【ラブライブ!】ルビィ「もう一人のお姉ちゃん」
- 2020.04.26
- SS

善子(寝坊するなんて疲れてるのかしら)
花丸「あれ? もしかして……」
ルビィ「善子ちゃん?」
善子「ん?」クルッ
ルビィ「やっぱり善子ちゃんだ、おはよう」
花丸「おはよう、今日はお団子してないんだね、イメチェン?」
善子「二人ともおはよう、寝坊してセットする時間がなかったのよ」
善子「バスの中でやるわけにもいかないし、教室に着いたらってね」
善子「アレって?」
ルビィ「お団子がない善子ちゃんの後姿ってどこかお姉ちゃんに似てるね」
善子「私がダイヤさんに?」
花丸「あー、言われてみると確かにそうかも」
善子「へぇ、それならルビィ、私のことお姉ちゃんって呼んでみない?」
ルビィ「えぇ?」
花丸「いきなり何言ってるずら?」
花丸「あー、そういうこと」
善子「だからねっ、ルビィ一回だけでいいから!」
ルビィ「じゃ、じゃあ一回だけだよ?」
善子「うんうん」ワクワク
ルビィ「……よ、善子お姉ちゃん」ハニカミ
善子「……」キュン
花丸「満足した?」
善子(なんだろう、すごくいい、とてもしっくりくるわ、まるでこう呼ばれるのが当たり前だというかのように、もしかしたら私とルビィは本当は生き別れになった姉妹なんじゃないかしら、そうよ、そうに決まってるわ!)
花丸「お~い」
善子「妹っていいかも……」ニヘ
花丸「したみたいだね」
ルビィ「ふぅ……恥ずかしかった」
善子「さあ部室に行くわよ」
花丸「今日の練習は何をするのかな?」
ルビィ「そろそろ衣装作りのことも考えないとね」
花丸「今度の衣装は二人だけで作るんだよね?」
善子「ええ、曜さんが飛び込みの方で忙しくてこっちまで手が回らないみたい」
ルビィ「二人なら大丈夫って言われたから期待を裏切らないようにしないとね」
善子「普段よりも早く手をつけていけば問題ないはずよ」
ルビィ「でも曲のイメージとの兼ね合いもあるし衣装だけ先に進めるってわけにも……」
善子「うっ、確かに……」
花丸「大丈夫そう?」
善子「少し不安になってきたけど必ず達成して見せるわ」
ルビィ「そうだね、ルビィ達を信じてくれた曜ちゃんにカッコ悪いところは見せられないもん」
ルビィ「なに? 善子ちゃん」
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「……よ、善子お姉ちゃん」
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善子(……ダメだわ、一回だけって言ったのにもっと呼んでほしい)
善子(でもどうやって? 正直に言う? ルビィに引かれたりしないかしら……)
ルビィ「善子ちゃん!」
善子「えっ!?」ハッ
ルビィ「どうしたの? 急に黙り込んだりして」
花丸「完全に心ここに在らずだったずら」
善子「なんでもないわ、それで衣装なんだけど私にもデザインの手伝いをさせてくれない?」
ルビィ「善子ちゃんがデザイン?」
善子「ええ、少しでもルビィの負担を減らしたいの」
ルビィ「そうなんだ、ありがとう善子ちゃん!」
善子「そんなことはしないわよ、少しだけよ少しだけ」
ルビィ「それじゃあお願いしてもいいかな?」
善子「任せて、役に立ってみせるから」
ルビィ「エヘヘ、期待してるね善子ちゃん」
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「エヘヘ、期待してるね善子お姉ちゃん」
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善子「!?」
善子(なによ今の幻聴!? 私ってヤバいのかも……)
ルビィ「マルちゃん、どうしたの?」
花丸「練習着教室に忘れてきちゃった」
善子「なにやってるのよ、取りに戻るわよ」
花丸「一人でも大丈夫、二人は先に行ってて」
ルビィ「マルちゃんがそう言うならルビィ達行ってるね」
善子「さっさと戻ってくるのよ?」
花丸「うん、行ってきまーす」タタッ
ルビィ「それじゃあ行こっか」
善子「ええ」
善子「あら? まだ誰もいないのね」
ルビィ「今日はルビィ達が一番乗りだ」
善子「ふう」ストン
善子「……」
善子(これってもしかしてチャンスじゃない?)
ルビィ「ふむふむ」ザッシペラー
善子(ルビィ以外に誰もいないしお願いするなら今しかないわ)
ルビィ「んー?」
善子「あのね、ルビィ」
ルビィ「どうしたのー?」
善子「えっと、ちょっとお願いがあって……」
ルビィ「お願い? なんなの?」
善子「も、もしかしたら引いちゃうかもしれないけどね」
ルビィ(へ、変なお願いなの?)
善子「またお姉ちゃんって呼んでほしいの」
ルビィ「え゛っ!?」
ルビィ「ダメっていうか……え~?」
善子「あのね、ルビィにお姉ちゃんって呼ばれたのがすごく良くて」
善子「友達に対して何言ってるんだろうって自覚はあるのよ、だけど……」
ルビィ(……善子ちゃんがふざけて言ってるわけじゃないのはわかるよ)
ルビィ(耳が真っ赤だし善子ちゃんもルビィに言うの恥ずかしかったんだよね?)
ルビィ(そうまでして求められるならルビィの答えは……)
善子「うそ、いいの?」
ルビィ「お姉ちゃんの真剣な気持ちは伝わったから、だけどこれは二人きりの時だけの秘密だよ」シー
善子「ありがとう、ルビィ」ナデナデ
ルビィ「エヘヘ」
善子「ルビィ、一緒に食べようと思っていいものを買ってきたわ」
ルビィ「わぁー、スイートポテト!」パァッ
善子「好きでしょ? サツマイモ」
ルビィ「うん! お姉ちゃんありがとう」ニコ
善子「……」キュン
善子「いいのよ、妹を喜ばせるのも姉の役目なんだから」
ルビィ「あ~ん」パクッ
善子「どうかしら」
ルビィ「おいひぃ」モグモグ
善子「よかった、それじゃあ私も」
ルビィ「待って、お姉ちゃんもあ~ん」
善子「あ~ん、うん、おいしいわね」モグモグ
ルビィ「だよねっ!」
善子「ここはこのポーズでいくわ」キリッ
ルビィ「じゃあ撮るよ~、はいチーズ」パシャ
善子「ありがとうね、地獄通信に載せる写真を撮る手伝いなんてしてもらって」
ルビィ「ううん、ルビィがしたくてお姉ちゃんのお手伝いをしてるだけだから」
善子「それでもお礼を言わせて、こうしてついてきてくれるのはルビィだけなんだから」
善子「ルビィ……」ウルッ
ルビィ「だからね、面と向かって言うのは初めてだけど、堕天使なお姉ちゃんカッコよくて大好きだよ」
善子「……」キュンキュン
善子「もうっ! 本当に良い子なんだからっ!」ダキッ
ルビィ「エヘヘ」
善子「ルビィ、おいで」ポンポン
ルビィ「膝の上に乗ったりして重くない?」
善子「大丈夫だから」
ルビィ「それじゃあ、お邪魔します」ストン
善子「ん……」ギュー
ルビィ「ルビィ、重くないかな?」
善子「ううん、それにこうしてるととっても落ち着く」スンスン
善子「大丈夫、いい匂いよ、お姉ちゃんが保証するわ」スンスン
ルビィ「そういう問題じゃなくて~」
善子「は~、幸せ」ウットリ
ルビィ「む~、こうなったら」ハガシ
ルビィ「えいっ!」ダキッ
善子「ルビィ!?」
ルビィ「ルビィがどれだけ恥ずかしかったかわからせてあげるんだから」クンクン
ルビィ「知らないよ~だ」クンクン
善子「こ、降参するわ!」
ルビィ「エヘヘー、いい匂いだねお姉ちゃん!」
善子「……」キュンキュンキュン
善子「……フフッ、降参と言うのは嘘よっ!」ギュッ
ルビィ「あうっ!」
善子「もう参ったって言ってもルビィ分を堪能するのをやめないわ!」ギュークンクンナデナデ
ルビィ「る、ルビィ分ってなにー!?」
善子(今日もしっかりとルビィの妹っぷりを味わったわ)
善子(こんな無茶な要求に付き合ってくれるなんて本当に良い子なんだから)
善子(……だけど)
善子(いつまでもこんなこと続けてられないよね?)
善子(ルビィの優しさに甘えてるだけだってことも)
善子(うん……)
善子(今度の休みに遊び終わったらルビィを解放してあげよう)
善子「ルビィが本当の妹だったらよかったのにな」グスッ
善子「今来たところよ、気にしなくていいわ」
ルビィ「今日はどこに行くの? お姉ちゃん」
善子「時間はたっぷりあるし二人で行きたいと思った場所を上げていって回りましょう」
ルビィ「そうだねっ!無計画で突き進むのも楽しいかも」
ルビィ「お姉ちゃんはルビィをいくつだと思ってるの? 迷子になるような歳じゃないから」ギュッ
善子「口ではそう言っても応えてくれるところ好きよ」
ルビィ「褒めてもなにも出ないよ」プイッ
善子「フフッ」
ルビィ「……エヘヘ」
それから悔いが残らないよう二人で最後の休みを楽しんだわ
善子「そうね、でもルビィの門限も近いしこの店が最後よ」
ルビィ「次はどうする? また今日みたいにプランなしで遊んじゃう?」
善子「……あのね、大事な話があるの」
ルビィ「大事な話?」
善子「ええ、いろいろ考えて出した答え、姉妹ごっこは終わりにするわ」
善子「ルビィは優しいから付き合ってくれてたけど、やっぱりこんな関係普通じゃない」
善子「だからルビィにも悪いし、今日でキッパリと終わりにするの」
ルビィ「よ、善子ちゃんはルビィが妹なのイヤになっちゃったの?」
善子「そんなことない! そんなことないけどぉ……」
ルビィ(それにもうこんなことに付き合わないでいいと思うと清々するよ)
ルビィ(せいせい……)
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善子「またお姉ちゃんって呼んでほしいの」
善子「いいのよ、妹を喜ばせるのも姉の役目なんだから」
善子「もうっ! 本当に良い子なんだからっ!」ダキッ
善子「は~、幸せ」ウットリ
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ルビィ「っ!」
善子「そ、そんなに急いで食べたら体に悪いわよ」
ルビィ「」モグモグゴクン
ルビィ「……ごちそうさま」
善子(これって付き合わなくていいならすぐにでも帰りたいってこと?)ウルッ
ルビィ「あー……急いで食べたから口にクリームが付いちゃった」
ルビィ「……だから拭いてよ、お姉ちゃん」
ルビィ「聞こえなかった? ルビィはお姉ちゃんに口を拭いてほしいって言ったの」
善子「それって……」
ルビィ「これがルビィの答えだよ、大体ルビィのことこんな風にして勝手にやめるなんて許さないんだから」
善子「こんな風?」
ルビィ「あっ……もう! ルビィも善子ちゃんの妹でいられるのが嬉しいの!」
善子「ルビィ……ありがとう」グスッ
ルビィ「まったく、これじゃあどっちがお姉ちゃんなのかわからないよ」ナデナデ
ルビィ「もうそろそろ出来上がると思いますよ」
善子「土曜に集中的に作業して終わらせようと考えているわ」
曜「二人ともごめんね、作業に参加できなくて」
善子「向こうが忙しいのに練習に出られるだけでも凄いんだから気にしなくていいのよ」
ルビィ「そうですよ、全部ルビィ達に任せてください」
善子「それはいい心掛けね、私への貢物期待してるわ」
ルビィ「そんな気を使わなくても……でも、ありがとうございます」
ルビィ「千歌ちゃん、そういうわけで土曜日の練習は休ませてほしいんです」
千歌「そっかー、そういうことなら許可しよう!」
ルビィ「いいんですか?」
千歌「今回二人には無理してもらってるから、そのくらいのお願いは聞かないとね」
千歌「えーっ!? 今までリーダーらしくないって思ってたの?」
善子「どうかしら?」
千歌「手厳しいなぁ」
ルビィ「千歌ちゃんの許しも出たし、土曜日は完成目指して頑張ろうねお姉ちゃん!」
善子「ええ、またルビィの為にお姉ちゃんがスイートポテトを用意しておくわ」
ルビィ「ほんとうに? ありがとう!」
千歌「ほぇ?」
ダイヤ「おねえ……ちゃん?」
善子「どうしたのよ、急に静まり返って」
梨子「どうしたって……ねえ?」
曜「うん……」
花丸「またやってたんだ」
ダイヤ「二人に聞きたいことがあるのだけれど、記憶に間違いがなければルビィの姉はわたくしだけのはず」
ダイヤ「なのにどうしてルビィは善子さんを姉と呼び、善子さんもそれを当然のことだと受け入れているのかしら?」
よしルビ「あっ……」
ダイヤ「納得のいく答え、聞かせて貰える?」
ルビィ「善子ちゃんゴメン、ルビィうっかりしてた」ボソボソ
善子(ルビィ……こうなったらヤケよ!)
善子「確かにルビィと血の繋がりがあるのはダイヤさんだけよ」
善子「だけど私も血は繋がってないけどルビィの姉なんだからね!」
果南「言い切った!?」
ルビィ「お姉ちゃん……」ジーン
鞠莉「こっちは感激してるわ!」
ダイヤ「まったく納得のいく回答ではないわね」
ダイヤ「ルビィ?」
ルビィ「ルビィの本当のお姉ちゃんはお姉ちゃんだよ? だけど善子ちゃんもルビィのお姉ちゃんなの!」ダキッ
善子「ルビィ!」ダキッ
ダイヤ「ふ、ふざけるのも大概にしなさい!」
千歌(なにこれ? 修羅場なの?)
善子「そ、そうだ! 衣装を作らないといけないんだった! ルビィ、帰るわよ!」ダッ
ルビィ「そ、そうだね! みんなバイバイ! ルビィ達は先に帰るね!」ダダッ
ダイヤ「こら!まだ話は終わってないのよ! 待ちなさい!」
梨子「同級生をお姉ちゃんと呼ばせるなんてすごいね」
鞠莉「あれも堕天使ヨハネちゃんのなせる業なのかしら」
果南「どうだろうね」
ダイヤ「そういえばマルちゃんは何か事情を知ってそうだったわね」
花丸「ダイヤちゃん、やっぱり聞きたい?」
ダイヤ「ぜひとも」
花丸「本当は本人から聞いた方がいいと思うけど、逃げ出しちゃったしいいよね」
花丸「実は前に……」
ルビィ「ルビィにもわからないよ、帰ったらお姉ちゃんに怒られるのかな」
善子「あの様子だとそうかも……」
ルビィ「そんな~」
善子「いや、私から言い出したことだし私が怒られるべきよね」
善子「帰るときは家まで送っていくわ」
ルビィ「でもそれだとお姉ちゃんに迷惑が……」
善子「何言ってるの? 妹なんだから迷惑なんて気にする必要ないわ」
ルビィ「お姉ちゃん」ギュッ
善子「フフッ、まずは衣装作りをしないとね、逃げる口実になっただけなんてことになったらそれこそ大目玉よ」
ルビィ「うん! 一緒にがんばろう!」
善子「ねぇルビィ? 私達これからも仲良し姉妹でいましょうね」
ルビィ「もちろんだよ、これからもずっとずっとよろしくね」
ルビィ「ルビィのもう一人のお姉ちゃん!」
いいよしルビだった
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