う、うん……わかったニャ」
凛「…………」チュー
海未「…………」ジー
海未(ううん……特別変わったところはないように見えますが)
海未(もうちょっと、見てましょう……)
凛(と思ったら、またラーメンの時みたいに見てきたよ!)
凛(なんなの?海未ちゃんなんなの!?)
海未「…………」ジー
凛(まるで品定めするかのような真剣さ!)
凛「…………」チラッ
海未「…………」ウンウン
凛(なんかうなずいてる!)
海未(しかし、結構飲むのに時間がかかってしまいます)
海未(一方凛は飲むのが早いんですね。一気にパックがへこんでますし……)
海未「…………ふぅむ」
凛「………………」チュー…バコッ
凛「ぷは……飲み切っちゃった」
海未「……あ、パックは私が捨てておきます」
海未(麺をすするには、きっとそれが必要なんでしょう)
海未(吸う力は、おそらく口の周りの筋肉によるもの……)
海未(そこで私は調べました。顔の筋肉なら、笑顔を意識すればよい)
海未(ということらしいです。笑顔…………よし)
海未(凛に会うたびに笑顔の練習をしましょう)
海未(我ながら名案ですね)
――――――
海未「凛!」
凛「あ、海未ちゃん!」
海未(ここで笑顔。咀嚼筋や口輪筋を意識して――)
海未「…………」ニコー
凛「海未ちゃん……?」
海未「今日も頑張りましょう!」
凛「う、うん……」
凛「海未ちゃんも体育なんだっけ?」
海未「…………」ニコォ
凛「え、なに…………」
海未「はい、そうなんですよ」
海未「今までは体育館でしたが、今日は外なんです」
凛「へ、へー……」
凛(なんなんだろう……?)
凛(海未ちゃん、最近、ラーメン屋によく誘ってくれるし)
凛(あまーいジュースをくれるけど……)
凛(いっつも凛の顔を見てくるニャ…………)
凛(しかも、真剣な顔で…………)
海未「…………ぶほっ」
海未(笑顔をして顔の筋肉を鍛えてみましたが――)
海未(相も変わらず、すすれるようにはなりません…………)
海未(やっぱり、凛がすすっているところを見て学ぶのが一番の近道)
海未(今度はうちに来てもらって、思う存分食べてもらいましょう)
海未(替え玉し放題ですし……)
海未(よし!そうと決まればさっそく準備です!)
海未「はい!ただお手製と言っても、市販のやつですが」
凛「行くにゃ行くにゃ!」
海未「よかったです。それなら、今日は一緒にそのままうちに行きましょう」
凛「うん!」
海未(やりました!これですすりの極意、見放題です)
海未「………………」ジー
海未(ラーメン屋では冷ましの極意はマスターしましたが……)
海未(肝心なすすりは、今一つです)
海未(そこで、今日こそすすりをマスターさせてもらいます!)
凛「……ふーふー……」チュルチュル
海未(うんうん。このすすりっぷりです)
海未(不思議ですね。あの勢いですすって、なぜむせないんでしょうか)
海未「………………」マジマジ
凛(見られながら食べるのは、正直つらいニャ…………)
海未「………………」ジー
凛「…………」チュルチュル
海未「…………あぁ!」ウンウン
凛「…………あの海未ちゃん、自分の分はいいの?」
海未「私の分ですか?私はいいんです」
海未「好きなだけ食べてください」ニコ
凛「う、うん……」
海未(少ない量で食べようとするより、その方がすすりやすいんでしょうか)
海未(口は―――少しすぼめるんですね)
海未(ふふ、だんだんわかってきましたよ!)
凛「…………」チュルチュル
海未「………………」ジー
凛(海未ちゃん、凛のことずっと見てるけど……)
凛(なんだか笑ってる…………)
凛(凛が食べるところ、そんなに面白いの……?)
凛(それとも…………他に何か笑うようなことあるの?)
海未「あれ?もういいんですか?」
凛「うん。おいしかったニャ!ありがと、海未ちゃん!」
海未「まだはいるでしょう?ほら替え玉行きましょう!」
凛「でも、もうお腹いっぱいだよ……」
海未「遠慮しなくてもいいですよ?」」
海未(まだすすりについて、見るべきものがあるはずです……)
海未(もっと見せてください!あなたのすすりを!)
凛「海未ちゃん……凛、もうおなかポンポンで……」
海未「もう少しだけ!」
凛「え、えぇ…………」
凛(なんで凛…………無理やりラーメン食べさせられてるの……)
凛(しかも、海未ちゃんは…………)
海未「…………ぉぉ…………あぁ!」ウンウン
凛(………………笑みを浮かべながらずっと見てくるニャ)
凛(しかも、なんか変な声あげながら、うなずいてるよ!)
凛(……なんなの?ホントなんなの!?)
海未(麺をすするとき、あまり噛まずに食べるのがコツなんですね!)
海未(私は噛もうとして、中途半端なすすりをしていた)
海未(これが原因ですね。もうほとんどわかりましたよ!!)
海未(それにしても、いつもうちで作ってるラーメンですが)
海未(凛が食べると本当に―――)
海未「……おいしそうです」
海未「あ、いえ…………」
凛「………………?」
凛(凛のほうを見ながら、軽く笑みを浮かべておいしそう……)
凛(それでラーメンじゃないとすると…………)
凛(それって―――まさか凛!?)
凛(なわけない……よね?)
海未(…………いいすすりぷりですね)
海未(見てると、やっぱり食べたくなってきます……)
海未(色々、今日で会得しましたし、今ならすすれる。そんな気がします!)
海未(よし…………)
海未「やっぱりいただくことにします」
海未(今から私は、凛と一緒に豪快に麺をすするんです)
海未(もう、むせこむのとはおさらばです!)
海未「………………ふふ」
海未(できました!なんだか、いつもよりおいしそうです)
海未(すすりを習得したことおかげです。きっとそうです)
海未「では、いただきます!」
海未(いつもはスープから頂いているのですが、今日はすすりたいので――)
海未「まずはこっちから先に…………」
海未「………………」チュル
凛「………………」
凛(他に何食べるの!?)
凛(うーん、よく考えてみないと…………)
凛(最近海未ちゃんはラーメンをごちそうしてくれたり、あまーいジュースをくれたり……)
凛(その時に凛をじっと見てて…………なんだか嬉しそうに……)
凛(はっ!……まさか……)
凛(ラーメンやジュースをくれたのは……?)
凛(もしかして……凛を太らすため……?)
凛(じゃあ凛をずっと見てきたのは…………あっ!どこがおいしいか考えてとか……)
凛(笑ってたのは……太って順調に凛がおいしくなっていってるから……)
凛(そして、こっちからというのは……メインディッシュが他に…………!?)
凛(ま、まさか―――……)
凛「う、海未ちゃん!り、り、凛を食べようとしてる!?」
海未「…………ぶほっ!」
おわり
こういうの大好きだぞ
良いオチだった
うみちゃんはこういうよくわからん事で悩む姿が似合うなあ
俺も凛ちゃんのお腹ポンポンしたい
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