【ラブライブ!】にこ「理事長とばったり」
- 2020.04.03
- SS

にこ(ん、メール……ママから?)
帰りにスーパーに寄って、晩御飯の材料を買って来てね
にこ(はぁ……めんどくさいけど仕方ないか)
にこ(そんで買う物は……あぁ、今日はハンバーグね)
にこ「ふぅ」
にこ(そんじゃ、行きますか)
イラッシャイマセー、イラッシャイマセー
ホンジツハ、サカナガヤスイヨー
にこ(日曜の夕方だけあってそれなりに人が多いわね)
にこ(えっとまずは……)
「あらぁ。矢澤さんじゃない」
にこ「ん?」
にこ(あっ)
「こんなとこで会うなんて奇遇ね」
にこ「こ、こんにちは、理事長先生」
理事長「はぁい。こんにちは」
にこ(スーパーで理事長とばったり……珍しいわね)
理事長「えぇそうよ。ことりは穂乃果ちゃんと海未ちゃんの三人で遊びに行っちゃってて」
理事長「ついでにお使い頼もうとしたのにことりったら『帰りはいつになるか分からないから無理』って、さっさと行っちゃうし」
にこ(そういやあの三人、なんか遊ぶ約束してたわね)
理事長「矢澤さんはどこかに出かけた帰り?」
にこ「え、あっ、はい。まk……西木野さんと買い物に行った帰りです」
理事長「そう」
にこ「それでその帰りにマm……母からのメールで買い物を頼まれまして」
理事長「ふふっ」
にこ「?」
理事長「ここは学校じゃないんだし、何より今の私は理事長ではなく『ことりのお母さん』なんですからね」
にこ「あっ、はい……じゃあ、そうします」
理事長「ふふっ。じゃあ私も『矢澤さん』じゃなくて『にこちゃん』って呼ぼうかしら」
にこ「えぇー!?」
理事長「変かしら? ことりのお友達なんだから『ちゃん』付けでもいいんじゃなぁい?」
にこ(な、なんかむず痒いけど……)
にこ「そ、それでいいです」
理事長「良かったわぁ」
理事長「ちょっと待って」
にこ「はい?」
理事長「今だけは理事長禁止です」
にこ「うぇぇー! な、なんでですか!?」
理事長「だから今の私は『理事長』ではなく『ことりのお母さん』です」
にこ(め、めんどくさい……)
にこ(だけど言う通りにしないと余計面倒なことになりそう)
にこ「分かりました。では……おばさん」
にこ(あ、あれ? なんかマズった?)
理事長「にこちゃん……」
にこ「は、はい」
理事長「おばさんは流石にないわよ!」
にこ「うぇっ!?」
理事長「別に『イケてるお姉さん』とか『ことりのお姉さん』とか『若奥様』とかっていうワガママや高望みはしないわ」
にこ(するつもだったの!?)
理事長「こう見えてまだ若いのよ!」
にこ「じゃ、じゃあなんて呼べばいいんですか? ことりちゃんのお母さん? ことりのお母様?」
理事長「穂乃果ちゃんと海未ちゃんと大差ないわねぇ」
にこ「うぅ……」
にこ「色々と面倒事が多く頭が痛いです」
理事長「若い内に悩むのはいいことよ。もちろん私もまだまだ若いですけどね」
にこ(誰が原因だと思ってるのよこの人は……)
理事長「まっ、積もる話もあれだし『おばさま』で妥協するわ」
にこ(なら初めからそう言いなさいよ!)
理事長「じゃあ、一緒に買い物をしましょうか。にこちゃん」
にこ「ですね……おばさま」
理事長「にこちゃんの家はハンバーグ?」
にこ「えぇ、そうです」
理事長「うーん。ウチは何にしようかしら?」
にこ「普通、献立決めてから買い物に来ません?」
理事長「そうなんだけど、なんにも思いつかなかったのよ」
にこ「ことりには聞いてみたんですか?」
理事長「なんでもいいって言ってたわ。だいたい『なんでもいいって』いうのが一番困るのよね」
理事長「先週はフランス料理を食べに行ったわね」
にこ「優雅ですね」
理事長「それほどでもないわよ」
にこ「じゃあ夕飯はフランス料理で」
理事長「手持ちのお金がそこまでないから無理ね」
にこ「あっ、そう」
理事長「ん~。もうにこちゃんとこと同じでハンバーグにしておきましょ」
にこ「いいんじゃないですかね」
にこ「なんですか?」
理事長「お菓子買ってあげましょうか?」
にこ「い、いらないですよ!」
理事長「遠慮しなくてもいいのよ。ことりのお菓子のついでにどうって思っただけだから」
にこ「んー。じゃ、じゃあそのキャンディー3つ」
理事長「あら、かわいいモノ食べるのね」
にこ「わ、私じゃなく妹と弟へです」
理事長「まぁ、なんて優しいお姉ちゃんなんでしょう」
にこ「そ、それほどでも……ないけど、です」
理事長「キャンディーの味は何にする?」
にこ「あっ、イチゴでお願いします」
にこ「一つ下さい」
「はい。どうぞ」
にこ「ありがと」モグモグ
にこ「おいしいわね」
理事長「私もいただこうかしら」
「どうぞ」
理事長「……」モグモグ
理事長「おいしいわね。この商品、いただけるかしら?」
「ありがとうございます」
理事長「にこちゃんは買わないの?」
にこ「購入リストにない商品の請求は出来ませんから、ウチは」
にこ「ですね」
理事長「買い忘れはない?」
にこ「えっと、これもあれも買ったから……ありませんね」
理事長「じゃあお会計に行きましょうか?」
にこ「はい」
理事長「はい、これ。キャンディー」
にこ「ありがとうございます」
にこ(あれ?)
にこ「あの、ひとつ多いんですが」
理事長「4つじゃなかったっけ?」
にこ「3つですよ」
理事長「うーん。じゃあ1つは私からにこちゃんへのプレゼントってことで」
にこ「は、はぁ」
理事長「いつもことりもお世話になってることだし、ことりの母親としての感謝の気持ちよ」
にこ「あっ、はい」
理事長「本当はキャンディーだけじゃ足りないくらいだけどね」
にこ(私だってことり達がいなかったら、いつまでも燻ってふて腐れてるだけの人間だっかもしれないしね)
理事長「あっ、そのキャンディー。にこちゃんのお母様に聞かれても、自分のお小遣で買ったことにしておいてね」
にこ「はい」
「あれ? お母さんとにこちゃん」
にこ「ことり」
理事長「あら、今帰り?」
ことり「うん」
にこ「スーパーでばったり会ったのよ」
ことり「あっ、そうなんだ」
にこ「てゆーか、ことり」
ことり「なぁに?」
にこ「ちゃーんと家の手伝いはやりなさいよね」
ことり「えっ?」
理事長「ほーんと。にこちゃんの言う通りよ」
ことり「に、にこちゃん? お母さん、今にこちゃんって」
ことり「お、おばさまぁ!?」
にこ「ことりもね」
ことり「う、うん」
にこ「さようなら」
理事長「にこちゃんも、気をつけて帰るのよ」
にこ「はーい」
ことり(なんか親密になってる?)
理事長「さてと、私達も帰りましょうか?」
ことり「お母さん。にこちゃんと何かあったの?」
理事長「んー。あったと言えばあったってことになるけど」
ことり「ねぇー。何があったの?」
理事長「ふふーん。内緒よ」
ことり「えぇー。気になるよぉ」
理事長「だって、にこちゃんと私だけしか知らないことだから」
ことり「うぅー、いいもん。明日にこちゃんに聞くから」
理事長「あらあら」
にこ(買い物完了した……っと)
にこ「ふぅ」
にこ(とりあえず疲れたわ)
にこ(キャンディーでも舐めましょ)
ペロペロ
にこ(甘いわね)
にこ(そのせいか疲れも吹っ飛びそうな感じ)
ブー、ブー、ブー
にこ(おっ、ママからの返信)
にこ(ふむふむ……はいはい)
にこ「ふぅー」
にこ(おばさま……か)
ほんの僅かの間だったけど、なんか理事長の別の一面が見れたのは良かったかな、とは思う。
またどこかでばったり会ったりしないかな。
『理事長』としてではなく『おばさま』として--
あっ、そうだ。
今度、ことりの家に遊びに行こう。
うん、そうしよう。
おしまい
理事長好き
なんか新鮮
結構好きだった、乙
堪能した
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