【ラブライブ!】凛「凛は海未ちゃんの味方だよ?」
- 2020.04.03
- SS

基本は凛ちゃん目線です。
セリフ少な目、キャラ崩壊多めです。
凛「どうして・・・教えてくれなかったのかな?」
この疑問にもはや意味はない、答えなどわかりきっていた。
凛が知らなかったかよちんの秘密。それに訳があるとするなら、凛を傷付けないためなのだから。
凛「どうして・・・凛じゃなくてことりちゃんだったのかな?」
激しく燃える炎は、長く燻る炭火を凌駕する勢いを持つ。つまりは、そういうことなのだろう。
かよちんと結ばれるのは、自分だと思っていた。でも、かよちんは凛との長い時間よりも、ことりちゃんと出会ってからの短い時間を選んだんだ。
凛「どうして・・・こんなに・・・」
意味のない自問自答だと、自分でもわかってる。けれど、今夜もやめられなかった。
凛「ことりちゃんなんて、いなければよかったんだ・・・。いや、あの時凛がかよちんの背中を押していなければ・・・」
そう思うたびに、自分への嫌悪感に潰れそうになる。
真っ暗な部屋で天井を見つめたまま、凛は今日もかよちんのことを想っていた。
花陽「いいの!花陽が凛ちゃんと行きたいからこうしてるんだから」
今日も変わらずかよちんの笑顔は眩しいね。凛はこの笑顔に一ヶ月も騙されてきたんだ。
けれど、憎みきれない。これが惚れた弱みってやつだろうか。
花陽「ことりちゃんと、同じくらい凛ちゃんは花陽にとって大切なんです!だからこの時間もとっても大切なものなの」
凛「そっか・・・」
だったらことりちゃんじゃなくて、凛のことを選んでよ。そう言いたくなった。
凛を一番だと言ってくれたかよちんはもういない。全部ことりちゃんのせいだ・・・、そう思ってしまう凛は、やっぱり嫌な子だ。
凛「かよちんにそう言ってもらえると、凛もうれしいにゃー!
花陽「ぴゃぁ!り、凛ちゃん⁉」
無理やりテンションを上げて抱きついてみた。今の表情を見られたくなかったから。かよちんの前では、きれいな凛でいたいもん。
他人のものだとわかっていても、凛が一番じゃないとわかっていても、両腕に伝わるかよちんの柔らかさに胸が高鳴った。
今日も練習が終わった。学校にいるうちは気が楽だ。一人じゃないし、やることもあるから気がまぎれる。
ことり「かよちゃん、行こっか?」
花陽「うん!今日はことりちゃんオススメのクレープ屋さんだよね!
ことり「うん♪すっごく美味しいから、かよちゃんもきっと気にいると思うよ」
けれど、練習が終わると話は別だ。かよちんいわく、朝は凛ちゃんとの時間、夜はことりちゃんとの時間なのだそうだ。
公平なようで、不公平な時間配分。やっぱり凛はかよちんの一番じゃないんだ。
凛「・・・海未ちゃん、どうしたの?」
かよちんを見ていられなくて、横を向くと、海未ちゃんが変な顔をして二人を見ていた。
凛「海未ちゃんの顔、なんだか絵本の閻魔様みたいだにゃ〜」
閻魔様と言っても、やられ役の泣き顔閻魔様だけど。
海未「な、なんですか凛!いきなり人を閻魔とは、失礼ですよ!」
あ、怒り顏の閻魔様になった。
凛「にゃにゃ⁉海未ちゃん怖いにゃ〜」
海未「あ、こらっ!待ちなさい!」
凛を掴もうとした、海未ちゃんから逃げるように屋上を後にした。
いつもなら階段を下りながら思い出すのは、自分以外に向けられたかよちんの笑顔なのに、今日はなぜか閻魔様の泣き顔が脳裏に浮かんだ。
意識して見ていると、笑顔に隠されていた部分がよくわかる。ああ、きっと海未ちゃんも凛と同じなんだ。きっとことりちゃんのことが好きだったんだ。
海未「凛、このあと少し時間ありますか?」
海未ちゃんからのお誘いがあったのは、そんな確信を持った頃のことだった。
その間、海未ちゃんはダンスのこととか、歌詞のこととかを話していたけれど、そんなことはどうでもよかった。
夕暮れ時の公園に人はいなかった。凛が子供の頃はこの時間でも遊んでいた気がするけど、これも少子化の影響なのかな?
凛「それにしても、海未ちゃんが凛を誘うなんて珍しいにゃ〜。何か話でもあるの?」
奥のベンチに腰を掛けながら、わかりきった質問をする。今、凛が海未ちゃんに呼び出されるなんて、話は一つに決まってる。
海未「実は凛に折り入って相談があるのです。きっと、私と凛にしかわからないことについて・・・」
ほらきた。
凛「凛と海未ちゃんにしかわからないこと?」
海未「ええ、凛は花陽のこと、どう思ってるのですか?」
いきなりズバッと聞いてくるんだね。
凛「かよちんのこと?凛はかよちんのこと大好きだにゃ〜」
海未「えと・・・、それは、友情ですか?・・・それとも・・・」
いきなり話の本題を出しておいて、核心を突くのは躊躇うなんて・・・、やっぱり海未ちゃんはヘタれだ。
海未ちゃんは絶対にわかっている。
なら今更隠してもしかたないもんね。ここは潔く言ってしまうに限る。
海未「そうですか。・・・実は私も凛と同じなんです」
凛「えぇぇ⁉海未ちゃんもかよちんのことが好きだったの⁉」
海未「ち、違いますよ!どうしてそうなるんですか!」
ちょっとした意地悪のつもりで言ったのに、海未ちゃんがあまりにもいい反応をするから、凛は少し吹き出しそうになった。
海未「私が好きなのは!その・・・」
凛「ことりちゃん、なんだよね?」
海未「・・・はい」
凛「それで、ことりちゃんが大好きな海未ちゃんが、凛に何の相談?」
海未「り、凛!」
「ことりちゃんが大好き」って言うだけでこんなに動揺するなんて、やっぱりヘタれだ。
海未ちゃんがもっとしっかりしてれば、あの泥棒鳥がかよちんを狙うことも無かっただろうに。
凛「それは凛も思ってたよ」
海未「ふふ、凛に見抜かれるようでは、ほんとに今の私はどうかしてるのですね」
凛「む~!海未ちゃん、それどういう意味?」
海未「すみません、今日は私が凛に時間をもらっているのですから、これではいけませんね」
そういって、少し黙った海未ちゃんは、少し緊張した顔で口を開いた。
海未「じつは・・そのときに相談したのです。あの二人を見るのが、あの二人と一緒にいるのが辛いと。そしたら希が、凛と話してこい・・・と」
海未ちゃんが自分から凛にこんなこと言うなんて少しおかしいと思ってたけど、けしかけたのは希ちゃんだったのか。
きっと凛は私の知らない花陽のいいところをたくさん教えてくれる、そして私を正してくれるのではないか、と」
凛「かよちんへの・・・憎しみ?」
海未「・・・私は花陽が憎いんですよ。ことりと結ばれるのは、私だと思っていました。仮に私以外だとしても、いつも一緒だった穂乃果なら、きっと諦めも付いたと思います。・・・それが蓋を開けてみれば出会って1年にも満たない花陽ですよ。」
海未「私からことりを奪っていった花陽が憎いんです。大切な後輩・・・いいえ、大切な仲間だったはずなのに、花陽が憎くて仕方ないんです。軽蔑してください。あなたには怒る権利がある。でも・・・どうしようもないです。今の私には花陽は・・・」
凛「海未ちゃん・・・」
かよちんのことをこんなに悪く言われているのに、海未ちゃんはきっと凛に怒ってほしいはずなのに、なぜか怒りは湧いてこなかった。
海未ちゃんは涙を流しながら、吐き出すようにそう言った。怒りと悲しみ、自分自身への絶望、いろんなものが混ざり合ったような、まるで閻魔様みたいな顔。
海未「あんな可愛い子を憎むしかできない自分がおぞましい!こんな考えにいたるなんてどうかしてるんです!もう、嫌なんです!あの二人を見ていると、私は私でいられない!」
綺麗なはずの海未ちゃんの顔、でも今はすごく醜くて・・・、なんだか鏡を見ているようだった。
ああ、この人は自分と同じなんだ。そう感じた瞬間、身体は勝手に動いていて、凛は海未ちゃんのことを抱き寄せていた。
かよちんとは違う、華奢で触ったら壊れてしまいそうな、そんな感触と石鹸のような香りに少し戸惑いを感じた。
海未「り、凛・・・?」
凛「そんなに自分を責めちゃダメだにゃ」
海未「凛・・・離して、ください」
密着した海未ちゃんの身体から、震えが伝わってきた。そして、申し訳程度の弱々しい抵抗も。
海未「やめてください・・・こんなこと・・」
凛「海未ちゃんが悪いわけない。こんなに苦しんで、自分を責めて、泣いてる海未ちゃんが悪いはずない!」
海未「うぅ・・・やめてくださいよぉ・・・」
凛「凛だって同じだもん。ことりちゃんが憎いの。最近はかよちんのことすら、少し憎たらしくて・・・。そんな風にしか思えない自分が嫌になるよ。凛も海未ちゃんと同じなの」
海未「凛・・・」
凛「だから凛は、誰がなんと言おうと凛だけは、海未ちゃんのことを悪いなんて言わない。絶対に海未ちゃんを否定したりしない。凛は海未ちゃんの味方だよ?」
もう海未ちゃんは抵抗しなかった。
海未「凛っ!」
さっきまでは拒んでいたはずの両腕は、気付けば凛の後ろに回されていて、痛いほどに締め付けてきた。
凛は海未ちゃんを利用しようとしてる。自分の傷を癒すって、最低な理由で。わかっていても止められなかった。
海未「ごめんなさい・・・凛・・・ごめんなさい」
凛「もう、海未ちゃんは悪くないって・・・何度も言ってるにゃ」
それからしばらく、凛達は抱き合いながら泣いた。それはまるで自分自身を抱きしめ、慰めているようだった。
お互いにかよちんとことりちゃんを貶す言葉を言いながら、その度にお互いを許す言葉を言いながら、そして二人の大好きな所を言い合いながら、凛達は泣いた。
あの日を境に、凛と海未ちゃんは練習が終わるたびに、二人で公園に向かうようになっていた。
幸いな事に、穂乃果ちゃんは絵里ちゃんに、真姫ちゃんはにこちゃんにお熱だったから、凛達は毎日すんなりと二人きりになることができた。
海未「凛・・・」
凛「うん、海未ちゃん・・・」
誰もいない夕暮れの公園、凛と海未ちゃんはいつものように互いを抱きしめる。
だって仕方ないじゃないか、練習が終われば嫌でもラブラブな二人を見せ付けられる。海未ちゃんを助けられるのは凛だけ、凛を助けてくれるのは海未ちゃんだけなんだ。
そんな免罪符を掲げながら、凛達は互いを慰めあった。
海未「ほんと、凛には助けられてばかりですね。・・・いつも、ありがとうございます」
最近は少しずつ傷も癒えてきたのか、海未ちゃんはいつも離れる時に、こう言って微笑みながら凛の頭を撫でてくれる。
その時だけは、なぜかかよちんのことを忘れられて・・・、海未ちゃんと別れた後に残るのは、ちょっとした罪悪感とチクリ刺すような甘い痛みだった。
薄暗い部屋、ベッドに寝転がりながら、気付けばため息をついていた。
頭の中でぐるぐる回ってるのは、かよちん、それから海未ちゃんの顔。
あたまがぐるぐる、もう意味わかんない。夕食の時にお父さんが飲んでたお酒を、ちょびっと舐めたのがいけなかったのかもしれない。
かよちんの声、海未ちゃんの声、かよちんの感触、海未ちゃんの感触、かよちんの優しさ、海未ちゃんの弱さ・・・
もう自分の気持ちがどこを向いているのかわからなかった。
窓の外に目を向けると、まん丸のお月様。
凛「月が・・・きれいですね」
いつだったか、真姫ちゃんに教えてもらった言葉を口にしてみる。
けれど、その言葉をかよちんと海未ちゃんのどちらに向ければいいのだろう?
練習が終わった後、海未ちゃんは凛にそう言った。
凛「そうなんだ、なにか用事?」
海未「ええ、ちょっとした野暮用が」
凛「別に約束してるわけでもないんだから、わざわざ凛に断ることないのに」
海未「そういうわけにはいきません。自意識過剰かもしれませんが、
もしも凛が私を待っていたりしたら申し訳がありませんから」
こういった海未ちゃんの律儀な所は好きだ。
なんだか年下の凛にも対等に接してくれてる気がする。
ま、μ’sは先輩禁止だから当たり前かもだけど。
凛「え?いつもの公園じゃなくて?」
海未「ええ、ゲームセンターでもラーメン屋さんでも、凛の好きな場所で構いません。二人で行きましょう」
凛「それって・・・もしかして、デートのお誘いかにゃ?」
海未「ええ、デートのお誘いです」
そう言ってにっこりと笑った海未ちゃんの顔を直視できなくて、思わず下を向いてしまった。夕日に照らさて見えないだろうけど、多分今の凛の顔はリンゴみたいに真っ赤だと思う。
凛「も、もちろんだよ!」
まるで餌に飛びつく猫のように、自分の顔が真っ赤なことも忘れて、
海未ちゃんの顔を真っ直ぐに見てそう言った。
海未「ふふ、凛は可愛いですね。顔が真っ赤ですよ?」
凛「ーーー‼」
海未ちゃんに見抜かれた瞬間、恥ずかしくて頭が沸騰しそうだった。
なんだよ!ヘタレな海未ちゃんのくせに!こんなこと言ったりして、なんかおかしいよ!
海未「それでは、また明日。・・・約束ですよ?」
そう言って、凛の頭を撫でながら微笑んだ海未ちゃんの顔は、久しぶりに見る「強い」海未ちゃんだった。
そんな海未ちゃんを見たからだろうか、ただたんに魔が差したのだろうか、
いけないことだとわかっていながらも凛は海未ちゃんの後を追っていた。
後から思えば、この時には凛の気持ちは固まっていたんだ。
海未ちゃんを追ってたどり着いたのは、人気のない小さな公園だった。
凛達がいつも会う公園とは、ちょうど学校を挟んで反対側。
けれど、どこか雰囲気が似たような、そんな場所だった。
凛「ことりちゃん・・・!」
奥の遊具置き場ではことりちゃんが一人、ブランコに座っていた。
そして、海未ちゃんは迷わずにそこに向かう。
凛「海未ちゃん・・・どうして・・・」
なんてことはない、幼馴染みの二人が公園で待ち合わせていただけのことだ。
別に普通のことじゃないか。
理性ではそう考えたけれど、本能はそれを否定していた。
頭の中で本能ガンガンと警報を鳴らすのが聞こえるようだった。
海未「・・・ません・・・して」
いくら人気がなくて静かでも、この距離ではさすがにうまく聞こえない。
凛「・・・」
いろんなことが頭の中でぐるぐると回ってる。
どうして2人は一緒にいるの?2人は何を話しているの?
かよちんはどうしたの?海未ちゃんはまだことりちゃんが好きなの?
そんなことを考えている間に、
海未ちゃんはことりちゃんの隣のブランコに腰をかけ、何か話していた。
ここにいてはいけない。凛は海未ちゃんを信じてるんだ!
そう思ってるはずなのに、体は公園の奥へと吸い込まれる。
ことり「こうしていると、子供の頃みたいだね」
海未「そうですね」
ことり「あの頃の海未ちゃんはいつも何かの陰に隠れていて、
恥ずかしがり屋さんなところがとても可愛かったなぁ」
ブランコの真正面、ギリギリの所の茂みまで近付いた。
どうやら二人は昔話をしてるみたいだった。
海未「あ、あのころは・・・!」
ことり「ことりはあの頃の海未ちゃん、可愛くて好きだったよ?」
近付いて早々、なんだか不穏な空気を感じた。
そう言って海未ちゃんはブランコから降りた。
ことり「ごめんね、からかったつもりはなかったんだけどな」
海未「・・・ことりはいつもそうです」
涼しげなことりちゃんの顔、複雑な海未ちゃんの顔、まさに対照的だった。
ことり「海未ちゃんから見たらそうかもしれないね。
でも、ことりだって苦しかったり辛かったりすることもあるんだよ?」
海未「すみません・・・」
ことり「いいよ。それで、今日はどうしてここに呼んだの?
海未ちゃんはことりに何か『相談』があったんじゃないの?」
ことりちゃんが『相談』と言ったとき、目が合ったような気がして思わず身をかがめた。
・・・大丈夫だよね、偶然だよね。
ことり「・・・」
伝えたいこと、そう聞いた瞬間にことりちゃんの表情が陰りを見せた。
今までの涼しげな笑顔じゃなくて、ほんの少しの怒りを感じさせるような、そんな顔。
海未「改めて言います。ことり、私はあなたに伝えたいこと・・・、いいえ、伝えなければならないことがあるのです」
ことり「・・・そうなんだ。確認するけど、ことりに相談があるわけじゃないんだね?」
海未「なぜそんなことを聞くのですか?相談などでなく、私はことり自身に伝えたいことがあるんです」
ことり「・・・ふぅん、そうなんだ」
お、怒ってる!なんでなのかわからないけど、すっごく怒ってる!
海未「ことり、私は・・・」
ことり「・・・」
海未ちゃんが何かを切り出そうとした。
それと同時に、ことりちゃんの表情はまるで氷のように冷たくなったように見えた。
その表情に、ゾクリとするような寒気を感じた。
ことり「・・・」
表情一つ変えないことりちゃんに、海未ちゃんは何かを必死に伝えようとしていた。
いや、何かじゃない、この流れならさすがの凛にだってそれが何なのかぐらいはわかるよ。
でも、それはきっと凛にとって、とても都合の悪いことだ。
海未「っ・・・」
しばらくして無言のまま海未ちゃんは唇を噛んで、悔しそうに俯いた。
ああ、結局海未ちゃんはヘタレな海未ちゃんだったんだ。
ことりちゃんに何も告げられない海未ちゃんに、凛は安心していた。
今日はこれで終わり、海未ちゃんは何も言えず、この先は幼馴染み同士のなんてことない会話で終わるんだ。
海未凛「!?」
そんな安心感は、ことりちゃんの言葉で砕かれた。
なんで?どうして?
その先の言葉はことりちゃんにとっても都合の悪い言葉じゃないの?
ことり「ねえ、なんなの?海未ちゃん、ことりに教えてよ」
海未「こ、ことり・・・、ど、どうしたのですか」
ことりちゃんが戸惑う海未ちゃんに詰め寄る。
ことり「どうしたもこうしたもないよ、質問してるのはことりなの。ねえ、答えてよ」
海未「ことり、なんだか変ですよ・・・」
ことり「変なのは海未ちゃんだよ!海未ちゃんはそれでいいの?ことりには理解できないよ!」
少し離れた場所にいるのに、声をあげてしまいそうになるほどに、今のことりちゃんは恐かった。
ことり「べつにいいよ」
ことり「ことりはどうせ凛ちゃんには嫌われてるんだから、もうどうでもいいや」
そう言ったことりちゃんは、なんだか悪い意味で吹っ切れたような表情だった。
海未「ことり、何を言ってるんですか?」
ことり「もう何も言わなくていいよ、海未ちゃんは黙ってればいい」
そしてことりちゃんは海未ちゃんの腕を掴んで強引に引き寄せた。
いつものことりちゃんからは、本当に考えられないような行動。
ことり「聞こえなかったかなぁ?ことりは黙ってればいいって、そう言ったんだよ?」
海未「なっ・・・」
ことりちゃんの豹変に、頭がついていけてなかった。
それはきっと海未ちゃんも同じだったと思う。
ことり「知ってるよ、海未ちゃんはことりのことが好きなんでしょ?なら大人しくしてなよ」
そこにいたのは、凛達が知っていることりちゃんではなかった。
ことりちゃんは海未ちゃんの頬に手を添えて・・・
唇を奪った。
凛「え?・・・な、なにして・・・」
凛も、きっと海未ちゃんも、何が起こったんだかわからなかったんだと思う。
それくらいに、あっという間の出来事だった。
海未「なっ!なにをするのですか!」
海未ちゃんがことりちゃんを突き放した。
けれど、ことりちゃんは全然動じてなくて
ことり「あれ?嬉しくなかった?」
笑顔でそう言った。
何がおきたの?ことりちゃん、海未ちゃんにキスしたの?
なんで?どうして?かよちんはどうなるの?
経験にないほど混乱しているのが、自分でもわかった。
怒る海未ちゃんを、気にも留めず、ことりちゃんはこっちを見ていた。
こっちを・・・え?
ことり「そんなところにいないで、仲間に入れてあげてもいいんだよ?」
ことり「凛ちゃん?」
凛「!!」
海未「え・・・?凛?」
ことりちゃんの言葉につられ、海未ちゃんが振り向いた。
目が、合ってしまった。
驚いたような、咎めるような、言い訳をするような、海未ちゃんはそんな表情で凛を見る。
違う・・・、凛はこんな海未ちゃん見たくない。
ことり「別にことりは二人でも三人でもいいんだよ?
あ、かよちゃんもいるんだから四人だったね♪いけないいけない」
ことりちゃんはどこか楽しそうに、そんなことを話す。
違うよ・・・、おかしいよ。
ことり「きっと凛ちゃんが一緒なら、かよちゃんも喜ぶよ?」
凛「ぁ・・・いや・・・」
・・・そんなはずない。
違う・・・、こんなのぜったいに・・・。
海未「ことり!」
嫌だ!
そう思った瞬間、公園の出口に向けて体は勝手に動いていた。
後ろから海未ちゃんの叫びが聞こえた気がした。
途中で、かよちんの声が聞こえた気がした。
でも、そんなことはどうでもいい。
あんなものは見たくない。
きっと、海未ちゃんを信じられなかったからバチが当たったんだ。
暴れる鼓動で、もつれる足で、凛はそこから逃げ出した・・・。
ことり「ね?凛ちゃん?」
海未「ことり!」
海未ちゃんが声を上げたのと、ちょうど同じくらいに、凛ちゃんは逃げ出した。
なんか、この世の終わりみたいな表情してたなぁ、ちゃんと見えなかったけど多分泣いてたし・・・。
あれ?冷静に考えてみると、この状況ってやりすぎなんじゃ・・・ことり、悪者?
だ、だって、前から海未ちゃんの気持ちには気づいてはいたけど、あんなに引きずってると思わなかったんだもん!
なら、いっそことりが嫌われれば気持ちが凛ちゃんに向くんじゃないかと思って・・・
海未「凛!待ってください凛!」
海未ちゃんはそう叫んで一歩踏み出したけれど、それ以上凛ちゃんのことを追いかけようとはしなかった。
完全にやりすぎた、こんなことしたいはずじゃなかったのに・・・
海未ちゃんから相談を受けて、恋愛の先輩として二人の背中を押すつもりだったのに。
ど、どうにか後押ししなくちゃ・・・
海未「なんなんですか!あなたは!」
勢いよく振り返った海未ちゃんは、本気で怒ってた。
足がすくむくらいに恐かった。
こんな海未ちゃん見たことない・・・、きっと穂乃果ちゃんだってしらない顔だよぉ
私は本当に取り返しのつかないことをしてしまったんだ
海未「私にキスをして、凛にあんなことを言って!いったい何なんですか!」
ことり「うぅ・・・」
海未ちゃんの勢いに押されて、身が縮む思いだった。
謝りたかった今すぐに。
でも、謝ったからって許してもらえるわけないよね・・・。
海未「私の話を聞こうともせずに、なんであんなことしたのですか!」
なら、最後まで悪者になりきろう。悪者のまま、海未ちゃんの背中を押そう。
悪者らしく、さっきみたいに、涼しげな顔で・・・。
海未「なんですか!」
ことり「ことりのこと嫌いになれた?」
海未「・・・え?」
薄く笑顔を浮かべながら・・・。
ことり「ことりのこと・・・、嫌いになってくれたかな?」
大丈夫だよね?うまくできてるよね?
海未「ことり・・・!」
海未ちゃんがこっちに手を伸ばす。
叩かれるのかと思って、思わず目を瞑った。
ことり「・・・へ?」
そんな優しい言葉と共に、海未ちゃんの手はことりの頭を撫でていた。
海未「それに、今にも泣き出しそうな顔でそんなこと言われてもって感じです」
ことり「なんで!?どうして!?ことりはあんなにひどいことしたんだよ?」
海未「そうですね、けれどその発端を作ったのは、どうやら私みたいですから」
海未「私に嫌われようと、あんなことをしたんですよね?でも、さすがにやりすぎですよ?」
ことり「・・・ごめんなさい」
海未ちゃんの優しい口調に、もう謝ることしかできなかった。
全く、つまらない意地など張ったのが悪かったですね。けれど早とちりしたことりも悪いのですよ?」
え、普通に相談?早とちり?
てことはもしかして・・・
海未「先ほど伝えたいことがあると言いましたよね?」
ことり「うん・・・」
海未「あれはしっかりと凛を見つめるための、私なりのけじめのつもりだったんです」
あぁ、穴があったら入りたいって、こんな気持ちなのかなぁ・・・
海未「この際ですから、ちゃんと聞いてもらいますよ?」
聞きたくない!そんなことりの気持ちをよそに、海未ちゃんは続けた。
「好きでした」過去形だよね。
はぁ・・・、やっぱり全部ことりの勘違い。
一人で勘違いして、から回って、二人のことを傷つけて・・・最悪のバカ女だ。
ことり「そ、そっか・・・。は、ははは・・・」
海未ちゃん、いい顔になったなぁ
そんなことを思いながら、力の抜けた私はその場にへたりこんだのでした・・・。
あれからすっかり暗くなった公園で、私はへたりこんだまま、海未ちゃんに謝り続けた。
海未ちゃんは、かよちゃんも入れた4人でクレープを食べに行く(もちろんことりの奢りです)なら、今回のことは水に流すと言ってくれた。そんなことで許してくれるなんて思わなかったから、少し拍子抜けです。
そして今さっき、海未ちゃんは凛ちゃんを探すために走っていった。
その時の海未ちゃんはとっても素敵で、あんな王子様に迎えに来てもらえる凛ちゃんが、ちょっぴり羨ましくなっちゃった。
あんなことをしといて言える立場じゃないけど、がんばれ!海未ちゃん!
今の海未ちゃんなら、きっとうまくいくよ♪
それにしても・・・、二人にお詫びならわかるんだけど、どうしてかよちゃんも一緒なのかな?
当事者でもないし、気まずくなるだけな気が・・・
ことり「ピィッ!」
凛ちゃんが隠れていた茂みのほうから、誰かの声がした。
ううん、誰かじゃない。私が一番愛おしく感じる甘い声。
けれど今は一番聞きたくなかった声だ・・・
花陽「いや~、偶然だね!今日は一緒に帰れないと思ってたのに、こんなところで会えるなんて!」
茂みから出てきたのは、やっぱりかよちゃんだった。
それも満面の笑みで。
ことり「ほんと、すごい偶然だよね。あはは・・・」
花陽「今日はことりちゃんと一緒にいれる時間が少なくて、寂しかったんだよ?」
街灯に照らされた笑顔が、ことりの目にはなんだかとても怖く映った。
花陽「見てたって、何を?」
きょとんとした表情のかよちゃん。
これはもしかするともしかするかも!
きっとかよちゃんがここにいるのも、海未ちゃんがかよちゃんも一緒にって言ったのも全部偶然だよ!
ことり「いや、見てなかったならいいんだ~。ごめんね?」
花陽「もう、ごめんねって、なにを謝ってるの?」
花陽「海未ちゃんにキスしたこと?それとも、凛ちゃんを泣かせたこと?」
ことり「・・・・・・・」
ですよねー
花陽「実は今日、お父さんもお母さんもいないんだよね・・・。だから、続きは家でゆっくり、ね?」
花陽「二人でも三人でも四人でもいいくらい、体力あるんでしょ?」
ことり「そ、そんなぁ・・・。海未ちゃん・・・凛ちゃん・・・、ダレカタスケテー!」
花陽「えへへ、楽しい夜になりそうです♪」
笑顔のかよちゃんの甘い声で、一晩中ことりはなじられ続けたのでした。
凛「はあ・・・はあ・・・」
どれくらい走ったんだろう、ずいぶんめちゃくちゃに走ってきた気がする。
とにかく、一人になりたくて、誰の顔も見たくなくて、逃げ回ってたどり着いたのはいつもの公園だった。
転びそうになりながらも崩れるように、奥のベンチに座り込む。
おかしいな、いつもなら走ったくらいじゃこんなに疲れたりしないのに・・・。
凛「まるで自分の体じゃないみたい・・・」
そういえば、前にも走っていて体が思うように動かなかったことがあったような気がする。
そんなことを思い出しながら、深呼吸をして息を落ち着ける。
凛「家には帰りたくないなぁ」
家に帰れば、お父さんもお母さんもいる。
いまは誰にも会いたくないし、何も考えたくない。
凛「もういいや・・・ここにいよう」
なにも考えず星空でも見ながら、海未ちゃんとの思い出の残るここにいよう。
少しにじんで見えたけど、見上げた星空はとてもきれいだった。
数時間だったかもしれないし、もしかしたら数分だったかもしれない。
その間、公園には誰も入ってこなかったと思う、多分。
けれど今は街灯に照らされて、伸びる影があった。
海未「やっぱりここにいたんですね」
嬉しかった。ここにいたら来てくれるかもと、期待してたのかもしれない。
でも、そんな喜びは一瞬だった。
海未ちゃんを見たら、鮮明に思い出してしまったんだ。さっきのこと・・・
海未「心配しましたんですよ?もうこんな時間ですから帰りましょう」
凛「・・・ぃでよ」
海未「きっとご両親を心配しています」
凛「・・・ないで」
海未「凛、一緒に・・・」
凛「来ないでよ!!!」
口から出た叫び声は、自分のものとは思えなかった。
一度口を開いてしまったら、もう自分では止められなかった。
海未「凛・・・」
凛「もう凛のことなんかほっといて、ことりちゃんのところにいればいいんだよ!!
ねえ、大好きなことりちゃんに抱き寄せられてどうだった?ことりちゃんスタイルいいもんね、そりゃ貧相な凛なんかとは比べられないくらい気持ちよかったんじゃない?」
凛、酷いこと言ってるよね。
でも、滲んで見えちゃって海未ちゃんがどんな顔してるかわかんないや。
凛「よかったじゃん、大好きなことりちゃんにキスしてもらえて。嫌そうにしてたけど、ほんとは嬉しかったんでしょ!?
大好きな人とキスできたんだから、嬉しくないわけないよね?ねえ、キスってどんな感じだった?凛したことないからわかんないや」
海未「・・・」
凛「ねえ、どうだったの?何とか言いなよ!言い訳ぐらいしてみせてよ!じゃないと・・・じゃないと凛、一人で舞い上がって期待して、勝手に自爆して・・・、ただのバカみたいじゃん・・・」
ひとしきり感情を吐き出して、ようやく凛の口は止まってくれた。
一方的に海未ちゃんに言葉をぶつけて、心の中に残ったのは後悔だけだった。
凛「なっ!?」
海未「でもそこも凛の可愛いところです」
そういって海未ちゃんはにっこりと笑った。
それはさっきの公園で見たのとは違う、凛の大好きな海未ちゃんの顔だった。
凛「・・・凛のこと、からかってるの?」
海未「そんなことはありません、私の本心ですよ」
そう言いながら、海未ちゃんがこっちに歩いてくる。
海未「凛はバカな子です。辛いことがあっても、みんなの前では無理して明るく振舞ってしまう大バカです」
凛「来ないでって言ってるの!」
海未「凛はとても優しい子です。こんな私を救ってくれました。ほんと、凛がいなかったら今頃どうなっていたかわかりませんね」
凛「嫌・・・来ないでよぉ」
海未「凛、ほんとうにありがとうございます」
海未ちゃんはもう、凛の目の前に立っていた。
少しでも動いたら触れ合ってしまいそうな、そんな距離。
居心地が悪くて、それ以上にこの距離で海未ちゃんを見れなくて、凛は海未ちゃんに背を向けた。
海未「私が好きなのはことりではないんです。凛、あなたなんですよ」
え?
海未ちゃん何言ってるの・・・?
凛「うそ・・・そんなのうそだよ」
海未「私が嘘や冗談でこんなことを言うと思いますか?」
凛「そうだ、凛を連れて帰るためにそんなこと言ってるんでしょ!もし補導されたりしたら、活動にも影響出るもん!」
海未「凛!」
凛「!」
海未ちゃんに腕を掴まれて、強引に振り向かされた。
涙で滲んだ目でも、海未ちゃんの真剣な表情がわかった。
凛「海未ちゃん・・・」
信じても、いいの?
海未「大バカで、とっても優しくて、こんな私にも手を差し伸べてくれた。そんな凛のことが大好きなんです!」
ほんとうに、信じてもいいの?
海未「たまらなく愛おしくて、離したくないんです!」
信じたいと思った、けれど勇気が足りなくて・・・。
海未「もう、まだ信じてもらえませんか?は、恥ずかしいですけど仕方ないですね・・・」
海未ちゃんの手が頬に触れたと思ったら、覗き込むようにして海未ちゃんの顔が近づいてきて・・・
凛と海未ちゃんはキスしてた。
ちょこんと触れただけのキス。凛にとってのファーストキス。
突然のことで、なんだか感触はよくわからなくって・・・。
ただ、自分の唇が海未ちゃんよりも乾いているような、そんな感じがした。
海未「知りませんでした・・・。大好きな人とキスできるのは、こんなに嬉しいものなんですね」
唇を離した海未ちゃんは、真っ赤な顔で照れくさそうにそういった。
ああ、ほんとこの人にはかなわないなぁ・・・。
凛「ねえ、海未ちゃん?」
凛は海未ちゃんが好き。
凛「えっとね・・・さっきのなんだけど・・・」
律儀で、繊細で、厳しくて、優しくて、可愛くて、カッコよくて・・・。
凛「一瞬だったから、凛よくわからなくって・・・」
そんな海未ちゃんが、凛は好き。
海未「まったく、仕方ない子ですね・・・」
そういって、海未ちゃんは微笑みながら凛の頭を撫でてくれた。
もう、信じることも怖くない。
凛「海未ちゃん・・・、大好き」
そして凛たちは二回目の口付けを交わした。
言い訳はしないと言っていた海未ちゃんだけど、結局帰り道での会話はただの言い訳だった。
なんでも、ことりちゃんへの気持ちにしっかりと蹴りを付けて、明日のデートで凛に告白するつもりだったらしい。
まったく、律儀すぎるのも困りものだにゃ
それから、ことりちゃんの空回りのことも聞いた。
なんだか空回り具合がさっきまでの凛みたいで、ちょっとだけ親近感が沸いてきた。
さっきは猛禽類にしか見えなかったけど、今はスズメくらいに思える。
そんなことを話しながら海未ちゃんは凛を家まで送ってくれて、最後はほっぺにキスもしてくれた。
唇じゃなかったのがちょっと不満だったけど、大好きな人のキスはとっても嬉しかった。
朝、真っ先に謝りに来たことりちゃんの目の下には隈ができていて、練習中にも地面を見ながらブツブツと何か独り言を言っていた。
そんなこんなで練習が終わったわけだけど・・・
花陽「ん~、今日も疲れたね~。ことりちゃん、帰ろ?」
ことり「ピィッ!・・・こ、ことり今日はちょっと用事が」
花陽「さっき理事長と会ったときに、今日もことりちゃんは家に泊まるって言っといたからね♪」
ことり「そ、そんなぁ・・・」
ことりちゃんがかよちんに引っ張られていく。
凛はよく知ってるけど、かよちんって怒らせると恐いんだにゃ。
凛「うん!」
海未ちゃんはぎこちなく、凛の手を握ってくれた。
きっとこんな動作もいつか自然になるんだろう。
凛「今日はどこでも凛の好きな場所に連れてってくれるんだよね?」
海未「ええ、宇宙とかアメリカは無理ですけど、いける場所ならどこでも」
凛「なら、最初に絶対に行きたい場所があるんだ!」
凛は海未ちゃんの手を引いて走り出した。
凛「うん、いつもの公園」
凛たちはいつもの公園の入り口に立っていた。
海未「中に入らなくていいのですか?」
凛「うん、ここでいいんだ」
ここは昨日までの凛と海未ちゃんが始まって、そして終わった場所。
だから、新しい私たちの第一歩はここから踏み出したかったんだ。
凛「ねえ、海未ちゃん」
海未「なんですか?」
凛「大好き」
海未「私もです」
二人で微笑みあって、凛たちは二人で歩く一歩目を踏み出した・・・。
おわり
新鮮で面白かったよ
お目汚し失礼しました。
こんな文章を読んでくださってありがとうございます。
ハッピーエンドで良かった
ことぱな目線でのも読んでみたい
おもしろかったぞ
おつおつ
ことりちゃんを悪役にしたくないのはわかるが、
ことりちゃんの本心は、本人に語らせるのでなく、
凛ちゃん視点で見て、そうと判るように書いたらいいかもね。
次回作も期待しているにゃ
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