【ラブライブ!】梨子「おしまい。」
- 2020.05.02
- SS

梨子「あれ?」
梨子「…」キョロキョロ
梨子「んー…」
梨子「ここ、どこだろ」
梨子「お風呂…どこかのホテル?いや、マンションとかの」
キュッ キュッ ガチャ ガチャ
梨子「…水、出ない」
梨子「ドア、開かない」
梨子「ドアが開かない以上、出られない」
梨子「…」ジッ
梨子「でも、ここから抜け出す方法は知ってる」
梨子「何度も何度も、何度も何度も何度も何度も」
梨子「似たようなこと、してきてるから」
梨子「…これ」
梨子「入浴剤、良い香り」スンスン
梨子「透明を消し去るくらい、全部」ザザザザザザ
梨子「水中を森林浴にしちゃうの」ザザサッ
梨子「…」
梨子「服、着たままでいいよね」
バチャンッ
梨子「潜って」
梨子「潜って、次はどこにいくの」
ブクブク
梨子「っぱはっ」
梨子「…あれ?」
梨子「海…じゃ、ないよね」
梨子「いつもなら海に出るのに」
梨子「さっきと同じとこ」
梨子「…」バシャン
梨子「…」ペタペタ
ガチャ
梨子「ドア、開いた」
梨子「真っ暗」
梨子「もう、怖くない」
梨子「…?」
梨子「灯り…」
梨子「ん」テクテク
梨子「あ、自販機」
梨子「どうしてお家の中に自販機…」クルッ
梨子「…また」
梨子「知らないところだ、ここ」
梨子「ちょっと違う」
自販機「暗いと夜は違うよ」
梨子「んーっ」
梨子「空がないから暗いんだね」
梨子「?」
梨子「自販機の横、階段がある」
梨子「空に続いてる」
ルビィ「空なんてないのに、おかしいよね」
梨子「ルビィちゃん、こんばんは」
梨子「うん」
ルビィ「空がないのに?夜じゃないのに?」
梨子「言われてみればそうだね」
ルビィ「空の天井、行ってみる?」
梨子「うん」
ルビィ「空の上には、空があると思う?」
梨子「…空が地上なら、あると思う」
ルビィ「そっか」
梨子「なら、ここはどこなの?」
梨子「うん」
ルビィ「もう、そろそろ時間だから、ルビィ行くね」
梨子「ルビィちゃんはどこいくの?」
ルビィ「梨子さんのところ」
梨子「?」
ルビィ「待ってる」
梨子「…わかった」
ルビィ「よいしょっ」ガタン
梨子「そこ、飲み物出てくるとこ…」
梨子「入っちゃった」
梨子「…」
梨子「いない」
梨子「登ろう」
…
梨子「階段、綻んでる」
梨子「穴も空いてる、歪んでる、迷路みたいになってる」
梨子「いつまで経っても空が見えない」
花丸「ないものを見ることはできないずら」
梨子「そうかな」
花丸「そうずら」
梨子「でもね、あるものも見れないよ」
花丸「難しいずら」
梨子「難しいね」
梨子「うん」
花丸「違うずら」
梨子「え?」
花丸「梨子さん、迷ってるずら」
梨子「うん、だから迷ってるって」
花丸「違うずら」
梨子「…?」
花丸「同じ迷ってるでも、違う迷ってるずら」
梨子「どういうこと?」
花丸「落ちるなら痛くない方法教えるずら」
梨子「教えて」
花丸「梨子さんは落ちるずら?」
梨子「…」
花丸「違う、登るんだずら」テクテク
梨子「ま、まって花丸ちゃん!」
花丸「待ってる」
梨子「?」
梨子「待ってる?」
花丸「同じ待ってるでも、違う待ってるずら」
梨子「花丸ちゃん!」
梨子「下…」
梨子「どこか行っちゃった…」
梨子「…」
梨子「登らなきゃ…私は」
梨子「よし」
梨子「…」キョロキョロ
梨子「階段が終わってる…」
果南「あそこ」
梨子「果南さん、こんば…こんにちは」
果南「雲の滝、昇ってく?」
梨子「ほんとだ…雲が滝になって流れてきてる」
果南「この上だよ」
梨子「どうやっていくんですか?」
梨子「どこかやっちゃった」
果南「ポケットのなか」
梨子「?…ほんとだ、あった」
果南「ん」カチャ
果南「1命様ごあんなーい」
梨子「なんか来た…ジェットコースター?」
果南「乗って」
梨子「うん」
梨子「やだ…こわいです」
果南「落ちると思えば落ちる、落ちないと思えば落ちない」
梨子「うん」
テロテロテロテロ
果南「ん、じゃーね」フリフリ
梨子「果南さんは行かないんですか?」
果南「待ってる」
梨子「ここでですか?」
果南「ううん、梨子のとこ」
梨子「うわっ!?」
梨子「落ちない…落ちない…落ちない」
梨子「果南さん」クルッ
梨子「…いない」
ピカッ ピカピカ
梨子「ん、蛍光灯切れそう」
梨子「ジェットコースターだったのに」
梨子「いつの間にか屋根ある…」
果南「この電車は~5両編成~」
鞠莉「御茶ノ水?新小岩?沼津?」
梨子「…」
鞠莉「ふふっ、どこかなんて、あなたが決めることよ」
梨子「…空」
鞠莉「ほんとうに?」
梨子「…わからないです」
鞠莉「ある日、青が枯れて緑に染まりました」
鞠莉「ある日、緑は燃えては赤に染まりました」
鞠莉「真っ暗の空は、前まで何色だったのかな?」
鞠莉「何色の空が好き?」
鞠莉「それもあなたが決めることよ」
梨子「なんで私ばかり…」
鞠莉「そこ、見て」
梨子「?」クルッ
鞠莉「それに乗って行きなさい」
梨子「電車のなかにエレベータ…」ポチッ
梨子「これでいいですか?」
鞠莉「ん、バイバイ…待ってるから」フリフリ
「しゃいにー!」
梨子「いっちゃった…」
バンッ
梨子「停電!?」
梨子「真っ暗…エレベーターは動いてる」
ドンドンドンドン
梨子「や、やだ…扉、誰か叩いてる」
ガチャガチャガチャガチャ
梨子「やだやだ…エレベーター早く来て…」
梨子「早く早く!!、何階…一番うえ!」ポチッ
ヒュンッ
梨子「お、おちる!?」
曜「梨子ちゃん、何してるの?」
梨子「助けて!」ダキッ
曜「いらっしゃい、ここは空の遊園地、チケット拝見しまーす!」
ガタンッ
梨子「うわっ!!?」
テロテロテロテロテロテロ
梨子「やだ、怖いよぉ…」
曜「ちゃんとベルトしめて」
梨子「うん」
曜「梨子ちゃんならできるよ」
梨子「飛び込むの?」
曜「うん、待ってるから」
梨子「ま、待って、一人にしないで!」
ボチャン
梨子「どうして一人にするの」
梨子「…」
梨子「空に海が浮いてる」
梨子「私も飛びこめるかな」
梨子「届かないよ…あんなの」
千歌「竜宮城に行きたいの?」
梨子「こんばんは千歌ちゃん」
千歌「ここは空の上の遊園地、あなたはどこへ行きたいの?」
千歌「だめだよ、亀さんをいじめたら」
梨子「いじめてないよ」
千歌「あはははははは!!風船あげる!」
梨子「ありがと」
千歌「こうやって、ぴょーんって」
梨子「浮いてる、風船で飛べるの?」
千歌「ねぇ、その風船よーく見て」
梨子「え?」
千歌「それはほんとに風船かな?」
梨子「どういうこと?」
パンッ
梨子「ひゃっ!?割れた…?」
「鼻がないの…口が先なの…だから鼻がないの」
千歌「みんなで踊ろう!踊ろう!踊ろう!」
「鼻がなくても踊ろう!踊ろう!踊ろう!」
千歌「楽しいね!」
梨子「鼻、描いてあげましょうか?」
「楽しいね!」
梨子「あの…」
「楽しいね!」
「楽しいね!」
「楽しいね!」
「楽しいね!」
梨子「やだ…やめて…やめて…やめて…」
トントン
梨子「え?」
梨子「扉…」
千歌「迷ったらまたここにおいで!!迷ったらまたここにおいで!!」
梨子「ううん、もうこない」
「楽しいのに」
「楽しいのに」
千歌「本当に?」
梨子「うん」
千歌「そっか」ゴクッゴクッ
千歌「お空の海を飲み干すのだ!!」
ガチャ
梨子「なんだろ…この部屋」
梨子「時計…いろんな時計がある」キョロキョロ
梨子「…」テクテク
梨子「どの時計も針がないんだね」
ゴーン ゴーン ゴーン
梨子「?…となりのへやから」
梨子「開かない」
ダイヤ「まだこんなところにいたんですの」
梨子「ダイヤさん、こんにちは」
ダイヤ「下」
梨子「?」
ダイヤ「なにが見えますか?」
梨子「床…あれ?」
梨子「数字が書いてる…」
ダイヤ「なぜ1から12なんでしょう…なぜ1から12なんでしょう…」
梨子「床に大きな時計の絵…」
梨子「持ってないですよ…そんなの」
ダイヤ「あなたはいつも何時に起きるのですか?」
梨子「朝七時くらい」
ダイヤ「答え、持ってるじゃないですか」ゴロンッ
ダイヤ「答えはあなた自身、私はあくまで支えるだけですわ」
梨子「?」
ダイヤ「あなたは何時に起きるのですか?」
ダイヤ「あなたは何時に目覚ましを設定するのですか?」
ダイヤ「あなたが答えを持ってるのです、あなた自身が答えになるのです」
ダイヤ「私はあくまで支えるだけ」
梨子「答えは私自身」
ゴロンッ
梨子「私が短針…ダイヤさんが長針」
ダイヤ「おはようございます、梨子さん」
ゴーン ゴーン ゴーン
ガチャ
梨子「あ、鍵開いた」
ダイヤ「1の次は6…6の次は31…」テクテク
梨子「どこ行くんですか?」
ダイヤ「2の次は11…11の次は56…」テクテク
梨子「ま、待って!」ダッ
ドゴッ
梨子「いだっ!?」ヨロッ
梨子「壁だ…」サスサス
梨子「この廊下…ただの絵だ」
ダイヤ「1の前は0…1の前は…」テクテク
梨子「行っちゃった…」
梨子「…」クルッ
梨子「私も行かなきゃ…次の部屋」
ガチャ
梨子「…あ」
梨子「ここ…家」
梨子「私の部屋だ」
梨子「窓の外、真っ暗」
梨子「…」ペタッ
梨子「真っ暗と違う…まるでなにもないみたい」
善子「おはよ、リリー」
梨子「まだ起きてないよ」
善子「そうね」
善子「答え、持ってるでしょ」
善子「なにを見てきたの?」
梨子「…心の景色」
善子「怖かったね」
梨子「うん、とても」
善子「もう向き合えるね」
梨子「うん」
善子「誰のため?」
善子「うそつき」
梨子「うん、じぶんのため…でも、うそじゃないよ」
善子「そっか」
ガチャ
梨子「行っちゃうの?」
善子「待ってる」
梨子「わかった」
バタンッ
ボロボロボロボロ
梨子「ドア、灰になっちゃった」
梨子「どこに繋がってたのかな」
梨子「…」
梨子「ピアノ、弾かなきゃ」
ゴトッ
梨子「あれ、鍵盤が足りない」
ボロ
梨子「え?」
梨子「うわっ!?」
ボロボロボロボロボロボロボロボロ
ボロボロボロボロボロボロボロボロ
ボロボロボロボロボロボロボロボロ
梨子「げほっ、げほっ」
シーン
梨子「ピアノ…崩れちゃった」
梨子「お家…崩れちゃった」
梨子「世界…崩れちゃった」
梨子「…」キョロキョロ
梨子「海…枯れてる」
梨子「空も枯れてる」
梨子「全部、枯れてる」
梨子「なにもない…」
梨子「あそこにあるの、浦の星の校舎」
梨子「学校以外は全部砂…海も空も全部砂」
梨子「…行かなきゃ」
テクテク
梨子「門の前、誰かいる」
梨子「だいじょうぶ」
梨子「…怖くない」
梨子「こんにちは、下を向いてなにをしてるのですか?」
梨子「…」
ボロ
梨子「あ…」
ボロボロボロボロ
梨子「崩れちゃった」
梨子「ん?」
梨子「足りない鍵盤、あなたが持ってたんだね」
テロロン テロ ロロン テン
梨子「ピアノの音…音楽室からかな」
梨子「行かなきゃ」
梨子「またね」
梨子「…?」タッタッタッ
梨子「あれ、全然前に進まない」トボトボ
梨子「いくら走っても見えてこない」
~♪
梨子「間抜けな音色…」
梨子「この曲、音が足りてない」
梨子「…」
梨子「?…あっちからだ」クルッ
梨子「ここから聞こえる」
梨子「保健室?」
亀「こんにちは」
梨子「こんにちは、亀さん」
亀「戻るの?」
梨子「うん」
亀「ならこれ被って」
亀「どうして?」
梨子「なにも見えなくなるから」
亀「それがいいのに」
梨子「だめだよ」
梨子「見なきゃいけないの」
亀「そっか」
梨子「あなたもそうやって」
亀「昨日は明日の夢を見ました」
亀「今日は昨日の夢を見ました」
亀「明日はいつの夢を見るの?」
梨子「見ないよ」
ガラッ
梨子「もっと見なきゃいけないもの、他にあるから」
バタンッ
梨子「保健室にピアノなんて、へんなの」
ゴトッ
梨子「抜けた鍵盤、はめてあげるね」スッ
梨子「ん」
ボロボロボロ
梨子「崩れちゃった…ピアノも学校も」
梨子「床が剥がれて…景色も剥がれて」
梨子「真っ暗に吸い込まれそう」
梨子「ほんとにもう、これでおしまい」
梨子「やっと終われる」
梨子「どうせすぐ覚めるけど」
キーンコーンカーンコーン
梨子「放課後のチャイム」
ガヤガヤガヤガヤガヤ
梨子「みんなの声…みんな待ってる」
梨子「…」
梨子「うん」
梨子「起きる」
梨子「今度はちゃんと…覚めますように」
梨子「おやすみなさい。」
おわり
よくこんな文章考えつくな
少しずつ会話が成立するようになってきてる…?
-
前の記事
【ラブライブ!】真姫「にこちゃんのプロフィール変更の議事録よ!」 2020.05.02
-
次の記事
【ラブライブ!】髪を梳かしてあげるのが最も似合う組み合わせ 2020.05.02