【ラブライブ!】ダイヤ「相手変われど主変わらず」
- 2020.05.03
- SS

千歌「ダイヤさん、最近外が暖かくなってきたね!」ニコッ
ダイヤ「ええ、もう春ですからね…」フフ
─ヒラリ
千歌「──あ、桜だ!」
ダイヤ「それは春ですもの、桜くらい咲いていますわ」
千歌「ねえダイヤさん、この桜は去年の今頃もこんな感じで咲いてたのかなあ……」ヒラヒラ
ダイヤ「…さあどうでしょうね、私もあまり記憶に御座いませんわ」
千歌「そっか……なんか勿体ないね、こんなに綺麗なのに」
ダイヤ「そうですわね…」
千歌「ふぜいって?」
ダイヤ「千歌さんが今桜を見て心の中で感じているもののこと、ですわ」
千歌「そうなんだ…うん、確かに去年はそんな暇なんてなかったかもしれない」
ダイヤ「フフ、そうでしょう?あの頃の千歌さんはスクールアイドルしか見えていなかったんですもの」
千歌「あ、あはは……そうだね、今思うとすごい必死だった気がする」
千歌「それにあのときはダイヤさんとこうして一緒に並んで歩いているなんて思わなかっただろうしね!」ニコッ
ダイヤ「……ええ、そうですわね…私もきっと同じですわ」クスッ
ダイヤ「それも千歌さんがスクールアイドルを始めたおかげですのよ?」
千歌「えー?そうかな?Aqoursのみんなのおかげだと思うけど」
ダイヤ「…」
ダイヤ「──“魚、心あれば、水、心あり”……」ボソッ
千歌「?」
千歌「んーん、聞いたことない」
ダイヤ「これは相手が次々と変わることはあっても、自分自身は変わらずに同じことを繰り返しているという意味を持ったことわざです」
千歌「へぇー…そんなのあるんだね」
ダイヤ「とても千歌さんに似合う言葉だと思いますわ」ニコッ
千歌「え?」キョトン
ダイヤ「まあ、大抵は相手を揶揄する場合などに用いられるのですが…」
ダイヤ「からかうこと、という意味ですわ」
千歌「えっ!?じゃあ今千歌はダイヤさんに馬鹿にされてるってこと!?」バッ
ダイヤ「話は最後まで聞きなさいな…私は別に悪い意味で言っているわけではありません」ハァ
ダイヤ「確かにこのことわざは例えとして、環境が変われども進歩のない人間を揶揄する場合によく用いられますが」
ダイヤ「私が先ほど言ったのはこの限りではありませんわ」
千歌「じゃあ…どういう意味で?」
ダイヤ「…千歌さん、貴女は変わらなかった」
千歌「…」
ダイヤ「どんな障害があっても、千歌さんは変わらずにスクールアイドルという道をずっと突き進んでいきましたわね」
ダイヤ「人数が集まらないときも、私に反対されたときも、廃校の危機が訪れたときも、東京で0票という結果を突き付けられたときも…」
ダイヤ「それでもなお繰り返し挑戦する貴女を…どうして揶揄することなど出来ましょうか」ファサッ
千歌「っ…」ドキッ
千歌「い、いや~そんな…それほどでも///……あるかな?」
ダイヤ「千歌さん、梨子さんがそれを聞いたらまた怒られますわよ?」クスクス
千歌「そうなのかな?…あっ、じゃあダイヤさんも?」
ダイヤ「私は……秘密ですわ」
千歌「なにそれズルいよ!」
ダイヤ「ズルいも何も、わざわざ言う必要はないと思っただけですわ」
千歌「ふーん、なるほど……じゃあダイヤさんも同じってわけだね」
ダイヤ「な、何を分かったようなことを…そんなこと私は一言もいっておりませんが」
千歌「ダイヤさんって変なところで意地張るから千歌わかっちゃった、今だってムキになってるし」
ダイヤ「ぐっ…///千歌さんにしては鋭いところを……」
千歌「あ、今千歌のこと馬鹿にしたでしょ」ジーッ
千歌「あ、誤魔化した」
ダイヤ「とにかく!先ほどの件はまあ認めましょう、私も皆さんと同じだと」
ダイヤ「ですが千歌さん、言葉にする必要がないというのは本当ですわよ」
千歌「へ?」
ダイヤ「私存じていますから、そのようなことをしなくとも千歌さんなら私の気持ちを分かってもらえるはずだと」
ダイヤ「実際はそう上手くいかなかったようですが、結局のところ看破されたのだから一緒ですわよね」ウフフ
千歌「…ダイヤさんってさ、こういうときは素直に言ってくるの千歌本当にズルいと思う…///」
ダイヤ「?…どういうことですのそれは?」
千歌「ん、別に……なんでもない///」プイッ
ダイヤ「…?」
千歌「──“相手変われど主変わらず”かぁ…」ボソッ
千歌「…ねえダイヤさん」クルッ
ダイヤ「どうかしました千歌さん?」
千歌「千歌ね、多分ダイヤさんの言った通りおんなじこと繰り返すと思うよ」
千歌「だって何かわからないことがあったとき、他の誰かじゃなくて…絶対ダイヤさんに聞くと思うから」
ダイヤ「?…何故ですか?それは別に他の方でも構わないのでは……」
ダイヤ「ですから、それは何故だと……」
千歌「それはね、ダイヤさんに教えてもらうのが千歌にとって一番安心できることだって、そう思うから……」
ダイヤ「千歌さん…」
千歌「だからねダイヤさん」
千歌「ダイヤさんもこれからずっと変わらずに千歌の隣でいろいろ教えてくれる?」ニコッ
ダイヤ「ち、千歌さん……?///」
千歌「……なに?///」ドキドキ
ダイヤ「あの、それはつまり……プロポーズ…ということで宜しいのでしょうか…?///」
千歌「」
ダイヤ「あ、あの…千歌さん……?」
千歌「…ああもうっ!なんでそーゆーこと言うかなダイヤさんは!!///」ガシッ
ダイヤ「なっ!?」ビクッ
千歌「しかもプ、プロポーズって…飛びすぎだよ!普通は告白とかそっちのほうでしょ!?///ダイヤさんおかしいよ!///」
千歌「ダイヤさん千歌の言いたいこと絶対分かってないでしょ!?千歌だって一応女の子なんだからね!?」
千歌「その…雰囲気とか、気にするくらいにはさ……」パッ
ダイヤ「雰囲気って…あっ……」
千歌「」ムスッ
ダイヤ「あ、あの千歌さん…」オソルオソル
千歌「…フンだ、今更気づいたって遅いよ」プイッ
ダイヤ「す、すみません……私、色々と無粋な真似を…」
千歌「…」
千歌「……返事」
ダイヤ「えっ?」
ダイヤ「ま、待ってください…まだ心の準備というものが…」アセアセ
千歌「今してください…ああ、それとも」
千歌「黒澤家って人の心を取り乱すだけ取り乱して、自分だけは平静でいようとする卑怯者の家系なのかな?」ニヤリ
ダイヤ「」カチンッ
ダイヤ「ほう…成程……言ってくれるではありませんか……!」ゴゴゴゴ
ダイヤ「いいでしょう!ならばこの黒澤ダイヤ、今ここで高海千歌さんの告白の返事を返そうではありませんか!」
千歌(ちょろいなあダイヤさん…)
千歌「え?…うん」テクテク
─ダキッ
千歌「っ!?え、ちょっダイヤさ……」
ダイヤ「千歌さん、愛していますわ」ギュッ
千歌「~~~~~~っ!!??!!?///」ボンッ
ダイヤ「千歌さん…まだ心の機微がわからない不束者ではございますが、どうかこれからもよろしくお願い致しますわ」
千歌「」ボウゼン
ダイヤ「…千歌さん?お返事は?」
千歌「あっ…はい……こちらこそ////」プシュゥゥ
千歌「…」ギュウゥゥ
ダイヤ「あ、あら?……あの千歌さん、手を放してもらえないと身動きがとれないのですけども…」
千歌「やだ、顔見られたくない///」ギュゥ
ダイヤ「そう言われましても……」
千歌「あと…離れたくない」
ダイヤ「っ///」カアァ
ダイヤ「はぁ……仕方ありませんわね、少しだけ…ですわよ///」ギュッ
千歌「うんっ」モギュー
千歌「よーし終わりっ!いやー、余は満足じゃ!」ニコニコ
ダイヤ「はあ…少しだけと言いましたのに……」タメイキ
千歌「あれ?ダイヤさんは嫌だった?」
ダイヤ「別に嫌というわけでは…///もう千歌さんっ、そういう聞き方は卑怯ですわよ?」
千歌「えへへ、ごめんなさい」
ダイヤ「全く、最後まで雰囲気も何もあったものではありませんわね」
千歌「最初に壊したのはダイヤさんだけどね」
ダイヤ「うっ……」
千歌「まっ、もういいんだけどね!」ニコッ
ダイヤ「そうですわね、今となっては些細なことですわ」フフッ
ダイヤ「両方が主というのは、ことわざ的にいいのでしょうか…?」
千歌「ダイヤさんって結構どうでもいいこと気にするよね…」
千歌(ホント、言ってるそばからこれだよ…)
千歌「いいんじゃない?これからは千歌たち二人で主ってことにしてさ!それなら問題ないでしょ?」
ダイヤ「ふむ、確かにその通りですわね」
千歌「…ってあれ?でも二人だと複数になるから主って言わないよね?うーん、どうしよう……」
千歌「ん?つがい?」
ダイヤ「あっ……///」カアァ
千歌「ねえダイヤさん、つがいってどーゆー意味?」ジーッ
ダイヤ「な、なんでもありませんわ…///忘れてください」メソラシ
ダイヤ「駄目ですわ!ブッブーですわっ!!///」
千歌「教えてってば!」
ダイヤ「そんなに気になるなら自分で調べなさいな!///」
千歌「嫌だ!さっきも言ったじゃん千歌はダイヤさんに聞かないと安心できないの!ダイヤさんの口から言ってよ!」
ダイヤ「なっ…!///千歌さん貴女本当は意味が解ってて言っているのではないでしょうね!?///」カオマッカ
千歌「わからないから聞いてるんじゃん!」
ギャーギャー ワーワー
──
─
千歌「はあっ…それはっ…こっちのセリフだよっ…」
ダイヤ・千歌「「……」」
ダイヤ・千歌「「……フフッ!」」
千歌「なんかさ、千歌たちさっきからずっとくだらないこと言い合ってるね!」エヘヘッ
ダイヤ「ええ、とてもくだらないですわね」クスクス
千歌「あははっ!…………ねえダイヤさん、こんなやり取りがさ…あといつまで続くと思う?」
ダイヤ「何を分かりきったことを」
ダイヤ「──ずっと、に決まっているでしょう」ニコ
千歌「──だよねっ!」ニコッ
千歌「…あっ!ダイヤさん向こうのほう見て!みんなもう来てたみたい!」ユビサシ
ダイヤ「あら本当ですわね…まああれだけもたついてたら当然なのでしょうけど」クスッ
千歌「おーいみんなー!お待たせー!」テヲフリ
千歌「ほらダイヤさん、みんな呼んでるよ!千歌たちのこと!」タッ
ダイヤ「あっ!ちょっと千歌さん!?」
千歌「えへへっ…ダイヤさーん!早く早くー!」ブンブン
ダイヤ「……」
ダイヤ「…全く、仕方がないですわね」クスッ
ダイヤ「千歌さーん!あまり急ぐと転んでしまいますわよー?──」スタスタ
終わり
良い
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