【ラブライブ!】花陽「こんなんじゃ、アイドルなんて無理だよね…」
- 2020.04.02
- SS

授業中
先生「はい、じゃあ、次…小泉、そこ読んで」
花陽「は、はい…」ガタッ
花陽(ごにょごにょ…)
先生「もっと、大きな声で」
花陽「そ、その!うっ…ぐはっぐはっ!」
モブ(くすくす…)
先生「は~い、それまで」
花陽「…」
花陽(そうだよね、こんなんじゃ、アイドルなんて無理だよね…)
花陽(体重80キロのアイドルなんて…)
凛「か~よちん、部活はもう決めた?」
凛「あ~、もしかして、アイドルになりたいとか?」
花陽「うん、でも、こんなんじゃ無理だよね…」
凛「そ、そんなことないよ!かよちんはかわいいよ」
花陽「え?そ、そうかな?仮にアイドルやるとしたら、り、凛ちゃんも一緒にやってくれる?」
凛「え?無理、無理、無理~、凛にはアイドルなんて無理だよ」
凛「髪だって、こんなに短いし、それに…」
凛「上腕二頭筋や腹筋が、全然女の子っぽくないもん!」
花陽「そんなことないよ!凛ちゃんはかわいいよ!」
花陽「はぁ~、なんでこうなんだろう…」
真姫(~♪)
花陽(あ、あれは同じクラスの西木野さん…?)
花陽(ん?手帳?)
花陽(こ、これは!)
:
:
ピンポーン
花陽「急にごめんね」
真姫「なんの用?」
花陽「手帳、落ちてたから…」
花陽「これ、西木野さんのでしょ?」
真姫「!」
真姫「み、みた?この中身?」
花陽「見ちゃったの…ダイエット手帳。ごめんね」
真姫(…)
花陽「西木野さん、そんなに太って見えないけど…」
真姫(…)シュン
花陽(あ、よ、余計な事聞いちゃった…話題を変えようっと)
花陽「あ、あの…あのトロフィーは?」
真姫「あ、あれね、小さいときスケートで優勝したものなの」
真姫「スピードのほうだけど…」
真姫「おかげで、わたし…」
真姫「女子高生の普通の太ももの太さじゃないの」
真姫「だから、私のオリンピックの夢はここで終わりって訳」
真姫「だからよ、その手帳をつけているのは」
花陽「そ、そうだったんだ」
真姫「それより、あなたアイドルやってみたいんでしょ?」
真姫「やりたいなら、やってみればいいじゃない」
花陽「…」
真姫「あなた、ふとっ…ぽっちゃりはしてるけど、声はかわいいじゃない」
真姫「オペラ歌手だって、ふとっ…ぽっちゃりの人が多いのよ」
真姫「あの声量を出すには、それなりに必要な事なの」
花陽「でも、目指してるのは、オペラ歌手ではないから…」
真姫「そうね、やっぱり見た目も必要だけど…」
真姫「それを乗り越えてアイドルになりたいと、あなたが頑張るのなら…」
真姫「そしたら…少しは応援してあげる」
花陽「西木野さん…」
花陽「みんな、いろいろあるんだなぁ」
花陽「でも、どうしよう…」
花陽「アイドルになるためには、体中のこの鉛のような」
花陽「この重りが、希望の足枷になるんだよね」
花陽「とにかくダイエットしなきゃ…」
花陽(ぐうう)
花陽(あぁ、お腹減ったなぁ…)
花陽「あ、ここ…」
花陽「そうだ!お母さんに御土産買っていこうっと」
花陽ママ「美味しかったわね、花陽、おみやげありがとうね」
花陽「うん、また買ってくるね」ズズー
花陽「はっ!」
花陽「食べてしまった!」
花陽「気づいたら、食べてしまったよ!おまんじゅう!」
花陽「どうして…私はこんな意志が弱いの?」
花陽(ぐうう)
花陽「ダメ、ダメ、耐えるの!」ハァハァ
花陽(ぐうう)
花陽「ぐあぁ~」
花陽(ぐうう)
花陽「ダ、ダメ、、、も、もう、耐えられない」
花陽「ダ、ダレカ、タスケテー!」
キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪
真姫「こんなとこで、どうしたの?」
花陽「ごはんを…」
真姫「あなた、一日何食、食べるつもりなの?」
花陽「…」
花陽「ごはんが好きなの」
花陽「食べることが好きなの」
花陽「中学校まで、いっぱい食べても40キロ台だったのに」グス
花陽「今までと同じようにたくさん食べてたら」
花陽「いつの間にこんなになっちゃったの…」
真姫「…」
花陽「でも、アイドルの夢も捨てきれないの」
花陽「だから、ごはんを抜くんだけど」
花陽「お腹がすいて、すいて」
花陽「お腹の音が、ぐぅ~ぐぅ~」
花陽「その音で、気が狂いそうになるの!」
花陽「しまいには、夢の中でお腹いっぱい食べてる夢とか見て」
花陽「さらにイライラしちゃうの」
花陽「アイドルの夢と白米の間(はざま)で」
花陽「あっちにゆらゆら、こっちにゆらゆら…」
花陽「しかも、なかなか痩せないし」
花陽「もう、限界…やめることにしたの」
花陽「で、でも、わ、わたし、こんな自分が嫌なの!うわー(涙)」
真姫「…」
真姫「そう…」
スゥ
真姫「あ~あ、あ~あ、あ~♪」
花陽「え?」
真姫「ほら、立って!」
花陽「あ~あ、あ~あ、あ~♪」
真姫「気持ちいいでしょ?」
真姫「大きな声を出すと気分が楽になるわ」
真姫「まず、元気を出すことが第一ね」
真姫「それに、大きな声を出す、すなわち肺の中の空気を思いっきり出す」
真姫「一時期、流行ったブレスなんとかの例もあるでしょ?」
真姫「そっちは、効果があるかは、知らないけどね」
真姫「つまり、運動にしても、なんにしても」
真姫「気持ちが第一、そして体を活性化すること」
真姫「さらに余分な脂肪をそぎ落とす事」
真姫「でも、過剰に消費しすぎると、防衛反応が働いて」
真姫「体が脂肪を貯めこもう、貯めこもうとするの」
真姫「お腹がすく。それは体が要求してるの。脂肪をよこせ~ってね」
真姫「それをいかにコントロールするか」
真姫「それがダイエットの秘訣ね」
真姫「誰もがそれはわかっているけど、なかなかそうはうまくいかないけどね」
真姫「あなたは脂肪貯蓄の負のスパイラルにいるのよ」
真姫「でもね、私みたいに…その、筋肉太りっていうの?」
真姫「これが、なかなか落ちないのよ」
真姫「それにスケートは中学でやめたから」
真姫「運動量もすっかり減ったので」
真姫「さらに余計な見えないとこもどんどん増えてしまうの」シュン
真姫「だから、朝バナナとか飲むだけダイエットとかいろいろやってみたけど」
真姫「つらくて、つらくて、血反吐を吐くような努力をして」
真姫「体重は落とせたけど、太ももだけはどうにもできないの」
真姫「だから、人の事は言えないけど、同じ苦しみを感じているあなた…」
真姫「あなたのような人を見ていると応援したくなるの」
花陽「西木野さん…」
凛「か~よちん!こんなとこにいたの?」
凛「もお~先輩達、帰っちゃうよ!凛がついて行ってあげるから一緒に行こう」
真姫「待って」
真姫「無理に急がないほうがいいわ」
凛「どーして、西木野さんが凛とかよちんの話しに入ってくるの!」
真姫「べ、べつに」
凛「かよちんは、自分でなかなか決められないから凛が決めてあげるのが一番いいの!」
真姫「そ、そう?昨日はそんな風に見えなかったけど」
花陽「で、でも…」
凛「かよちんは、かわいいんだから、大丈夫!」
凛「とにかく、前にススムしかないんだよ!」
花陽「う、うん…」
花陽「あ、あの…」
凛「ほら、かよちん、頑張って!」
花陽「わ、私は!」
花陽「私は小泉花陽と申します!」
穂乃果「…」
ことり「…」
花陽「μ’sのメンバーにしてください!」
海未「無理です!」
海未「小泉さん…でしたね」
海未「大変申しにくいのですが」
海未「今のあなたを歓迎することはできません」
花陽「ううっ…」グスッ
ダッ!
凛「かよちん!」
穂乃果「待って!」
花陽(体が重くて逃げ切れない)ゼイゼイ
花陽「いいの!私!やっぱりアイドルになんかなれないの!」
穂乃果「小泉…花陽ちゃんだっけ?よく聞いて!」
穂乃果「海未ちゃんは、たしかにひどい言い方だったよ」
ことり「たしかにひどい…言い方だったね」
海未「…」
穂乃果「でも、海未ちゃんは」
穂乃果「『今のあなたでは無理』と言ったの!」
花陽「えっ…」
穂乃果「つまり『減量さえできれば大丈夫』って事!」
海未「すみません、言葉が足りませんでした」
ことり「プロなら、私達も失格」
ことり「でも、スクールアイドルなら、」
ことり「見た目にとらわれず」
ことり「やりたい気持ちがあれば、できる!」
ことり「でも、その体では、アイドルの激しい動きは難しいの」
花陽「…」
海未「すみません。でも、頑張りたい気持ちがあるのなら」
ことり「頑張って、頑張って!かわいくなりたい」
穂乃果「その、気持ちがあれば!」
穂乃果「今は…ふとっ…ぽっちゃりしていても大丈夫!」
穂乃果「それに私達だって、秘密にしてるけど、アイドルとして、まずいところはたくさんあるよ」
ことり「私は、小さいときから、拳をバキバキしてたから、ほら見て」
ことり「指がゴツゴツになっちゃってるの♪」
穂乃果「穂乃果は、最近間食多くて、あごやお腹に肉がついて、ファーストライブの時に衣装が着れないよ!」
海未「私は逆に鍛えすぎて、筋骨隆々となってしまい、アイドルなのにお腹が出せません…」
穂乃果「花陽ちゃん!一緒にダイエットを、肉体改造を頑張ろう!」
穂乃果「そして、かわいいアイドルを目指そう?ダメ?」
花陽「ううっ…」
真姫「…もう一度お願いしてみるのよ!」
凛「かよちん、頑張るにゃ!」
スッ
花陽「あ、、、、」クルッ
真姫「…」ニコ
凛「…」ニコ
花陽(うん!)
花陽「私は小泉花陽と言います!」
花陽「背も小さいし、声も…小さいし」
花陽「今は、ふとっ…ぽっちゃりしてるけど…」
花陽「でも、アイドルへの情熱は誰にも負けません」
花陽「そのためのダイエットも肉体改造も頑張ります!」
花陽「歌って踊り、みんなに笑顔を見せるアイドルになりたいです!」
花陽「だから、どうか、μ’sのメンバーにしてください!」
花陽「お願いします!」
スッ
穂乃果「こちらこそ…よろしくね!」
凛「…」グス
真姫「あなた、泣いてるの?」
凛「あ、西木野さんも泣いてるよ」グス
真姫「な、泣いてなんかいないわよ」
ことり「で…2人は、どうするの?」
海未「まだまだ肉体改造メンバー…」
凛「?」
海未「いやいや、違いますね。アイドル、募集中ですよ!」
真姫「!」
凛「!」
海未「私も人のこと言えませんが」
海未「西木野さん、あなたは、とにかく太ももマッサージです。」
海未「一度ついた筋肉はなかなか落ちにくいけど、一か月で10センチ減った例もあります」
海未「ようはやりかたです」
海未「星空さんも同じく筋肉系ですね。しんなりとした肉体を一緒に目指しましょう」
穂乃果「よーし、6人になったし」
穂乃果「今日もファイトだよ!」
そして…時は流れ…かわいらしいμ’sが誕生した。
おわり
いい話で終わってよかった
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