【ラブライブ!】絵里「長い長い夜」
- 2020.04.02
- SS

にこ「それじゃあ明かりけすわね?」
ほののぞりん「はぁーい」
絵里「やけに聞き分けがいいのが怖いわね」
海未「てっきり怪談でも始めるのかと…」
真姫「明日も早いんだから、いくら穂乃果達でもそれくらいわかるわよ」
穂乃果「うんうんっ。わかるわかるよー」
海未「聞き分けがよすぎるのが本当に不安ですが」
ことり「あはは……」
「お休みなさーい」
──── ☆────
絵里「すぅ………すぅ………」
絵里「ん………」
絵里(暑い……クーラー効いてるはずなのに……)モゾモゾ
絵里(ろーそく……?たくさんあるわ……)
ボソボソ
絵里(話声……?誰か…話してる…?)
希「この公園にはトイレはないって」
花陽「ひぇっ……!?」
希「トイレを出よう。そう思ったんだけど、扉があかない」
にこまき「………!」
希「がちゃ、がちゃがちゃがちゃ……」
希「がちゃがちゃがちゃがちゃがちゃがちゃがちゃがちゃがちゃがちゃ」
絵里(!?!?!?)
希「そして……女性が振り返るとっ!」
凛「ごくっ………!」
希「顔のない髪の長い女性がああああっ…!」
ことぱな「ぴぎっ…!?」
にこ「おっと、そこまでよ」バッ
真姫「そうよ。騒ぎすぎたら絵里と海未が起きてしまうわ」バッ
ことぱな「もごもご……」
穂乃果「さすが希ちゃん……」
凛「とってもハラハラしたにゃー…‥」
ことり「怖かったぁ……」
花陽「心臓が止まるかと思った……はぁ……」
希「いやぁごめんな?ことりちゃん達が想像以上にいい反応するから、ウチもつい気合い入って……」
真姫「あれは…そう。私が小学低学年だったかしら?7月の暑い時期だった」
花陽「きゅっ、急に語りださないでよぉ…!」
希「おっ♪」
花陽「な、なに…?希ちゃん」
希「ふふふ……ナイショ♪」
にこ(獲物を見つけた顔ね)
絵里(え、ちょっとやだ…!?)
絵里(聞きたくない聞きたくない……!耳をぎゅっと塞いで…!)ギュ
絵里「」ビクッ
真姫「…………急に椅子が動いたの」
真姫「気のせいだと思った。でも自分の部屋よ?こんな……深夜にどうして物音がするの?」
真姫「………私は体を起こし辺りを見回した」
真姫「するとね。枕元に小さな小人がいたの」
真姫「小人はけらけら笑ってるんだけど、絵本で見る妖精とかそういうのじゃないの」
真姫「思わず私は悲鳴を上げた。………ほどなくしてパパとママがやってきたの」
真姫「パパとママに小人の事を話したのだけど信じてくれなかったわ。まぁそうよね。信じれるはずないじゃない」
真姫「その日はパパと一緒に寝たんだけど、しばらくはひとりで寝れなかったわね」
真姫「………今でも、夜になるとたまにあの笑い声が聞こえてくる時があるわ」
真姫「魅入られたのかしら…?なんて」
真姫「これで私のお話はおしまい。……どうかしら?」
絵里(やだやだやだやだぁ…!もうやだぁ……!)ウルウル
ことぱな「」
凛「あれ……?ふたりとも気を失ってるにゃっ!?」
希「さすが真姫ちゃん…!」
穂乃果「ほえー……真姫ちゃんもこの体験したんだね」
一同「!?」
にこ「えっ、ちょ、穂乃果それどういう意味よ?」
穂乃果「え?穂乃果も同じ体験したんだ。多分ことりちゃんも海未ちゃんも知ってると思うけど…」
穂乃果「穂乃果の時は修学旅行の時でね。ことりちゃんと──── 」
絵里(やあああああっ!?やめて~~~~っ!)ガタガタ
凛「ふぁ~………」
希「ふふ、おねむ?」
凛「うん……ちょこっと眠たくなってきたにゃ…」
穂乃果「そろそろいい時間だし終わる?」
にこ「そ、そうねっ」
真姫「なんだかんだで結構話してしまったわね。明日に響かなきゃいいんだけど」
絵里(無理……絶対無理……明日…いいえ、今後の人生に響きまくりよ……)
穂乃果「あ、穂乃果も行くー」
にこ「ちょ、ちょっと待ちなさいよーっ」
真姫「希は行かなくていいの?」
希「うん。ウチは平気。真姫ちゃんこそいいん?」
真姫「私も平気よ」
希「じゃあ、ロウソクだけでも片づけておこうか。朝海未ちゃんにばれると怖いし」
真姫「それが一番の恐怖体験かもしれないわね」
希「お、言うようになったなぁ」
真姫「誰かさんの影響よ。きっと」
希「すぅ………すぅ……」
穂乃果「くかー……」
凛「らぁ……めん……くすっ……」
絵里(眠れないわ)
絵里(さっきから怪談を思い出して眠れないわよ)
希「すぅ……すぅ…」スヤスヤ
絵里(なんだか腹立たしいわね。小突いてやろうかしら)
絵里「えいっ」
希「んぐ………すぴー……」
絵里(全然気が晴れないわ……明日起きたらうんといじってやるんだから)
絵里(………………まずいわ)
絵里(でも暗いし………)
絵里「ねぇ……ねぇ希?」ユサユサ
希「すぴー……くかー……」
絵里「ねぇ穂乃果?凛?誰でもいいから起きてよぉ…」ユサユサ
絵里「だめ……もう限界が来そう…」
絵里「ひとりで……行くしかないのね……」
ガチャ
シーン
絵里「ごくっ………」
絵里「だめ……もう限界が来そう…」
絵里「ひとりで……行くしかないのね……」
ガチャ
シーン
絵里「ごくっ………」
絵里「…………」
絵里(暗い…怖い……)
絵里(だ、だめよ……弱気になっちゃ。何もないわ。……なにも)
絵里(そうよ。ここは昼に穂乃果と凛がふざけてた場所じゃない)
絵里(海未が叱ってしょぼくれた穂乃果たちの顔ときたら……)
絵里(はは……だめ……震えが止まらない…)
絵里「な…なんとかここまでこれたわ」
絵里「早く用を済ませて帰りましょう」
希『トイレを出よう。そう思ったんだけど、扉があかない』
絵里「………」
絵里「やだ。なんてこんな時に思い出しちゃうのかしら」
絵里「大丈夫……大丈夫よ……なにも出たりは…」ギィー
絵里「」ビクッ
希『そして……女性が振り返るとっ!』
絵里(やだ………)ガクガク
希『顔のない髪の長い女性がああああっ…!』
絵里(やだ……こんなの……うそよ)
「絵里」
海未「絵里……大丈夫ですか…?」
海未「大丈夫ですか?しっかりしてください絵里」ユサユサ
絵里「私食べても美味しく………って、海未…?」
海未「はい。海未ですが………大丈夫ですか?」
絵里「な、なんだぁ……あなただったの……よかったぁ」ヘナヘナ
海未「絵里!?しっかりしてくださいっ!」ダキッ
海未「まったく、希達には明日説教しないといけませんね」
絵里「ええ、本当お願いよ」
海未「まさか私や絵里が寝静まった後にこっそりとするなんて……」
海未「許せません」
絵里「ええ、本当許せないわ」
海未「羨ましいです。私も混ぜてほしかったです」
絵里「ええ、本当私も……海未?」
海未「はっ、違いますっ!これは冗談ですっ」
絵里「ありがとうね」
海未「いえ、私も偶然起きただけですし……」
海未「ですが不思議なんです」
絵里「不思議?」
海未「普段夜中に目覚めるなんてこと、滅多にありませんし」
海未「偶然起きた時に、絵里が部屋を出るのを見て、なんだか気になったんです」
海未「追いかけなきゃ…って、なぜか考えてしまって」
海未「はい。不思議です」
ガチャ
絵里「おまたせ」
海未「それでは帰りましょうか」
絵里「ええ、エスコートお願いするわね」
海未「はい。期待に沿えるよう頑張ります。しっかり掴まってくださいね」
絵里「ええ……」ギュ
絵里(不思議……来るときは怖くないように必死に色々考えていたりしたのに)
絵里(隣に海未がいる。それだけで怖さが吹っ飛んじゃった)
海未「絵里」
絵里「ん?なにかしら?」
海未「見てください。月が綺麗ですよ」
絵里「あら?もしかして告白?」
海未「ち、違いますっ!」
絵里「こんなに綺麗だと、狼に変身して海未を襲っちゃいそう」
海未「意味が解りませんっ」
海未「………ですが、そうですね。今の絵里でしたら私の方が襲ってしまいそうです」
絵里「なによそれ」クスッ
絵里「なんだかこのまま海未とお喋りもいい気がしてきてわ」
海未「光栄ですが、そうもいきません」
絵里「そうね」
ガチャ
絵里「なんだか皆がいると落ち着くわ」ゴロン
海未「長旅お疲れ様です」ゴロン
絵里「本当そうよ。次の合宿所は大広間とトイレが近い場所を選びましょう」
海未「ふふっ、なんですかそれ」クスクス
絵里「それくらい怖かったんだから」
絵里「ちょっとぉ……笑い過ぎよ海未」
海未「すみま……せ…でも……ふふっ」クスクス
海未「くすくす………」
絵里「ーーーっ」ムスッ
海未「すぅ……すぅ……」
絵里「あら……?寝てる……?でも……」
クスクス
クスクス
絵里「この声……海未じゃない…!?」
絵里「いったい誰の…?」チラッ
小人「くすくす」ケラケラ
絵里「~~~~~~~~っ!?」
「エリちー?大丈夫ー?」ユサユサ
「絵里…?絵里っ!?」ユサユサ
絵里「ん……あれ……私…」
ことり「あっ、絵里ちゃん起きた!」
希「エリち大丈夫!?」
絵里「だいじょうぶ…?いったいなにが…?」
絵里「え……トイレ…?」
希「エリち大丈夫?どこか痛ない?救急車呼ぶ?」
絵里「平気よ……」
絵里(どういうことかしら……私はたしか……)
絵里「その…海未?」
海未「はい?なんでしょう」
絵里「昨夜………いえ、なんでもないわ」
確信を持てなかった
あの夜。私の隣にいた、私に腕を掴まれたまま冗談を言っていたあの海未が
本物の海未だという確信が
でもいいの。もう終わったのだから。あの怖い思いをした長い長い夜は終わったのだから
私の不思議体験はこれでおしまい
違うわ。この話にはまだ続きがあるの
実は終わっていなかった
今でも私の枕元で小さな小人が毎日のようにけらけらと笑っている
私の中でこのお話しはまだ続いている
いつ終わるのかわからない、長い長い悪夢のようなお話しが────
おしまい
最後まで読んでくれた人いたならありがとうございます。
かっこよく絵里ちゃんを救う海未ちゃんを見たいです
ホラーは書き方難しそうよね
今後も楽しみにしてるよ
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