【ラブライブ!】凛「あぁ憧れのスクモンマスターに」
- 2020.04.03
- SS

ママ凛「えぇ、凛のことを探してたわよ。大事な話があるって」
凛「ついに凛も『スクールアイドルモンマスター』になるために旅にでるのかにゃ!?」
ママ凛「ふふっ、そうかもしれないわね」
凛「こうしちゃいられないにゃ!エリーチカ博士を探してくるにゃ!」
ママ凛「ええ、頑張りなさい」
凛「博士の孫的存在で幼馴染の真姫ちゃんの姿も見当たらないし…」
凛「草むらには野生のスクールアイドルモンスターが襲ってくるから入っちゃダメって言われてるし…」
凛「つんだにゃ」
凛「んん…一体どこに行けば博士に会えるのかにゃ?あそこの太ったおじさんに話でも聞いてみようかにゃ」
凛「…あれ?ウロウロしてる間に片足だけ草むらにつっこんでたにゃ」
『ダメよ凛!』
凛「へ…?」
絵里「草むらに入ってはいけないわ」
凛「エリーチカ博士!」
凛「ごめんなさい…」
絵里「ふふっ、そんなに落ち込まないで。凛にいいものをあげるわ」
凛「えっ!そ、それってもしかして…」
絵里「大事な話があるの。今から研究所に来て」
凛「了解にゃ!」
真姫「遅いわよ!」
凛「真姫ちゃん!遅れてごめんにゃー」
絵里「揃ったわね。じゃあ早速始めましょうか。二人に大事な話があるの」
凛・真姫「ゴクリ…」
絵里「スクールアイドルモンスター…略してポケ」
真姫「ポケ?」
絵里「ゴホッ…ゲホッ…失礼。スクールアイドルモンスター…略してスクモン。二人もテレビや雑誌で見たことあるでしょ?」
凛「もちろんにゃ!」
真姫「簡単に言えばアイドルでしょ?歌って踊れるモンスター級の超人アイドル…それがスクールアイドルモンスター」
凛「ごく一部なの?」
真姫「そんなに狭き門だったのね」
絵里「ええ、ほとんどのスクモントレーナーはスクモンの真の力を引き出すことなく挫折していくわ」
凛「そんなになのかにゃ…」
絵里「どこから来たのか、スクモンは一体何者なのか…何故、スクモンはステージに立ち、歌い、そして踊るのか…それは研究している私にもまだ分からないの」
真姫「で、私たちにどうしてほしいの?」
絵里「もう、そんなに急かさないで。まぁ、早い話があなたたち二人に私の研究のお手伝いをしてほしいの」
凛「ってことは、凛たちがスクモンマスターに!」
真姫「ヴェェェ!って、気が早すぎるんじゃないの?それに、私たちがスクモンマスターになることが絵里の研究の為になるの?」
凛「…凛、やるにゃ!」
真姫「私もやるわ!やりたいの!」
絵里「ありがとう…二人ならそう言ってくれると信じていたわ。」
凛「凛もついにスクモントレーナーに…真姫ちゃん!凛も大人の仲間入りにゃ!」
真姫「ちょっ、急に抱きつかないでよ!そんなことより、大事なことを忘れてない?」
凛「へ…?大事なこと?」
真姫「そうよ。一番大事なことよ」
凛「ラーメンはおやつに入りますか!」
真姫「じゃなくて!トマトはおやつに…じゃないわよ!もっと肝心な事があるでしょ?」
絵里「ふふっ、スクモンのことね?もちろん、二人にプレゼントがあるわ」
真姫・凛「えっ!」
花陽「ピャァ!」
にこ「にこっ!」
凛・真姫「ぐぅっ!」
絵里「ど、どうかしたの?」
凛「か、かわいい…可愛すぎるにゃ!」
真姫「噂には聞いてたけどここまで可愛いだなんて…」
凛「あれ?けど、凛の知ってるスクモンってこんなに小さくないよ?凛たちと変わらないくらいのはずなのに、このスクモンたちはぬいぐるみサイズにゃ」
絵里「言ったでしょ?力を発揮できるスクモンはそんなにいないって。最終形態まで育て上げることができれば、私たちとほぼ同じ姿になるわ」
凛「ふーん…」
花陽「ピャア!」
凛「(今でもこんなに可愛いのに最終形態になったらどうなるにゃ)」
真姫「(大きくなったらもっと可愛くなるに違いないわ。私はこの子に決めたわ)
絵里「じゃあ、凛はどちらを選ぶ?」
凛「凛から選んでいいの!?」
真姫「ちょっ!なんでよ!」
絵里「いいじゃない。我慢しなさい」
真姫「…ふんっ。(ど、どうしよう。絶対とられちゃうわ)」
にこ「にこー」
真姫「ぐうぅっ!(だってこんなに可愛いじゃないのよ)」
絵里「今、真姫に笑いかけてるスクモンが矢澤にこ。普通のスクモンより少し体は小さいけれど、芯はしっかりっているわ。ただ少し腹黒いというか…計算高いところがあるの。アイドルとして吉と出るか凶と出るか、それは育て方次第ね」
凛「ふーん(あのスクモンはないにゃ)」
花陽「ピャァ!」
凛「小泉花陽、君に決めたにゃ!」
真姫「あっ、そっちなのね…よかった」
凛「ん?どうかしたにゃ?」
真姫「べ、べつになんでもないわよ!」
凛「よろしくにゃ、花陽ちゃん」
花陽「ピャァ!(ニコッ)」
凛「うぅ…か、可愛すぎるにゃ。さすがスクモンにゃ」
花陽「ピャア…」
絵里「ふふっ、凛が可愛いって言うから花陽が照れてるみたいよ」
凛「花陽ちゃん…んー…はなよ…そうにゃ!あだ名をつけるにゃ!今日から花陽ちゃんはかよちんね。よろしくね、かーよちんっ」
花陽「(ニコッ)」
凛「気に入ってくれたのかにゃ?凛も嬉しいにゃ!」
にこ「ニコッ♪にこっ!にこ!」
真姫「絵里のいうとおりだわ…可愛いけれど、笑顔と仕草が若干あざといわね」
にこ「にこっ!」
真姫「ちょっ、痛いわね何するのよ!」
絵里「あら、真姫もお似合いじゃない」
真姫「ちょっ!どこがお似合いよ!イミワカンナイ」
凛「かーよちん」
花陽「ぴゃあ!」
絵里「花陽もにこも、まだ喋ることはできないし、歌うことはもちろん踊ることだってできない。お世辞にも今はアイドルなんて言えない」
絵里「凛と真姫、あなたたちが二人を一人前のアイドルにするのよ」
凛「任せるにゃ!」
真姫「世界一のスクモンにしてみせるわ。じゃあ早速」
凛「ん?」
真姫「凛、勝負よ」
真姫「絶対に負けないわ」
凛「じゃあ、最初はグーからね」
真姫「じゃんけんじゃないわよ!」
凛「へ?」
凛「スクモン勝負よ!バトルするわよ、スクモンバトル!」
凛「い…いやにゃ!」
花陽「ピャア!」
凛「こんなに可愛いかよちんに体当たりなんかさせられないし、鋭利なツメでひっかかれて怪我でもしたら大変!そんなの可哀想にゃ!」
真姫「あのねぇ…凛、あなた何も知らないの?」
凛「にゃ?」
絵里「この子たちはアイドルよ。アイドルには、アイドルの戦い方があるわ」
凛「たとえば…CDの売り上げを競ったりとか?」
絵里「そういう勝負もあるけれど、一般的にはダンスや歌を相手に見せ合い、スクモン自身が相手よりアイドルとして劣っていると感じればそこでバトルは終了よ」
凛「なるほどね。いいよ!真姫ちゃん、勝負にゃ!」
真姫「望むところよ!」
花陽「ぴ、ぴゃぁ!」
真姫「いくわよ!にこちゃん!」
にこ「にこ!」
花陽「ピャァ!」
にこ「……にこ?」
真姫「…えっ?」
凛「んんっ?かよちん?」
花陽「ブルブルブルブルブル…」
凛「凛の足に隠れてないで!ほら、にこちゃんに可愛いかよちんスマイルをぶちまけるにゃ!」
花陽「ブルブルブル…」
凛「どうしちゃったにゃ?かよちん?」
絵里「言ったでしょ?花陽は恥ずかしがり屋なの」
凛「なんてこった!」
真姫「勝負あったわね」
かよちんVSにこちゃん
勝者 にこちゃん
極度の恥ずかしがり屋のため、花陽本人がバトルの参加を拒否
真姫「不敵な笑みをみせるのやめてよね。アイドルでしょ?喜び方がいやらしいのよ」
にこ「ふへっ(ニヤリ)」
真姫「だからやめてよ!もっとアイドルらしく可愛く笑ってよね」
にこ「にこ…?にこ…『にっこにっこにー』」
真姫「へっ?今のって…なに?」
凛「にっこにっこ…にー?」
絵里「すごいわ真姫!バトルに勝ったことでアイドルとしての自信をつけたにこが新しい技を覚えたのよ!」
凛「技…?これがにゃ?」
にこ「にっこにっこにー」
絵里「アイドルはね、歌って踊れるだけじゃダメなのよ。この技がにこの武器になるわ。凛も花陽を成長させたいのなら草むらで野生のスクモンと戦わせる事ね」
凛「戦って勝てばかよちんも何か技を覚えるにゃ?」
絵里「ええ。技だけじゃないわ。ステップや言葉や歌を覚えるわ。とにもかくにも、バトルあるのみよ」
凛「そんなもんかにゃー…ん?」
花陽「…ぴゃあ」
凛「かよちん、どうしたの?」
花陽「ぴ…ぴゃあ…ぐすぐす」
凛「ど、どうして泣いてるにゃ!?」
花陽「(フルフルフル!)」
凛「あっ…もしかして、バトルに負けちゃったことを謝ってるのかにゃ?」
花陽「(コクン…)」
凛「どうして謝るの?凛、知ってるよ。凛に隠れながらも、何度も勇気を出して前に出ようとしたよね?」
花陽「ぴ…ぴやぁ」
凛「初めてだもん。そううまくはいかないにゃ!失敗したっていいんだよ。凛も頑張るから、一緒に頑張ろう。ね?」
花陽「ピャア…ピャア!」
凛「ちょっ、かよちん!くすぐったいにゃー」
花陽「…チャン」
凛「へ?」
花陽「リ…ン…チャン」
花陽「リンチャ…リンちゃん……凛ちゃん?」
凛「そうだよかよちん!凛だよ!凛は凛だよ!!」
花陽「凛…ちゃん、凛ちゃん(にこっ)」
凛「かよちん!ううぅ…凛はかよちんのことが大好きにゃ!」
真姫「ま、真姫よ…。これからよろしくね、にこちゃん」
にこ「にこっ」
真姫「どうしてにこちゃんは名前で呼んでくれないのよ!」
絵里「(バトルに負けたはずの花陽が言葉を覚えた…まさか、そんな事あるわけないわ。もしかして、この2人…)ふふっ、面白くなってきたわね」
凛「よぉぉし!スクモンマスター目指してがんばるにゃ!」
花陽「ピャァ!」
つづく
ママ凛「そうなの…寂しくなるけど頑張りなさい。」
凛「うん!凛、頑張るね」
ママ凛「あなたも頑張って。凛のこと、守ってあげてね」
花陽「ピヤァ!」
ママ凛「まずは、そうね。草むらを抜けると小さな街があるわ。そこにはスクモンジムとチャンピオンロードもあるわよ。まだ中には入れないけど、一度見てみるのもいいと思うわ」
凛「スクモンジム…?チャンピョンロード?ちょっとイミワカンナイけどまぁなんとかなるにゃ!じゃあ凛はいってきます!」
ママ凛「ええ、いってらっしゃい。気をつけてね」
花陽「(しゅん…)」
凛「元気だすにゃ!たしかに一度もバトルには勝てなかったけど…先は長いしなんとかなるにゃ!」
花陽「凛ちゃん…」
凛「大丈夫にゃ。だから、もっと自分に自信を持つんだよ?かよちんはこんなに可愛いんだから」
花陽「(コクリ)」
凛「えーっと…この街にあるのは…スクモンセンターとスクモンショップとスクモンジム?なんか難しいお店がたくさんあるにゃ」
花陽「(グゥゥゥゥ…)」
凛「ふふっ、凛もお腹減ったにゃ!じゃあご飯にしよっか」
花陽「ピャァ!」
凛「お昼はラーメンにゃ!」
花陽「ピヤァ!」
花陽「ぴやぁ…?」
凛「お腹もいっぱいになったし、じゃあ何しよっか…ん?」
花陽「ぴゃあ」
凛「こっちに抜け道があるにゃ。ちょっと行ってみようか」
花陽「ピャァ!」
凛「すごいにゃ…向こうに大きな建物があるよ!あの中に入ってみるにゃ!」
待ちなさい!
凛「へっ?」
真姫「やめといた方がいいわ。ジムバッジをひとつも持ってない私たちじゃ行っても相手にしてくれないわよ」
凛「真姫ちゃん!真姫ちゃんもきてたんだね」
真姫「ええ勿論。花陽も元気にしてる?」
花陽「ぴゃあ!」
凛「そんなことないにゃ!ちゃんと野生のスクモンが現れても前に出ることができるようになったよ!」
真姫「へぇ、そのあとは?」
凛「かよちんがやられそうになったら、凛がかよちんを抱えて逃げてるにゃ」
真姫「はぁ…それじゃあ意味がないでしょ!」
花陽「しゅん…(グスン…)」
凛「あぁもう…泣いちゃ駄目だよ?前に出れるようになっただけでも凄いことなんだから」
花陽「凛ちゃん…(グスグス)」
真姫「泣くことないわ。少しずつだけど、花陽も成長してるわよ」
花陽「ぴゃあ…ぴゃあ!」
凛「かよちんも喜んでるにゃ。それはそうと、ねぇ真姫ちゃん、あの奥にある大きな建物は何なの?」
真姫「あそこはね、私たちの目指す場所。世界一のスクモンとトレーナーを決める大会。通称ラブライブの本選会場に通じるチャンピオンロードよ」
凛「世界一のスクモンを決める大会…通称ラブライブ…一体、どの文字をとって名前をつけたらラブライブになるんだにゃ」
真姫「細かいことは気にしないで」
凛「分かった気にしないにゃ」
真姫「下見ついでに行ってみたんだけど…中にも入れてくれなかったわ。やっぱり、ジムバッジが必要ね」
凛「そういえばママもジムがどうとな言ってた。ねぇ真姫ちゃん、ジムバッジってなんなのかにゃ?」
真姫「あなたね…そんなことも知らないの?」
凛「知らないにゃ!」
真姫「はぁ…スクモンジムはわかる?」
凛「あっ、さっき行ったラーメン屋さんの近くにあったのがなんとかジムだったような…」
真姫「まぁ簡単に言えばスクモンジムは道場ね。私たちが道場破りになって、その道場で一番強いジムリーダーを唸らせればジムバッジが貰えるわ」
凛「唸らせるだけでいいの?」
真姫「ええ。ダンスや歌、特技でもギャグでもなんでもいいわ。ジムリーダーを唸らせれば私たちの勝ちよ」
真姫「簡単に言うけど、ジムバッジは全部で8つよ」
凛「8つも!それを全部集めるの?うぅ、気が遠くなりそうにゃ…」
真姫「全部で8つか6つか、4つ…場合によっては3つくらいになるわ」
凛「うん、分かったにゃ。だんだん減ってるけどなんとなく深くは追求しないにゃ」
真姫「がんばりなさいよ。今のままだと、ひとつも勝ちとれないわよ」
花陽「ぴやぁ…」
凛「大丈夫!凛たちならできるよ!ジムバッジなんかたくさんとれる!」
花陽「…凛ちゃん。(コクン!)」
凛「うん!その意気にゃ!」
真姫「他に聞きたいことはある?」
凛「あるにゃ!さっきみたけど、スクモンセンターってなぁに?」
真姫「そんなことも知らないの?はぁ…少しは自分で勉強しなさいよ」
真姫「関係ないわよ」
花陽「ぴゃあ!」
真姫「スクモンバトルで疲れたスクモン達をケアしてくれる場所よ。歌って踊りすぎて瀕死ってくらいに疲れてもスクモンセンターで休めば一瞬で元気を取り戻すわ。しかも、何度利用してもタダだから不思議よね」
凛「タダ!?」
真姫「そうよ。タダ」
凛「タダより怖いものはないにゃ…利用しない方がいいのかにゃ?」
真姫「いいから利用しなさいよ。詐欺とか絶対にないから」
凛「ふーん。かよちんも聞いてた?疲れたら連れて行ってあげるからちゃんと言うんだよ?」
花陽「ぴゃあ!」
凛「へー、あとでいってみるにゃ」
花陽「ぴゃぁ!」
真姫「そうしなさい。野生のスクモンと戦うとすぐ服がボロボロになるわよ」
凛「そうなの?うぅ…たしかに今着てるのも服っていうか布きれを巻いてるっていうか…」
真姫「絵里ももっといい服着せてくれればよかったのに」
凛「アイドルだし、もっといい服着ないとにゃ。あとで買いに行こうか?」
花陽「…ぴゃあ」
凛「えっ?どうしたの?遠慮しなくていいにゃ!」
真姫「けど、値段結構するわよ」
凛「そうなの!?さっきラーメン食べちゃったし、うぅ…2500円くらいしか持ってないにゃ」
真姫「道端で立ってるスクモントレーナーと勝負して勝てばお金がもらえるわよ。そうね、花陽の場合はまず野生のスクモンとバトルして慣れることからはじめたら?」
凛「そうだね。そうするにゃ!がんばろうね、かよちん!」
花陽「ぴやぁ!」
凛「あれ?そういえばにこちゃんは?にこちゃんの姿が見当たらないけど…」
真姫「そ、そう?おかしいわね」
凛「なるほど…喧嘩でもしただね?」
真姫「ちがうわよ!ちょっと色々あって…」
『ちょっと!なんでおいていくにこ!』
凛「今の声って…まさか」
にこ「ジムバッジがなくたって監視の目を盗めばラブライブ本線会場まで進めるっていうのに…どーして引き返すのかしら」
真姫「すぐ見つかって追い出されるに決まってるわよ!」
にこ「へっ…真姫ちゃん足が遅いから」
真姫「関係ないでしょ!」
凛「ちょっと待って。なんで普通に会話できてるの?それにぬいぐるみサイズだったにこちゃんがちょっと背の低い同世代の女の子くらいのサイズになってるにゃ!」
真姫「分からないけど、野生のスクモンと戦ったらこんなに育ったの」
凛「そんなばかな!」
にこ「当然の結果よ!ここら辺の野生のスクモンはたるいのよ。アイドルとしての自覚が足らないわ。あんな奴らに負けるなんて私のプライドが許さなかった。気づいたらこうよ」
凛「真姫ちゃんの育て方がすごいのか、にこちゃんがすごいのか…今となってはもはやどっちでもいいって思えてきたにゃ」
にこ「すごいのは私よ!私に決まってるじゃない!」
真姫「はいはい。そうね」
凛「あっ!にこちゃんの着てる服可愛いにゃ!ショップで買ったの?」
にこ「そうよ、真姫ちゃんに買ってもらったの。私ったななんでも似合っちゃうから買うときに困って困って」
真姫「ショップで試着した服を全部買おうとしたらにこちゃんに止められちゃったの」
にこ「当たり前にこ!」
凛「全部買い占めるって…真姫ちゃんもよくやるにゃ」
真姫「深い意味はないわよ?アイドルとして可愛い服は必要じゃない」
凛「そうだけど…かよちんにも早く可愛い服を着せてあげたいにゃ」
花陽「ぴゃあ!」
花陽「…ぴゃぁ」
にこ「あんたね、やる気あるの?それか、あの建物の1番てっぺんに立ってみたいって気持ちが足らないんじゃない?」
花陽「…ピャァ」
にこ「私は立ってみせるわ。必ず…だって、それが私の夢なんだから。それに、私だけじゃないわ…私をここまで育ててくれた真姫ちゃんにも…」
真姫「ん?私がどうかした?」
にこ「うっさいわね!」
真姫「はぁぁ?なによ急に!」
にこ「ふんだ」
凛「相性ぴったりだね。こっちも安心したにゃ」
真姫「ふんっ、別にぴったりってわけじゃ…」
にこ「ほんとよ。失礼しちゃうわ」
凛「仲の良さだけは負けないにゃ!ねっ、かよちん」
花陽「…(コクン)」
真姫「じゃあ、私たちは先に進むわ。この次の街にジムがあるみたいなの」
凛「ジムならこの街にもあったよ?」
真姫「それが…鍵が閉まってるのよ。何かあったのかしら?」
凛「ふーん」
にこ「いいから、早く先へ進むわよ」
真姫「分かってるわよ。じゃあね、凛」
凛「うん!また!」
花陽「凛ちゃん…」
凛「ん?どうしたの?」
花陽「ぴゃぁ!」パンパン
凛「あっ、本当だ。服に泥がついてる…いつついたんだろ?」
花陽「(アセアセ)」
凛「えっ…綺麗にしてくれてるの?」
花陽「ピャア!凛ちゃん!ぴゃあ!」
凛「ありがとうにゃ!」
花陽「ぴゃあ!」
凛「(そうにゃ。凛たちには凛たちのペースで頑張ればいいにゃ。だってかよちんはこんなにいい子なんだから)」
凛「この道をまっすぐ行ったところに森があるんだって、森を抜ければ小さな街だけど、そこにはスクモンジムもあるにゃ!かよちん、凛と一緒がんばるにゃ!」
花陽「ぴゃあ!」
つづく
完結がんばります
楽しみ
花陽「うぅ…ぴ、ぴゃぁ!」
凛「大丈夫にゃ!凛がついてる!かよちんは怖がらなくていいんだよ!」
花陽「うぅ…ぶるぶる」
凛「この森を抜ければジム戦にゃ!かよちん、がんはろうね!」
花陽「…ぴゃあ」
凛「(凛が怖がったら、かよちんだって不安になる。よし、もう弱音ははかないよ!」
凛「ほら、凛が抱っこしてあげるから元気出すにゃ!」
花陽「ぴ…ぴぃ」
凛「もしかして…照れてる?」
花陽「!!」
凛「(かわいいにゃ)」
花陽「…ぴゃ」
凛「心配?」
花陽「(ふるふる…)」
凛「大丈夫だよ!もし野生のスクモンに遭遇しても、凛が走って逃げてあげるから!」
花陽「(ふるふるふる!)」
凛「えっ…」
花陽「ぴやぁ!ぴゃ…ぴゃぁ!!」
凛「凛に助けてもらってばかりじゃ駄目…にこちゃんに差をつけられっぱなしだよ!1日も早く一人前のスクモンになりたい。そう、かよちんは言いたいんだね?」
花陽「ぴやぁ!」
凛「よく言ったにゃ!よーし、そうと決まれば…」
凛「…いくよ?」
花陽「ぴゃあ!」
凛「いっくにゃぁぁぁ!!!」
凛「にこちゃんも言ってたけど、ここらへんにいる野生のスクモンはアイドルとしての自覚がない子達ばっかりだね」
花陽「ぴゃあ!」
凛「ほらよくみるにゃ!あんなに毛がボーボーなアイドルみたことないにゃ!アイドルとして…いや、女の子としての自覚がなさすぎにゃ!」
花陽「ぴ…ぴゃあ!?」
凛「かよちんなら勝てる!いけ、かよちん!君に決めた!」
花陽「ぴ、ぴゃあ……あっ?」
凛「やったぁ!前に出れた!まずは第一関門突破にゃ!」
花陽「ぴゃあ…?」
『ガルゥゥゥ…』
花陽「ひぃっ!」
凛「なんてアイドルにゃ!あんなに歯をむき出しにして威嚇してくるなんて!」
『ガルゥゥゥ!!』
凛「かよちんあぶないっ!」
花陽「ぴやぁ!」
花陽「凛ちゃん!凛ちゃん!(ふるふる!)」
『ガルゥゥゥ!!!ガブッ!!』
凛「よだれ垂らして威嚇するなんてアイドルとして失格だよ!さすがの凛だってラーメンを盗られて腹がたってもよだれ垂らしながら威嚇なんてしないにゃ!」
花陽「凛ちゃん!り…凛ちゃんっ!」
凛「へ?かよちんどうしたにゃ?」
花陽「ふるふるふる…ぴゃあ!」
凛「ん?」
『ガルゥゥゥ!!ガルゥ!!!』
凛「どうしよう!なんかよくみたらスクモンじゃない!ただの凶暴な狼にゃ!」
花陽「ぴゃあ!」
凛「かよちん逃げるにゃ!凛にしっかりつかまって!」
花陽「ぴゃあ!」
凛「うわぁぁぁ!」
『ガルゥゥ!』
凛「まだ追ってくるにゃ!」
『ガルゥゥゥ!!!』
花陽「凛ちゃん!凛ちゃん!」
凛「大丈夫にゃ!凛がついてるからこわくないよ!」
花陽「ふるふる!ぴやぁ!ぴやぁぁ!」
凛「へ?どうしたにゃ?」
凛「崖があるなんて聞いてないにゃぁぁぁぁ!!」
サブーン!
・
・
凛「んー…作詞に…作詞にきたはず…うぅ…」
花陽「ぴゃあ!ぴゃあ!」
凛「かよ…ちん?」
花陽「りんちゃ…凛ちゃん!!」
凛「ここは…うわっ、崖の下なんだ。って、あんな上から落ちちゃったの?」
花陽「ぴゃ!ぴゃぁ!」
凛「かよちん!怪我は?怪我はしてない?」
花陽「(ふるふる)」
凛「ほっ…それなら一安心。よかったにゃ」
花陽「ぴ…ぴゃあ!」
凛「ん?凛なら平気。けどすっかり夜になっちゃったね。夜の森はあぶないにゃ…固くなってばっかりの虫とかも出るし。さ、さっさとこんな森から出て…ひいっ!」
花陽「凛…ちゃん?」
花陽「ぴゃぁ!り、りんちゃん!」
凛「…かよちん。お願いがあるの」
花陽「ぴゃあ?」
凛「凛を置いてここから逃げて」
花陽「(ふるふる!)」
凛「駄目にゃ。夜の森は寒いし危険がいっぱいだよ?もしこのまま朝までいて、かよちんになにかあったら、凛は後悔してもしきれないにゃ」
花陽「(ふるふるふる!)」
凛「かよちん…お願いだよ…ね?」
花陽「ぴ…ぴゃあ!!」
凛「かよちん!?なにしてるの?」
花陽「ぴっ…ぴゃあ!ぴゃあ!」
花陽「ぴ…ぴゃあっ!」
凛「かよちん…」
花陽「凛ちゃん…、ぴやぁ!!」
凛「凛のために頑張ってくれてる…かよちんが頑張ってるのに黙って見てるなんてできないにゃ!凛がかよちんを抱えて崖を登るよ!」
ダッ!
グキッ
凛「ひぃぃっ!」
花陽「りんちゃん!!」
凛「今っ…すごい音した」
花陽「(コクン)」
凛「なんか足がジンジンしてきた!ど、どうしよう!」
花陽「ぴ…ぴゃああ!」
凛「うわぁぁこんなに腫れてるにゃ!痛い…痛いかも!」
花陽「ぴゃあ!(アセアセ…)」
花陽「!!」
凛「えっ…」
花陽「誰か…誰か助けて!!!」
凛「かよちん…!」
花陽「ダレカタスケテェェェェェェェ!!!!!!」
『な、なんなんだ今の声は!』
『もしかしたら崖の下に誰かが…』
『だれかいるのか!助けが必要なら助けてやる!だれだ!いるならもう一度声をあげてくれ!』
凛「遠くにいる人にかよちんの声が届いたみたいにゃ!すごい…すごいよかよちん!」
凛「よーし!凛も一緒に!ここですっ…!?うっ、ゲホゲホゴホッ…!」
花陽「ぴゃっ!ダレカタスケテェェェェェェェ!!!!!」
「こんな場所に!?こっから叫んでよく俺たちのいた場所まで届いたな!待ってろ!今助けてやる!」
凛「やったにゃ!こ、ここです!」
花陽「ぴやぁ!」
凛「かよちんのお陰で助かったにゃ。かよち…」
花陽「凛ちゃん?」
凛「あれ…急に眠たく…か、かよ…ち…」
花陽「り、りんちゃん!!」
・
・
・
凛「んんー…」
「あっ、目がさめた?」
凛「んん?」
「はじめまして、こんにちは」
凛「はじめまして…えーっと…」
ことり「私は南ことり。スクモンセンターで働いてるよ!よろしくね、凛ちゃん」
凛「よろしくお願いします…。えーっと、凛は一体なにをしてて…はっ!そ、そうにゃ!狼に襲われて崖からおっこちたんだ!」
凛「そっか…凛たち助かったんだ」
ことり「うん。狩りをしてたおじさん達が倒れてる凛ちゃんを見つけてくれたの。すごく遠くで狩りをしてたけど、助けてって叫び声が聞こえてきたっておじさん達が驚いてたよ」
凛「そっか…よかった…。ううん!よくないにゃ!かよちん…か、かよちんはどこにゃ!」
ことり「えっ…かよちん?」
凛「かよちん!凛のパートナーで大切な…大切な!」
ことり「あっ、花陽ちゃんのこと?それなら…」
「りんちゃん…?」
凛「へっ?」
花陽「うふふっ、凛ちゃん。おはよう」
凛「か…かよちんがちょっと大きくなってる!?」
凛「しかも喋ってる…。すこしたどたどしいけど…年齢的にちょうど幼稚園くらいかな?」
ことり「スクモンとして、アイドルとして花陽ちゃんは少しレベルアップしたんだよ」
凛「かよちん…すごいにゃ!すごいよ、かよちん!」
花陽「てへてへ」
ことり「うん!野生のスクモンとたくさん戦ったおかげだね」
凛「ううん。かよちんは一度もスクモンと戦ったことないよ」
ことり「えっ…」
凛「この調子でダンスも歌も覚えようね!凛も教えるにゃ!こうみえて、凛はスポーツが得意なんだよ。ダンスならかよちんに教えられるにゃ!」
花陽「さ…さっきの」
凛「さっきの?」
花陽「さっきの…花陽…。…凛ちゃんの…なぁに?」
凛「あっ、かよちんが凛のなんだって?そ、それは…かよちんは凛の大好きな人で…とってもたいせつな人にゃ!」
花陽「へへっ(にこー)」
凛「かよちんこそ大丈夫?怪我はしてない?」
花陽「うん!ことりちゃん…が…」
ことり「うん。私が手当てしといたよ」
凛「そうだったんだ…ことりちゃん、ありがとうにゃ!」
凛「かよちんもだよ。あの時、大きな声で助けを呼んでくれなかったら助からなかったにゃ。かよちんのお陰で助かったよ。助けてくれてありがとう」
花陽「(ふるふる!)花陽は…なにも…」
凛「ううん!かよちんのおかけだよ!」
ことり「(一度もバトルに勝ったことがない花陽ちゃんが成長した?まさかそんなことあるわけ…)」
ことり「穂乃果ちゃん…」
凛・花陽「えっ?」
ことり「う、ううん!なんでもないよ。少し昔のことを思い出しちゃっただけだから」
凛「じゃあ、よいしょっと」
ことり「凛ちゃん!まだ安静にしてないと駄目だよ!」
ことり「ジムに挑戦するの?」
凛「もちろんにゃ!さぁ、早く森を抜けて次の街に行かないと」
ことり「そういうことなら大丈夫だよ。もっとゆっくりしていってね」
凛「へ?」
ことり「もう凛ちゃんは森を抜けてるよ」
凛「えっ…!?だ、だってことりちゃん!スクモンセンターの店員さんだって!」
ことり「うん。スクモンセンターはチェーン店だから、どの街にもひとつはあるんだよ」
凛「凛の住んでた街にはないにゃ!いや、待って…凛のお家でゆっくりしてたらかよちん含め、みんな元気になってたような…」
ことり「ふふっ、もう少し安静にしててね?」
凛「で、でも…」
花陽「だいじょうぶ!花陽、がんばる!すぐにすごいスクモンになる!だから…ゆっくりしてほしいの…だめ?」
凛「ぐぅ!…そんな風に頼まれて断れる人がいるなら出会ってみたいにゃ」
花陽「ぴゃぁ?」
凛「もう少しだけゆっくりしていこっか?」
花陽「凛ちゃん!」
凛「そうだ!かよちんも一緒にゆっくりしよ!凛の隣で一緒に寝るにゃ!」
花陽「えっ!?」
凛「いいからいいからー。おいで!」
花陽「は、花陽…て…てれちゃ…ぴ、ぴゃあ!」
ことり「ふふっ。なにかあったら声かけてね」
凛「うん!」
花陽「りんちゃ…うぅ…はずかしい…」
凛「次はジム戦にゃ!」
つづく
花陽「うん…」
凛「大丈夫。かよちんなら出来るよ」
花陽「…うん」
凛「かよちん、手をかして」
花陽「うんっ」
凛「うまくいかなくてもいいよ。でも、後悔しないように全力を出していこうね!」
花陽「う…うん!」
凛「よし…じゃあいくにゃ!」
ガチャ…
凛「たぁぁのもぉぉぉぉぉ!!!」
ーーー 数日前
やせいのスクモンがあらわれた!
凛「いけ!かよちん!」
花陽「はいっ、がんばります!」
やせいのスクモンのこうげき!
『オォ、オラ、シンノスケダゾ』
凛「でた!アイドルが高確率でやる国民的キャラの声モノマネ攻撃にゃ!」
『オッス、オラダゾ、シンノスケダゾ、ツエーヤツミルトワクワクスッダ、イッチョヤッテミッカ』
凛「にこちゃんの言ってた通りにゃ…まったく自覚が足りてない!その証拠になんて完成度の低いモノマネにゃ!あんなのしないほうがマシにゃ!しかも後半から別のキャラのセリフにゃ!」
花陽「うぅ…」
凛「かよちん…まさか効いてるの!?」
花陽「うぅ…花陽…だれのものまねもできません…(バタッ)」
凛「そ、そんにゃ!!」
勝者 やせいのスクモン
勝因 小泉花陽ほぼ6才 まだ誰のものまねもできません
花陽「んー…」
凛「かよちん!目、さめたにゃ?ここはスクモンセンターだよ?」
花陽「うん…ごめんなさい。私、また負けちゃった…」
凛「なんで謝るの?」
花陽「私…だめ…かてない…いち人前のスクモンになれない…ごめんなさい…」
凛「謝ることないにゃ!むしろ、謝るのは凛の方だよ…(かよちんがやられた瞬間、何故か目の前が真っ暗になって気がついたらスクモンセンターにいたにゃ)」
凛「本来なら倒れたかよちんを凛が連れて帰らなきゃいけないのに…(しかもどういうわけか、所持金も少し減ってたにゃ。かよちんがまともに戦えない以上、トレーナーと勝負してお金を貯めることも無理だし…)」
凛「減ってくばかりにゃ…」
花陽「…ごめんなさい。お金ないよね?ぜんぶ私のせいだね」
花陽「ごめんなさい…(ゴシゴシ)」
凛「泣かないでよ!かよちんは全然悪くないよ!」
花陽「んっ…あれ?んん」
凛「かよちん?ま、まさか!やっぱりどこか痛いの?」
花陽「ううん。違うよ。大丈夫だから」
凛「本当に…?大丈夫ならいいんだけど…じゃあご飯にするにゃ!はい、どうぞ!」
花陽「…うっ」
凛「どうしたのかよちん?ご飯だよ?かよちんの好きなラーメンだよ?」
花陽「いら…ない」
凛「いらないって…どこか体調でも悪いの?熱があるとか…」
花陽「(ふるふる)」
凛「じゃあ一体どうしたんだろ…」
花陽「(フラフラ…)」
凛「ラーメンも食べないし、フラフラ歩くし、よく壁や物にぶつかるし、何と言っても目つきが悪くなったにゃ」
ことり「あっ、凛ちゃんに花陽ちゃん。こんにちは」
凛「ことりちゃん!こんにちは。今日もスクモンセンターでお仕事?」
ことり「うん!疲れたスクモンをケアするのが私の仕事だから」
凛「ふーん。そっか…スクモントレーナーを代表して、いつもありがとうございます。助かってます」
ことり「いえいえ、どういたしまして。あれ?花陽ちゃんは?そうだ、ジムには挑んだの?」
ことり「そうなんだ…大変だね。けどがんばってね!」
凛「そうだ、ことりちゃん!かよちんの体をみてほしいにゃ!」
ことり「…えっ?」
・
・
ことり「ううん。花陽ちゃんの体はどこもおかしくないみたいだけど…」
凛「そんな!けど、ラーメンも食べないしフラフラ歩くし物にだってぶつかるんだよ?」
花陽「凛ちゃん…わたしはだいじょうぶだよ…(フラフラ)」
花陽「(ゴシゴシ)」
凛「あっ!また目ゴシゴシしてるにゃ!泣くほど気分が悪いの?」
花陽「ううん、えーっと…へいきだよ?」
凛「信じられないよ!かよちんは大きくなってからおかしいにゃ!」
花陽「だいじょうぶだよ…ははっ。ごめんなさい…すこし向こうで休んでくるね?」
凛「う、うん…」
ことり「元気ないね…。けど、検査してもどこも悪くないみたいだし」
凛「も、もしや不治の病!?絵里ちゃんに電話で相談するにゃ!凛と一緒に毎日ラーメン食べてたのに急に食べなくなるなんて!」
ことり「毎日?」
凛「うん!」
ことり「うーん…凛ちゃん、あのね?スクモンにも私たちと同じように好みがあるの」
凛「えっ…」
ことり「りんちゃんはラーメンが好きだから毎日食べても飽きないかもしれないよ?けど、花陽ちゃんはそうじゃないのかも」
凛「まさか…!」
ことり「ラーメン…食べたくないんじゃないかな?」
凛「そんなまさか…けどラーメンだよ?」
ことり「えっと…。試しにこれあげるね。私がお昼に食べようと思ってたチーズケーキだよ」
凛「う、うん…。ありがとう(ホール?お昼にチーズケーキをホールで?)」
凛「深いことは考えないにゃ!かよちん!これなら食べれる?」
花陽「ぴやぁ!」
凛「えっ?」
花陽「んんーっ!あまくておいしいです!」
凛「(か…かわいい)」
凛「じゃなくて!!」
花陽「ぴゃあ?」
凛「ことりちゃんありがとう!かよちん、お腹いっぱいになったみたいだよ!」
ことり「うん、よかったね。凛ちゃん!」
凛「ただ…」
ことり「ん?」
花陽「(フラフラ…)」
ガタンっ!
花陽「いたぁい…」
凛「かよちん!大丈夫かにゃ?」
凛「どういうことか、フラフラ歩く癖とぶつかり癖が治らないにゃ!やっぱりどこか悪いのかな…?」
花陽「ううん、だから私はへいきだよ」
凛「うぅ…きっと凛のせいにゃ。凛がかよちんの嫌いなラーメンばかり食べさせたから!」
花陽「そ、そんなことないよ?ラーメン…おいしかったよ?」
凛「嘘つかなくてもいいよ」
花陽「うそじゃないよ?」
凛「じゃあなんで凛のこと睨んでるの…?」
花陽「えっ…私、にらんでないよ?」
凛「にゃ?」
凛「睨む…ぶつかる…フラフラしてる…。も、もしかして!」
花陽「ぴゃあ?」
ことり「凛ちゃん?」
凛「ことりちゃん…調べて欲しいことがあるにゃ」
ことり「う、うん…」
ーーー次の日
「ん…」
ことり「あっ、目が覚めた?」
花陽「ん…うんっ。おはようございます…」
ことり「うん、おはよう。」
花陽「んっ…?あれ?」
ことり「探してるのは凛ちゃんかな?」
花陽「(コクン)」
ことり「凛ちゃんにはね、スクモンセンターのお仕事を手伝ってもらってるの」
花陽「ぴゃあ?」
ことり「うん。お昼過ぎには終わるからそれまでここで遊んでてね。」
花陽「…うん」
凛「お昼にゃ!」
花陽「凛ちゃん!」
凛「どうしたの?あっ、やっぱり寂しい思いさせちゃったかな?」
花陽「…(ふるふる)」
凛「…そっか。かよちんは強い子だね?」
花陽「…(コクン)」
凛「じゃあご飯食べるにゃ!なにが食べたい?」
花陽「…いらない」
グゥゥゥゥゥ
花陽「…(ポッ)」
凛「体は正直にゃ!じゃあご飯食べよ!」
凛「ごめんね…今日はこんなものしかないんだけど…」
花陽「こ、これは…!?」
凛「ん?おにぎりだよ?…ごめん、本当はもっと豪華なもの食べさせてあげたいんだけどちょっと手持ちがなくって…」
花陽「はぁ…真っ白…つやつや…」
凛「(喜んでくれてるのかにゃ?)」
花陽「いただきます!」
凛「どうぞ!」
花陽「んんっー!おいしい!おいしいです!」
凛「そう、じゃあよかったにゃ(うぅ、抱きしめたい)」
花陽「はぁ…とってもおいしかったです!ごちそうさまでした」
凛「おそまつさまでした」
花陽「凛ちゃん!」
凛「ん?」
花陽「すっごくおいしかったよ!ありがとうございました」
凛「(お金がなくて具が入ってないおにぎりしか買えなかったのに…)」
花陽「花陽、今のなら毎日たべたいです!」
凛「(お金のことでかよちんに我慢させてばっかりにゃ…)」
花陽「はぁ…おいしかった(うっとり)」
凛「ごめんかよちん!豪華な食事が買えないかわりに、今は凛の愛で許してにゃ!」
花陽「ぴゃあ!」
凛「そんなかよちんに大事な話があるにゃ」
花陽「うん。なぁに?」
凛「かよちんが今すぐジムに挑むのは無理だと思うんだよね。」
花陽「…ごめんなさい。花陽、めいわくばっかりかけて…」
凛「違う違う!攻めてるんじゃないよ?いきなり挑むのは無理だから、歌もダンスも凛が教えてあげるね」
花陽「えっ…凛ちゃんが?」
凛「うん!ジムリーダーに挑むのも、スクモントレーナーと勝負に挑むのも、野生のスクモンと戦うのも、歌やダンスを覚えてからの方が有利じゃないかにゃ?」
花陽「う…うん!花陽、凛ちゃんからおそわりたい!」
凛「そうこなくっちゃ!」
凛「(かよちんは自分に自信がないだけにゃ。少しでもスクモンとして、アイドルとしての自信を持ってくれればバトルだってできるはず!)」
花陽「うん!」
凛「じゃあまずは歌からね!ちょっと歌ってみてよ」
花陽「うん!」
凛「(どんな声で歌うんだろ。きっと可愛すぎてやばいはずにゃ)」
花陽「……」
凛「かよちん?」
花陽「ぴゃぁ?」
凛「歌わないの?」
花陽「?」
凛「えっ?」
花陽「歌ってどうやるの?」
凛「うぇぇ!?ことりちゃん!これはどういうことにゃ!」
ことり「あのね…スクモンは成長しないと歌えないし、踊ることもできないよ」
凛「あぁぁぁぁ!たしかそんなこと絵里ちゃんも言ってたにゃ!」
ことり「あははっ…忘れてたんだね」
ことり「えーっと…」
凛「まさか」
ことり「スクモンバトル…かな?」
凛「それも絵里ちゃんが言ってたにゃぁぁ!」
花陽「花陽、凛ちゃんからおそわりたいのに…むりなの?」
凛「無理じゃないよ!えーっと…そうだ!じゃあ、手は叩ける?」
花陽「…て?こう?(パンッ)」
凛「そうにゃ!もう一度やってみて」
花陽「(パンッ)」
凛「うん!じゃあ、今みたいに何度も手を叩いて」
花陽「う、うん…(ぱん、ぱん、ぱん…)」
凛「ラー♪ラー♪ラー♪…」
花陽「へっ!?」
凛「今、かよちんの手拍子リズムに合わせて凛が歌ってみたよ!」
花陽「今のが…歌なの?」
凛「広いくくりでまとめれば歌にゃ!」
凛「…多分」
ことり「凛ちゃん自信もって!」
ことり「そんなことないよ!でも、スクモンはバトルを通してじゃないと歌を覚えてくれなくて…」
花陽「……らぁ♪…?」
ことり「えっ…」
花陽「らぁ…♪らぁ…らぁ?」
凛「かよちん!やったにゃ!そうだよ!そういうことだよ!」
花陽「そうなんだ…これが歌?」
凛「そうだよ!これが歌だよ!」
花陽「たぶん…?」
凛「そう、多分!」
『ことりちゃん…歌ってなぁに?ねぇ、教えてよ!』
ことり「……」
凛「ことりちゃん?どうしたの?」
ことり「えっ…。う、ううん。なんでもないよ。すごいね花陽ちゃん!ことりびっくりしちゃった」
花陽「そんなことないよ…たまたまだもん…」
凛「んー(自信がつけばと思ったんだけど前途多難にゃ)」
ことり「じゃあ、私はお仕事に戻るね」
凛「うん!じゃあまた夜ね!」
ことり「うん」
花陽「夜に…ってなに?」
凛「ん?あぁ、夜にもう一度スクモンセンターのお手伝いをするんだ」
花陽「どうして?」
凛「えーっと…あー……きょ、きょうはいい天気だにゃ!」
花陽「(凛ちゃん…私になにをかくしてるんだろう…)」
ーーーそしてその三日後たった今日 二時間前
凛「ついにやったにやぁぁ!!!!!」
ことり「おめでとう!凛ちゃん」
凛「ううん!ことりちゃんの協力がなかったらできなかったにゃ。本当にありがとう」
ことり「私はなにもやってないよ?」
凛「ううん!何から何までお世話になったにゃ。どんなお礼をしても足らないよ…。だから、結果でお返しするにゃ」
ことり「うん!がんばってね!」
花陽「ぴやぁ…」
凛「かーよちん!おはよう!」
花陽「…おはようございましゅ」
凛「(どうしよう…朝一発目からかわいいにゃ)」
凛「調子はどう?」
花陽「うん!げんきだよ」
凛「そっかー♪」
花陽「ん…?凛ちゃんどうしたの?」
凛「今日はね、かよちんがジムに挑戦するんだよ?だからワクワクしちゃってつい顔がニヤニヤしちゃうにゃ!」
花陽「ふーん…わたしがジムにちょうせ…ええぇぇぇ!?」
凛「うん!ジムリーダーを唸らせてやるにゃ!」
花陽「むりだよ!だって一度も勝てたことないし…だめだし…にこちゃんみたいにうまくしゃべれないし…」
凛「かよちん!」
花陽「ぴゃあ!」
凛「にこちゃんを基準に考えちゃだめにゃ!」
凛「むしろおかしいのはにこちゃんにゃ!!」
・
・
にこ「へっくし!」
真姫「なに?風邪でも引いたの?うつさないでよ」
にこ「ふざけないでちょうだい!体調管理は万全よ。ということは…」
にこ「誰かがにこの噂をしてるの?いやぁぁぁ、にこの人気が一人歩きしてるぅー」
真姫「気持ち悪い」
にこ「どぅぉぉぉいうことよ!」
・
・
凛「大丈夫だって!とりあえず行けばなんとかなるにゃ!」
花陽「む…むりだよ!だって一度も勝ったことないし…わたしなんて…」
凛「大丈夫!凛もついてるにゃ!」
花陽「うぅぅ…ダレカタスケテェェェ!」
ことり「ふふっ、がんばってね!」
凛「いってきます!」
花陽「いぃぃやぁぁぁ!」
凛「もうすぐでジムにゃ!」
花陽「いやぁ…」
男『おいそこの君!』
花陽「ぴやぁ!(ぶるぶる)」
凛「な、なんにゃ」
男『博物館には行ったか?』
花陽「へっ?」
凛「い…行ってないにゃ」
男『まだみてないのかよ!見て来なよ、見て損はないって!一度行って来な!」
凛「いや、凛たちはジムに挑戦するからあとでにするにゃ(博物館なんてまったく興味ないにゃ)」
男『博物館に行く前にジムに挑戦?そんなのだめだめ!博物館はこっちだよ。連れて行ってあげるから』
凛「な、なにするにゃぁ!離すにゃ!」
花陽「ぴ…ぴゃぁ!!」
男『ここが博物館な!月の石とか化石とかあるぞ!すげーぞ!絶対にみていきなよ!じゃあな』
凛「あいつ何者にゃ…」
花陽「こ、こわい…」
凛「大丈夫!凛がついてるよ」
花陽「うっ…うぅ」
花陽「ぴゃあ…!?」
凛「入ったら最後…すごい金額の入場料を請求されるにゃ」
花陽「こ、こわいよ…」
凛「とにかく逃げよう!かよちん、凛につかまって」
花陽「うん!」
男『また会ったね!博物館には行ったか?』
凛「なんでまだいるにゃ!だから行ってないにゃ!」
花陽「ひぃっ!」
男『絶対に行った方がいいよ!さぁおいで」
凛「は…離すにゃぁぁ!」
花陽「ダレカタスケテェェェ!!!」
凛「まさかの理由でジムまでの道のりが遠いにゃ…」
花陽「う、うん…。花陽も逆にジムにいきたくなったきた…」
凛「行こう…」
凛「博物館に!」
花陽「ぴゃあ!」
凛「もう博物館に行かないと先に進めない気がしてきたにゃ…大丈夫!何かあったらかよちんを抱えて走って逃げるから!」
花陽「凛ちゃん…」
凛「大丈夫にゃ。凛の手を握って」
花陽「うん…」
凛「じゃあ…行くよ」
『入館料は50円です』
凛「えっ?」
『50円になります。どうされますか?』
凛「…えぇ?」
・
・
男『おっ、博物館にいったのか?じゃあいいや。化石も月の石もすごかったよなー。あっ、ジムに挑戦すんの?がんばれよー』
凛「あ、ありがとにゃ…」
・
・
凛「ジムについたにゃ」
花陽「うん」
凛「世界は広いね、かよちん」
花陽「うん…」
凛「もう…この街の人がよく分からないにゃ!」
花陽「り、りんちゃん!泣かないで…」
凛「そうだね。弱気になってちゃ駄目にゃ!」
花陽「うん!」
凛「かよちんもだよ」
花陽「えっ…私も?」
凛「かよちんはこんなに可愛いんだよ?アイドルとしての自信がないのがもったいないよ」
花陽「…けど」
凛「ほら、また弱気になってる!確かに…バトルには勝ったことはないし、一番最初の頃は凛の後ろに隠れてばかりだったにゃ」
花陽「うん…だから、こんなわたしじゃ…」
凛「でも、それがかよちんにゃ」
花陽「えっ…」
凛「ダメなところも、弱いところもふくめ、そんなかよちんが大好きにゃ」
花陽「凛ちゃん…」
凛「それに、かよちんは駄目じゃないよ。かよちんの歌声はすごく綺麗だったにゃ」
花陽「へっ!?」
凛「かよちんに初めて出会った瞬間から、凛はそう信じてるよ」
花陽「凛ちゃん…」
凛「かよちんが赤点なら凛も赤点にゃ。凛とかよちんは一心同体だよ?だから赤点同士、一緒にがんばるにゃ!」
花陽「凛ちゃん…うんっ!花陽、がんばりゅ!」
凛「よぉぉし!その意気にゃ!じゃあジムの扉を開ける…」
その前に
凛「凛からのプレゼント!かよちんはこれをかけるにゃ」
花陽「ぴゃあ!」
花陽「ぴゃあ?」
凛「どう?凛の顔、みえてる?」
花陽「(コクン!)」
凛「やっぱりにゃ!かよちん、他のスクモンより少し目が悪いみたいにゃ。だからメガネをかけないと!」
花陽「えっ…目がわるいの?ど、どうしよう…」
花陽「これ…どうやって買ったの?花陽、スクモントレーナーの人とバトルしてないからお金だって…」
花陽「(あっ、凛ちゃん…いつも夜おそくまでことりちゃんのお手つだいしてた…)」
花陽「(凛ちゃんがはたらいて買ってくれたんだ!私のために…。こんな私のためにがんばってくれた。私が凛ちゃんにできること、それは…)」
凛「(こんなに眼鏡が似合う女の子に出会ったことがないにゃ…可愛い。抱きしめたいにゃ…溢れるほどに)」
花陽「花陽…がんばる!」
凛「へっ?そ…そうにゃ!その意気にゃ!じゃあ…いくよ?」
花陽「うん!あとね!」
凛「ん?」
花陽「花陽も凛ちゃんのことが大好きだよ!」
凛「へっ?(カァァ)」
凛「(な…なんで凛は心臓がドキドキしてるにゃ?な、なんでにゃ!)」
凛「と、とにかくいくにゃ!」
たのもぉぉぉぉぉ!!
ジムリーダー「負けた!」
花陽・凛「へっ!?」
凛「…ど、どうも」
花陽「ぴ…ぴゃあ」
ジムリーダー「外でのやり取り…監視カメラで見させてもらった。素晴らしかった!」
凛「そ、そうでしたか…」
ジムリーダー「君とスクモンとの絆…そして愛…実に素晴らしかった。それに、俺は百合とメガネが大好きだ」
花陽「ぴゃあ!」
凛「そ、そうでしたか…。じゃあ、どうもありがとうございました(百合って何にゃ!)」
ジムリーダー「あぁ、この先も頑張れよ」
凛「じゃあ、失礼いたしましたにゃ…あはは」
ことり「あっ、凛ちゃん!結果はどうだった?」
凛「凛…ますますこの街の人が分からないにゃ!」
ことり「えぇ…っと、どうしちゃったの?」
ジムリーダーVSかよちん
勝者 かよちん
勝因 百合めがね
つづく
ことりちゃんの謎は次回明らかになります。
凛「よく似合ってるにゃ!」
花陽「うん…ありがとう」
凛「ジムリーダーからたくさんお金をもらったにゃ。お陰で念願の服を買えたけど…金額的な問題でにこちゃんみたいにキラキラした服は買ってあげれなかったにゃ」
凛「子供服のTシャツとスカートが精一杯だったにゃ。アイドルよりは小学生に近づいちゃったね…ごめんかよちん」
花陽「みてみて!くるくる回るとヒラヒラするの!」
凛「(どうしよう…小学生みたいだけど凛はこっちのかよちんも好きにゃ)」
凛「ち…違う!凛は違う!」
花陽「どうしたの?」
凛「じゃなくて!スクモンマスターになるために次に進むにゃ」
花陽「うん!」
花陽「うん、私がんばるね!」
凛「でもそれは…」
花陽「…うん」
ことり「えっ?私にくれるの?」
凛「うん!ことりちゃんにはたくさんお世話になったから」
ことり「うわぁ…ありがとう。ことり、チーズケーキ大好きなの!」
凛「うん。知ってた」
ことり「え?なんでだろ…」
凛「お昼ご飯にチーズケーキ食べてたからそうかなって…」
ことり「けど、それって普通じゃないかな?」
凛「んー…」
凛「と、とにかくにゃ!寂しくなるにゃ…うぅ、旅は出会いもあれば別れもあるから辛いにゃ」
ことり「うん、そうだね」
凛「ずいぶんドライにゃ!うぅ…そうだよね、ここにはたくさんのトレーナーが来るんだもん。別れなんて慣れっこだよね?」
ことり「えーっと…。あのね、凛ちゃん。実は…」
凛「だめにゃ!これ以上一緒にいたら別れが辛くなるにゃ…」
ことり「わぁ!おりがみ!」
花陽「うん!ことりちゃんって名前だから小鳥を折ったの…いらないよね?ごめんなさい…」
ことり「ううん、嬉しいよ!ありがとうね」
花陽「…うん。(グスグス)」
凛「かよちんおいで!凛につかまるにゃ」
花陽「うん!」
凛「一緒に言うよ?せーの」
凛・花陽「ありがとうございました!」
ことり「うん、こちらこそ毎日楽しかったよ。気をつけてね」
凛「うん!」
花陽「がんばります!」
凛「うぅ…やっぱり寂しいにゃ」
花陽「うん…でも!」
凛「そうだね。お世話になった分はスクモンマスターになってお返しにゃ!」
花陽「うん!」
花陽「うっ…だ、だいじょうぶ!花陽…頑張る!」
凛「でも、これだけたくさんのトレーナーと戦うとかよちんの体がもたないにゃ!なにかいい作戦は…そうにゃ!」
花陽「?」
凛「いいね、トレーナーと目を合わせちゃいけないこと!わかったにゃ?」
花陽「うん!」
凛「うん!じゃあしっかりつかまってね」
花陽「ぴゃあ!(凛ちゃんの肩車!凛ちゃんの肩車!)」
凛「いいねかよちん、もしなにかあったら作戦通りに。じゃあ…進むよ?」
花陽「うん!」
短パン『むっ!スクモントレーナーがきたな!』
花陽「お、おねぇちゃんこ…こわいよぉ!」
凛「そ、そんなことないワン!オネエちゃんにしっかりつかまってるにワン!」
花陽「う、うん…(ワン?…ワン?)」
凛「オネエちゃんが山まで連れて行ってあげるからね!山のてっぺんでおにぎりたべようね!」
花陽「おにぎり!!花陽、おにぎり食べたいです!」
短パン『なんだ…仲のいい姉妹か』
花陽「ほっ…」
凛「(スクモンの容姿は人間とほとんど変わらないにゃ!よかった…うまくいったにゃ…この作戦で山まで突破にゃ!)」
凛「ひぃっ!」
花陽「ぴゃあ!」
凛「(見つかったにゃ!)」
花陽「り、りんちゃ…」
ミニスカート『肩車してくれるなんて優しいお姉さんですね。あっ、この先に草むらがあります。野生のスクモンは催眠術を使ってくるのできをつけてくださいね』
花陽「ご…ご忠告ありがとうございます(ほっ…)」
凛「はい!気をつけます!(よかったにゃ…)」
・
・
凛「ついた!」
花陽「トレーナーの皆さんを全部スルーしちゃったけどそれでいいのかな…」
凛「大丈夫だって!かよちんはこのままでも世界一のアイドルだよ?だってかわいいもん!」
花陽「ちょっ、凛ちゃん近いよぉ」
凛「ひひーん、かよちんぷにぷににゃー」
花陽「もう…凛ちゃんったら」
凛「かよちんは世界一かわいいアイドルにゃ!何度でもいうにゃ!」
花陽「ありがとう…お世辞でも嬉しいな」
凛「凛はお世辞は言わないにゃー」
花陽「(ポッ…)」
凛「ん?顔が真っ赤にゃ」
花陽「あ、ああぁっ!山の入り口の横にスクモンセンターがあるよ」
凛「本当にゃ!これだけ大きな山なら抜けるのも大変だろうし…ちょっと休んで行こうか?」
花陽「うん!」
凛「かよちん、元気になった?」
花陽「うん。バトルしてないから別に疲れてなかったんだけど…」
凛「そうはいかないにゃ!かよちんには常に元気でいてくれないと」
花陽「う、うん…ありがとう(ニコッ)」
凛「(凛はあの笑顔を一生守るにゃ。何があっても絶対にゃ)」
『きみきみ?ちょっといいかい?』
凛「へ?」
おじさん「君のスクモン可愛いね」
花陽「ひぃぃ!」
凛「なんの用にゃ!場合によっては警察に…」
おじさん「違う違う!いやね、やっぱり服って高いよねって」
凛「えっ…。そうにゃ…服は高いにゃ。可愛いかよちんにぴったりなヒラヒラのキラキラの服を着てほしいのに…こんな、Tシャツなんて」
花陽「私はこの服好きだよ!」
おじさん「うんうん。ご主人に遠慮してるいいスクモンだね…。」
花陽「遠慮なんてしてません!」
凛「そうにゃ…かよちんには金銭面で我慢させっぱなしにゃ…」
花陽「そんなことないよ!お金がないのは私のせいだし…」
おじさん「そんな君に…特別な商品があるよ」
凛「えっ?」
凛「そんなすごいものが!?」
おじさん「トレーナーさんが思う、この子に一番似合う衣装をスケッチブックに描くとどうなるかい?トレーナーさんも分かるだろう?」
凛「うぅ…魅力的にゃ。けど、お高いんでしょ?」
おじさん「それがね、今なら大特価の500円!どうだいお姉さん!」
凛「買ったにゃ!!!」
おじさん「まいどありー」
凛「ふふふ…凛はこの世の全てを手に入れたにゃ」
おじさん「返品はできないからね」
凛「もちろんにゃ!こんな素晴らしい商品頼まれても返品しないにゃ!じゃあ、早速描くにゃ!」
おじさん「その言葉忘れないでよ」
花陽「りんちゃん!りんちゃん!」
凛「ん?」
花陽「花陽も描く!」
凛「うん。いいよ!じゃあ一枚やぶってあげるね」
凛「一緒に描くにゃー」
花陽「うん!」
凛「できたにゃ!」
花陽「私もできました!」
凛「かよちんにはこういうヒラヒラした衣装が似合うにゃ!色は緑でねーこんな感じで…。あれ?」
花陽「うまくかけましたー」
凛「煙は?」
花陽「へ?」
凛「煙と共に衣装がでてくるはずにゃ!」
花陽「あっ…」
凛「おじさん!服がでないにゃ!壊れてるにゃ!」
おじさん「返品はお断りだから」
凛「なっ!だまされたにゃあ…」
花陽「ダマサレチャッタノォ!?」
花陽「な、なんだろ…すごい声が出ちゃった…」
凛「凛はそんなかよちんも好きにゃ」
花陽「凛ちゃん…嬉しい」
凛「けど残念にゃ…絶対かよちんに似合う衣装を描いたんだけどなー」
花陽「みたい!みたい!」
凛「いいけど…凛、絵はあんまりうまくないよ?」
花陽「ピャア!かわいい…」
凛「本当に?嬉しいにゃ!」
花陽「いつか着てみたいな…」
凛「うん!いつかお金持ちになったら、オーダーメイドで作ってもらおうね」
花陽「うん!」
凛「かよちんはどんな服を描いたにゃ?」
花陽「てへてへ…これだよ」
凛「可愛いにゃ…ワンピース?こんなに可愛いワンピースなら、かよちんに似合うよ」
花陽「(ふるふる!)」
凛「えっ…ワンピースじゃなかった?」
花陽「凛ちゃん!」
凛「えっ…?」
花陽「凛ちゃんがきるの!」
凛「えぇぇぇぇ!?凛は似合わないよ…こんなに可愛い衣装!」
花陽「(ふるふるふる!)似合う!絶対に似合う!」
凛「えぇ…かよちんの方が似合うよ」
花陽「ううん!凛ちゃんの方が絶対に…」
「あっ!もう着いたんだね。トレーナーさんたちたくさんいなかった?」
凛「へ?」
ことり「こんにちは」
凛「ことりちゃん!?」
花陽「ピャア!」
凛「やっぱりにゃ!…そんなことより、なんでここにことりちゃんがいるにゃ!?」
ことり「えっ?」
凛「まさか…噂で聞いた通り、ことりちゃんは100人くらいいるのかにゃ!?」
ことり「ち…違うよ!ことりは1人しかいないよぉ…」
凛「ことりちゃんはたった一人しかいない奇跡だとして、じゃあなんで…」
ことり「各地にあるスクモンセンターを頻繁に行き来してるからだよ」
凛「なんのために!?」
ことり「スクモンセンターは私が作ったから…それに、色んな人達とスクモンたちと触れ合いたいの。あっ、真姫ちゃんとにこちゃんにも会ったよ」
花陽「アッチャッテルノォ!?」
凛「けど…どうやって行き来してるにゃ?」
ことり「そらをとぶ…かな?」
凛「ことりちゃんって空飛べるの!?」
ことり「ことりは人間だよ?飛ばないよ…」
凛「じゃあどうやって…」
ことり「ポッポ」
凛「…え?」
ことり「ポッポのそらをとぶで各地を行き来してるの」
凛・花陽「ハラショー」
凛「次は山を抜けるにゃ!!」
つづく

花陽「うん…」
凛「薄暗いにゃ」
花陽「うん…」
凛「大丈夫!凛がついてるから怖くないよ!」
花陽「凛ちゃん…。うん!」
凛「あれ?看板がある。なになに…『きゅうけつ攻撃に注意…』」
花陽「きゅうけつ?」
凛「つまりはキス魔!?」
花陽「キスマノコトダッタノォ!?」
凛「かよちんにファースキスはまだ早いにゃ!この山も肩車姉妹作戦&ダッシュで突破にゃ!」
花陽「トッパシチャウノォ!?」
花陽「お疲れ様。凛ちゃん、汗かいてるよ(ふきるき)」
凛「ありがとにゃ!(かよちんは本当にいい子だにゃー)」
凛「そろそろ出口かな?すこし休もうか」
花陽「うん!」
凛「(なんとか今日中に抜けれそうにゃ。夜になると寒くなりそうだし…すこし休んだらダッシュにゃ)」
花陽「ねぇ凛ちゃん、花陽…もうすこし歌の練習をしたいなぁ」
凛「歌?」
花陽「うん!ほら、この前凛ちゃんが話してた真姫ちゃんが作ったっていう歌」
凛「うん、いいよ!かよちんは勉強熱心さんにゃ!ご褒美に頭なでなでしちゃうよー」
花陽「てへてへー」
ここでーよかーったー わたしーたーちーのいーまがーこーこーにあるー
あいしてるーばんざーい はじまったばーかーりー
あしたーもーよーろーしーくねー まだー
凛「ゴールじゃなーい」
花陽「(グゥゥゥゥゥ)」
凛「にゃ?」
花陽「ハナヨ、チガイマス…今のはぁ…うぅ」
花陽「えっ!?急になに?」
凛「なんでもないよ。じゃあ、休憩ついでにご飯にしよっか」
花陽「…うん。ごめんなさい、花陽がおしえてって言い出したのに」
凛「気にしなくてもいいにゃ」
花陽「けど、すっごくいい歌だね!私も歌えるように頑張る!」
凛「うん!その意気にゃ!」
花陽「その時は凛ちゃんと一緒にうたいたいな…歌ってくれる?」
凛「もちろんにゃ!」
花陽「やったぁ!」
凛「かよちんは本当にいい子にゃ…。いい子にはシャケおにぎりをあげるにゃ」
花陽「具が入ってる!いいの…?」
凛「大奮発にゃー」
凛「おいしい?」
花陽「おいしいです!はむはむはむ…」
凛「食べたらすぐ行くよ!今日中に山を抜けるにゃ!」
花陽「…?」
凛「どうしたの?」
花陽「この石キラキラしててすごく綺麗だなって」
凛「本当にゃ!」
花陽「もしかして…この石って博物館で見た月の石じゃない?」
凛「確かに似てるにゃ!」
花陽「すごいね!」
凛「博物館で展示してある歴史あるものをみつけるなんてラッキーにゃ!」
花陽「持って帰る?」
凛「ううん。いらない。」
花陽「だよね。じゃあ置いておこうか」
凛「うん!あっ、おにぎり食べ終わったね?じゃあ、行こうか」
花陽「うん!…あれ?大きな岩の下にきんいろのたまも落ちてる」
凛「すごい高価そうにゃ!売ればいいお金になるかも…これは持って帰るにゃ!」
凛「お…重い」
花陽「大丈夫!?私も手伝うよ?」
凛「だめにゃ!かよちんのか細い腕で持ったら折れちゃうにゃ!凛が持つから心配しないで!」
花陽「凛ちゃん…(ポッ)」
花陽「うん!」
凛「ん?なんか置いてあるにゃ。変な石だね」
『待ちたまえ!』
理系の男「この化石はぼくのだ!」
凛「ん?あぁ、それ化石なんだね」
理系の男「ぼ、ぼくのだぁ!」
凛「う、うん…」
理系の男「へ?」
凛「どうぞ」
理系の男「いらないのかい?」
凛「え?う、うん…別に。かよちんは欲しい?」
理系の男「やっぱり欲しいんだろ!?」
花陽「…おいしい?」
凛「ううん。化石は食べ物じゃないにゃ」
花陽「…そうなんだ。(がっくり)」
凛「かよちんが落ち込んじゃった…。どうしてくれるにゃ」
男「ぼ…ぼくのせい!?」
凛「凛たちに化石とかまったく興味ないの!」
花陽「ぴゃあ!」
理系の男「そ、そう…ですか」
凛「この世は詐欺師ばっかりにゃ…」
花陽「ドンナケツロンニタッシチャッタノォ!?」
凛「ま、いいや。かよちん行こうか」
花陽「うん!」
凛「今日の晩御飯は何がいいかにゃー」
花陽「おにぎり!」
凛「またぁ?かよちんそればっかりにゃー」
花陽「じゃあ、凛ちゃんは?」
凛「ラーメン!」
花陽「凛ちゃんだってー」
凛「てへてへー。お腹減っちゃったね。早くこの山を抜けるにゃ!」
理系の男「……」
理系の男「二つもらっていいの?えっ、本当にいいの?」
・
・
凛「出たにゃ!」
花陽「やったね!凛ちゃん!」
凛「意外とあっさり出れたにゃ」
花陽「凛ちゃんのおかげだよ。ありがとう」
ちゅっ
凛「へっ?」
花陽「ふふっ、凛ちゃんが守ってくれた花陽のファーストキスは凛ちゃんにあげるね!」
凛「あっ…」
花陽「凛ちゃん…?」
凛「凛のファーストキスもかよちんに奪われちゃったにゃ」
花陽「えっ!?」
ことり「あっ、もう山を抜けたの?早かったね」
凛「う、うん…」
花陽「(カァァ…)」
ことり「あ、あれぇ?どうして二人ともよそよそしいの?」
つづく
凛「凛たちに…?どんな人にゃ?」
ことり「凛ちゃんは知ってるんじゃないかな…?すっごく優しくて面白い人だよ!…ちょっと激しいけど」
花陽「激しい…?(こ、こわいです…)」
凛「大丈夫にゃ!(ギュッ)」
花陽「凛ちゃん…うん!(凛ちゃんがいるだけで元気になれちゃう…なんでだろ?)」
ことり「裏にね、金色に光る橋があるの。そこを渡って、ずーっと奥まで歩いて行くとその人が住んでる家があるよ」
凛「ふーん…なんか面白そうだし行ってみようか」
花陽「うん!」
凛「どれくらい金色の橋なんだろ…ワクワクするにゃ」
花陽「ソッチニキョウミガワイチャッタノ!?」
凛「うん!かよちん、頑張ろうね」
花陽「うん!」
凛「すごい金色にゃ…」
花陽「うん…綺麗!」
凛「けどトレーナーの人達がたくさんいるにゃ。ここも姉妹作戦で乗り切るにゃ」
花陽「ううん!花陽、がんばる!」
凛「かよちん…。そうだね、逃げてるだけじゃなにもはじまらないにゃ!じゃあ、いくにゃ!」
花陽「うん!」
「二人で大声あげて何事なの?」
凛「その声は!」
真姫「久しぶりね、凛」
凛「真姫ちゃんにやぁぁ!」
花陽「真姫ちゃん!」
真姫「花陽まで!もう…二人ともなんなのよ!」
真姫「あれ…花陽が喋ってる?すごいじゃない花陽!ちゃんと成長してるのね」
花陽「そんな…私はまだまだ…」
真姫「服も買ってもらったの?花陽によく似合ってるわよ」
花陽「本当に?ありがとう!」
真姫「バトルの時、凛の後ろに隠れていた花陽が今じゃバトルで勝てるようになったのね。偉いわよ」
花陽「あー…」
凛「ううん。かよちんは一度もバトルに勝ってないにゃ」
真姫「ヴェェ!?」
凛「ねぇ、そんなことよりにこちゃんは?」
真姫「そんなことより!?(バトルに一度も勝っていない花陽がどうして成長しているの?)」
にこ「あ”ぁ…ゼェゼェ……」
凛「分かりやすく疲れてるにこちゃん発見にゃ!」
凛「あっ、キャラ作った」
花陽「普段の時もキャラ作りを怠らない!…先輩、さすがです!」
にこ「ふっ…花陽も分かるようになったじゃない。って、しゃべれるようになったのね!偉いわよ!」
花陽「えへへ」
にこ「ふふっ、まぁ私の足元にも及ばないけどね!」
花陽「うぅ…」
凛「かよちん泣かないの!序盤で最終形態に進化したにこちゃんに勝てないのは当たり前だよ?」
花陽「う、うん…そうだね?にこちゃん すごすぎるんだもんね」
凛「そうにゃ!気がついたら最終形態にゃ」
花陽「うん!気がついたら最終形態ってすごいね」
にこ「多分だけどそれ褒めてないわよね?」
凛「で、二人でなにしてたにゃ?」
真姫「ええ、希に会ってたの」
凛「希ちゃん…?絵里ちゃんのお友達の…あの希ちゃん?」
真姫「そうよ。ここの橋を渡ってちょっと歩いた場所に住んでいるの」
凛「あれは希ちゃんのことだったんだ!…ってことは」
凛「にこちゃんも希ちゃんの被害者に!?」
にこ「ひぃぃ!!」
花陽「こ、こわいひとなの!?」
真姫「まさか。希は優しいわよ。ただ…」
凛「わしわしするんだにゃ」
花陽「わしわし…?」
にこ「ぶるぶるぶる…」
花陽「あのにこちゃんが震えてる…わしわしとは一体何なのでしょうか…」
凛「大好きな希ちゃんでも、かよちんにわしわしはさせないにゃ!」
花陽「凛ちゃん…」
凛「大丈夫だよ!かよちん!」
にこ「真姫ちゃんは助けてくれなかったにこ」
真姫「たまにはいい薬でしょ?」
にこ「どういう意味よ!」
真姫「希も凛に会いたがっていたわ。それに、あなたにも」
花陽「私にも…?」
凛「うん!大好きな希ちゃんに大好きなかよちんを紹介してくるにゃ!」
凛「それなら大丈夫にゃ!かよちん…肩車にゃ!」
花陽「うん!」
凛「かよちん!あの先に知り合いがいるから行ってみようか!」
花陽「もーう、お姉ちゃんあぶないよー」
凛「やっぱりここも姉妹作戦でトレーナーたちを一網打尽にゃ」
花陽「イチモウダジンナノォ!?」
真姫「一網打尽の使い方間違えてるわよ」
にこ「まさかあんた達戦わずしてここまで来たっていうの?」
凛「えーっと、けどジムバッジはもらったよ」
真姫「まったくって訳じゃないのね?安心したわ…一体何をしてジムリーダーを唸らせたの?」
にこ「私はにこちゃんダンスで唸らせてやったわ!花陽は?」
花陽「えーっと…メガネをかけて普通に凛ちゃんとお話してて…それで」
真姫「それで?」
花陽「勝っちゃった(にこっ)」
花陽「うぅ…」
凛「そうだね…今度ダンスも教えてあげるにゃ!」
花陽「本当に?」
真姫「教えるって…凛、あなたね」
凛「歌はね、少し覚えたんだけど…」
真姫・にこ「えっ…」
凛「ね?」
花陽「うん!えーっと…”ぴゃー♪あー♪らーららららら♪」
凛「ねっ?かよちんの歌声かわいいでしょ?」
にこ「え…えぇそうね!まっ、私の足元にも及ばないけど!」
花陽「うん…にこちゃんには敵わないよ。ダンスもできるし可愛いし…歌もたくさん歌えるんでしょ?すごいなぁ…」
真姫「(花陽が歌を…?)」
凛「真姫ちゃん…?どうしたにゃ?」
真姫「…なんでもないわ」
凛「じゃあ凛達は姉妹作戦でトレーナーロードをとっぱにゃ!またねー」
真姫「えっ…えぇ。気をつけて」
にこ「…」
『ちょっと待って!』
真姫「…ん?」
真姫「えぇ、どうもありがとう。けどあの程度当たり前よ」
花陽「たいへん!凛ちゃんの頭にちょうちょがとまってる!」
凛「本当に!?凛もみたい!みたいにゃ!にこちゃんとって!」
にこ「なんで私がとらなきゃいけないのよ!」
謎の女「勝利の報酬として、私からあなたにこれをプレゼントするわ」
真姫「えっ…きんいろのたま?こんな高価なもの受け取れないわ!」
謎の女「いいの。気にしないで、素晴らしいバトルをみせてもらったお礼だから」
真姫「いや…えーっと…。(どうしよう、本当に迷惑なんだけど…。これ重いし。使い道ないし…売りに行くまでが大変なのよ)」
謎の女「お願い。もらってほしいの」
真姫「じゃあ…凛」
凛「なに?どうしたの?」
真姫「代わりにもらってくれる?」
凛「いいの!?」
凛「やったにゃ!これでしばらくは具の入ったラーメンとおにぎりが食べられるにゃ!」
花陽「やったぁ!」
にこ「バトルしなさいよ!具の入った食べ物くらい毎日食べれるようになるから!」
凛「どなたか知らないけどありがとうございました」
謎の女「いえ、いいのよ。そのかわり…」
凛「にゃ?」
真姫「そのかわり?」
謎の女「私とバトルしてもらうわ(ニコッ)」
真姫「なによっ!?…これ!」
凛「一瞬で辺りが真っ暗になったにゃ…」
にこ「一体どうなってるの!」
花陽「り、りんちゃん…」
凛「大丈夫にゃ。凛がついてるよ」
花陽「うん…」
真姫「な、なんなのよ一体!」
謎の女「結界をはらせてもらったわ。これで逃げられないでしょ?」
真姫「ふんっ、余計なお世話よ。初めから逃げる気なんかないわよ!」
にこ「まったくよ!」
謎の女「話が早いわね。どちらかが倒れるまで…この結界からは抜け出せないわ」
真姫「な、なんなのよあなた!こんなことして一体…」
ツバサ「私の名前は綺羅ツバサ。UTX団…とでも言っておこうかしら?」
真姫「UTX団…?」
にこ「聞いたことないわね…」
ツバサ「西木野真姫…あなたの実力、確かめさせてもらうわ!…あんじゅ!」
あんじゅ「相変わらず人使いが荒いわね。休む暇もないじゃない」
真姫「ふんっ、そっちも最終形態ってわけね…。」
にこ「相手にとって不足なしね…かかってきなさい!」
花陽「にこちゃん…一人で大丈夫?」
あんじゅ「ええ、よかったらお二人でどうぞ」
にこ「馬鹿にしないで!私一人で十分よ!」
花陽「で、でも!」
にこ「邪魔だからあっちに行っててくれる?」
花陽「けど!」
凛「にこちゃんなら大丈夫にゃ!勝てるよ?」
真姫「凛の言う通り、にこちゃんなら勝てるでしょ?」
にこ「あったりまえでしょ!かかってきなさい!」
ツバサ「ふふっ…仲が良いのね」
真姫・にこ「よくないわよ!」
ツバサ「じゃあ、お先にどうぞ。かかってきて」
にこ「ふんっ!余裕の笑みってことね、その笑顔一瞬で曇らせてやるわ!」
真姫「にこちゃん!好きにやっちゃって!」
にこ「任せるにこ!『にっこにっこにー♪あなたのハートににこにこにぃ♪どぅぁめどぅぁめ!にこは、みぃぃんなのものにこ!だから…みんなにありのままのにこを…あ・げ・る」
凛「にこちゃん…(どうしよう…もしかしたらツッコミ待ちなのかも)」
にこ「鉄板ボケとかじゃないわよ!大マジよ!」
凛「あっ、声に出てたにゃ」
真姫「ネタなわけないでしょ!あんなに可愛いのに!」
あんじゅ「本当ね、とても可愛い」
にこ「ふっ…余裕ってことね?やるじゃない」
ツバサ「けれど、私のあんじゅは違うわ」
あんじゅ「ええ、私は違うの」
真姫「ふっ…言ってくれるじゃない?」
ツバサ「次はこちらの番ね。あんじゅ、出番よ」
あんじゅ「分かってるわよ。(ビョンビョンビョン)」
凛「三回ジャンプしたにゃ!」
あんじゅ「ふふっ、はねてみました」
ツバサ「やっぱり何も起こらないわね。残念。次、あなたたちの番よ」
にこ「舐められたもんね…むかつくんだけど」
真姫「ええ、その態度気に入らないわ。後悔させてやるわよ、にこちゃん!大技よ!」
凛「すごいにゃ…(にこちゃん、あんなに踊れたんだ…やっぱりすごいにゃ!)」
花陽「(それに比べて私は…)」
あんじゅ「すごいわ、ダンスお上手なのね」
にこ「えっ…まったく効いてない!?」
あんじゅ「もちろん効いています。とっくに勝負がついている頃でしょう…普通のスクモンならね」
にこ「言ってくれるじゃない!」
あんじゅ「ダンスが奥義って言ってたけれど…もしかしてあなた、まだ歌えないの?」
にこ「…っ!」
凛「えっ…(にこちゃんが歌えない)」
あんじゅ「そのモチベーションの高さ、アイドルとしての自覚、全てにおいてトップクラスだったあなたは初期段階ですぐ最終形態にまで進化した。」
ツバサ「1日でも早く一人前になりたい…強い信念からバトルを通じ、ダンスを完璧にマスターした。けれど…どうしても歌うことだけできない。そうでしょ?」
あんじゅ「歌うこと…。私達スクモンにおいてもっとも大きな課題となる試練。トレーナーと出会ったばかりの貴方には無理よね」
真姫「黙りなさい…」
ツバサ「何も恥ずかしがるようなことじゃないのよ?当たり前のことなの」
あんじゅ「そうよ。あなたは頑張ったわ。ただ…それがあなたの限界だった。それだけよ」
真姫「黙りなさい!いい加減なこと言ってるんじゃないわよ!」
にこ「(ガクッ…)」
真姫「にこちゃん!!」
真姫「な、なんですって!」
ツバサ「もう終わらせましょうか。あんじゅ」
あんじゅ「えぇ」
ツバサ「でんきショックよ」
にこ「えっ…」
花陽「だめっ…ふたりとも逃げて!」
にこ「真姫ちゃんあぶない!」
真姫「えっ…」
ドンっ
真姫「にこちゃ…」
にこ「やぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
真姫「にこちゃん!」
凛・花陽「…っ、にこちゃん!」
ツバサ「勝負あったわね」
にこ「うっ…」
真姫「にこちゃんしっかり!目をあけて…お願い…目をあけてよ!」
あんじゅ「うふふっ」
凛「卑怯にゃ…スクモンバトルのルールを忘れたの?スクモンを傷つけてはならない…そのルールだけは知ってるにゃ!」
凛「へっ…」
ツバサ「互いが技を出し合ってどちらかが倒れるまで傷つけ合う…そういうスクモンバトルもあるのよ?」
凛「そんなの嘘にゃ!だってかよちんはそんなことできないもん!」
あんじゅ「私達は力を使って闘える能力も持っている。私達…といっても、その力を使えるスクモンはごく一部だけ。そして、あなたのパートナーも一部のスクモンなのよ」
凛「パートナーって…まさか、かよちんが?」
花陽「…」
あんじゅ「力を使って戦えるはずでしょ?ねぇ、花陽ちゃん?」
花陽「……」
あんじゅ「あっ、もちろん…矢澤にこもその一人よ」
真姫「にこちゃんも?そんな…」
にこ「……」
凛「かよちん…嘘…だよね?」
花陽「ごめん…凛ちゃん」
凛「そう…なんだ…」
ツバサ「ふふっ、そんなスクモンならいらない?」
花陽「……(いらないよね…きっと。だって、そんなの…)」
凛「(ギュッ)」
花陽「えっ…」
凛「それでもかよちんはかよちんだよ!(にこっ)」
凛「何の問題もないにゃ!!」
花陽「凛ちゃん…」
真姫「私だってそうよ!にこちゃんがにこちゃんでいてくれたらそれでいいの!」
凛「どういう意味にゃ…」
ツバサ「これで思いっきり力を使えるわね、あんじゅ(ニコッ)」
あんじゅ「えぇ、けれど最後にひとつだけ教えてください。小泉花陽…何故、あなたは力を使わないの?」
花陽「それは…」
あんじゅ「あなたはとっくにその力に気づいているはず…どうしてその力を使わないのかしら?」
花陽「それは…!私が…」
にこ「決まってるでしょ…アイドルだからよ…っ」
真姫「にこちゃん!だめっ、無茶しないで」
にこ「黙って聞いていればあんた達ね…そんなの決まってるじゃない…私達はアイドルなの。歌って、踊ってみんなに笑ってほしいのよ」
にこ「力を使って互いを傷つけ合うだぁ?ふざけないで!私達はアイドルなのよ…私達の笑顔で、みんな笑顔になってほしい…!そんなの決まってるでしょ!」
花陽「わたしもにこちゃんと同じ思いだから!だって…だめだめだけど…私はアイドルだもん!」
にこ「あなたたちもアイドルのはしくれでしょ!そう思ってたはずでしょ?…そうよね?答えなさい!」
あんじゅ「ええ、勿論です…あの日まではね(ニコッ)」
凛「あの日って…なんの話にゃ?」
にこ「真姫ちゃん…」
あんじゅ「初めはみんなそう言うのよ…この力に気付くまでは」
にこ「真姫ちゃんはそんな人じゃないわ!だからこの人に一生ついていこうって誓ったのよ!」
真姫「にこちゃん…」
にこ「あなただって人間でしょ?だったらなぜスクモンと一緒にいるのよ…絆があるからでしょ…お互いのことを信じてるからでしょ!」
ツバサ「…話しても無駄ね、とどめよ、あんじゅ」
あんじゅ「次はもっとキツイのいきますね?(にこっ)」
真姫「やるなら私にやりなさい!にこちゃんには指一本触れさせないんだから!」
にこ「真姫ちゃ…だめ!逃げて!」
真姫「嫌よ!何されたって絶対離さないんだから!」
にこ「真姫ちゃん…」
あんじゅ「なら二人仲良く一緒に…」
凛「そうはさせないにゃ!」
真姫「凛!」
あんじゅ「あら、どうするの?」
ツバサ「あなたのパートナーは私のあんじゅには叶わない。やるだけ無駄よ」
凛「じゃあ凛が戦う!」
真姫「凛…無茶よ!ささくれができただけでも痛いって言うじゃない!」
凛「あれは冬場だったからにゃ!…夏も…ちょっと痛いけど」
凛「けど、凛がみんなを守る…やるなら凛にやるにゃ!」
凛「逃げられないし、逃げたくもないにゃ!かよちんは凛が守る…真姫ちゃんもにこちゃんも…凛がみんなを守るにゃ!」
あんじゅ「あら、そんなあなたにはお仕置きが必要ね」
凛「にこちゃんを傷つけたこと…絶対に許さないにゃ!」
あんじゅ「そう…」
ツバサ「悪く思わないで。…さよなら」
真姫「凛っ!」
にこ「凛っ…!」
だめっ!!
凛「…っ、あれ?痛くない…」
にこ「なにこれ…あたりが明るく…」
真姫「にこちゃんの傷も癒えている…」
ツバサ「どうしたのあんじゅ!結界が消えているわ!」
あんじゅ「わからない…どうして…」
ツバサ「まさか…」
凛「…かよ…ちん?」
花陽「凛ちゃん…無茶したら駄目だよ?(ニコッ)」
花陽「あなたたちは間違ってる」
花陽「凛ちゃんもにこちゃんも真姫ちゃんも…私が守る!」
ツバサ「まさかここで小泉花陽が覚醒するなんて…あんじゅ、かみなりよ!」
あんじゅ「分かったわ、はぁっ!」
凛「かよちんあぶない!」
花陽「大丈夫(ニコッ)」
あんじゅ「効いていない…まさか、そんな!」
ツバサ「じめんタイプって訳ね…。いいわ!あんじゅ、ハイドロポンプよ!」
あんじゅ「では…もう一度いきます!」
凛「またくるにゃ!かよちん…あぶないにゃ!」
花陽「大丈夫だよ」
あんじゅ「まさか…これも効かない?」
ツバサ「あなた…何者なの?」
花陽「にこちゃんを傷つけたこと…絶対に許しません。花陽…いきますっ!」
凛「駄目にゃ!暴力を暴力で返したら、あいつらとやってることが一緒になっちゃう!」
凛「駄目にゃ…絶対に駄目にゃ!かよちん、やめるにやぁぁ!!!!!」
“愛してるばんざーい! ”
花陽「”ここでよかった”」
凛「えっ…」
真姫「この歌…私の…」
にこ「真姫ちゃん…の…歌なの?」
花陽「”愛してるばんざーい! 始まったばかり”」
明日もよろしくね まだゴールじゃない
凛「かよちん…(すごく…綺麗)」
花陽「”さぁ! 大好きだばんざーい! まけないゆうき 私たちは今を楽しもう”」
大好きだばんざーい! 頑張れるから 昨日に手をふって ほら
花陽「”前向いて”」
あんじゅ「ぐぅっ!」
ツバサ「あんじゅ!」
真姫「(効いてる…!?)」
ツバサ「今日のところは退散するわ。けど覚えておいて、私達は決して諦めない。私達の仲間を苦しめた人間達を…」
あんじゅ「うっ…」
ツバサ「しっかりして。…これは報告しないと」
真姫「報告…?」
ツバサ「では失礼するわね」
凛「待つにゃ!」
真姫「にこちゃん…大丈夫なの?」
にこ「私は平気よ。…それより!」
凛「かよちん!」
花陽「っ…りんっ……ちゃ」
バタッ
凛「かよちん!!」
真姫「花陽!」
凛「体がだんだん縮んでいくにゃ…服も元に戻っていく…かよちん!嫌だよ…かよちん目を覚まして!!」
「大丈夫や。力使いすぎて気を失ってるみたい」
凛「希ちゃん!」
希「早く花陽ちゃんをスクモンセンターにつれていかんと…な?」
凛「うん!」
希「にこっちも無理したらいかんよ」
にこ「そんな!無理なんかしてな…きゅぅぅ(バタッ)」
希「ほら、いわんこっちゃない。真姫ちゃんまスクモンセンターに行くやろ?」
真姫「行くに決まってるでしょ!」
希「じゃあみんなで行こか、話したいこともあるし」
つづく
花陽「本当に?…お世辞でも嬉しいな」
にこ「お世辞じゃないわよ。ったく…花陽もいい加減自分に自信持ちなさい!まぁ、一番似合うのは私だけどね!」
真姫「大きくなっちゃったにこちゃんにはサイズが合わなくてもう着れないの。だから、これ全部花陽にあげるわね」
花陽「いいの!?でも…すごく高価なものだし」
にこ「いいのよ!どーせステージ衣装持ってないんでしょ?有り難くもらいなさい!…って!ちゃんとバトルしなさいよ!歌が歌えたって他がまだまだなんだから!」
真姫「分かったでしょ?もういらない物なの。持っていても荷物になるだけだし…お願い、貰ってくれるでしょ?」
花陽「真姫ちゃん…にこちゃん…。うん!ありがとう!」
にこ「それでいいのよ。これ着てジム戦に挑みなさいよね!私達はこの街のジムリーダーなんかとーっくに倒してるんだから!」
花陽「うん。がんばる!…ねぇ、凛ちゃんは?」
花陽「…一人で?」
真姫「ええ。あの道はトレーナーの数も多いし、まだあなたに無理させたくないのよ。凛、すっごく心配してたのよ?」
希『二人に大事な話があるんや』
花陽「うん…」
希『にこっちを襲ったUTX団の綺羅ツバサさんはな…スクモンマスターなんよ』
真姫「(私達の目指していたスクモンマスターがUTX団の一味だったなんて、そんな…)」
花陽「ねぇ、真姫ちゃん…」
真姫「…ヴェェ?ど、どうしたの?」
花陽「この前の人たちのこと…なにか知ってる?凛ちゃん…何も教えてくれないの。」
真姫「えっ…えぇ。ごめんなさい…まだ何もわかってないの」
希『にこっちはともかく、子供の花陽ちゃんは不安にさせるだけや。まだ、話さんといてな』
凛『わかったにゃ!何も言わないね』
花陽「…本当に?」
真姫「どうして嘘つかないといけないの?知らないったら知らないわよ。ねぇ、にこちゃん」
にこ「もちろよ!知らないわ!…ったく、何か掴みなさいよって話よ。花陽もそう思うでしょ?」
にこ「…花陽?どうかした?」
花陽「凛ちゃんね…嘘つくときだけ語尾が「ワン」になるから分かりやすいんだもん」
にこ「(まった分かりやすいわね…)」
真姫「(仕方ないでしょ?嘘とかつけない子なんだから…)」
花陽「何か隠してない?知ってるなら私にもちゃんと話してほしいな…」
真姫「それは…ちゃんと凛に伝えなさい。凛の口から聞いた方が花陽もいいでしょ?」
花陽「…うん」
真姫「元気出しなさいよ…ね?」
花陽「うん…(ニコッ)」
希『1年前…ある事がきっかけで一部のスクモンが戦う力を持つ事を知った。そして、スクモンの力を使って犯罪を犯す組織ができたんや。それも、人から奪ったスクモンで』
希『組織壊滅の為に綺羅ツバサともう一人のトレーナーが力を使わず戦ったん。歌やダンスでね…。組織を壊滅に追いやる事ができたけれど、パートナーのスクモン達が犠牲になったんや』
真姫『…犠牲になった一人が綺羅ツバサのスクモンだったのね…』
真姫『えっ…』
バチがあたったんじゃ
お前たちがいなければ、店も…売上金も家族も失わなかった!
あんたたちのせいだ。
自業自得なのよ!
自分たちで蒔いた種だろうが!
希『世間の人の人の声は厳しいものやった…』
真姫『そんな…』
凛『どうして…。どうしてそんなこというの?ツバサさんはみんなを守ろうと命をかけて戦ったのに…どうしてそんなこと言うにゃ!』
希『…』
真姫『だとしても、にこちゃんを襲っいい理由にはならないわ』
凛『それはそうだけど…』
真姫『私達が力に溺れて犯罪に走るとでも?そんなことあるわけないじゃない!絶対に許さない…絶対よ!』
凛『それでも…もし凛が、ツバサさんと同じ立場にいたら。もし、かよちんを失ったら…』
真姫『凛…』
凛『凛は…わからないにゃ』
希『スクモンを失ったらトレーナーの気持ちは計り知れないんよ』
真姫『…そうね』
凛『凛、走ってくるにゃ!!』
真姫『…はぁ。またなの?』
希『う、うん…気をつけてな』
凛『うん!真姫ちゃん、しばらく走ってくるから先に帰っててにゃ!』
真姫『はいはい』
希『元気や…ね?』
真姫『…凛は悩みを抱え込むと走りこむの』
希『…そうなんや』
真姫『…凛』
真姫「(凛…やっぱり相当堪えたみたいね…)」
花陽「凛ちゃん…無理してるようにみえるの。無理して笑って…無理していつも通りにしてる。でも、何か悩みを抱え込んでるの…」
真姫「…そうね。(なでなで)」
真姫「もし、いつもの凛に戻せるものがあるとすれば…それは花陽、あなたよ」
花陽「えっ…わたしぃ?」
真姫「ええ。」
花陽「私にできるかなぁ…」
にこ「うん。やっぱり…あれが必要ね」
花陽「へっ?」
にこ「まきちゃん!お願いがあるの!」
真姫「ん?なによ」
・
・
凛「希ちゃんちは機械がいっぱいにゃー」
希「一応、研究者のはしくれやからね」
凛「そうだったにゃ!?」
希「あはは、知らんかったんやね…。花陽ちゃんの具合は?」
凛「だいぶ元気になったよ!もう1日安静にしてた方がいいってことりちゃんが…今はスクモンセンターで真姫ちゃんがみててくれてるにゃ!」
希「そうなんや」
凛「で?凛に用ってなんだにゃ?体力なら自信あるから、部屋の模様替えなら任せてにゃ!」
希「ははっ、今日はその用事やないんよ。けど、また今度機会があったらよろしくな」
凛「うん!…で?」
「そこからは私が話すわ」
凛「絵里ちゃん!」
絵里「久しぶりね。元気そうで安心したわ」
凛「絵里ちゃんも元気そうにゃ!」
凛「えへへー。で、絵里ちゃんまできて何の用にゃ?」
絵里「ツバサさんの話は聞いたわね?」
凛「…うん」
絵里「じゃあ話が早いわ。花陽のことで話があるの」
凛「かよちんのこと…?」
絵里「ええ。凛も気づいていると思うけど、花陽のように、バトルを通さないで成長するスクモンはいないわ」
凛「うん…知ってる。だってみんながびっくりするもん」
絵里「花陽のように、バトルに勝たずして成長していった伝説のスクモンがいるの」
凛「えっ…」
希「高坂穂乃果…」
ガタンッ
凛「ん?なんの音?」
希「どうしたん?」
希「凛ちゃん…」
凛「にゃ?」
希「おばけって…信じる?」
凛「ブルブルブルブルブル!」
希「じゃあ気にせんといてな?」
凛「はい!」
絵里「話を戻すわね。高坂穂乃果…ツバサさんに挑んでいたトレーナーのパートナーだったスクモンの一人」
凛「うん…」
絵里「初めて力を使ったのは穂乃果だったわ」
凛「えっ…」
希「バトル中…一部のセットがトレーナーに向かって落ちてきたんや」
穂乃果『…ちゃん!あぶないっ!!』
絵里「トレーナーを助けるため、セットを全て燃やし尽くした」
凛「燃やした…?」
絵里「かえんほうしゃ…ほのう系スクモンの代表的な技よ」
凛「ほのお系…?」
絵里「そう。ほのお系ポケモ… 希「エリチ!」
絵里「失礼。スクモンにはタイプがあるの。まず、あんじゅさんはでんきタイプとみずタイプの技を使い分けていたところをみると…ドラゴンタイプ」
凛「ドラゴン…?」
絵里「近年、かくとうタイプで乗り切ろうとするとつばさでうたれて撃沈…氷で攻めようとするとかえんほうしゃで撃沈…なんてこともあるわ」
希「ほんとうに倒しにくい相手なんや。大事なことだから二回言ってみたんや」
凛「へ…へぇ。じゃあかよちんとにこちゃんはなにタイプなんだにゃ?」
絵里「にこのタイプは現在調査中よ。花陽は…」
凛「うん」
絵里「でんき系の技がまったく通じないタイプはじめんタイプなの。そのじめんタイプの弱点であるみずタイプの技も効かなかった…」
凛「それって…どういうことなんだにゃ?」
絵里「考えられるとすれば…ふたつのタイプをもつスクモン。」
希「じめんタイプとくさタイプや」
絵里「じめんはまったくでんきを通さないし、くさタイプは無効化とまではいかないけれど、みずタイプの効果はあまりないわ」
凛「じめんと…くさ?…だからお米が好きなのかにゃ?」
絵里「そうかもしれないわ」
凛「…覚醒?」
希「スクモンの持つ爆発的な力が一時的に解放されることや。今回、そのおかげもあってあんじゅさんを倒すことができた」
絵里「けれど、見られた相手が悪かったわ。はっきり言って、花陽は普通のスクモンとは違うわ。にこもね」
絵里「もし、にこが狙われた理由…それが、序盤で最終形態にまで進化したにこを調査する事が目的だったとするなら…次、危険な目に遭うのは間違いなく花陽よ」
凛「えっ…かよちんが?」
絵里「あの時は運が良かった。なんらかの力が働いて、花陽は覚醒した。けれど、次同じ事が起こるかは保証できないの」
希「それに、向こうも対策を考えてくるはずや」
凛「対策…それって」
希「対花陽ちゃん対策ってところやな?」
絵里「UTX団は必ず行動を起こす。その時…花陽は攻撃に耐えられないかもしれない」
凛「そんな…」
絵里「あなたにその覚悟がないのなら、私が花陽を預かろうと思っているの」
凛「えっ…」
希「これ以上、凛ちゃんと花陽ちゃんを危険な目に合わせられん。分かって欲しいんや…エリチ本人も苦肉の策やってことを」
絵里「もし、相手が襲ってきた時…あなたは自分の身と花陽…同時にふたつを守ることができるの?」
あの時…凛、かよちんに守ってもらった。
じゃあ、かよちんのピンチに何ができる?
凛「…今はまだ分からないにゃ」」
絵里「そうね。大事なことだからじっくり考えて」
凛「凛…もう行くね」
希「うん、気をつけてな」
絵里「花陽によろしく伝えておいて」
凛「うん…」
ガタンッ
ガチャ…
はぁ…
希「もう、物音たてたらだめやんか」
絵里「まったく…心臓が飛び出るかと思ったわ」
「……」
・
・
凛「(かよちんのことを守りたい…けど、凛には力がない。どうすれば…)」
凛「ただいま…にゃん。希ちゃんと遊んできたにゃんごろ」
真姫「(微妙に変わってる…)」
にこ「(何かあったのね…本当に分かりやすいわね)」
にこ「ほら、こっちみなさいよ」
凛「へ?」
真姫「どうかしら?」
花陽「えへへ…凛ちゃん…どうかな?似合う…かな?」
凛「かよちん…どうしたの?すっごく可愛いにゃ!!」
花陽「えへへ…にこちゃんと真姫ちゃんがいらなくなったからってくれたの…あっ、でもコンタクトはね…買ってもらっちゃったの」
凛「……っはぁ!」
花陽「ぴゃあ!!」
凛「ずっと…ずっと一緒にいようね!(凛はなにを迷ってたにゃ!)」
花陽「凛ちゃん苦しいよぉ…」
にこ「嬉しいくせに」
花陽「ぴゃあ!!」
真姫「吹っ切れたみたいね」
凛「うん!だってかよちんがかわいいにゃ!」
にこ「理由になってないじゃない…ったく」
凛「メガネもいいけど裸眼もいいにゃ!あ…けどたまにはメガネもかけてね?」
にこ「凛もなかなかのマニアックね」
凛「違うにゃ!メガネのかよちんもそうじゃないかよちんも凛はどっちも好きにゃ!」
真姫「見事に理由になってないわね」
凛「服もよく似合ってるにゃ!かよちん可愛いにゃ!」
花陽「…ありがとうね」
凛「二人もありがとう!コンタクトいくらだったにゃ?」
真姫「お金なんていらないわよ!」
凛「えっ…」
にこ「その…あれよ…助けてくれたお礼よ!!」
凛「えっ?」
花陽「ソウダッタノ!?」
にこ「そうよ!今回もゴタゴタしてたから勝負は次に持ち越しよ!いいわね!」
凛「わかったにゃ!」
花陽「うん!」
凛「凛たちもがんばるにゃ」
花陽「うん!」
凛「よぉぉし、次はジムリーダーを二人くらい倒すにゃ!」
つづく
属性はちょっとめんどいけど期待
花陽「はい!がんばります!」
ガチャ
凛「たのもぉぉぉ!」
ジムリーダー2「負けたわ!」
凛「またにゃ!」
ジムリーダー2「UTX団との対決…監視カメラでみていたわ。」
凛「(しかもまた監視カメラ。よほどの犯罪都市なんだにゃ。ここら一帯はほぼゴッサムシティにゃ)」
ジムリーダー2「あのバトルはジム戦に匹敵する。さぁ、ジムバッジと賞金よ。受け取ってちょうだい」
凛「ありがとうございます!」
花陽「やったね、凛ちゃん!」
凛「さっそく報告にゃ!」
・
・
・
花陽「みてみて希ちゃん!ジムバッジもらったんだよ!」
希「わぁ、すごいやん。よく頑張ったね」
花陽「てへてへー」
希「じゃあ…ご褒美のわしわしを…」
花陽「へっ?」
凛「かよちん!(ギュッ)」
花陽「へっ!?」
凛「大丈夫にゃ!かよちんは凛が守る!」
花陽「ど、どういうことなの!?」
凛「いくら大好きな希ちゃんでも、かよちんにわしわしはさせないにゃ!」
希「ふふっ…うちをとめられるかな(ニヤリ)」
花陽「ひぃぃ!」
花陽「イシザキクンガヤドッチャウノ!?」
凛「気持ちはいつも顔面ブロック!とめるにゃぁ!」
希「…ふっ」
花陽「ぴゃあ?」
希「…あかんね。さすがに花陽ちゃんが幼稚園児サイズだと罪悪感を感じるやん」
凛「ほっ…かよちんのサイズが小さいままで救われたにゃ…」
花陽「(わしわしって一体…。まだまだ勉強が必要です!)」
希「で、凛ちゃんたちはこれからどうするん?」
凛「凛はかよちんと一緒にスクモンマスターになるにゃ!」
花陽「ぴゃあ!」
希「そっか…、それが凛ちゃんの答えやね」
凛「うん」
希「そっか…。うちからエリチに伝えておくな。がんばって」
凛「うん!じゃあ希ちゃんも元気で」
希「うん。くれぐれも気をつけるんや」
凛「分かってるにゃ!…また会えるよね?」
希「もちろんや!うちにはピジョンもおるし、各地方を行き放題や」
凛「ピジョン?え…ピジョン?」
希「ピジョンやん」
花陽「と、とにかくがんばります!」
花陽「喉がカラカラな警察さん…?通してくれない…?どういうことなの希ちゃん!」
凛「分かったにゃ!ちかつうろね。よし、かよちん行こう!」
花陽「なんで凛ちゃんは警察さんのくだりが気にならないの!?」
凛「にゃ?」
~そだてやさん ~
凛「育て屋さん…?」
花陽「へぇ…そんなお店もあるんだね」
凛「こんな怪しいお店みたことないにゃ!かよちん、目合わせちゃだめだよ!いこう!」
花陽「う、うん…怪しいかなぁ?」
凛「なにを育ててるんだか怪しいもんだにゃ!芽が出た瞬間お縄につくアレにゃ!」
花陽「オナワニツイチャウノォ!?」
凛「行こうかよちん!ここに用はないよ!」
花陽「育て屋さん…普通にスクもんのことだと思うけど…」
凛「さくさく進むにゃ!」
凛「意外と賑やかな床にゃ」
花陽「暗いけど…あれ?あそこにきんいろのたまが落ちてる」
凛「やったにゃ!かよちん、今日は奮発して、いくらのおにぎりにゃ!」
花陽「ぴゃあ!!」
~ちかつうろ出口~
凛「でれたにゃ!」
花陽「うん!」
凛「でもここらへんはトレーナーが多いにゃ…何人かとバトルしないと街に行けないよ…」
凛「よし!ここも姉妹作戦で!」
花陽「凛ちゃん(フルフル)」
凛「どうしたの?」
花陽「花陽、がんばる!」
凛「かよちん…うん!よく言ったにゃ!じゃあがんばるにゃ!」
花陽「凛ちゃん…あのね、お願いがあるの」
凛「ん?」
花陽「すこし…怖いから…手、握っててほしいなって」
凛「お安い御用にゃ!」
花陽「ありがとう!」
凛「あれ?そういえば今日は凛が買った服なんだね。どうして?にこちゃんの服の方がきらきらしててかわいいのに…」
花陽「あのね!今日は凛ちゃんから貰った服を着たかったの!」
凛「嬉しいこと言ってくれるにゃ!かよちんだいすきにゃ!」
花陽「もう…凛ちゃんってば」
花陽「うん!」
凛「えへへっ、かよちんの手は小さくてかわいいにゃー」
花陽「凛ちゃんの手はあったかくてすごく落ち着くんだ。花陽、凛ちゃんの手…だーいすき」
凛「へへっ、かーよちん」
花陽「なぁに?りーんちゃん」
凛「えーっと、かーよちん」
花陽「だからなぁに?りんちゃーん」
凛「ふふっ、かよちーん」
花陽「もう…だからなぁに?りんちゃんー」
トレーナー「(年の差カップルか?イチャイチャしやがって)」
トレーナー「(腹が立つわね…ウニでも投げつけたい気分)」
凛「かーよち…あれ!知らない間に街についてるにゃ!」
花陽「ツイチャッテタノォ!?」
凛「どうしてにゃ…普通に歩いてただけなのに…トレーナーが勝負を挑んでこないなんて」
花陽「不思議なこともあるんだね」
凛「とりあえずジムに行こうか」
花陽「うん!」
~ジムの前~
凛「むむっ、木が邪魔でジムにいけないにゃ。うーん…」
花陽「他に道もないし、この木を切らないとジムまで行けないみたいだね?」
花陽「本当だね…何かやれば簡単に切れそうなのに」
凛「いあいぎり的な技で」
花陽「いあいぎり的な技でね」
凛「たとえ切れそうな木だとしてもこれじゃあジムに入れないよ…。挑戦しに来るトレーナーに優しくないジムだね。おもてなしの心がない足らないにゃ!」
花陽「とにかく、街の人に聞いてみようよ。木の切り方を教えてくれるかもしれないし」
凛「そうだね。えーっと…この家なんてどうにゃ?えーっと、つりおやじの家…?」
~つりおやじの家をみつけたよ~
花陽「入ってみる?」
凛「ううん、やめとくにゃ(魚はきらいにゃ)」
花陽「好き嫌いはだめだよ!」
凛「うぅ…。で、でも!ボロのつりざおはいらないにゃ!」
花陽「じゃあここは?スクモンファンクラブだって」
凛「楽しそうにゃ!ここは入ってみるにゃ!」
会長「わしのスクモンがな…そりゃもう可愛くてな」
凛「へー、そうなんだー」
凛「ま、凛のかよちんに可愛さで敵うわけないけど」
花陽「りんちゃん!」
凛「だって!かよちんの方が絶対可愛いもん!凛、ちょっとイライラしちゃった…てへっ」
花陽「凛ちゃん…(ポッ)」
会長「はよ出ていけ」
会長から追い出されたよ!
凛「自慢話聞いたのに自転車引換券くれなかったにゃー…」
花陽「あはは…」
凛「んっ!かよちんみて!豪華な船にゃー」
花陽「絵に描いたような豪華客船だね。すごいなぁ…キラキラしてる。花陽も乗ってみたいなぁ…」
凛「けど船のチケット持ってないし…入れてもらえないにゃ」
花陽「残念だね」
凛「船の中で気分の悪い船長さんの背中をさすってあげたい気持ちでいっぱいだけど…」
凛「さすったらなにかくれそうだけど…」
凛「まぁ、いっか!」
花陽「ぴゃあ!」
船なんかはスルーだよ!
凛「うぅ…町中探しても木が切れそうな情報も切れそうな道具もなにもないにゃ」
凛「探してないのは船の中くらい」
花陽「そうだね」
凛「探してないのは船の中くらいにゃ…」
花陽「そうだね…」
凛「あれ?」
花陽「どうしたの?」
凛「よく見たらこの木…切れそうだけどがんばれば登れそうにゃ!!」
花陽「えっ!?私は無理かもしれない…」
凛「凛がおぶって登るから心配いらないよ!」
花陽「…うん」
凛「…心配?大丈夫にゃ!凛、小さい頃からたくさん木登りしてきたから上手だよ!」
花陽「うん…けど心配。凛ちゃんが怪我したら…」
凛「そっちの心配だったの?(いい子にゃー)」
凛「考える前に行動にゃ!いい?しっかりつかまっててね!」
花陽「ぴゃあ!」
凛「登れたにゃ!」
花陽「お疲れ様です。怪我…してない?」
凛「うん!凛は元気にゃ!」
花陽「よかった…」
凛「じゃあ、次はかよちんが頑張る番だよ?」
凛「かよちんなら大丈夫にゃ。扉を開けたとたん、ジムリーダーの負けた発言が出て勝利にゃ」
花陽「(それでいいのかなぁ…)そんなにうまくいかないと思うけど…」
凛「大丈夫だよ!じゃあいっくにゃぁぁぁぁぁ!!!」
ガチャ
凛「たのもぉぉぉ!」
ジムリーダー「ヘイ!チャレンジャー ドントコイ!」
凛「外人にゃ!?しかも扉を開けても勝てなかった…ど、どうしようかよちん!」
花陽「……」
凛「かよちん?(もしかして怖がってる?)」」
花陽「…ご飯の匂いがします」
凛「へっ?…あっ、言われてみればご飯を炊いてる匂いがするにゃ」
ジムリーダー「ヒルメシマエデース、メシクウマエニ サッサトショウブシマショー!」
凛「ホットドックばっかり食べてるイメージあったけど、そんなことないんだね。よぉし!かよちん、覚えたてのステップで攻撃にゃ!」
花陽「なっていませんね」
凛「へ?」
花陽「ジャーから吹きこぼれています。お水の配分を間違えている証拠です」
ピーピーピー
花陽「炊けましたね」
ジムリーダー「ドレクライシッパイ シテルデショーカ」
花陽「ちょっと!」
ジムリーダー「ナ、ナンデスカ」
花陽「あなた…炊きたてのご飯を蒸らさず、ジャーの蓋をすぐ開けましたね?」
ジムリーダー「ソ、ソレダメデスカ?」
花陽「駄目です!いいですか?お米というものはですね!」
凛「なんか変なスイッチ入っちゃったけど凛はこっちのかよちんも好きにゃ!」
かよちんのお米話は1時間ほど続いたよ!
花陽「お米を作るために農家の方たちは八十八の苦労をかけると言われていてですね」
ジムリーダー「oh…チラッ oh…チラッ」
凛「(凛の方をチラチラみてくる…)」
ジムリーダー「OH!チガイマース!ソロソロ タスケテホシイデース!」
凛「そういうことかにゃ!じゃあ…かよちん、はいこれ。じっくり蒸らしたご飯屋さんの美味しいおにぎりにゃ」
花陽「!」
凛「今日の具は高菜めんたい!」
花陽「ピャア!いただきます!はむはむはむ…おいしい!おいしいです!」
凛「うん。今日もかわいいにゃ」
ジムリーダー「タスケテクレテアリガトウ…ワタシ、コメノコトシラナカッタ…コレ、サシアゲマス。ジムバッジとゼニデース」
凛「えっ…いいの?」
ジムリーダー「ヨハ アイドルセンゴクジダイ ソノナカデ オコメマニア アマリイナイ アイドル キャラクター ダイジ」
凛「なるほど…(何言ってるのかよく分からないにゃ。まぁいいにゃ)」
花陽「はむはむはむ…うん、おいしいです。」
凛「かーよちん、終わったにゃ。ほら、ジムバッジ」
花陽「あ…あれ?花陽、まだなにもしてないけど」
凛「大丈夫。今までそうだったにゃ!」
花陽「そ、そうだけど!…うぅ、そんなにはっきり言わなくても…」
凛「違う違う!凛は褒めてるんだよ?(なでなで)」
花陽「うん…ありがとう」
凛「じゃあ帰るにゃ!…って、そうだ!ジムリーダーに一言!あの木、早く切った方がいいですよ?邪魔で入りにくいにゃ」
凛「船の船長…?そもそも船のチケットを持ってないし会ってないにゃ」
ジムリーダー「OH…ソウデシタカー(そもそもどうやってここに入ってきたんだこの人達)」
花陽「(実はペラペラ!?)」
ジムリーダー「フネノセンチョ…木をキル ドウグ、クレマス。ワタシ、ソウ手配シテイマース」
凛「ふーん…船長が木を切る何かを持ってたんだ…で、船のチケットはどうやって手に入れられたにゃ?」
ジムリーダー「ソコマデハ…」
花陽「どこか見落としてたのかな…」
花陽・凛「うーん…」
・
・
・
希「へっくしゅ」
希「…あれ?うち、凛ちゃんあげようと思ってた豪華客船の乗船券や」
希「まさか…うち、渡し忘れてる?」
希「スピリチュアルやね!」
つづく
すごく励みになります。
頑張ります。
花陽「ううん。違うよ凛ちゃん、ここだよ」
凛「そうだったにゃ!で…えーっと…次はここを通ってここに行くにゃ!」
花陽「ううん、凛ちゃん。ここを通って…ここかな?」
凛「あっ、そっか!けど、ここの街に行くのにゃ?大きな山のトンネルがあるにゃ…」
花陽「この前の通った山よりこっちの山の方が大きいみたいだよ。前とは比べものにならないくらい大変かも…大丈夫かな…」
凛「大丈夫!凛とかよちんが力を合わせれば100人乗っても大丈夫にゃ!」
花陽「(百人力…ってことかな?)そうだね!がんばろう!」
凛「あれ?凛のすぐ隣にも洞窟があるよ?この洞窟はどこに繋がってるにゃ?」
花陽「この洞窟を抜けたら…地図でいうとこの街かな?」
凛「そこは新しい街?」
凛「博物館…1個目のジムバッジをもらったあの街のことにゃ?」
花陽「うん!どうだろ…見落としたところがあるかもしれないし、どうしようか?一度戻って細かく探索してみるのもアリじゃないかな?」
凛「ブルブルブルブルブル…」
花陽「り、りんちゃん!?どうしたの!」
凛「凛…あの街…もう行きたくない…博物館の呼子…ジムリーダーも含め…イミワカンナイ…ブルブルッ…」
花陽「(あの街で起こった事が凛ちゃんのトラウマになっていたなんて!)」
花陽「ごめん凛ちゃん!花陽が間違ってた!行かないよ?もうあの街には2度と行かないから!元気出して!」
凛「…本当に?」
花陽「うん!後戻りしないで気にせず先に進もう!…ね?」
凛「うぅ…かよちんありがとにゃ」
花陽「凛ちゃんに悲しい思いなんてさせないもん!」
凛「なんていい子にゃ…だいすきにゃぁ!!」
花陽「もう…凛ちゃんってばー」
花陽「本当だ…。木の向こう側に行かないと山のトンネルまで行けないよ…」
凛「じゃあかよちん、凛の背中に乗って」
花陽「ううん。今回はオコトワリシマス」
凛「えっ!?(もしかして…凛、嫌われた!?)」
凛「うぅ…かよちんに嫌われたら凛は…凛はぁ…」
花陽「違うよ!凛ちゃんのことは大好きだよ!」
凛「…じゃあどうして背中にのってくれないの?(ウルウル)」
花陽「元々、この木を切るのはスクモンの役目だよ!私が切らないと駄目なんだよ」
凛「けど…船の船長から何ももらってないにゃ」
花陽「大丈夫…花陽、貰ってなくてもできる気がします!」
凛「かよちん…(最近やる気で嬉しいにゃ!何か心境の変化でもあったのかな?)」
花陽「いきます!」
凛「うん!がんばれかよちん!(けどどうやって切るにゃ?歌やダンスで切れるわけないし…)」
凛「まさか…例のあの力を?だ、だめにゃ!かよちん!かよちんはアイドルだよ!たとえ木を切るためでも、あの力だけは使っちゃだめにゃ!」
花陽「ていっ!」
凛「…えっ?」
花陽「てい!(ポカポカ)」
花陽「ていてい!(ポカポカポカ)」
凛「(木をポカポカ叩いてるにゃ…)」
花陽「あ、あれぇ…?切れないよぉ…どうしてかなぁ?」
凛「(しかも悩んでる…。あの叩き方じゃ肩たたきでちょうどいい威力にゃ。)」
花陽「うぅ…もう一度!てい!(ポカポカ)」
凛「どうしよう…あのやり方じゃ絶対に切れないにゃ。止めた方がいい…でも!」
凛「とんでもなくかわいいからずーっとみていたいにゃ!」
凛「抱きしめたい!溢れるほどに…溢れるほどに!」
凛「だ、だめにゃ!かよちんの絹のように美しい腕が傷だらけになるにゃ!そんなことさせないもん!」
凛「やめるにゃぁぁ!(ギュッ)」
花陽「ぴゃあ!」
凛「もう充分だよ。凛が登って向こう側に連れて行ってあげるから…ね?」
花陽「ごめんなさい…」
凛「どうして謝るの?」
花陽「私…悪い子…スクモンなのに木も切れない…ごめんなさい…駄目な子でごめんなさい…」
凛「かよちんさ…それ、もうやめない?」
花陽「えっ…(凛ちゃん…すごく怒ってる)」
花陽「ごめんなさい…」
凛「じゃなくて!謝るのやめようよ!かよちん、何も悪いことしてないよ?」
花陽「けど…私…全然だめで」
凛「凛がいつかよちんのこと駄目だって怒ったの?今だって、木が切れないことで怒ってた?」
花陽「…ううん」
凛「そうだよね?凛はいつも通りにゃ!」
花陽「でも…まだ体もこんなに小さいし、野生のスクモンやトレーナーの人たちとまともにバトルしたこともないし、にこちゃんみたいにうまくできないし…」
凛「かよちん!」
花陽「うぅ…」
凛「にこちゃんは特殊!」
花陽「そうだけど…」
花陽「ごめんなさ…あっ」
凛「(ニコッ)」
凛「こんなに頑張った子を怒るなんてできないよ。むしろ褒めてあげたいにゃ。すごいよ、かよちん!(なでなで)」
花陽「(どうしよう…ダメダメなのに褒められてしまいました)」
花陽「嬉しいな…」
凛「キズぐすり持ってるから塗ってあげるね。すぐよくなるよ!」
花陽「…っくぁっ!」
凛「かよち……かよちんっ!どうしたの!」
花陽「む…むねがっ…くるし…うぅっ!」
凛「苦しいの?か…かよちん!しっかりするにゃ!待ってて!今ことりちゃんを呼んで…」
ポンっ
花陽「ふぅ…。心配かけてごめんね、おさまったよ」
凛「……」
花陽「凛ちゃん…?どうしたの?」
凛「かよちん…大きくなってるにゃ!」
花陽「?」
花陽「あっ…本当だ!すこし大きくなってる気がする…けど、なんでだろ?私、なにもしてないのに」
凛「それは…。か、かよちんが木を切るためにがんばったからにゃ!」
花陽「そうなのかなぁ…?」
凛「(また、バトルしないで成長した…。嬉しいけど…)」
凛「(絵里ちゃんがかよちんみたいに成長するスクモンはめずらしいって言ってた…。もし、今の出来事をUTX団が知ったらかよちんは…)」
花陽「ねぇ凛ちゃん…」
凛「…」
花陽「凛ちゃん!」
凛「へっ!?あ…な、なぁに?」
花陽「ごめんね…この服…胸のあたりが苦しいの」
花陽「凛ちゃん?」
凛「かよちんは発育が早い子にゃ…むしろ今の凛より…だ、だめにゃ!なにを気にしてるにゃ!」
花陽「凛ちゃん…?(にこっ)」
凛「と、とにかく服を買いに行くにゃ!」
・
・
・
~スクモンショップ~
店員「ありがとうございましたー」
花陽「わぁ!ワンピースだ!ありがとうね、凛ちゃん!(くるくる)」
凛「…(もし、かよちんが狙われたら…凛は…)」」
花陽「凛ちゃん?」
凛「(なにを悩んでるの?凛が命をかけて守ればいいだけの話にゃ!なにかあったら凛が…なんの力も持たない凛がかよちんを守れるの?)」
花陽「凛ちゃん…?凛ちゃん!」
凛「へっ?あ…うん。すっごく似合ってるにゃ!」
花陽「本当に?ありがとう!」
凛「じゃあ行こうか」
花陽「待って!」
花陽「凛ちゃんも…それ、やめてほしいな」
凛「ご、ごめん…。どうしたの?いこうシャー!」
花陽「語尾の話じゃなくて…。シャー…?へびかな…じゃなくて!隠し事するのやめてほしいの!」
凛「え…えぇ?凛、なにもかくしてないワン」
花陽「…ううん。UTX団の一件があってから、凛ちゃんはずっと何か隠してる。知ってるよ?」
凛「う、うん…。」
花陽「私には話せないこと?」
凛「(凛が弱気だとかよちんを不安にさせるだけにゃ。凛がしっかりしないと!)」
凛「もう…なんでもないワン!ちょーっと今晩食べるラーメンのこと考えてたワン。凛はラーメンが大好きにゃ!」
花陽「ラーメンが好きなのは本当だもんね…(ニコッ)」
凛「にゃ?」
花陽「話してくれないんだね。」
凛「話すもなにも…話すことなんてなにもないワン!ねぇ、先に進もう?ね?」
花陽「分かりました」
花陽「凛ちゃんが隠し通すなら。花陽、勝手にします」
花陽「いってきます」
凛「ちょっ!どこにいくのかよちん!!」
・
・
・
凛「かよちん…(さっきの木の前まで来たけどなに考えてるにゃ?)」
花陽「はぁぁ!」
ドンッ
凛「かよちん!(木に思いっきりぶつかりにいったにゃ!)」
花陽「…ったぁ」
凛「かよちん駄目だよ!怪我しちゃうよ!ほら、凛と一緒に」
花陽「離してください!(ペシッ)」
凛「えっ…かよちん?」
花陽「凛ちゃん…嘘つく。隠し事してる!私は凛ちゃんのパートナーなのに…それなのに!」
ドンッ
凛「かよちん!だめだよ!本当に怪我しちゃう!」
花陽「怪我したっていい…絶対にあの木を切るもん!切ったら全てを話してもらう!花陽はこんなに強いんだよって…何があっても耐えられるから平気だよって!」
花陽「私が小さいから…弱いから…アイドルとして全然だめだから信頼されないんだもん!だから…あの木を切る!」
ドンッ
花陽「…ぃったぁ」
凛「ほら血が出てるにゃ!もういいよ、かよちん…スクモンセンターに行こう…ね?」
花陽「いやだ!」
凛「かよちん!」
凛「それは…かよちんを不安にさせたくないからで…」
花陽「私は凛ちゃんに信頼されてないんだね…」
凛「そんなことないよ!ただ、かよちんにはいつも通りでいてほしいから!」
花陽「いつも通りでなんていられないよ…だって、凛ちゃんが悩んでるんだよ?苦しんでるんだよ?」
凛「凛のことは気にしなくていいにゃ!」
花陽「無理だよ…だって、凛ちゃんのことが大好きだから」
凛「……」
花陽「大好きで大好きで…だから、隠し事をされてるのが本当に悲しくて…」
凛「凛も…かよちんのことが大好きにゃ」
花陽「…ありがとう。すごく嬉しいな」
凛「大好きだから…だから!」
花陽「じゃあ答えて?凛ちゃんが逆の立場だったらどう思う…?」
凛「凛は…」
凛「…」
花陽「凛ちゃん…?」
凛「……UTX団の綺羅ツバサさんは…凛たちが目指してるスクモンマスターだよ」
花陽「うん…それで?(ギュッ)」
凛「…んっ(あったかいにゃ)」
凛「…ってスクモンが力を使って……それで……があって、……………それで、みんなで闘って……でも、仲間が犠牲になって……それなのに周りからは………って言われて」
花陽「うん…そうだったんだ。話してくれてありがとう」
凛「それだけじゃなくて!」
花陽「うん…?」
凛「にこちゃんはすぐ最終形態にまで進化した特別なスクモンで…調査のする為に襲ったとしたら、次に狙われるのはかよちんかもしれないって…絵里ちゃんに言われて」
花陽「そっか…」
凛「凛…どうしていいか分からなくて」
花陽「うん…」
凛「不安で…かよちんが危険な目にあったら…凛は!」
花陽「大丈夫だよ」
凛「かよちん…」
花陽「さっきはひどいこと言ってごめんね…許してくれる?」
凛「許すも何も!悪いのは…凛だし…」
花陽「ううん…凛ちゃんは悪くないよ。ねぇ、凛ちゃんは何があっても私の側にいてくれる?」
凛「そんなの当たり前にゃ!」
花陽「なら…大丈夫かな?凛ちゃんが近くにいてくれて…応援してくれるだけで花陽は頑張れるんだよ?」
凛「凛は応援するだけでいいの?」
凛「かよちん…」
花陽「私はあんじゅさんと同じ力を持ってる…。けど、この力で誰かを傷つけたりはしない。私はアイドルとして闘う。もし襲われても、この前みたいに歌って追い返しちゃうんだから!」
花陽「こんな風に歌って追い返しちゃうよ!ぴゃぁーぴゃぁぴゃぁぁぁ♪」
凛「かよちん…そうだね。かよちんはすごい子なんだもんね?大船に乗ったつもりで構えておくにゃ!」
花陽「うん!」
凛「いつの間にか…かよちんはこんなにも成長してたんだね」
花陽「うん!まだ子供だけど大きくなったし、歌もダンスもまだまだだけど…うぅ、成長してるのは体だけかもしれない」
凛「ふむふむ…確かにそうかもしれないにゃ」
花陽「うぅぅ…」
凛「嘘にゃ」
花陽「はっ!?うぅ…凛ちゃんのいじわる…」
凛「さてと、早くスクモンセンターに行くにゃ。さっき治したのにまた傷だらけだよ?」
凛「平気じゃないよ!早く消毒しないとばい菌がはいるにゃ!」
花陽「ううん。私は、あの木を倒してみせます!これはけじめだもん!」
凛「かよちん…」
花陽「倒すまで帰りません!」
凛「じゃあ…(ギュッ)」
花陽「えっ…」
凛「凛も一緒にやるにゃ!」
花陽「凛ちゃんはだめだよ!怪我しちゃうよ?」
凛「それは凛が散々かよちんに言ってた言葉にゃ」
花陽「あっ…」
凛「もう、ずっと一緒にゃ。何があっても…2人で乗り越えよう。ううん!凛とかよちんなら乗り越えられる!だって、百人乗っても大丈夫にゃ!」
花陽「うん、そうだね!百人力だね!」
凛「じゃあ…いくよ?」
花陽「うん!」
凛・花陽「せぇぇぇの!!!」
ブルゥゥゥンブルブルブルンブルゥゥンブン!!
凛「な、なんにゃこの音!」
花陽「ひぃぃ!」
ギィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!
凛「えっ…」
バタンッ!!
凛「木が切れたにゃ!」
花陽「どうしてなの!?」
トレーナー1「ふぅ…お疲れ」
スクモン「ヘイヨ!」
トレーナー1「しっかし船長も木を切る道具だからってアイドルにチェーンソー渡すかね」
スクモン「ソウダネ! ソンナアイドルイナイネ!」
トレーナー1「ひでんマシンならまだしもチェーンソーって…なぁ?」
スクモン「マッタクダネ!」
トレーナー1「…ん?あそこにいるあいつらスクモントレーナーか?だったら勝負挑んで…」
凛「えっ!恥ずかしいにゃぁ…とってとって!」
花陽「はい、とれたよ」
凛「わぁ!ありがとにゃ!(ぎゅー)」
花陽「ぴゃあ!」
凛「んっ?もしかしてかよちん…大きくなって抱き心地感がアップしてるにゃ?何度も抱きしめちゃうにゃ!」
花陽「もう、凛ちゃんってばー」
トレーナー1「(なんだ年の差カップルか…つかイチャイチャしやがって。ネギトロ丼に間違えてソースかけてしまえ)」
トレーナー1「ほら戻るぞ!この洞窟抜けて戻ってフラッシュ受け取りにいかねーと山越せねーよ」
スクモン「ソウダネ!」
凛「…な、なんだったにゃ」
花陽「あの木はあの道具で切るんだね…」
凛「船長もなんて物をスクモンに渡すにゃ…ちょっとびっくりにゃ」
花陽「そういえばあのトレーナーさんたち、洞窟に入っていったね?フラッシュがどうとか言ってたけど…」
凛「ブルブル…あの洞窟の先……博物館の…呼子…」
花陽「大丈夫!大丈夫だよ!私たちはあそこにはもう行かないよ!」
凛「ありがとうにゃ…うぅ」
花陽「(よっぽど怖かったんだね…)木も倒れたことだし、早く先に進もうか」
花陽「へっ!?」
凛「かよちんの手当が先でしょ!早くスクモンセンターに行くにゃ!」
ひょいっ
花陽「ぴゃあ!」
凛「良かった。まだ抱っこできるね」
花陽「この抱っこは…うぅ…」
凛「にゃ?」
花陽「無意識でやっちゃうの?凛ちゃんってばぁ…」
凛「とにかく手当にゃ!」
花陽「おまたせ!」
凛「うん、大丈夫?」
花陽「うん!すっかり良くなっちゃった」
凛「良かったにゃ…もう無理はやめて…ん?機嫌よくないかにゃ?なにかあったの?」
花陽「あのねー、ことりちゃんが…」
凛「ことりちゃん何か言ってたかにゃ?」
花陽「うーんと…ふふっ。秘密だよ」
凛「えぇ…ずるいにゃー。それも隠し事にゃ!」
花陽「ごめんね…けど、凛ちゃんに言ったらおまじないの効果が無くなっちゃうもん」
凛「おまじない?…まぁいいにゃ。じゃあ、行こうか!」
花陽「うん!」
凛「次の街まで一気でいっくにゃぁぁ!」
花陽「ぴゃあ!」
・
・
凛・花陽「……」
凛「凛たち、スクモンセンターに行って戻って来るまでほんの数分だったよね?」
花陽「うん」
凛「さっぎで木は無くなってたよね」
花陽「うん」
凛「木の成長早すぎにゃ」
花陽「モウノビチャッタノォ!?」
つづく
楽しみにしてるで
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