【ラブライブ！】チビ海未「姉さん」

母「ふふふ、ソレはさっきも聞きましたよ」

チビ海未「全国優勝ですよ！全国優勝！」

母「分かっていますよ」

ｶﾞﾁｬ･･･ﾀﾀﾞｲﾏｰ

母「おや、帰って来たようですね」

チビ海未「姉さんです！」ﾃﾃﾃｰ

チビ海未「お帰りなさい姉さん！優勝おめでとうございます！」

姉「えぇ、ありがとう」

チビ海未「ホントにスゴイです！ホントに！」

姉「試合のとき、海未の応援ちゃんときこえてたわ」

チビ海未「はい！私も姉さんみたいに優勝したいです！」ｷﾗｷﾗ

姉「あら、大事なのは優勝することじゃないのよ？」

姉「優勝して何を得るか、よ」

チビ海未「え、えるか？」

姉「アナタにはまだ早いわね」

チビ海未「…それより！今日も、稽古をつけてほしいです！」ｸﾞｲｰ

姉「ふふ、わかったから。引っぱらないでちょうだい？」

姉「実はね、私は試合が始まる前から勝つと思っていたの」

チビ海未「ほわぁ、やっぱり姉さんはすごいです！」

姉「いいえ、それは海未のおかげ」

チビ海未「…？」

姉「ふふ、妹の前では格好をつけたくなるものよ」

チビ海未「？？」

姉「だから、ありがとう海未」

チビ海未「…！姉さんにありがとうって言われました！」

姉「えぇ、いったわよ？」

チビ海未「えへへ、ありがとうって言われると嬉しいです」

姉「あはは、なあにそれ」

チビ海未「はっ！やぁ！とうっ！」

姉「…遅くなってるわ、もう疲れてきた？」

チビ海未「い、いえ！まだ打てます！」

姉「いつも言っているでしょ？力の抜き所を意識して打ち込んできなさい」

チビ海未「はい！…とりゃぁ！」

姉「やぁっ！」ﾒｪﾝ!!

チビ海未「あぅっ！…わわ！」ｽﾃｰﾝ

姉「こける必要はないわよ」

チビ海未「ま、参りました…」ﾍﾟｺﾘ

姉「ふふ、今日はここまでしましょ」

チビ海未「いえ、まだできます！」

姉「じゃあ一人でどうぞ～海未の夕ご飯まで食べちゃお～っと♪」ﾃｸﾃｸ

チビ海未「えっ…ソレはダメです！」ﾀﾀ

チビ海未「コレで0勝62敗目です…どうしても勝てません」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

姉「海未はまだ小さいんだから。慌てなくてもいいの」

チビ海未「小さくないです！私だって…！」

姉「海未が５人いても私には勝てないわよ～」

チビ海未「うぅ～…！」ｼﾞﾜｧ

姉「ほら、すぐに泣かない！！」

チビ海未「…！」ｺﾞｼｺﾞｼ

チビ海未「ぜったい勝ちます！」

姉「よし、その意気だ！」ﾆｯｺﾘ

母「それでは、来週にはもう…」

姉「はい、早めに行って土地勘をつけたいので」

母「ふふ、アナタは筋金入りの方向音痴ですからね」

姉「お母様！」

母「それはさておき、本当に海未には黙って行くのですか？」

姉「…話すとあの子は聞きわけがなくなります」

母「でしょうねぇ、海未はアナタが大好きだから」

姉「それに、私の決心も鈍ってしまいます…」

母「アナタも海未が大好きですからね」

姉「私はお母様のことも大好きです」

母「そんなことは知っています」

姉「言うんじゃなかった…」

姉「それじゃあ行ってきます。お母様、海未」

母「えぇ、行ってらっしゃい。気を付けてくださいね」

チビ海未「どこに行くんですか？私も行きたいです！」ｷﾞｭｯ

姉「ふふ、すぐ帰ってくるから大丈夫よ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

母「…荷物は後でちゃんと送りますね」

姉「はい、ありがとうございます」

姉「それでは…」ﾍﾟｺﾘ

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

チビ海未「姉さん、どこに行くんでしょうか？」

母「…海未、外まで見送ってあげなさい」

チビ海未「…？わかりました」

姉「あら、どうしたの海未」ｸﾙ

チビ海未「見送ってあげます！」

姉「あら、ありがとう。海未、こっちにおいで？」

チビ海未「はい！」ﾃﾃﾃ

姉「…海未」ｷﾞｭｯ

チビ海未「姉さん…？」

姉「…海未、お姉ちゃんのことは好き？」

チビ海未「はい、大好きです」ﾆｯｺﾘ

姉「ふふ、その言葉だけでいいの。海未、ありがとう…」

姉「私も、海未のことが大好きよ？」ｺﾂﾝ

チビ海未「…えへへ」

チビ海未「え？」

姉「返事は？」

チビ海未「は、はい…」

姉「稽古もサボらずに毎日やること」

チビ海未「はい！」

姉「よろしい！それじゃあ冷えるから、もう戻りなさい」

チビ海未「はい！行ってらっしゃいです、姉さん」ﾃﾃﾃ

ｶﾞﾗｶﾞﾗ･･･

姉「…海未」

チビ海未「姉さん、今日遅いです…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

母「…そうですね」

チビ海未「…お母様？」

母「海未、よく聞いてください。」

母「…あの子はしばらく家に帰ってきません」

チビ海未「…？」

チビ海未「…えいっ！…たぁ！」ﾌﾞﾝ!ﾌﾞﾝ!

チビ海未「」ｷｮﾛｷｮﾛ

ｼｰﾝ…

チビ海未「…静かです。」

『ほら！口動かす前に、身体を動かすの！』

チビ海未「…！」ｸﾙｯ

チビ海未「姉さん…」ｼﾞﾜ

チビ海未「あっ泣いちゃダメです！」ｺﾞｼｺﾞｼ

チビ海未「…はっ！とうっ！」ﾌﾞﾝ!ﾌﾞﾝ

『海未、私の手本をちゃんと見て！』

チビ海未「…」ﾂｰ

チビ海未「う……えぐ」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

チビ海未「うわぁぁぁああああん！！ねえさんのばがぁあああ！！」ﾋﾞｴｪ

数ヵ月後

チビ海未「…」ｿﾜｿﾜ

母「ふふ、慌てなくても大丈夫ですよ」

チビ海未「あ、慌ててなんかいないです！」

チビ海未「…」ｿﾜｿﾜ

ｶﾞﾁｬ･･･

母「帰って来ましたね」

チビ海未「…姉さんです！」

おわり