【ラブライブ！】絵里「うるさい同級生」

絵里「おまたせ希」

希「お、ありがとエリち」

絵里「何見てるの？」

希「夏休みの時の合宿の写真」

絵里「あら、懐かしいわね。私にもみせて」

希「ええよ」

希「ごく……ふぅ。あったかいなぁ」

絵里「ふふ、なんだかいいわね。これ」

希「こう寄り添い合ってココア飲む度に、エリちに出会ってよかったって思ってる」

絵里「そう？それは光栄ね」

希「そういうやこのココアがきっかけやったね」

絵里「きっかけ？」

希「エリちと話すようになったの。て言ってもウチが一方的にだったけど」

絵里「そうだったかしら？」

希「忘れたん？あれは入学してすぐのころ──── 」

──── ☆────

希「絢瀬さーん！」

絵里「なんですか？」

希「今日日直だよね？そのプリント運ぶの手伝うよ？」

絵里「結構です。ひとりでも運べる量だから」ﾃｸﾃｸ

希「もー絢瀬さーん！待ってー！」

絵里「…………」ﾃｸﾃｸ

希「ねぇ絢瀬さん。手伝うってばー。ううん、手伝わせてー」

絵里「…………」

希「あれ？もしかして怒ってる？なにかあったん？」

絵里「別に怒ってません」

希「うそやん。ぜったい怒ってる。もしかして変なのに付きまとわれたり？」

絵里「……ええ、そうですね。うるさい同級生に絡まれて迷惑はしてます」

希「大変やねー」

絵里「」ｲﾗｯ

絵里「あなたのことですっ！もう、かかわらないで！」

ｽﾀｽﾀ

希「くすっ……意地っ張りやね」

──── ☆────

絵里「ふう………」ﾃｸﾃｸ

絵里「ええと………」

希「そこの自販機、ココア売り切れてるよ？」

絵里「あなた……」

希「一年生のみならず、上級生すら惹きつける皆の憧れの的。クールビューティーなクラス委員の絢瀬っちも、こういう甘いものが好きなんやね」

絵里「なにか用ですか？」

希「これ。あげる」

絵里「それ……」

希「絢瀬っちが買おうって思ってたココア。ちょうど最後だったんよ」

絵里「結構です」

希「もらってよ」

絵里「何度も言わせないで。結構よ」

希「もらってくれんやったら、何のために買占め……けふんけふん」

絵里「あなたまさか……」

希「ううん。冗談冗談。本当にたまたま買って、最後だったからラッキーやん！って思ってたんよ」

絵里「……とにかく要りません。あなたが飲んで」ｽﾀｽﾀ

希「あ、ちょっと待ってよー。絢瀬っちー」

──── ☆────

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

希「あやっち。お昼一緒に食べよ？」

絵里「………」ｲｿｲｿ

希「ふふ、今日はどこで食べるん？」

絵里「………」ｽｸｯ

ﾃｸﾃｸ

希「お、今日は外なん？中庭？屋上？」

ﾃｸﾃｸ

希「くすっ、今日は中庭かぁ」

絵里「はぁ……あなた。本当にしつこいわね」

希「ん？なにが？」

絵里「「いえ、なんでもないわ」

希「隣座るなー？」

絵里「別に、隣に誰が来ても私には関係ないわ」

希「じゃあ遠慮なくー」

希「おお、今日もあやっちのお弁当おいしそうやね」

絵里「………あなたのはいつもと変わらないわね」

希「作るのめんどうやしね」

絵里「そう」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

希「ふふふ、スキありっ！」ﾊﾞｯ

絵里「あ、ちょっと。私の玉子焼き…！」

希「玉子焼きがウチに食べてほしいって言ってたんよー」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

絵里「何を適当な事を……」

希「あれ……？あやっち。もしかしてこれお塩で作ってる？」

絵里「？ええ、そうだけど」

希「へぇー…これが、そうなんやー」

絵里「何よ。今日はいつにも増しておかしなこと言うわね」

希「はい。あやっち」

絵里「……なによ？」

希「ウチが作った玉子焼き。食べてみて？」

絵里「………ぱく」

絵里「もぐもぐ…………甘いわ」

希「ウチの家じゃ玉子焼きはお砂糖使ってるんよ。甘くて美味しいやん？」

絵里「お菓子…？」

希「違うよー」

絵里「そう。………でもこれはこれで美味しいわね」

希「あやっち好きなら、また作ってくるな？」

絵里「………たまにならいいわよ」

──── ☆────

ｶﾞﾁｬ

ﾄﾞｻﾄﾞｻ

絵里「はぁ……」

希「わぁー。女子高のバレンタインってこういうもんなんやね」

希「いいなぁ。さてさてウチは……」ｶﾞﾁｬ

希「はぁ……残念。何も入ってない」

絵里「欲しいの？あげるわよ」

希「ううん、それはだめ。それはあーやを想ってあーやの為に用意された物だから」

希「ウチがその子の想いを受け取ることはできんよ」

絵里「………」

希「どうしたん？」

絵里「いえ、いつもおちゃらけてるあなたからそういう言葉が出てくるなんて意外で…」

希「ウチも言うときは言うよ？」

希「だから……」

希「あーやはその子らの想いちゃんと受け取ってな？」

絵里「………どういうこと？」

希「もちろん全部完食、やね。生徒会の仕事やってるときにおやつで食べよ？」

絵里「結局食べるんじゃない」

希「まずはエリちが想いを受け取って、受け取り切れない部分をウチがお手伝いや♪」

絵里「……あなたって、なんだかんだでいい加減ね」

希「それがウチのいいところ」ｸｽｯ

──── ☆────

絵里「………」ｶｷｶｷ

希「はい、エリっち。ココア」

絵里「ありがとう東條さん」

希「どう？終わりそう？」

絵里「そうね。東條さんがまとめてくれたおかげで思ってたより早く終われそうよ」

希「そうなん？ふふ、頑張ったかいがあったよ」

絵里「ごく……ふぅ」

希「あと一息、やね」

絵里「ええ。あ、東條さんちょっといいかしら？」

希「そこの書類を職員室に、やね」

絵里「あなたって本当すごいわ。まるで超能力者みたい」

希「色々と頑張ってるんよ」

絵里「本当に助かるわ。ありがとう」

希「好きでやってるんだからお礼なんていいってー。あ、そうだ」

希「エリっち。この後少し時間もらえる？」

絵里「？ええ、大丈夫だけど」

希「ちょっと行きたい所があるんよ。付き合って」

絵里「どこにいくの？」

希「くすっ、着いてからのお楽しみ♪」

──── ☆────

希「おっ、あったあった」

絵里「あの車？」

希「うん。最近話題の移動式のクレープ販売のお店」

希「クラスの子が話してて気になってたんよ」

絵里「くれーぷ？」

希「…………いやいやいや、まさかエリっちクレープ知らないって事は…」

絵里「…………」

希「………とにかくいこっか」

「いらっしゃいませー」

希「わぁー。いっぱい種類あるんやねー。迷うなー」

希「エリっちどれがいい？」

絵里「ええと………」

希「………」

絵里「………なに？人の顔じろじろ見て」

希「ううん。こんな顔もするんやねって」

絵里「なによ。変な顔してた？」

希「べっつにー。あ、ウチこれにしよっと」

絵里「なによもう………ええと、私はこのチョコレートのください」

希「お、それウチも気になってたんよ」

絵里「そうなの？」

希「なんか気があうなー」

絵里「………そうかしら？」

「お待たせしましたー」

希「ありがとー」

希「さ、エリっち食べよ？」

絵里「…………えと、東條さん。これどう食べるの？」

希「ん？かぶりつくんよ。こうっ」ﾊﾟｸｯ

絵里「あっ、私の…！」

希「ふふ、やっぱり。ウチの思ってた通りおいしーい♪」

絵里「ちょっと、東條さん！」

希「ごめんて。ウチの食べていいから。はい」

絵里「………ぱく」

希「どう？」

絵里「甘くて美味しい…！」

希「くすっ、よかった」

希「エリっちって甘いもの好きやん？クレープとかも好きなんかなって思って」

絵里「私好きって言ってたかしら？」

希「ううん。ただ、時々お菓子持っていくと、とっても美味しそうに食べてたから」

絵里「よく見てるのね。東條さんって」

希「希」

絵里「え？」

希「そろそろ希って呼んでもいいんよ？ウチもエリっちって呼んでるし」

絵里「それはあなたが勝手に………！」

希「お試しでいいから、希って呼んで？」

絵里「…………それじゃあ」

絵里「…希」ﾎﾞｿｯ

ﾋﾟｯ

絵里「え、ちょ、なにしてるのよっ」

希「思い出に。ほら」

ﾋﾟｯ

絵里『…希』

絵里「ちょ──── 」ｶｱｧ

絵里「そ、それ消してっ！消しなさいっ！」

希「ふふ、慌てるエリっち初めて見た」

絵里「いいからっ！早くそれ消して！」

希「えー…どうしよっかなー」

絵里「もうばかーっ」

希「ごめんてエリっち」ﾃｸﾃｸ

絵里「………」ﾃｸﾃｸ

希「ごめんってばー。ほら、チョコクッキー食べる？」

絵里「いらない」

希「あ、それじゃあ美味しい和菓子屋教えるから許して」

絵里「………」

希「ほら、そこの角曲がったところにある穂むらってお店なんだけど」

希「そこの和菓子が絶品なんよ。最近知ったんだけど、もうこれないと生きていけないってくらいに美味しくて」

希「どれもいいんやけど、ウチのオススメはおはぎ。適度な甘さで何個でも入りそうで」

絵里「………」

希「………ちょっと寄ってみる？」

絵里「………」ﾃｸﾃｸ

希「……もう、ホントごめんってー」

絵里「早くしなさい」

希「え？」

絵里「早くしないとおはぎ売り切れてるかもしれないじゃない」

希「エリっち聞いてたん？」

絵里「あなたが隣で言ってたから聞こえてるに決まってるじゃない」

絵里「ほら、案内してよ。のっ………のぞみ」

──── ☆────

絵里「私、そんなにツンツンしてたかしら？」

希「そりゃもう。花陽ちゃんやことりちゃんが泣き出しそうなくらいには」

絵里「なによそれ」

希「でもまぁ、色々あったんやねー」

絵里「そうね」ｺﾞｸｯ

絵里(ココアに玉子焼きにクレープにおはぎに………あれ？もしかして私って希に餌付けされてる？)

希「あーなんか話してると甘い物食べたくなってきた」

希「エリち。今から何か甘い物食べにいこ？」

絵里「今から？結構時間遅いわよ」

希「もしかしたらまだどこか開いてるかもやし」

希「もし閉まってても、どこかのお店でご飯も悪くないやん？」

絵里「なんだか…私と希って食べ物ばっかりね」

希「そう？……そうかな？」

絵里「あなたと一緒にいると、つい体重を気にしちゃうわ」

絵里「でも……」

希「でも？」

絵里「楽しくていい事ばっかり。あの時しつこく構ってくれてありがとうね」

希「エリちは意地っ張りやったからね。大変やったよ」

絵里「くすっ、お疲れ様。うるさい同級生さん♪」

絵里「さぁ、行きましょう。早くしないと本当にお店閉まっちゃうわ」

希「そうやね。あ、そうだ。この前花陽ちゃんにお店紹介してもらったんよ。そこいこっか」

絵里「ええ、いいわよ。案内はよろしくね。希」

おしまい

最後まで読んでくれてありがとうございます。
約3か月ぶりののぞえりです。
のぞまきやのぞうみに浮気気味ですが、やっぱりのぞえりもいいですよね。

なんで呼び方を少しずつ変えていったの？

親密さの変化じゃない？

親友してるのぞえりも最高ですわ

乙やな

すばらしい

あぁ…浄化される…満たされていく…
(´・ω:::::…. .ｻﾗｻﾗ