【ラブライブ!】海未「名は体を表す」
- 2020.04.10
- SS

海未「園田海未と申します」
海未「海のように心の広く、また、どこまでも終わることなく延びて行く大きな女性に育つように、と、両親が願ってつけてくれました」
海未「最近、思うことがあります」
海未「私は両親の願ったような『海未』になれているのでしょうか」
海未「名前の由来を要約すると、器の大きな女性になれ、という願いがあるかと思います」
海未「私の器は、はたして大きいのでしょうか」
「大きくない!すぐ怒るし!」
海未「お黙りなさい!」
海未「…コホン」
海未「失礼しました」
海未「ですが、その通りかもしれません」
海未「不測の事態が起こると私だけすぐ泣いて」
海未「例えば、寝起きだって最悪であると自負しています」
海未「私はまだ『海未』になれてはいないのでしょうか」
「そんなこと言ったらことりだって『ことり』のままだよ?」
海未「いいえ、ことりはもう翼を大きく広げられるほど大きな鳥ですよ」
海未「…??」
海未「『ことり』ではないけど『ことり』よりも良い…?」
海未「ことりのように可愛らしくはあるのですが、ことりはもう産毛のことりではありません」
海未「そうすると『穂乃果』とはなんなのでしょうか・・・」
海未「穂はきっと穂むらから取ったのでしょう。雪穂も『穂』が入っていますし」
海未「乃は…。何も考えず穂むら『の』で考えて良さそうですね」
海未「果は…。果実、でしょうか」
海未「穂むらの果実…。何か、子宝や大切なものを連想させますね」
海未「ああ、なんということでしょう。穂乃果は生まれたその瞬間から『穂乃果』でした」
海未「穂乃果は既に『穂乃果』であり、ことりは『ことり』よりも良いものになったようです」
「ねえねえ、凛は?凛は?」
海未「凛ですか…。一文字で凛…」
海未「凛には何か冷静さ、かっこよさといった願いが込められているように思えます」
海未「そうすると凛はとてもじゃないですが『凛』になれているとは言えないですね」
海未「…しかし、擬音語のリンという言葉を当てはめるならば」
海未「鈴がリンリンとなるような、そう、まさに猫のような…」
海未「…少し無理やりな気もしますが、凛は『凛』であると言っても良いのではないでしょうか」
海未「というより、私、リンというフレーズが好きなんですよね」
海未「歌詞の中でも何回か使っていますし」
海未「Rin rin ring a bell…。我ながら良くできた歌詞だと思います」
「花陽は、『花陽』になれてるかな…?」
海未「花陽…。字面が可愛らしいですね」
海未「花陽は合わせて考えてみましょう」
海未「出会った当初の花陽はむしろ…。言い方は悪いですが、どちらかというと日陰にいるタイプだったように思えます」
海未「ですがμ’sに入ってからは、名前に恥じない一輪の花になれていると思いますよ」
海未「花陽も間違いなく『花陽』です」
海未「これからもたくさんの光を浴びてその花を輝かせてくださいね」
「私は?真の姫って、偽物がいるみたいで嫌だわ」
海未「そういうことを言うものではありませんよ。ちゃんと意味があるはずです」
海未「ところで、姫という字の語源を知っていますか?」
海未「ちなみに男性の場合は日子。日とは太陽のことであり、太陽は天を表します」
海未「天の子、天の女。なにやら神聖な雰囲気を感じますね」
海未「こう呼ばれていたものが中国から伝わった姫、彦の字と混同したとかなんとか…」
海未「すみません、この辺りは私の勉強不足です」
海未「ですが私は単純に、この説が好きです」
海未「ヒメ、ヒコと聞いて織姫、彦星を連想できますよね?これは偶然ではないと思います」
海未「ちなみに姫の字自体は、女性の傍に仕える人…。そのままですね」
海未「…話を戻しましょうか」
海未「ここまでを踏まえると、真のヒメ、つまり真に美しい女性」
海未「真姫のことを表すのに適した言葉ではないでしょうか」
海未「真姫もちゃんと『真姫』でしたね」
「にこはぁ、海未ちゃんに言われなくてもぉ、にっこにこの『にこ』にこっ!」
海未「…そうですね」
海未「にこは疑いようもなく『にこ』であると思います」
海未「…恥ずかしくて、真似はできませんが」
海未「その溢れんばかりの笑顔」
海未「自分の笑顔を他人にも分けてあげようとする姿勢」
海未「周りにいるだけで、笑顔になる」
海未「それこそ、アイドルです」
海未「にこは、アイドルになるために生まれてきたのかもしれませんね」
「私はどうかしら。多分少し難しいわよ?」
海未「絵里、ですか…。確かに、考察は簡単ではなさそうですね」
海未「ここは、漢字を分解してみましょう」
海未「これは紐を紡いで作る糸の様子を漢字に起こしたものでしょう」
海未「そして、その糸同士が会う…」
海未「繋がりと繋がりとが出会い、さらに強い繋がりとなる…」
海未「そして、その繋がりが1つの絵を描く…」
海未「ああ、なんとか考察できそうです」
海未「あとは里ですね」
海未「里と言えば、人が寄り添い助け合いながら暮らす場であると思います」
海未「絵の字にも里の字にも、人々が集まり1つの事を成す様が見えますね」
海未「絵里の周りには、私たちや家族がいます」
海未「μ’sのまとめ役としても動いてくれますし、絵里も『絵里』であるでしょう」
海未「…ここまで、日本的な漢字で考察してきましたが」
海未「絵里はクォーター。エリーという名前にもなる利便性も含まれているでしょうね」
海未「ハーフの方は英名を漢字に当てはめることがあると聞きますし」
海未「このことはエリーチカという呼び名を念頭に置いても間違いないでしょう」
「最後はウチやね。えりちと比べて、そのまんま過ぎるかもしれんけど」
海未「…ええ。希は間違いなく『希』です」
海未「μ’s結成当初、私たちを陰から支えてくださった恩は今でも忘れません」
海未「希は私たちの希望への懸け橋…望みとなってくれました」
海未「ふふっ、希が望み…。少々くどいですね」
海未「…さて」
海未「私以外のμ’sメンバー8人はそれぞれ、願いが込められた名前の通りの人間になっていることがわかりました」
海未「問題は、私です」
海未「先ほど申し上げた通り、私の心、器は海のように広くはなく果ても知れています」
海未「こんな私が『海未』という素晴らしい名前を体現するなど…」
「そんなことないよ?」
海未「…あなた、最初に否定したではないですか」
「怒るのだって、いつも私たちのことを気にかけてくれてるってことだよね?」
「うんうん!特訓メニューだって作ってくれるし!」
「ダイエットなんて、自己管理の無さなのにプランを組んでしてくれるし…」
「私が作る音に合わせた最高の歌詞を書いてくれるしね」
「活動自体、恥ずかしいって言いながら積極的に参加してくれるし」
「グループをまとめるのも私1人じゃ無理よ?海未がいてこそなの」
「なんや、海未ちゃんもとっくに…」
海未「…そう、ですかね」
「「「「うん!」」」」
海未「…ふふっ」
海未「ありがとう、ございます」
海未「…ふふふっ」
おわり
では
おつおつ
乙です
哲学的だった
形式も内容も面白かった
乙
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