【ラブライブ!】穂乃果「穂乃果は激怒した」
- 2020.04.03
- SS

穂乃果「穂乃果は政治とか難しいことわかんないけど! ただの和菓子屋の娘だけど!」
穂乃果「でも、やっていいことと悪いことの区別ぐらいはつくよ!」
穂乃果「絶対、あの王様をギャフンと言わせてやるんだから!」
穂乃果「やっと着いた・・・・・・ここが、アキバの市」
穂乃果「もうすぐ、雪穂の結婚式だからね~。花嫁衣装とか、いろいろ買い物しなきゃ」
穂乃果「まずことりちゃんのお店に行って、頼んでおいた衣装をもらって・・・・・・」
穂乃果「それから、石工の海未ちゃんのところにも寄っていこう! 楽しみだな~」
穂乃果「・・・・・・それにしても、こんなに大きい街なのに、全然人が出歩いてないね。前来た時は、路上ライブとかもやってたのに・・・・・・」
穂乃果「なんだかおかしいな・・・・・・ん? あそこにいるのは・・・・・・」
花陽「」トボトボ
穂乃果「花陽ちゃんじゃない! お~い、花陽ちゃ~ん!」
花陽「!?」ビクッ
花陽「あ・・・・・・穂乃果ちゃん・・・・・・?」
穂乃果「久しぶり~! ・・・・・・って、なんだか元気ないね」
穂乃果「この街も、前来た時に比べると全然元気がないし・・・・・・ねえ、なにかあったの?」
花陽「え・・・・・・その・・・・・・」
穂乃果「答えづらいことなの?」
花陽「えっと・・・・・・大きな声じゃ、言えないんだけど・・・・・・」
花陽「王様が、人を処刑するの」
穂乃果「処刑!? 殺しちゃうってこと!?」
花陽「耳元で、中学時代の黒歴史ポエムを朗読させられたり・・・・・・はりつけにされて、くすぐられたり・・・・・・」
穂乃果「うわ、ひどい・・・・・・なんでそんなことするの?」
花陽「悪心を持っている、って言うんだけど、誰もそんな悪心なんて持ってないの・・・・・・」
花陽「それなのに、王様の側近や街の人たち、たくさんの人がつかまっちゃったの」
穂乃果「そんな! 王様は頭のネジはずれちゃってるの!?」
花陽「ううん。人を信じられない、って言うの。今日も6人、延々とヘッドホンで夏色Remixを聴かされるという拷問にかけられました」
穂乃果「なにそれ! 許せないよ!!」
穂乃果「穂乃果、ちょっと王様にガツンと言ってくる!! ありがとう、花陽ちゃ~~ん!!」タタタタ
花陽「ええっ!? 穂乃果ちゃん、王様のお城に乗り込んじゃうノォ!?」
穂乃果「あなたが王様だねっ!」
絵里「いかにも。私がこのアキバの市の王、エリーチカよ」
絵里「で、貴方はその手に持ったラブライブレードで、何をするつもりだったの? 正直に言いなさい」
穂乃果「市を、王様の手から救うのっ!」
絵里「貴方が? ていうか、手に持ったそれで?」クスクス
絵里「貴方なんかには、私の孤独な心はわからないわ。私の、孤独なHeavenは」
希「上手いこと言ったつもり?」
絵里「一番の部下の、大臣すらこんなこと言うんだもの。誰も信じられないわ」
穂乃果「人の心を疑うなんてよくないよ!」
絵里「信じてたって、ろくなことにならないもの・・・・・・何度も腹筋スレを開いた、私の気持ちがわかる?」
穂乃果「いやわかんないけど」
絵里「ほらね。だから私は、誰も信じないことに決めたの。私だって、平和を望んでいるのよ」
絵里「口だけなら、どんな清らかなことだって言えるわよ。私には、人の心の奥がわかるの」
絵里「貴方だって、いざ『穂乃果にやらしいことする系のスレを延々と朗読させられる刑』を受けたら、泣いて謝るに決まってるわ」
穂乃果「う・・・・・・確かにそれは、すごくイヤだけど・・・・・・」
穂乃果「でも穂乃果だって、死ぬ覚悟でここに来たんだもん! 命乞いなんて絶対しないよ!」
穂乃果「ただ――」
希「ただ?」
穂乃果「ただ、穂乃果に情をかけてくれるなら、処刑までに3日間だけ時間がほしいの」
穂乃果「たったひとりの妹を、最後に結婚させてあげたいから・・・・・・」
穂乃果「穂乃果は3日で、村まで行って結婚式済ませて、ここに帰ってくるよ!」
絵里「笑わせてくれるじゃない。逃がしたことりが、帰ってくるって言うの?」
穂乃果「絶対帰ってきます! 絶対、約束は守ります!!」
希(この子、猪突猛進というか・・・・・・後先考えない子やなあ・・・・・・)
穂乃果「私のことが信じられないなら・・・・・・そうだ!」
穂乃果「この街に、海未ちゃんっていう石工と、ことりちゃんっていう仕立て屋さんがいます!」
穂乃果「2人とも、穂乃果の大事な親友です! その2人を、人質として預けます!」
穂乃果「もし穂乃果が逃げて、3日目の日暮れまでに帰ってこなかったら、その2人を処刑してください!」
希「え、ちょ、勝手に決めちゃってええの!?」
絵里「・・・・・・面白いじゃない」ククク
絵里(なら、この子の身代わりに、人質の2人を処刑して・・・・・・)
絵里(これだから人は信じられないんだって、世の中のバカ正直な愚民に見せつけてやるのもいいわね)
絵里「わかったわ。願いを聞きましょう」
希「ほんまにええの、エリチ?」
絵里「かまわないわ、希大臣。さあ、身代わりの2人を呼んできなさい。そして、3日目の日没までに戻ってきなさい」
絵里「少しでも遅れたら・・・・・・身代わりの2人を、必ず処刑するわ」
穂乃果「・・・・・・・・・・・・!」
絵里「いいわよ、ちょっと遅れて戻ってくれば。貴方の罪は、永遠に許してあげる」
穂乃果「そんなこと、絶対しないもん!」
絵里「あはは。命が大事なら、遅れてくることね。貴方の心ぐらい、わかっているわよ」
穂乃果「こんのぉ・・・・・・!」
希「身代わりの2人を連れてきたでー」
ことり「穂乃果ちゃん・・・・・・!」
海未「まったく穂乃果、貴方という人は・・・・・・!」
穂乃果「ご、ごめん、ことりちゃん、海未ちゃん! 勝手に人質なんかにしちゃって・・・・・・!」
海未「私が怒っているのはそのことではありません! なぜ貴方はいつも、後先考えずに行動するのですか!」
海未「丸腰同然で、王の城に乗り込むなんて!」
穂乃果「え・・・・・・?」
ことり「穂乃果ちゃん。ことりも、海未ちゃんも・・・・・・穂乃果ちゃんのためなら、喜んで人質になるよ」
穂乃果「ことりちゃん・・・・・・」
海未「貴方の心は、わかっています。王様が許せず、正義を貫こうとする貴方の気持ちは」
海未「まったく・・・・・・穂乃果に振り回されることぐらい、もう慣れっこですよ」
穂乃果「海未ちゃん・・・・・・」
海未「だから、3日後・・・・・・きっとまた、会いましょう」
穂乃果「うんっ・・・・・・! ありがとう、海未ちゃん、ことりちゃん・・・・・・!」ウルッ
希「お別れの挨拶は済んだん? それじゃ人質の2人は、連れて行くで」
ことり「穂乃果ちゃんっ・・・・・・!」
海未「穂乃果っ・・・・・・!」
穂乃果「ふたりとも、待ってて・・・・・・! 穂乃果、必ず戻ってくるから!!」
穂乃果「さあ、いよいよ出発だ。もう、後戻りはできない」
穂乃果「・・・・・・星がきれいだなあ。満天の星空だね」
穂乃果「・・・・・・海未ちゃんとことりちゃんは、穂乃果のことを信じて、待っててくれてる」
穂乃果「ふたりのためにも、頑張らなきゃ。やるったらやる!!」
穂乃果「高坂穂乃果・・・・・・ファイトだよっ!!」ダッ
タタタタ
穂乃果「つ・・・・・・着いた・・・・・・」フラフラ
穂乃果「徹夜で、十里の道を走るのはやっぱキツい・・・・・・眠いし、体がガタガタ・・・・・・」ヨロヨロ
穂乃果「・・・・・・でも、のんびりしてる暇はないよ。もうお日様も高く昇っちゃってるし、時間はないもんね」
穂乃果「とにかく、雪穂の所に行って、結婚式の準備をしなくちゃ・・・・・・」
穂乃果「ゆ、雪穂~・・・・・・」
雪穂「お、お姉ちゃん!? どうしたの、そんなフラフラになって!」
穂乃果「な、なんでもないから・・・・・・それよか結婚式するよ、結婚式!」
雪穂「え~、お姉ちゃん気が早いよ、結婚式はまだふた月も先・・・・・・」
穂乃果「明日やるよっ!!」
雪穂「は!?」
穂乃果「市に、用事を残してきちゃったの。またすぐに市に戻らないといけないから・・・・・・」
穂乃果「善は急げって言うじゃん! ことりちゃんから衣装ももらって来たし!」
穂乃果「いいから、村の人たちに結婚式は明日だって言ってきなよ! ほら行った行った!!」
雪穂「ええ、もう、意味わかんないよ・・・・・・! どうなっても知らないからね~!」
穂乃果「ふう・・・・・・あとは、結婚相手の亜里沙ちゃんにも、話をしてこなきゃ」
穂乃果「そう! お願い、亜里沙ちゃん!!」
亜里沙「いくら穂乃果さんの頼みとはいえ、ちょっと急すぎるというか・・・・・・心の準備が・・・・・・///」
穂乃果「非常識は百も承知だよ!! でも、どうしても譲れない事情があるの!!」
穂乃果「亜里沙ちゃん・・・・・・! お願い・・・・・・!」フカブカ
亜里沙「・・・・・・・・・・・・」
亜里沙「頭を上げてください、穂乃果さん」
亜里沙「穂乃果さんは、よく無茶なことをする方ですが、何の理由もなく無茶をするような人ではないです」
亜里沙「きっと、深い理由があるんだと思います・・・・・・わかりました。明日、結婚式を挙げましょう」
穂乃果「亜里沙ちゃん・・・・・・! ありがとう!!」
穂乃果(やっぱり亜里沙ちゃんは優しくていい子だなあ・・・・・・! 雪穂にはもったいないよ・・・・・・)
穂乃果(そういえば亜里沙ちゃん、どことなく顔立ちとか王様に似てる気もするけど、たぶんまったくの偶然だから気にしちゃダメだよ!)
穂乃果「結婚式の準備は、お手伝いに来てくれた友達のヒデコ、フミコ、ミカが一晩でやってくれたよ!」
フミコ「汝ら、雪穂と亜里沙は、健やかなる時も、病める時も、互いを慈しみ、愛することを誓いますか?」
雪穂「誓います」
亜里沙「誓います」
アーコーガーレノシューンカンヲ ムカーエールトキガキータヨ
イーノカナコンナーニモ シアーワセ カンジーテールヨ
穂乃果「うう、綺麗だよ、雪穂・・・・・・良かったよぉ・・・・・・」グスグス
ポツポツ
ザーッ
穂乃果「あれ・・・・・・雨?」
穂乃果「なんかやな予感がしないでもないけど・・・・・・気にしちゃダメだよね!」
カンパーイ!!
ワイワイガヤガヤ
穂乃果(雪穂も亜里沙ちゃんも、幸せそうだなあ・・・・・・村のみんなも優しいし、一生このままここにいたいよ)
穂乃果(でも・・・・・・うん、わかってる。今の穂乃果は、自分の体であって、自分の体じゃない)
穂乃果(明日の、日の出前に出発しよう。その頃には雨も小降りになってるだろうし)
穂乃果(それまで少し時間があるし、ちょっとだけ仮眠して・・・・・・)
穂乃果(・・・・・・・・・・・・)
穂乃果(・・・・・・きっと、もう、雪穂にも会えないんだよね・・・・・・)
雪穂「お姉ちゃん、どうしたの?」
穂乃果「ごめんね。まだ宴会も途中だけど、すっごい疲れちゃったから、先に休むね」
穂乃果「目が覚めたら、すぐに市に向けて出発するよ。・・・・・・大切な用事があるから」
穂乃果「ね、雪穂。お姉ちゃんがいなくても、もう雪穂のそばには優しい亜里沙ちゃんがいるんだから、寂しいことなんかないよ」
雪穂「ど、どうしちゃったのさお姉ちゃん、大げさだなあ・・・・・・///」
穂乃果「そして、亜里沙ちゃん」
亜里沙「はい!」
穂乃果「雪穂のこと、よろしく頼むね。ふたりだったら大丈夫だよ! それと、穂乃果の妹になれたこと、誇りにしてね」
亜里沙「穂乃果さん・・・・・・」
穂乃果「う~ん、もう食べられない・・・・・・」ムニャムニャ
穂乃果「・・・・・・はっ!? 今何時!?」ガバッ
(・8・)チュンチュン
穂乃果「日の出前に出発するつもりだったのに、もう明るくなり始めちゃってる・・・・・・ああもう、穂乃果のバカ!」
バタバタ
穂乃果「いや、でもまだ大丈夫! 日没までにはたっぷり時間があるから、今からでも十分間に合う! はず!」
穂乃果「あの王様をギャフンと言わせてやるんだから! よーし、頑張るぞ!」
穂乃果「そうだ、ちょっと寝過ごした分、自転車に乗っていこう!」
穂乃果「自転車なんて夢夢夢歌う時ぐらいしか乗らないけど、ただ走るより速いもんね! 穂乃果、あったまいい!」
穂乃果「雨も小雨になってる。よーし行くぞ、高坂穂乃果! さらばふるさと! レッツゴー!!」
シャカシャカ
穂乃果「すっかり日が昇って、雨は止んだけど今度は蒸し暑くなってきたなぁ・・・・・・」
穂乃果「でも、自転車のおかげでなかなか良いペースできてるよ」
穂乃果「この分なら、結構余裕で着いちゃうかも。天気もいいし、歌でも歌っちゃおうかな♪」
穂乃果「風を抜けて~走ってく♪ 今日も君は~走ってく♪」
~さらにしばらくたって~
ザーッ ゴォーッ
穂乃果「なに、これ・・・・・・嘘でしょ・・・・・・?」
穂乃果「川が、昨日の大雨で氾濫して、橋も流されちゃってる・・・・・・!」
穂乃果「どぉーしよぉー!! これじゃ渡れないよぉ~!!」
穂乃果「雨、やめ~~!! あ、間違えた! もうやんでる!」
穂乃果「川、静まれ~~~!! 静まれ~~~!!」
ザーッ ゴォーッ
穂乃果「・・・・・・ダメだ、全然効かない・・・・・・」ガクッ
穂乃果「ううう・・・・・・ひどいよ、神様・・・・・・こんな意地悪するなんて・・・・・・これじゃ、もう・・・・・・」
――まったく、穂乃果は世話が焼けますね。
――穂乃果ちゃ~ん、マカロン作ったの! 食べてみて~!
穂乃果「・・・・・・・・・・・・!」フルフル
穂乃果「自転車は、ここに置いていこう・・・・・・こうなったら・・・・・・」
穂乃果「泳ぐしかないっ!!」クワッ
穂乃果「流されたらリアルに死んじゃうかもしれないけどっ・・・・・・でも、やるったらやる!!」
穂乃果「頑張りましょう! くじけるな! こころが叫んでるんだ!! うおぉーー!!」
ザップーン
穂乃果「あそこの、対岸の木の幹・・・・・・! あれをつかめば・・・・・・!」
本気だったら チャンスはくるよ
つかまえなくちゃ ときめきが消えないうちに
ガシッ
穂乃果「やったつかめた!! あとはこの幹から、よじ登れば・・・・・・!」
穂乃果「うおおぉぉ・・・・・・!!」
ほら I say fight! 君のために 笑顔で背中押すよ
一番になろう それが君さ!
I say fight! 私の応援 いつでも熱いままなんだよ
だから絶対に負けない 夢なき夢は夢じゃない
穂乃果「うりゃああぁぁ!!」ザバッ
穂乃果「わ、渡れた・・・・・・助かった・・・・・・」ゼェゼェ
穂乃果「でも、お日様も西に傾きかけてるし、1分1秒も無駄にできない・・・・・・! 先に進まなきゃ・・・・・・!」フラフラ
???「おぉーっと、ちょっと待ちなさい」
穂乃果「・・・・・・え?」
ザザッ
にこ「待ちなさいって言ってるのよ、あんた」
真姫「誰の許可を得て、ここを通ろうとしてるの?」カミクルクル
穂乃果「げっ!? 山賊!?」
にこ「ちょっと、山賊なんてダサい呼び方しないで!」
真姫「私たちはおしゃれなギャング、せめて盗賊って言ってほしいわ」
穂乃果「違いがよくわかんないけど」
真姫「ふふ、ここを通りたかったら」
にこ「身ぐるみ、全部置いていくことね」
穂乃果「なんてわかりやすい悪役のセリフ! 穂乃果、服ももうボロボロだし、この体と命の他には何も持ってないもん!」
にこ「その体をよこせって言ってるのよ」ニヤリ
穂乃果「え!? 穂乃果、エロ同人かエロSSみたいなことされちゃうの!?」
真姫「な、なに言ってるのよ、イミワカンナイ!/// ふんじばって、体の自由を奪うだけよ!」
穂乃果「・・・・・・あ! さては、王様の命令で、穂乃果を待ち伏せしてたんだね!」
にこ「だったらどうするっていうのよ」ジリジリ
穂乃果「くっ、ひとまず逃げる!」ダッ
真姫「逃がすもんですか!」
真姫「甘いよ甘い! そんな装備じゃ、逃げられるわけないじゃな~い~か♪」
にこまき「「狙いをつけて密かに背後から~♪」」
穂乃果「なんか歌いながら追いかけてくる! 怖っ!!」ダダダダ
穂乃果「でも、2対1じゃ逃げきれない・・・・・・! どうする!?」
穂乃果「いや・・・・・・わかってるよ! 逃げちゃダメ、困難には立ち向かわなきゃ!」ピタッ
穂乃果「立ちふさがる壁は・・・・・・壊してみせるっ!!」クルッ
にこ「・・・・・・え!?」
真姫「闘う気・・・・・・!?」
自分からもっとチカラを出してよ
穂乃果「一進一跳パーンチ!!」ボカッ
にこ「に゛こ゛っ!?」
Hi Hi Hi 壊せるものさ Hi Hi Hi 倒せるものさ
勇気で未来を見せて
穂乃果「全身全霊キィーック!!」ドコッ
真姫「ヴぇええ!?」
そうだよ覚悟はできた
穂乃果「勝った・・・・・・!」グッ
にこまき「「きゅうてぃぱんさぁ・・・・・・私・・・・・・」」ガクッ
カッ ジリジリ
穂乃果「暑い・・・・・・日差しが照りつけて、つらい・・・・・・」
穂乃果「急がなきゃ・・・・・・走らなきゃ・・・・・・海未ちゃんとことりちゃんが、待ってる・・・・・・」フラッ
ボヤー
穂乃果(えっ・・・・・・? なんで・・・・・・? 頭が、クラクラする・・・・・・目の前が、ぼんやりする・・・・・・)
穂乃果(両足が、痛い・・・・・・体中が、痛い・・・・・・力が・・・・・・入らない・・・・・・)
ガクッ
穂乃果(なんで・・・・・・? 脚が、動かない・・・・・・立ち上がれない・・・・・・!)
穂乃果「なんで・・・・・・なんで・・・・・・!?」ポロポロ
ゴロッ
穂乃果(・・・・・・・・・・・・)
穂乃果(ダメだ・・・・・・もう、1歩も・・・・・・動けないよ・・・・・・これじゃ、とても間に合わない・・・・・・)
穂乃果(ごめん、海未ちゃん、ことりちゃん・・・・・・穂乃果を、信じたばっかりに・・・・・・)
穂乃果(でも、これだけは信じて。穂乃果は、一生懸命走ったの。ふたりを裏切るつもりなんか、全然なかったの)
穂乃果(だけど・・・・・・約束の時間までに戻れないんじゃ、王様の思う壺・・・・・・)
穂乃果(海未ちゃんと、ことりちゃんは、処刑されちゃう・・・・・・穂乃果も、生き恥をさらしたまま生きたくなんてない)
穂乃果(穂乃果も、ふたりと一緒に処刑されるから・・・・・・だから・・・・・・)
穂乃果(ほんとに、ごめんね・・・・・・海未ちゃん、ことりちゃん・・・・・・)ポロッ
海未「・・・・・・・・・・・・」
ことり「・・・・・・・・・・・・」
希「・・・・・・ほんまに、あの子を信じてるの?」
海未「貴方は・・・・・・大臣」
希「確かにあの子は、まっすぐな目をしてた。けど、きっとどこかで、心が折れて、諦めると思う」
希「それでも・・・・・・信じるん?」
ことり「・・・・・・それでも、穂乃果ちゃんは、約束は絶対守ってくれる人です」
海未「はい。猪突猛進で単純ですが・・・・・・私たちは、穂乃果のことを信じます」
希「・・・・・・ふうん」
希「わかった。個人的には、いい結果になること、祈ってるんよ」
ギイィ ガチャン
ことり「だけど・・・・・・海未ちゃん」
海未「ことり・・・・・・?」
ことり「ことりね・・・・・・ほんのちょっとだけ、不安になっちゃったの。穂乃果ちゃんが、戻ってきてくれるかって」
ことり「最低だよね・・・・・・穂乃果ちゃんは、きっと頑張ってくれてるのに・・・・・・」
海未「ことり・・・・・・」
海未「・・・・・・私も、人のことは言えません。私も、ほんの少しだけ、不安になってしまいました」
ことり「海未ちゃん・・・・・・?」
海未「でも・・・・・・ことりの言うとおり。きっと穂乃果は、諦めずに、立ち上がって、戻ってきてくれるはずです」
海未「だから・・・・・・待ちましょう」
ことり「うん・・・・・・ことりも・・・・・・信じるよ・・・・・・!」
――穂乃果ちゃん!
穂乃果(・・・・・・・・・・・・え?)
穂乃果(今・・・・・・海未ちゃんと、ことりちゃんの声が、聞こえた気がした・・・・・・)
チョロチョロ
穂乃果(この音・・・・・・わき水・・・・・・?)ムクッ
穂乃果「」ゴクゴク
穂乃果(・・・・・・美味しい)
穂乃果(なんか・・・・・・ちょっと、気持ちが落ち着いた・・・・・・)
穂乃果(・・・・・・そうだ。ことりちゃんと海未ちゃんは、きっと穂乃果のことを信じて、待っててくれてる)
穂乃果(悪い夢は、もう、覚めたよ)
穂乃果(大丈夫・・・・・・歩ける・・・・・・)ググッ
穂乃果「――行こう!!」
穂乃果「だって 可能性感じたんだ そうだ・・・ススメ!」
海未「後悔したくない 目の前に」
ことり「僕らの道がある――」
Let’s go! Do! I do! I live!
Yes,Do! I do! I live!
Let’s go,Let’s go! Hi!!
穂乃果(そう・・・・・・穂乃果を信じて、待ってくれてる人たちがいる!)
穂乃果(少しも疑わないで、静かに期待してくれている人たちがいるんだ! 信じてくれてる友達がいるんだ!!)
穂乃果(自分の命なんて、問題じゃない! 今はその信頼に応えなきゃ!!)
穂乃果(走れ、穂乃果!!)
ダダダダ
今行こう 早く行こう どこでもいいから
穂乃果(太陽が、どんどん沈んでく・・・・・・! 待って、神様!! あともう少しなんだから!!)
穂乃果(絶対ぜったい、間に合わせる!! 間に合わせてみせる!!)
ダダダダ
太陽きらめいて 未来を招いてる
さあ行こう 君も行こう ススメ→トゥモロウ
穂乃果(絶対、海未ちゃんとことりちゃんを処刑なんてさせない!!)
穂乃果(・・・・・・アキバの市のUDXの塔楼が見えた!! 絶対、諦めない!!)
ダダダダ
穂乃果「貴方はっ・・・・・・石工の海未ちゃんの弟子の、凛ちゃん!?」
凛「穂乃果ちゃん、もう無理だにゃ・・・・・・! 走るのは、やめて・・・・・・!」
凛「もう、海未ちゃんとことりちゃんは、助けられないよ・・・・・・!」
穂乃果「でも、まだ陽は沈んでないもん!」
熱いこころ (もてあまして)
抱いて走った (苦しかったんだ)
凛「海未ちゃんとことりちゃんは、ずっと穂乃果ちゃんを信じてたよ。刑場に引き出されても、平気だった」
凛「王様が、さんざんふたりをからかっても、穂乃果ちゃんは来ます、とだけ答えて、強い信念を持ってたの・・・・・・」
穂乃果「だから走るの! 信じられてるから走るの!!」
穂乃果「ふたりが、穂乃果を信じてくれてる限り、穂乃果も諦めない!! 凛ちゃん、ついてきて!!」
凛「穂乃果ちゃん・・・・・・! わかったにゃ、穂乃果ちゃん! もしかしたらまだ間に合うかも!!」
凛「走って、穂乃果ちゃん!!」
みんなおいで (もっともっと)
もっと動いて 確かめたいチカラ (Hi!!)
穂乃果(体中痛くて、足もすごく痛いけど、そんなことどうでもいい!!)
穂乃果(可能性がある限り、絶対ぜったい、諦めない!!)
Let’s go 変わんない世界じゃない
Do! I do! I live! (Hi hi hi!)
Let’s go 可能性あるかぎり
まだまだあきらめない (Hi hi hi!)
穂乃果(太陽が・・・・・・光の、最後のひとかけらが・・・・・・! 消えかかってる・・・・・・!)
穂乃果(でもっ・・・・・・間に合った!! 刑場の、磔の柱が見えた!!)
穂乃果(うおおぉぉぉっ!!!)ダダダダ
Let’s go 自然な笑顔なら
Do! I do! I live! (Hi hi hi!)
Let’s go 可能性みえてきた
元気に耀ける 僕らの場所がある
穂乃果(声が・・・・・・声が、出ない・・・・・・!!)
ワイワイ ガヤガヤ
穂乃果(海未ちゃんとことりちゃんが、磔の柱に吊り上げられてく・・・・・・!)
穂乃果(どいてっ・・・・・・通してっ・・・・・・!!)
穂乃果「・・・・・・刑吏さんっ!!」
ザワッ
穂乃果「私だよ、刑吏さん!! 穂乃果だよ!! あのふたりを人質にした穂乃果は、ここにいる!!」
海未「穂乃果・・・・・・!」
ことり「穂乃果ちゃん・・・・・・!」
希「うそ、ほんまに・・・・・・!?」
ワーワー
アッパレ、ユルシテヤレー
希「エリチ・・・・・・」
絵里「・・・・・・・・・・・・」
絵里「・・・・・・おろしてあげなさい」
希「聞いた? 『はりつけにして全身くすぐりの刑』は中止! ふたりをおろすんや!」
スルスル
穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん・・・・・・!」ウルウル
海未「穂乃果・・・・・・!」ウルッ
ことり「穂乃果ちゃん・・・・・・!」グスッ
穂乃果「穂乃果ね、途中で一度だけ、悪い夢を見たんだ」
穂乃果「ふたりが穂乃果を殴ってくれなかったら、穂乃果はふたりと抱き合う資格も無い。だから・・・・・・」
海未「ええ・・・・・・」
ことり「わかったよ」
海未「貴方は最低ですっ!」バチーン
ことり「ごめんで東條っ!」バチーン
穂乃果「スマイリンッ!?」
ことり「ことりたち、この三日の間、たった一度だけ、穂乃果ちゃんのこと、疑っちゃったの」
海未「生まれて初めて、貴方のことを疑ってしまいました・・・・・・」
ことり「穂乃果ちゃんが、ことりたちを殴ってくれなかったら、ことりたちは穂乃果ちゃんと抱擁できないから・・・・・・」
穂乃果「うん・・・・・・わかったよ」
穂乃果「I say fight!」バチーン バコーン
海未「ラブアロシュッ!?」
ことり「スピカテリブルッ!」
草
ことり「・・・・・・うふふ」
海未「あはは・・・・・・」
ことほのうみ「うわああぁぁ~~~ん!!」ダキッ
穂乃果「ありがとう、ふたりともっ・・・・・・! 穂乃果のことを、信じてくれて・・・・・・!」
海未「私たちの方こそっ・・・・・・ありがとうございます・・・・・・!」
ことり「信じてくれて・・・・・・ありがとう、穂乃果ちゃん・・・・・・!」
オーイオイオイ
希「・・・・・・一件落着。エリチの負けみたいやね」
希「・・・・・・エリチ?」
絵里「・・・・・・・・・・・・」スック
穂乃果「王様・・・・・・」
絵里「貴方たちは、私の心に勝った。誰かを信じる力が、決して空虚なものでないことを、教えてもらえたわ」
絵里「そ、それで・・・・・・良かったら・・・・・・///」ゴニョゴニョ
穂乃果「?」
絵里「その・・・・・・私も、ね。これからは、他の人のことも信じるようにするから・・・・・・」
絵里「私も・・・・・・貴方たちの、仲間に入れてくれないかな、って・・・・・・///」
穂乃果「王様・・・・・・いや・・・・・・絵里ちゃん!」パアァーッ
絵里「ちょ!? そういうんじゃないわよ、私はただ・・・・・・!///」
ことり「必死で帰ってきてくれた穂乃果ちゃんは、わたしません! ことりのおやつにするんです!」
ギャーギャー
穂乃果「え、ちょ、3人とも!?」
希「・・・・・・やれやれ」
希「はい、穂乃果ちゃん」バサッ
穂乃果「え? マント?」
希「とりあえず、それ、着とき。せっかくのヒーローやのに・・・・・・」
希「そんな、裸みたいな格好しとったら、カッコつかんやろ?」ニカッ
穂乃果「・・・・・・へ?」
穂乃果「・・・・・・・・・・・・」
穂乃果「・・・・・・///」
海未「穂乃果の・・・・・・」
ことり「半裸・・・・・・」
絵里「・・・・・・ハラショー」ブッ
――勇者は、ひどく赤面した。
おしまい
王様には何のお咎めもなくて子供ながら腑に落ちなかった記憶がある
わかる
王様身内皆殺しだし一生後悔し続けるんだろうな
オマージュもええもんやな
こういう元ネタのあるものは書き手のセンスが大きくでるよな。
歌詞がはいることでラブライブって感じの味でていいね
半裸の穂乃果ちゃんが襲われない世界素晴らしい
なんか懐かしい気分になれた
アレンジ上手いな
…おらんよな?
面白かったわ
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