【ラブライブ！】穂乃果「今日で卒業、か……」

ことり「卒業式も、なんだかあっという間だったしね……」

海未「そうですね……」

穂乃果「……今から、家に帰ったらさ」

穂乃果「もうここには、この制服をきて、これないんだよね」

穂乃果「……あの部室にも」

穂乃果「もう、行く事も出来ないんだよね」

凛「あ、三人とも、こんなところにいたー」

海未「凛……」

凛「探したんだよー、せっかく今から卒業パーティーやるのに、主役がいないんじゃいつまで経っても始められないよー」

凛「屋上なんて、今までに何回も来たのに」

穂乃果「……最後だからさ」

凛「……そっか」

穂乃果「……行こっか、部室」

花陽「それでは、みなさん、ご一緒に！」

『卒業、おめでとうございます！！』

穂乃果「え、へへ」

ことり「ありがとう、みんな」

海未「……」

凛「ささっ、座って座って！」

真姫「なんでも言って頂戴。今日に限っては、おねがいごと、なんでもきいてあげるわ」

花陽「あ、ご飯炊けました～！」

亜里沙「お菓子もありますよ！」

雪穂「……」

穂乃果「……ありがとう、本当に」

真姫「長かったような、短かったような…」

穂乃果「ふふ、それって、穂乃果たちの言うことじゃない？」

凛「それもそうだにゃー」

ことり「……でも、本当に……真姫ちゃんの言う通り……短かったような長かったような……わかんないね」

穂乃果「私は短く感じたなぁ……」

海未「……私もです。……そもそも、三年間があっという間でした」

海未「日々が、とても早く過ぎていくような気がします」

穂乃果「……そうだね」

穂乃果「最初は３人だけだったもんね」

ことり「まだμ’sって名前さえもない頃は、チラシ描いたりして、必死だったなぁ……」

凛「そうそう！かよちんも、本当は最初っからやりたいと思ってたくせに、なかなか」

花陽「り、凛ちゃん！」

凛「え、なにそれ。初耳」

穂乃果「あはっ～、あったねぇ」

雪穂「お姉ちゃん、それまだ会って間もないんだよね……？」

穂乃果「真姫ちゃんに曲を作ってもらおうとこっちも必死だったんだよ」

真姫「……まあ、確かに。根負けして……作っちゃったけど」

穂乃果「真姫ちゃん、ありがとう。……あんなに素敵な曲を、作ってくれて」

穂乃果「感謝してもしきれないよ」

真姫「……っ。……なによ、今更……」

穂乃果「あはは……」

真姫(……遅いのよ、まったく)

海未「……ありがとうございます、亜里沙」

亜里沙「えへへ……」

ことり「ラブライブ！でも、優勝出来て……その後は、海外……」

穂乃果「海外か……うっ、迷子の忌まわしき思い出が……」

海未「まったくです。そもそもなぜ乗る電車を間違えるのですか」

凛「そんなこと言って～、穂乃果ちゃん探してるときもずっーと涙目で必死になってたくせに」

海未「凛！！」

雪穂「大勢のファン、でしょ？」

穂乃果「うん、びっくりした」

ことり「でもやっぱり、嬉しかったよね」

花陽「……でも、そこから」

花陽「解散の話が、また巡り巡ってきたんですよね」

海未「……ええ。ですが、私達は……スクールアイドルですから」

穂乃果「……『スクールアイドルにこだわりたい』」

穂乃果「私達は、スクールアイドル。それ以上でも、それ以下でもない……」

ことり「……だからこそ、今だけの輝きを」

海未「……」

穂乃果「……私」

穂乃果「やっぱり、この学校、好きだった」

ことり「……私も」

穂乃果「…そんな所に、もう来られないのは、辛い……それと」

穂乃果「……花陽ちゃん、凛ちゃん、真姫ちゃんに会う機会も、減っちゃうんだなぁって」

凛「……」

真姫「……そうね」

花陽「……えっと」

花陽「実は、３人に渡したいものがあるの」

花陽「私からはことりちゃんに……」

凛「凛は海未ちゃん！」

真姫「……私が、穂乃果に」

ことり「え……」

海未「これは……」

穂乃果「……！」

花陽「少しでも、記念になったらいいかなって……イニシャル入り」

凛「頑張って作ったよ」

真姫「……多少下手でも、文句は言わないでね……本当に、一生懸命……」

海未「……うっ」ｸﾞｽｯ

海未「……こんなの……泣いちゃいますよ……」

花陽「……」

海未「……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛｯ

穂乃果「あーもう、湿っぽいのはなしだよ！」

穂乃果「……ありがとう、大事にするからね」

穂乃果「……それじゃあ」

花陽「……うん」

ことり「……」

穂乃果「……最後に、見て回ろう」

海未「……ええ」

ーーー

穂乃果「……教室」

ことり「最後も、同じクラスでよかったね」

海未「ここではよく三人で昼食を……」

穂乃果「うん……」

ーーー

穂乃果「講堂……か」

海未「……」

ことり「……」

ー校門ー

穂乃果「……」

海未「……」

ことり「……」

海未「……はい」

穂乃果「……楽しかったよね」

穂乃果「３年間、楽しかったよね？」

ことり「……うん」

穂乃果「……それが終わるのを、悲しんでもいいよね……」

海未「……穂乃果」

ことり「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「……ｸﾞｽｯ」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛｯ

ことり「も、もう、穂乃果ちゃん……湿っ、しめっぽいのは、な、なしだって……ﾋｯｸ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛｯ

海未「……っ」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛｯ

穂乃果「うっ、ぐっ……！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛｯ

穂乃果「……さよなら」

さようなら、音ノ木坂学院。
ここで勉強出来て。
ここでみんなに出会えて。
ここで――μ’sを……スクールアイドルをやれて。
本当によかった。

穂乃果「……」

ありがとう。
音ノ木坂学院。

おわり