【ラブライブ!】希「自分の中の人、知りたくないん?」
- 2020.04.07
- SS

海未「はて?想像もつきませんね」
穂乃果「中の…まさか、希ちゃん!赤ちゃん出来たの?」
花陽「アカチャンデキチャッタノォ?」
希「ちょ、ちょっと、なんでそっちに行くの?」
真姫「イミワカンナイ!」
ことり「希ちゃん、ちゃんとつけなきゃダメだよぉ~」
希「いやいや出来てないから!そういう話じゃないから!」
にこ「じゃあ何なのよ?忙しいんだから、あんまり変な話して作業止めないでよ」
絵里「そうよ。今アキバのイベント準備の大詰めなんだから」
凛「でもちょっと疲れたから休むにゃ~」
花陽「月刊なのに今週号?!!!」
希「ここ!この記事によると、この世の中は結局『別の次元の誰か』
が書いたシナリオで、うちらも『別の次元の誰か』が演じているだけなんやって。
で、その演じている誰かのことを『中の人』て言うんやて」
穂乃果「ええー!そうだったんだ!それは凄いよ!!」
ことり「穂乃果ちゃん…信じちゃダメだよぉ~」
海未「何かのSF小説みたいな設定ですね」
にこ「それも、すっごいB級の」
絵里「それで、私たちを演じてるって言う中の人がどんな人なんだろう?って話?」
希「さすがエリち!どんな人が、うちらの中の人なんやろなぁって」
ただの操り人形ってことじゃない?」
希「まぁまぁ、そんなに深く考えなくてもええんや。スピリチュアルな話なんやから」
穂乃果「中の人…私のお腹を切ったら、別の誰かが出てきて…」
海未「穂乃果、そういうことではないと思うのですが」
花陽「そういうことじゃなくて…私たちが役で、それを演じてる人がどんな人なんだろう?
て話をしてるんじゃ?」
凛「かよちんさすがにゃ!凛も口から別の誰かが出てくる話かと思ってたにゃ!」
花陽「ええーー?!」
海未「穂乃果の中の人は、おそらくしっかり者で落ち着いた人かと思います。
穂乃果のようなガサツで落ち着きのない人を演じるのは、かえってしっかり者でなければ
出来ない気がするのです」
海未「まあ、私の中の人は私に似て、品行方正な大和撫子で間違いないでしょうね」
絵里「いやいや、別に同じような人だとは限らないわよ?
もしかしたら、すっごいギャルかも知れないし」
海未「そんなことは有り得ません!」
希「エリちの中の人は、意外とぐうたらな人やと思うわ~」
絵里「希!なんでよ?中の人だって、賢いかわいいに決まってるでしょ!」
希「フフフ…」
花陽「わ、私は、自分がちんちくりんで地味だから、中の人は綺麗でスラっとしてて…
ていう感じの人がいいなぁ」
凛「かよちんは、外も中もかわいいよ!」
花陽「凛ちゃんもかわいいよ!」
真姫「はいはい。みんな良くこんな下らない話で盛り上がれるわね…
ほら、アキバフェスの参加アイドルのリスト、速くまとめるわよ」
にこ「とか言っちゃって、ホントは『私の中の人はきっと、フリフリ衣装のカワイイ女の子♪』
なーんて思っちゃったりしてるんでしょ?」
真姫「ちょっっっ!イミワカンナイ!そ、そんなこと思ってるわけ無いでしょ!」
絵里「さあ、雑談はこの辺までにして、続きにとりかかるわよ!思った以上に参加アイドル
殺到してるんだから!」
(帰り道)
希「ふぅ…すっかり遅くなっちゃったなぁ。ほんま、みんなと居る時間は楽しいわぁ。
でも、それももうすぐ…」
希「もし、この世界が誰かの書いたシナリオなら、μ’sのみんなの未来はどんななんやろなぁ」
希「キャァ!痴漢?」
謎の男「ホーッホッホ。痴漢とは失礼な。私は決して怪しいものではありません。」(スッ)
希(あ、怪しすぎる…)「ま、まぐろもぞう?」
真黒模造「まっくろもぞう。ただのセールスマンじゃぁございません
この世は老いも若きも男も女も、心の…」
希「あっ!これアカンやつや!変な品物押し付けて奈落の底に叩き落とすやつや!」
真黒模造「ホーッホッホ。あなた、喪黒福造をご存知でしたか。ご安心下さい。
私はあのような男ほど悪趣味ではございません。」
真黒模造「あなた、今のこの楽しい時間が終わりつつあることに大変危機感を持ってらっしゃる」
希「……」
真黒模造「ホッホッホ。あなたの顔を見ればすぐに理解りますよ。そして、自らが暮らす
この世界が、実は虚構のものであるのではないか?とも疑ってはいませんか?」
真黒模造「どうやら図星のようですね。あなたの疑っている通り、実はこの世界は虚構の世界。
違う次元『3次元』の世界が生み出した虚構の『2次元』の世界。あなた達はその中の役に過ぎない」
希「それって、ムウに載ってた話やん?あれはあくまでスピリチュアル雑誌やで」
真黒模造「あなた、月刊誌なのに今週号を手にしていることを疑問に思いませんでしたか?」
希「あっ!!」
真黒模造「ホッホッホ。それはわざわざあなたが手に取るように差し向けたものです。
記事の内容にはご満足いただけましたか?」
希「一体、何が目的なん?」
真黒模造「ホッホッホ。私は先程申し上げた通り、あなたを奈落に叩き落とそうだなんてこと
は考えておりません。ただあなたの知的探究心を満たして差し上げたいだけです。」
希「これは…水晶球?アカンアカン。うちはタロット派や」
真黒模造「カードでは鮮明な像は見えないでしょう?これは、次元の壁を超えて見ることが
出来る水晶球。あなた達を生み出した3次元の世界を見ることが出来る球です。
いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたらそれが何よりの
報酬でございます。」
希「はぁ…結局あの怪しい人に押し付けられてしもうた…どうしようこれ。」
希「この世界が実は別次元が生み出した虚構の世界?…アカンアカン。あるわけないわ。
あるわけ…ない…けど…」
(絵里の部屋)
絵里「ふぅ…お風呂の上がりの一杯の牛乳は最高にハラショーね」
(;´Д`)ノθ゙゙ ヴイィィィィン
絵里「希?わざわざ電話って何かしら?メッセでもいいのに…はいはい希?どうしたの?」
希「エリち…ぐすっ…うち…うち…うう…」
絵里「希?どうしたの?何かあったの?」
希「エリち…うちら…うちら…終わってしまうんよ…ぐすっ…」
絵里「え?終わるって?何が?一体どうしちゃったのよ?すぐに行くから待ってて!!」
希「うん…ぐすっ…」
絵里「希!何かあったの?電話に出たら突然泣き出して!それに終わるって何?」
希「エリちは、うちがこれから話すこと、信じてくれる?」
絵里「私が、希を信じなかったことなんてある?」
希「エリち…ありがとう。あのな……………」
絵里「そ、そんな…そんなこと、あるわけないでしょ?希、あなた変な人に騙されてるのよ!」
希「うちも始めはそう思ってた。でも、色々考えると辻褄があってくるんよ?」
絵里「もう遅いわ。明日みんなに話しましょ。」
希「エリち?帰っちゃうん?いやや!ひとりにせんといて…」
絵里「大丈夫よ希。今夜は一緒に居てあげるから。私はソファでいいから」
希「え?一緒に寝てくれないん?」
絵里「い、一緒に寝るって…もう、いいわよ。ホント希は甘えん坊なんだから」
穂乃果「絵里ちゃん、深刻な感じで呼び出してきたけどなんだろうね?」
海未「まさか、アキバフェスの段取りに重大なミスが見つかったとか?」
ことり「そんな…もうすぐなのに~~穂乃果ちゃぁ~ん」
絵里「みんな、集まったわね。さぁ、希。昨日のことを話すのよ。話だけじゃ難しいから、
その水晶球も使って話しなさいね」
凛「希ちゃん?どうしたの?目が真っ赤にゃ…」
希「あのな…みんな、この水晶球が見えるようにこっちに来て…………」
海未「解散云々よりも、まずはこの3次元という概念を受け入れる必要がありますね」
凛「よくわからないけど、この人達が中の人ってやつかにゃ?」
ことり(わたしの中の人、さっきからビールばっかり飲んでる…)
花陽(あぁ、中の人は綺麗で背が高くてナイスバディで…羨ましい)
にこ「で、どうなのよ?別に私たちも解散しようってんだから、
向こうの人達が解散でも構わないでしょ?」
真姫「良くないわよ。だって、希の話が全部本当なら、私たちは向こうの人達が描いた
ただの絵ってことなのよ?それにその人達が声を当てて、
私たちになってるっていうことでしょ?」
絵里「要するに、向こうのμ’s…の物語が終わってしまったら、私たちも終わる。消えるの」
ことり「そ、そんな!いやだよぉ穂乃果ちゃぁ~ん」
穂乃果「みんな死んじゃうってこと?」
希「死んじゃう…そんな生半可なものやない…この世界が終わる…うちらに未来が来ないんや」
海未「しかし…これまで自分たちで頑張ってきたではありませんか。それもみんな、
向こうの世界の人が書いたシナリオだったと言うのですか?」
絵里「そういうことになるわね。私たちは今、向こうの世界での『劇場版』らしいわ」
凛「凄いにゃ!ニューヨークでのライブが流れてるにゃ!かよちんカワイイよ!」
花陽「凛ちゃんもカワイイよ!」
で?大人気らしいじゃない。当然続編もあるんでしょ?
スーパーアイドル矢澤にこちゃん世界征服編とかあるんでしょ?」
希「にこっち…それが…それが、無いから、こんなに深刻なんよ」
にこ「なんでよ?なんか物凄い人気が爆発してるじゃない。人気がないならまだしも、
こんな状態で続編もなし、向こうのμ’sも解散、なんてあるわけないわ。」
花陽「でも、人気が絶頂の時に突如辞めるというやり方もあることも事実です!
人気が無くなるまで延々と続けるよりは絶頂の時に幕を引き強烈なインパクトを残す
ことにより伝説に…すなわち!レジェンドとなるのです!!!!」
海未「しかし、現段階では向こうの方々のライブが終わるだけなのでは?
μ’sとしての話は幾らでも広げられると思いますが。」
真姫「私たちもスクールアイドルであることにこだわってμ’sを解散することにした
…することになってた?あーもうっワケワカンナイ!」
絵里「そうね。私たちが卒業すると同時にμ’sは解散するわけだから、
話を広げると言っても無理があるわ。現に私たちは卒業式も終えてしまったわけだし」
大学生になったら、色々合コンとかしたかったのにぃ~!」
海未「ことり!あなたそんなことを考えていたのですか?は、破廉恥です!」
花陽「だ、大学生編…うっ…頭が…」
穂乃果「う~ん…じゃあ、解散しなければいいんじゃないかな?」
一同「ええええ???????」
穂乃果「だって、私たちが解散するから向こうも終わりにしなきゃってなってるんでしょ?
じゃあ、解散しなければいいんだよ!」
ことり「穂乃果ちゃん!すごい!名案だよぉ!」
真姫「確かに、私たちが解散しない、3年生が卒業しても普通のアイドルとして
μ’sを続ければ、向こうのμ’sも解散しなくていいし、続けざるを得なくなるわ」
信念曲げちゃうってどうなのよ?」
真姫「もうこの際、信念なんてどうでもいいわよ。生きるか死ぬかの問題なのよ。」
穂乃果「よし!じゃあ、μ’s解散撤回!3年生が卒業しても、みんな卒業しても、
おばさんになっても、μ’sは永遠に不滅です!!」
絵里「ハラショー!!じゃあ、早速μ’s続けますってみんなにメールしなきゃね!」
花陽「……」
凛「か~よちん。どうしたの?」
花陽「これで、良いのかな?無理矢理歴史を変えるようなやり方、出来るのかな…?」
凛「大丈夫にゃ!これでかよちんとずっと一緒!」
花陽「…うん!」
絵里「そんな…昨日は確かに解散撤回ってメールを送ったはずなのに…」
ことり「μ’sアキバのフェスで解散ってなったままになってる…穂乃果ちゃぁ~~ん」
希「これが…運命ってやつなんやな…」
花陽「やっぱり…無理だよ…
だって、私たちは向こうの人達が生み出したものだったなら向こう側を変えないと…」
穂乃果「花陽ちゃんっっ!!!!」
花陽「ぴえぇぇぇっ!ほ、穂乃果ちゃん、近いよぉ」
穂乃果「そうだよ!こっちでダメなら、向こうの人、向こうの世界を変えればいいんだよ!」
絵里「ハラショー!でも、そんなこと出来るの?次元を超えて影響を及ぼすなんて…」
希「念を送ることくらいは出来るって言うてたけど…」
ことり「海未ちゃん…さすがにそれは良くないよ?」
真姫「じゃあまず、向こうのμ’sを取り仕切っている人を探せばいいのね」
希「うーん…何人かおるみたいやけど、まずはこの人みたいやね」
凛「ハゲにゃ!!」
穂乃果「凛ちゃん、偉い人だよ」
にこ「希!念を送るのよ!μ’s解散撤回~続編制作決定~って」
希「スピリチュアルパワー全開でいくわ」
凛「髪の毛が少し抜けたくらいにゃ~!」
絵里「ダメよ希!そんなんじゃまだ足りないわ!全部抜け落ちるほど念を送るのよ!!」
花陽「そこーーーーー?!」
希「あ、あかん…うちのパワーじゃ髪の毛100本が限界や…」
海未「あの…この方の髪の毛を全て抜くことが出来たとしても解散を撤回することには
ならないのでは…?」
真姫(な、なんだか、このまま終わっても良いんじゃないかって一瞬思ってしまったわ)
ことり「どうして!?もうどうすることも出来ないの?わたし達の世界、終わっちゃうのを
待つしか出来ないの?」
穂乃果「ことりちゃん、諦めちゃダメだよ!諦めたらそこで終了だよ!」
絵里「…そんな…結構髪の毛を抜いたはずなのに、まるで堪えていないなんて」
凛「ハゲだからちょっと抜いたくらいじゃ気にしないのかにゃ?」
真姫「毛を毟ることに専念してどうするのよ…まったく。μ’s解散を阻止すること。
そして、続編を制作させること。それが第一でしょ?」
解散はやめよう!続編もどんどん作ろう!』てなるかなーって」
海未「穂乃果…本気でそれ言っていたのですか…やれやれ」
花陽「やっぱり、無理だよ…私たちは所詮、向こうの人達が生み出した絵だよ…
変えられないよ…」
穂乃果「花陽ちゃん……」
穂乃果「希ちゃん、その水晶球貰った人の名刺、持ってたよね?」
希「あるけど、どうするん?もう関わらんほうがええと思うわ。」
その人ならなんとか出来るかもしれない!会って直接話しをしてみる!」
海未「私も付いていきましょう」
穂乃果「いいよ海未ちゃん。一人で行く。大丈夫。」
ことり「穂乃果ちゃん…みんなで行こうよ」
にこ「そうよ、なに穂乃果一人でカッコつけちゃってんのよ。9人集まってμ’sでしょ?」
絵里「そうね。それに穂乃果一人じゃ何しだすか心配だし」
穂乃果「絵里ちゃんひどいよ~~~」
凛「行くと決めたら早く行くにゃ!いざとなったらシメて無理矢理やらせるにゃ!」
希「あ!真黒偽造さんや!」
真黒模造「偽造ではなく模造です。人の名前を間違えるのは失礼に当たりますよ」
希「ご、ごめんなさい…」
真黒模造「まず、結論から申し上げますが、あなた達に結果を変えることは出来ません。
無論、私にも」
希「そんな…!じゃあ、うちら、うちら…未来は見えんって言うことなん?」
ことり「大学生になって、合コンしたかったよぉ~…」
海未「ことり…そんなに合コンをしたかったのですか」
いえ商品に過ぎません。
創りだした商品でお金を稼ぎ、用が済んだら次を創造する…
そのサイクルのひとつに過ぎないんですよ
希「そんな言い方はうちが許さへん!
うちら、うちらは…商品なんかやない!
ちゃんと心のこもった人間や!!」
にこ「そうよ!今までみんなで一緒に頑張って、泣いて、笑って…
そうしてきた私たちが商品だなんて!」
模造「おやおや…威勢がいいですねぇ。私は真実しか申し上げません。
あなた達は、3次元の世界の人々のお金儲けの道具、商品であることには
かわりはありませんよ」
真姫「にこちゃんやめて!」(ガシッ)
にこ「ちょっと真姫!離しなさいよ!あいつは私たちを侮辱してるのよ!
絶対に許さないんだから!」
ことり「にこちゃん…やめてよぉ…もうやめてよぉ…ぐすっ」
穂乃果「にこちゃん…やめよ。あの…セールスマンさん、ごめんなさい」
にこ「ちょっと!あいつの言うこと認めるの?」
穂乃果「認めるわけはないよ。私たち、誰が何と言おうとこの世界に生きる人間だもん」
でも、この人を殴ったところで、何も変わらないよ…」
私は今まであなた達のような方々に何人も
お会いしたことがありますが、ここまで自らのことを
『人間だ』なんて言い切った方は居ませんよ」
模造「話は終わりですが?こう見えても敏腕セールスマンでしてねぇ。
次のお客様がお待ちなのでそろそろ失礼致しますよ。
そうそう、その水晶球とは別に、もう一つ水晶球を差し上げます。
それは過去も見れるものとなっておりますので、どうぞ昔を懐かしむ時に
お使いください…ホーホッホッホッ」
海未「行ってしまいましたね…悔しいですが、これは運命を受け入れるしかないのでしょうか」
希「うちが…うちが…どんな思いで9人を集めたと思うてるんや…なんで!
なんで向こうの人達やめてしまうん?中の人達、誰も反対せぇへんかったん?
うちらの未来、見えなくなってしまうのに…うう…」
絵里「希…落ち着いて…さあ、まずは部室に戻りましょ…」
絵里「はい、暖かい飲み物でいい?少しは落ち着いた?」
希「うん…エリち…ありがとう」
凛「かよちん…ずっと一緒に居ようって言ったのに…ごめんね」
花陽「凛ちゃん、謝らなくてもいいよ。」
真姫「なんだか、3次元って、冷たい所なのね」
にこ「ホント腹が立つわ!散々私たちでお金儲けして、用が済んだらポーイだもん!」
花陽「CDの売り上げ、映像ソフトの売り上げ、関連商品の売り上げ、版権収入…
ぴゃあああああ!も、もの凄い利益が出ています!」
ことり「これだけあったら衣装もいーっぱい買えたのにぃ~!」
にこ「ちょっと!私達は向こうの人達に『描いてもらえば』良いんだからお金なんて要らないわよ!」
海未「それはそうですね」
絵里「それって、結構便利じゃない?欲しいものがあれば『描いて下さ~い』て頼めば良いんだから」
一同「ははははは」
ことり「穂乃果ちゃん!さっきから水晶球ずっと覗き込んでどうしたの?」
凛「偉い人の髪の毛が全部抜けて、解散撤回したのかにゃ?」
花陽(凛ちゃん鬼畜すぎる…)
そんなこと…ないよ…見てごらん‥」
真姫「何よ穂乃果、今更そんな…!
中の人達の、練習風景?」
穂乃果「うんそうだよ。にこちゃんもこっちへ来てよ」
にこ「ちょっと!スーパーアイドル矢澤にこの中の人のくせに、
全然ダンス出来てないじゃない!あり得ない!」
ことり「でも…すっごく頑張って練習してるね
あっ!わたしと同じ髪型してる!かわいい!」
絵里「凄いテーピングね…あまり無理はしないでほしいわね」
穂乃果「全然、冷たくなんかないんだよ…一生懸命、私たちに成りきってくれていたんだよ」
真姫「……」
だって、本当に私たちがただの『役』だったら、
なーんにも考えずに台本を喋ってるだけなのに、
どうしてこんなに普通にみんなと話したり、笑ったり、
泣いたり、怒ったり出来たのかなって」
希「そういえば、そうやね。本来は向こうの人が書いた台本に沿って、中の人が喋るだけやからね」
穂乃果「それって、中の人…ううんそれだけじゃない。
μ’sに関わった人々みんなが私たちに
命を吹き込んでくれたからじゃないかな?」
真姫「命を吹き込む…?」
穂乃果「うん!一生懸命創ってくれて、一生懸命演じてくれて…
だから私たちがここに居るんじゃないかな?って」
海未「そうですね…日本の考え方として『八百万の神』というのがありますね。
あらゆる物に神が宿る。本来は単なる『役』でしかなかった私たちに、神、
いえ命を宿してくれたのかも知れません。」
にこ「ちょ、ちょっと…そんなこと言われたら、泣いちゃうじゃないよぉ~!」
花陽「泣いていいんだよ。泣けるって、人間しか出来ないことなんだよ」
にこ「な、泣かないんだからね!泣かないん…うわぁぁぁぁん…ずずず」
真姫「ちょっ!私の袖で鼻拭かないでよ!まったくもう!…もう……うう…」
希「メール?一体誰から?」
真黒模造「ホーッホッホ。新しい商品はお気に入り頂けましたか?
私、あろうことか一つお伝えし忘れたことがございまして、
メールにて失礼させていただきます。
その水晶球、次元の壁を超えて見ることが出来る、のですが、
実は自分の演者に限ってかなりの影響を及ぼす事ができるのです。
良く使うも、悪く使うも、貴方次第で御座いますが、どうぞお試し下さい。
そうそう、彼の頭髪を抜く…ということだけは勘弁してやって下さい。
私も彼の気持ち、痛いほど理解りますので…」
希「だって」
絵里「だって」
だって、それって、私たちの中の人達と一緒に踊ったり歌ったり出来るってことでしょ?」
ことり「穂乃果ちゃん…?それとはちょっと違うような気が…」
穂乃果「違くないよ!だって、色々と助けてあげられるってことでしょ?
だって、せっかく貰った命だもん!ここできっちり使いたい!恩返ししたいよ!」
海未「穂乃果…『命を使う』と書いて『使命』ですか。成程、μ’sラストに向けて頑張る
中の人達をサポートする…確かにそれが私達の使命なのかも知れません(ドヤァ)」
真姫「ま、まぁ…私の中の人は大丈夫そうだけど…
転びそうになったら支えてあげてもいいわよ」
にこ「ああー!もう、なんでこの矢澤にこちゃんの中の人がこんなにダメダメなのよ!
階段降りるだけなのに危なっかしいじゃない!しょ~がないわね~。
私が転けないようにしてあげるわよ」
ことり「わたしは…もっとことりに成り切れるように、ちょっと乗り移っちゃおうかな♪」
海未「わたしは…とりあえず、人前で変な顔をしないように監視します」
絵里「あぁ…膝がキツイのね…私に出来ることは少しだけど、負担を少なく踊れるようにサポートするわ」
凛「凛は、まずはあの人の頭の毛を毟ってからにするにゃ!
とにかく毛を毟らなきゃ気が済まないにゃ!」
花陽(凛ちゃん…)
ことり「穂乃果ちゃん…いいの?」
穂乃果「いいんだよ。これで。もちろん、もうちょっと続きとかないかな~って思ったりも
するけど、今まででも、いろんな夢を叶えられたよ」
ラブライブ優勝まで来れるなんて思っても見ませんでした。
…台本かもしれませんが」
ことり「海未ちゃぁ~ん…そんなこと言ったら興ざめだよぉ~」
絵里「台本…なんかじゃないわよ。だって、向こうのμ’sって5年位やってるんでしょう?
だったら、私達の物語が始まる前に終わっちゃっていたかも知れないじゃない?」
花陽「アイドル業界は過酷です!せっかく出てきても売れなければ
淘汰されてしまう厳しい世界なんです!そんな中ここまでやって来れたというのは、
中の人達の頑張りもあるかも知れませんが、
それ以上にファンの方々が支えてくれていたからなんです!!
ファンあってのμ’sなんです!!だから、私達は中の人達を通して、
向こうのファンの方々へも今まで応援してくれたお礼をしなければいけないんです!!」
凛「かよちんアツいにゃ~!でもそんなかよちんが好きにゃ~」
真姫「胡散臭いセールスマンが、私達のこと『作品』だなんて言ってたけど
私達、最高傑作だと思わない?」
凛「真姫ちゃんが何か良い事言ってるにゃー!」
真姫「ちょっっ!べ、別に!いいでしょ!良い事言ったって!」
ことり「作品は、いつだって、誰にだって夢を見させてくれる…
わたしたちも、こうして夢を見ることが出来たんだよね」
にこ「ちょっと!今の言葉、中の人が携帯で書き込んでたわよ!
パクったでしょ?」
ことり「え?なんのことかな~?ちょっと一体化しちゃってたのかも~~」
目指せ!ラブライブ優勝!!」
海未「ファイナルライブは、大会ではありませんよ。ワンマンライブです。
なにげに、ワンマンでドームライブと言うのは、私達も経験がありませんね。
向こうの世界でも、ワンマンドームライブというのは物凄い偉業だそうですよ」
花陽「本当に、みんなで叶える物語…なんだね」
絵里「希?」
希「ん?なに?エリち」
絵里「これで…良かったの…?向こうのμ’s解散阻止、は出来そうにないけど。」
向こうのμ’sのみんなとも。」
絵里「まさか、μ’sが違う世界で2つある、なんて思っても見なかったわよ。
最後に凄い体験させてもらっちゃったかな。ありがと希」
希「なぁエリち……うちらのこと…これが運命やって言うたけど、運命って夢や志のある人は
導いてくれるものなんやなって思うたわ。
だから、これで終わりなんかじゃない。まだまだ描かれていない白紙のノートがあるって
思ってるんや…」
絵里「そうね…私もそう思うわ…」
(某スタジオ)
スタッフ「あれ?木○さん?スタジオの中は暑いんですから、ニット帽は脱いだらいいのに」
○皿さん(朝起きたら髪が全部抜けてたなんて言えない…)
おわり
乙です
真黒模造「ホッホッホ…お客様は、商品をお気に召してくださったようですね。
さて、営業日報を仕上げてから次のお客様に…」
真黒模造「おや?先程のお客様は、一度お会いしたことがあったお客様でしたか。
敏腕セールスマンがお客様のお顔を忘れてしまうとは、恥ずかしい限りですな」
(5年前)
穂乃果「どーしよー!CD売れないよーーー!」
真姫「この知性あふれる美貌の持ち主、マッキーがメンバーに居るのに、
みんななんでスルーするのよ」
花陽「それは…は…花陽が…ハァ…ダレカタスケテ-」
ことり「せっかくいちごのパンツ穿いてきたのに~」
にこ「にっこにっこに~。今時いちごのパンツなんかで男釣ろうなんて古いにこ!」
絵里「そうよ。今の時代はグッドスタイル&明るい性格よ!
それなのに…この世の中の男って、見る目ないのね」
凛「それにしても、ここはどこ?真っ暗にゃ」
海未「ここはダンボールの中です。売り上げが悪いので一向にここから出してもらえません…」
希「うーん…うちのラッキーパワーでもダメ?」
穂乃果「今、どのくらい売れてるの?」
海未「400枚くらいでしょうか…」
真姫「ありえないでしょ!こーんなにカワイイ真姫ちゃんが居るのに、こんな所で埋もれているなんて!」
賢いかわいいエリーチカ、の名前に汚点をつけてしまうわ」
謎の男「ホーッホッホッホッ」
一同「だ、誰?」
真黒模造「まっくろもぞう。ただのセールスマンじゃぁございません
この世は老いも若きも男も女も、心の…」
にこ「にっこにっこに~。はい、一枚お買い上げありがとうございます!」
真黒模造「私は通りすがりです。申し訳ありませんが必要ありません」
穂乃果「ええー?私達のファースト・シングルだよ?伝説!開幕!だよ?」
海未「まあ、このダンボールの中では、伝説開幕も何もないのですが…」
真黒模造「なら、私が外の売り場へ出して差し上げましょう」
穂乃果「ホント?!うれしい!やっと明るい場所へ出れるよ!」
真黒模造「良いのですか?外の世界はここよりもずっと厳しいですよ?」
真姫「さあ、こーんなにカワイイ、真姫ちゃん達の記念すべきファーストシングル。
みんな買いなさいよ」
にこ「にっこにっこに~♪」
希「このCDを買ってくれたそこのキミ!ラッキーなことが起こっちゃうかも?」
オタA「ちょwwwwなんだよこれwwwア○マ○のパクリか?」
オタB「伝説www開幕www地雷にしか見えねぇぇぇ」
オタC「キャラデザwww90年代のエロゲかよwwww」
オタD「ラブライブはじまらないなwwww」
花陽「ああ…あわわわ…は、花陽が悪いんです…ダレカタスケテ-」
ことり「ひ…ひどいよみんな…そんなに言わなくてもいいのに…」
真黒模造「ッホッホッホ…如何ですが外の世界へでた気分は?
ずっとダンボールの中で出荷待ちしてたほうが良かったのではないですか?」
穂乃果「全ッ然大丈夫です!私、アイドルになりたくて頑張ってきたんです!
今はこんなだけど、夢に向かって必死に頑張って突き進んでいけば、
いつかきっとそこにたどり着けると思うんです!」
真黒模造「ホウ…意味もなく壮大な夢をお持ちなんですねぇ。
まあ、小さい夢は見るな。それには人の心を動かす力がないからだ。
という言葉もありますからねぇ」
穂乃果「おじさん!今の言葉カッコイイですね!」
海未(今のは、ゲーテですよ…この胡散臭い人の言葉ではありませんよ)
穂乃果「これは…何かの翼?羽根?」
真黒模造「なにか特別な力があるわけではありません。ただのお守りとして使って下さい」
穂乃果「おじさんありがとう!」
(パタン)
真黒模造「おお!つい懐かしくなって昔の日報を読みふけってしまいました。
まさか、ここまで大きく成長するとは、感慨深いですな。
さて…お次のお客様は……沼津ですか…少し遠いですが、ぼちぼち参りましょう
ホーッホッホッホッ」
おわり
(今になって穂乃果の事故紹介聞いたら、セリフが刺さりまくりで泣けたのでつい追記しました)
-
前の記事
【ラブライブ!】マジで三森すずこさんと結婚したいんだが・・・ 2020.04.07
-
次の記事
【ラブライブ!】明晰夢でいつでもμ’sに会えるぞ 2020.04.07